05/04/20 22:12:52
age
401:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/20 22:27:09
そういえば
LRSで泣けるほど感動した作品はあるが、LASでは一個も感動して泣いたってのが
ねぇや
402:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/20 22:34:03
>>401
remembranceは?
403:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/20 22:37:06
>>401
もしかして「アスカを訪ねて三千里」で泣いた俺ってやばいのか?
404:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/20 22:44:55
LASの人は帰ってくんない?うざい。
405:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/20 23:12:53
話すならつーか該当スレでしようっての
おすすめLRS小説を教えてください 8
スレリンク(eva板)
406:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/21 00:45:29
投下マダー?
407:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:05:41
ある日曜日の朝、今日は久しぶりに家族全員が家にいた。
みんなどこかに行く様子も無く、ただのんびりとすごしている。
シンジは自室のベットで仰向けになり、天井を見つづけていた。
横に寝返りを打つと、目線の先にレイが机に向かって、いつものように本を読んでいる。
彼女が自分の髪をかきあげた。
細い髪の毛がふわっとゆれる。
凛とした表情に、目線は一点を見つめている。
その眼は、恐ろしく澄んでいた。
シンジはそんな彼女の横顔が好きだった。
コンコン
ドアをノックする音がした。
「はい。」
シンジはベットから起き上がった。
しばらくそのままの状態で待っていたが、ドアが開く様子は無い。
「・・・あれ?」
シンジは不審に思い、立ち上がってドアを開けた。
ガチャ
ゲンドウの顔がすぐ目の前にあった。
「うわぁ!」
シンジは驚いて後ろに飛びのいた。
408:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:06:32
ゲンドウはじっとその場で立ち尽くしている。
「な・・・なんだ、父さんか・・・。」
シンジは胸をなでおろした。
「・・・何ですぐに開けなかったの?」
するとゲンドウは、珍しくあせった様子で、
「い・・・いや・・・その・・・なんだ・・・シンジ達がお取り込み中だったらまずいとおもってな・・・。」
と言った。
その言葉の意味が一瞬わからなかったが、すぐに気づいて、
「なっなんだよそれ!僕たちは別になんでもないよ!」
とシンジは少し恥ずかしくなって声を荒げた。
少しレイの方をうかがったが、彼女は何も気にしてない様子で本を読みつづけていた。
「そ、そうか。・・・それなら問題ない。」
「で、何のよう?」
「うむ、シンジ、今日は暇か?」
「うん、暇だけど。」
「そうか・・・。」
ゲンドウは少し間を置いて言った。
「シンジ、すまないが本を買いに行ってほしいんだが・・・。」
「本?本屋ならすぐ近くにあるじゃないか。」
「・・・専門的な本だからな・・・規模の大きい書店に行かなければ・・・。」
409:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:07:17
「そっか・・・。けど、父さん今日休みなんでしょ?自分で行けないの?」
「うむ・・・。私はそうしたいんだが、あいにく大量の論文に眼を通さなければいけないからな・・・。」
「そう・・・じゃ、仕方ないね。僕が行ってくるよ。」
「そ、そうか・・・。」
そう言うとゲンドウはポケットからメモを取り出した。
「ここに書いてある題名の本なんだが・・・。」
「なになに・・・。」
シンジはメモを受け取って目を通した。
「・・・形而上生物学についての考察・・・何か難しそう・・・。」
書店の場所は新宿駅のすぐそばだった。
シンジの自宅からでは電車で2時間ほどかかる距離だ。
(2時間なら昼飯を食べた後でも大丈夫かな・・・。)
シンジはそう思いながらゲンドウの頼みを承諾した。
410:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:08:03
昼食の時間になったが、ゲンドウは一人書斎に閉じこもっていた。
ユイはそんなゲンドウを何度も呼んだがついに彼が出て来ることは無かった。
ゲンドウを除く3人の食事の中で、シンジが本を買いに行くと言うことをユイに話した。
「あら、シンちゃん新宿まで行くの?」
「うん、そうだけど・・・。」
シンジがそう言うと、ユイは手を合わせて
「ちょうどよかったわ。今、そこの百貨店でセールやってるのよ。ついでに服買ってきてくれないかしら?」
「え?別にいいけど・・・。」
「そう、じゃあとりあえず・・・シンちゃん、自分の服を買ってくるといいわ。」
「え?母さんの服は?」
「私は自分で服を選ぶタイプだから・・・。私のはいいわ。」
すると、ユイは何か思いついたような顔をしてレイの方をみた。
「レイちゃん、あなたも一緒に行ったら?」
「・・・いかない。」
黙々と食べていたレイが箸を置いて言った。
「あら、どうして?あなたも自分の服を買ってもいいのよ?」
「・・・いかない。」
ユイは少し考えるようなしぐさをした後、口を開いた。
「・・・シンちゃんと一緒なのがそんなに恥ずかしい?」
「・・・違う。」
411:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:08:48
「ホントに?」
ユイは疑うようにして顔をレイに近づけた。
するとレイは顔をうつむけてしまった。
そんな彼女の様子に、ユイは軽く息を吐いた。
「・・・ふぅ、しょうがないわね。シンちゃん、レイの分も買ってきてちょうだい。」
「え?・・・でも。」
「仕方がないわ。セールも今日までだし・・・。」
「・・・わかりました。」
するとレイがまた箸を置いて、
「・・・碇君が選ぶの?」
と口を開いた。
「え・・・うん・・。」
「・・・やっぱり行く。」
「え?」
「そう、よかったわ。」
ユイはホッとしたように胸に手を当てた。
412:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:09:32
「ちょ、ちょっとまってよ。綾波、それってどういう意味?」
「・・・碇君のセンスは・・・信用できない・・・。」
「なっなんだよそれ!そういう綾波だってどうなのさ!」
「・・・碇君よりはマシ・・・。」
「ハイハイ、二人とも、兄妹ゲンカはそこまでにしなさい。」
「だって綾波が・・・。」
「・・・ごちそうさま。」
レイはそう言うと、さっさと部屋に向かってしまった。
「待ってよ!あ、僕もご馳走様。」
シンジも箸を置いて彼女の後についていった。
そんな二人の後姿を、ユイはじっと見つめていた。
「・・・もうすっかり兄妹らしくなったわね・・・。」
ユイは少し笑った。
413:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:10:18
シンジは自室のドアの外に立っていた。
(綾波おそいなぁ・・・)
レイは、着替えるからと言ってシンジを追い出してから、もう10分も部屋から出てこない。
シンジはドアノブに手をかけた。
そして開けようとした瞬間、
(ちょっと待てよ・・・もし綾波がまだ着替えてたら・・・。)
と、考えて、動きを止めた。
しかし、シンジの心のどこかであけて見たい気持ちがあった。
そんな自分の気持ちに気づくと、シンジは恥ずかしくなった。
(何を考えてるんだ僕は・・・。)
シンジは頭を振った。
(そういえば、綾波が外出用の服を着たとこ、見たこと無いな・・・。)
ガチャ
ドアが開いた。
「あ・・・。」
彼女の冷たい目線を感じた。
「・・・何をしてるの?」
「いや・・・これは・・・。」
といってシンジは顔を上げてレイの姿を見た。
「・・・また覗こうとしてたのね・・・。」
414:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:11:02
シンジは彼女を見たまま動かない。
レイは不思議そうに彼を見た。
それでもシンジは動かない。
レイは白いブラウスに、青色のチェックのスカートというシンプルな服装だった。
だがそれは、彼女の清楚な魅力を十二分に引き出していた。
シンジはそんなレイの姿に目を奪われていた。
「・・・碇君?」
彼女に呼びかけられて、シンジは我に返った。
「あっ、ごっごめん。」
「・・・どうしたの?」
「あ、うん。綾波のその格好、すごくかわいいなって・・・。」
シンジは少しあせっていたのか、思わず本音が出た。
415:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:11:47
「・・・えっ。」
シンジのその言葉に反応して、レイはすぐに顔を真っ赤にした。
そしてうつむきながら、
「・・・何を言うのよ・・・。」
と口を開いた。
「うん、ごめん・・・。」
シンジも自分の行ったことに気づき、恥ずかしくなってしまった。
「その・・・あの・・。」
何とかこの場の空気を変えたいと思っていたが、シンジはなんといって良いかわからなくなってしまった。
するとレイがシンジの腕をつかんだ。
彼女の甘い香りがふっとシンジを包んだ。
「・・・行こ。」
「あ・・・うん。・・・そうだね。」
レイはシンジの脇を通り過ぎて足早に玄関に向かった。
そんな彼女の後姿を、シンジはかわいいと思いながらずっと見つめていた。
416:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:12:32
二人が出かけた後、ユイはコーヒーを片手に書斎のドアの前に立っていた。
ドアを2、3回軽くたたいた。
「あなた、入るわよ。」
返事は無かった。
ユイは軽くため息をついて、ドアを開けた。
そこにはゲンドウの後姿があった。
机に向かって何かを読み込んでいるようだった。
ユイはゆっくりとゲンドウに近づいた。
「・・・あなた、コーヒーが入りましたよ。」
ゲンドウは動かない。
「・・・あなた?」
ゲンドウは聞こえてないようだった。
「・・・ふぅ。」
ユイはゲンドウの脇にコーヒーを置いた。
すると、ゲンドウは初めて気づいたように、
「あぁ、ユイか。」
と言った。
「あなた、私がいつからここにいたか、わかる?」
「うむ・・・。」
ゲンドウはわからないといった様子でコーヒーを一口飲んだ。
417:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:14:01
するとユイはクスリと笑った。
「まったく・・・変わってないわね・・・。」
そういうとユイはゲンドウの背中に覆い被さって、腕を彼の首に回した。
「・・・どうした?ユイ。」
「ううん。なんでもない。」
「・・・そうか。」
ユイは自分の顔をゲンドウの顔にすり寄せた。
「ねぇ、あなた・・・。」
「・・・何だ?」
「シンジ君とレイちゃん、うまくやっていけるかしら・・・。」
すると、ゲンドウは少し考えてから、
「・・・さあな。」
と言った。
「あら、意外とそっけない父親ね・・・。」
「・・・あの二人なら、今のところ問題ないだろう・・・。」
「・・・そうね、シンジ君の性格は、あなたに全然似てないから大丈夫ね・・・。」
ゲンドウはそんなユイの言葉に返事をしないで、黙々と目の前の紙に目を通していた。
ユイは再びクスリと笑った。
「怒った?」
「・・・いいや。」
418:先生 ◆jisaITln1s
05/04/22 01:14:53
「そう、ならいいんだけど・・・。」
ユイはゲンドウが手にしている紙にちらりと眼をやった。
「・・・何を読んでるの?」
「・・・学生の論文だ。」
「ふーん・・・どうなの?最近の学生は?」
「・・・どれも、どこかの学者の論文を引用した言葉をつなぎ合わせているだけだ・・・。面白くない・・・。」
ゲンドウは手にしていた紙の束を机に置いた。
「・・・ユイ。」
「・・・何?」
「・・・おまえには苦労をかけたな・・・。」
「・・・それはお互い様よ。」
「・・・そうか・・・。」
二人はそのままの格好で、黙ったままだった。
しばらくして、ユイが口を開いた。
「・・・こうやって、二人きりでいるのは久しぶりね・・・。」
「・・・そうだな。」
「・・・あなた。」
彼女の呼びかけに、ゲンドウは少し後ろに振り向いた。
ユイは顔を近づけて、彼の唇に自分の唇を重ねた。
おわり
419:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 01:56:18
GJです。
なんかいい感じですなぁ。
420:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 07:32:47
乙!
ほのぼのキター!
421:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 15:24:50
イヤッホーイ!! やっと投下きたぜ。待ちくたびれてたところだよ先生。乙!!
422:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 16:07:42
お疲れ様でした。ほのぼのして良い感じですね。しかし、ゲンドウとユイはなんか
過去に有った様子で興味深いところです。
423:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 18:11:17
禿萌
424:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 18:50:30
グッジョブ!!
(・∀・)イイネ!!
425:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 18:58:46
かゆい
426:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/22 21:05:07
うまい
427:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/23 00:10:44
イキがいいSS、ぐっじょぶです
いわゆる乙
428:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:30:01
影になった坂道に沿って、シンジはレイから3メートルほど後ろを駅に向かって上っていた。
上からこっちに向かって車が降りてくる気配がしたので、思わず顔を上げた。
車はシンジの脇を通り過ぎて、下に向かって走っていった。
シンジは無意識に車を目で追っていたが、それが見えなくなると、再び前を向いて歩き出した。
レイとの距離は少しばかり広がっていた。
シンジは歩く速度を上げて距離を縮め、ある程度近づくと、また元のペースに戻した。
彼女と肩を並べて歩くことは、シンジにとって恥ずかしかった。
家を出てから、シンジは自然と彼女の後に従っていた。
歩きながら、レイの傍に行こうか、とも考えた。
しかしそうすると、会話が続かなくなって、気まずくなる事は目に見えている。
さらに、近頃シンジは、彼女のそばにいると、胸が締め付けられるように苦しくなる。
理由は自分でもよく分からなかった。
顔を上げて、レイの後姿をみた。
彼女はわき目を振らず、ただまっすぐと目的地に向かって静かに歩いている。
細く華奢な体は、儚い印象を受けるが、どこか人を寄せ付けない雰囲気があるとシンジは感じた。
そんなことを考えながら歩いていると、目の前でレイが突然立ち止まり、辺りを見回しているのが目に入った。
どうしたんだろう、とシンジは不思議に思い、彼女に近づいた。
シンジは後ろから、
「どうしたの?」
と声をかけた。
429:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:31:48
そういえば家に出てから初めて彼女に話しかけたな、とシンジは思った。
レイはゆっくりとこちらに顔を向けた。
細い髪の毛が風でゆれる。
その澄んだ瞳はまっすぐシンジに向いていた。
シンジは息を飲んで、思わず目線をそらした。
「碇君・・・どっちに行けばいいの?」
ささやきかけるように言った。
シンジは顔を上げて前を見ると、先の道が二つに分かれている。
「あ・・・ああ。こっちだよ。」
と言ってシンジは彼女より先に前に進んだ。
レイは彼のすぐ後に従った。
後ろを振り返らなくても、すぐそばに彼女がいることを、シンジはハッキリと感じていた。
体の右側がじんわりと熱くなってくる。
加えて自分の息も少し荒くなった感じがしてくる。
耐え切れなくなって、シンジは歩く速度を上げた。
少しでも彼女から離れたかった。
レイのそばにいることは、シンジにいいようのない苦しみを与えていた。
430:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:33:11
しばらくして、シンジは突然誰かに腕をつかまれた。
おどろいて立ち止まり、横に目をやると、レイが息を弾ませてシンジの右腕をしっかり握っていた。
「ど・・・どうしたの?綾波。」
シンジが尋ねると、彼女は上気した顔をゆっくりと上げた。
うっすらと赤くなった顔に、シンジは少しドキリとした。
「ハァ・・・ハァ・・・。碇君・・・歩くの・・・速い。」
レイは息を整えるように途切れ途切れに話した。
「そ、そうだったかな・・・。ゴメン・・・。」
「もう少し・・・ゆっくり・・・歩こ。・・・急がなくても・・・大丈夫・・・だから。」
「そ、そうだね・・・。」
シンジが再び歩き出すのに合わせて、レイも歩き出した。
腕はつかまれたままで、シンジは戸惑った。
すぐ離すと思ってただけに、心の負担は大きかった。
手の平がうっすらと汗ばんできた。
胸の鼓動が大きくなってくる。
シンジは唾を飲み込んだ。
チラッと彼女の方を見ると、レイは気にしてないようにまっすぐ前を見て歩いている。
シンジは手をギュッと握った。
このままの状態が続くことに耐え切れなくなった。
431:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:34:13
「・・・あのさ。」
歩きながらシンジは言った。
「・・・何?」
レイは少し首を傾けて、その大きく澄んだ目をシンジの方に向けた。
そのしぐさが、なんともいえず、可愛らしく写った。
一瞬、このままでいられたら、どれだけ幸せだろうかとシンジは思った。
だが、この状態に耐えられるほど、シンジの心は強く無かった。
シンジはゆっくり口を開いた。
「・・・腕が・・・。」
「腕?」
レイは不思議そうに言った。
そして自分が自然としていた行動に気づき、
「あっ。」
と小さく声を上げて、手を離した。
彼女の顔はあっという間に真っ赤になった。
「・・・その・・・ごめんなさい。」
うつむきながら、レイは口を開いた。
432:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:35:30
そして、少し上目使いで、
「・・・嫌じゃなかった?」
とシンジに問い掛けた。
「い、嫌じゃないよ!」
シンジはすぐに否定した。
「・・・嫌なわけないじゃないか・・・。」
とレイに届くかわからないような声でつぶやいた。
「・・・よかった・・・。」
「え?」
シンジは彼女の声が聞き取れなかった。
「何?」
シンジが問い掛けると、彼女はにっこりと笑って、
「・・・何でもない・・・。」
と首を振った。
「碇君・・・行こ。」
「あ、うん・・・。」
シンジとレイは再び歩き出した。
二人は自然と肩を並べて歩いていた。
433:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:36:09
会話は無かったが、そのことで息苦しさを感じることは無かった。
先ほどまで近づき難く感じていたことがウソのようだった。
相変わらずシンジの胸の鼓動は速かったが、逃げ出したくなるような気持ちは起きなかった。
暖かいような、恥ずかしいような、甘っ苦しいような心持だった。
不意に自分の顔に笑顔が浮かんだ。
「碇君?」
シンジはハッとして彼女を見た。
「・・・どうしたの?」
シンジは急に恥ずかしくなった。
「なっ何でもないよ!」
「ふぅーん・・・。」
そう言ってレイはシンジに顔を近づけた。
434:先生 ◆jisaITln1s
05/04/25 00:37:08
「な・・・何?」
すると彼女はクスリと笑って、
「・・・変な碇君・・・。」
とつぶやいた。
「もうすぐそこなんだから、早く行こうよ。」
シンジは恥ずかしさを振り切るように駅に向かって歩き出した。
「・・・うん。」
レイもシンジと肩を並べて歩き出した。
心地よい風がシンジの体を包んだ。
そばに生える緑色の木々が、いつもにもまして心に染みた。
シンジはなんともいえない幸福を感じていた。
そしていつまでも彼女と二人で、この道を歩きつづけていられたら、どんなに幸せだろうかと考えていた。
おわり
435:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 01:38:05
こそばゆいこそばゆいこそばゆいーーーーー(*´Д`)'`ァ'`ァ
436:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 01:51:26
乙っ乙っGJ!
437:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 04:15:01
シンジ可愛いよシンジ
438:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 07:29:10
moe
439:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 18:22:00
ああ、なんかこういう話読むと安心するな
440:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/25 20:03:57
GJ!
441:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/26 00:08:31
もう俺のLRSは他のLRSサイトとここしかない。
貞本なんか信じるものか。
442:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/26 07:59:11
ばか?
443:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/28 19:36:11
貞本レイ(三人目)はシンジのこと覚えてるのか?
444:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/04/29 21:51:29
先生、乙
445:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/01 01:16:31
続きマダー?
446:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:53:17
階段を上り、駅のプラットフォームに出ると、休日だというのに、意外に人は少なかった。
乗車する予定の電車がまだきていないので、シンジ達はそばのベンチに腰掛けた。
ただ、二人の間には1メートルほどの間隔があった。
上を見上げると、そこには大きな雲がひとつあるだけで、心地よい青空が広がっていた。
シンジはチラッと時計を見た。
(12時半・・・)
向こうにつくのは2時半ぐらいだな、とシンジは思った。
「碇君・・・。」
「な、何?」
「碇君は、新宿に行ったことある?」
首を少し傾けながら語りかけてくる彼女のしぐさに心を奪われながら、シンジはやっとの思いで答えた。
「う・・・うん。2回ぐらいかな・・・。」
「そう・・・。」
彼女はそう言うと、顔を前に向けた。
447:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:53:50
「うん・・・。」
「・・・。」
そこで会話は終わってしまった。
シンジは少し悲しかった。
もう少し彼女と話をしたかった、とシンジは思った。
「私も。」
「え!?」
「・・・私もそれくらいしか行ったこと無い・・・。」
「あ・・・そっか、そうなんだ。・・・そうだよね。」
その時、電車がホームにやってきた。
「あ、来た。綾波、行こう。」
彼女はコックリとうなずいて、立ち上がった。
448:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:54:24
シンジはレイのはす向かいに座った。
先ほどのベンチでもシンジは胸が高鳴っていた。
だからこう座ることで、少しでも落ち着こうとシンジは考えた。
だがその考えは失敗に終わった。
向かいに座ってしまったことで、彼女の顔が正面に見える。
シンジはうつむいたままで、前を見ることができなかった。
少しだけ顔を上げてみた。
レイは家から持って来た文庫本に目を通していた。
彼女の目がチラッとシンジの方に向いた。
シンジはすぐに目をそらした。
見てたのがバレたかな、とシンジは思った。
おそるおそるもう一度顔を上げると、彼女は先ほどと変わらず、本を読んでいた。
シンジはホッとしたが、心のどこかでガッカリしていた。
理由はよくわからなかった。
449:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:55:17
目的地に近づくにつれて、人が多くなってきた。
そしてとうとうレイの姿がまったく見えなくなるほど満員になった。
ふと、前に目をやると、おばあさんが苦しそうにつり革につかまりながら立っていた。
シンジは立ち上がって
「あ、おばあさん。こちらに座ってください。」
と声をかけた。
「え、いいんですか?」
「はい、どうぞ。」
「すいません、ありがとう。」
そう言うと、おばあさんは笑顔でイスに座った。
その時、電車が急カーブでゆれた。
シンジはそのせいで、後ろの人に当たってしまった。
「あ、すいません。」
「いえ・・・。」
シンジはその声を聞いて驚いた。
「あ、綾波?」
「・・・碇君?」
二人は背中合わせで立っていた。
450:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:56:02
「ど、どうして・・・。」
「別に・・・。」
彼女の答えはそっけなかったが、おそらく自分と同じで席を譲ったんだな、とシンジは思った。
だがすぐに冷静ではいられなくなった。
彼女の背中と自分の背中が、ぴったりと密着していた。
離れようにも、人が多くて身動きが取れなかった。
シンジは背中がだんだん熱くなってきているのを感じた。
(ど、どうしよう・・・。)
電車が止まり、多くの人が入ってき、。シンジとレイはさらに密着した。
自分の背中が汗ばんでいることをシンジは感じた。
シンジは早く着いてくれることだけを願った。
この状況に、長い時間耐えられそうも無かった。
そのとき、自分の手が誰かに握られたのを感じた。
シンジはビックリして、ゆっくりと自分の手に目線を移した。
(ウソ!?)
シンジは眼を疑った。
レイが、自分の手をしっかりと握っているのが目に入った。
451:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:56:47
(え!?えええ!?)
シンジは混乱した。
(な、ななな何で?)
目の前がグルグルと回った。
シンジが落ち着こうと、息を大きく吸ったとき、あることに気づいた。
自分の手を握っている彼女の手が、かすかに震えている。
そのとき、シンジは理解した。
レイは良くなっているとはいえ、男性恐怖症だった。
満員電車で、数多くの男性と、仕方なく接してしまう。
そのことが彼女にどれだけの恐怖を与えているか、シンジは今になってやっと気づいた。
そして、いままで彼女のことを考えず、自分のことだけを考えていたことに後悔した。
冷静になったシンジは、震える彼女の手をギュッと握り返した。
大丈夫、僕がついているから心配ない、という思いをこめながら強くてを握った。
その思いが伝わったのか、彼女の震えがゆっくりとおさまっていった。
そしてレイもシンジの手をそっと握り返した。
電車はゆっくりと減速した。
452:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:57:32
「まもなく、新宿です。」
と言うアナウンスの後、電車のドアが開いた。
二人は手を握りながら、人の波に押される形で外に出た。
「ふぅ、疲れた。」
「・・・。」
「綾波、大丈夫だった?」
彼女は顔をうつむけたままうなずいた。
そして小さな声で
「・・・碇君がいたから・・・。」
とつぶやいた。
「え?何?」
「・・・何でもない。」
「ふーん・・・。まあいいや、じゃ行こう。」
「碇君・・・。」
「何?」
「・・・手。」
453:先生 ◆jisaITln1s
05/05/01 19:58:18
「手?・・・あ!ゴ、ゴメン!」
といってシンジは手を離した。
レイは顔を横に振って
「いいの・・・。嬉しかった。」
と言った。
「あ・・・うん。・・・そっか・・・。」
シンジは予想してなかった彼女の言葉に恥ずかしくなった。
「碇君・・・早く。」
「え?・・・うん、そうだね。」
そう言って、シンジは再び歩き出した。
時刻は2時半を過ぎたばかりだった。
おわり
454:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/01 20:06:46
先生乙
今回も(・∀・)イイ
455:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/01 20:51:31
投下来てたし!!先生GJ!!
456:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/01 20:52:01
GJ!GJ!
最近このスレの更新が楽しみでしょうがない。
457:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/01 22:31:43
キテタ♪キテタ♪(b^-^)GJ!
458:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/02 00:20:45
ネ申
459:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/02 01:05:24
いいなあ
いやされる
今日はパチのエヴァでけちょんけちょんにされたんで、 んだよ使えねえな綾波さんは!とか思ってたのにw
とても同じ人とは思えない(同じじゃないか
460:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/02 01:06:43
はやくぶちゅーっとやっちゃえよシンジ!
461:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/02 01:20:54
いいわー。マジ癒される感じする。ゆっくりと深く仲良くなって欲しいね。
462:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/03 11:35:59
>>460
おまえのようなすぐに、直球投げる奴は女に嫌われるな
463: ◆x75mrwOncU
05/05/03 23:18:34
それは突然の出来事で当人達も、まさかこのような非常識なことが
起こりうるとは思ってもみなかった。だが、事実起こってしまいそして
元の通りに戻るための手段などわからないが故に、ある意味では、
幸せな日常が送れることになろうとは誰もが予想だにしていなかった。
「仲良くしましょ」
「命令があればそうするわ」
二人の出会いは実に最悪の関係で始まった。しかしその放課後、シンジ
を挟んで両端にアスカとレイが並んで帰っていた。
「あ、あのさ・・・・」 シンジは実に居心地の悪さを感じていた
---- どうして、二人けんかしているんだろう。なんかすごく険悪な雰囲気だな
「なによ、いいたいことあるならはっきりいいなさいよ」
「いや、あのね、なんか二人ともさ」
そのときだった、横断歩道を渡っている二人に軽トラックがつっこんできた。
「!!惣流、危ない」
「え?」
シンジは咄嗟にアスカの体を抱え、レイの腕をつかみそれをさけようとした。
ブブーーーーン 車が通りすぎる
3人は反対側に倒れ混みアスカとレイのおでこは赤く腫れていた。
「惣流、綾波 大丈夫?」
「大丈夫なわけないでしょうが」
「・・・痛い」
しかし、碇シンジには一体なにが起こったのかは理解できなかったようだ。
第一声は、綾波レイから発せられ、第弐声は惣流アスカから発せられたよう
にしか見えなかった。
464: ◆x75mrwOncU
05/05/03 23:28:42
「助けるのはよしとしても、このおでこどうしてくれるのよ。腫れちゃったじゃない」
どうやら、助ける時にアスカとレイが頭突きしあう形になり、両者ともおでこが赤く
腫れている。しかも胸ぐら捕まれて、すごまれてシンジはたじたじだった。
だが、問題はそんなことじゃない。
「え、あ、ご、、、、ごめん。綾波」
「あんた、どっちに声掛けてんのよ。あたしの目を見なさいよ」
「!?え、あ 綾波がそういうから綾波見ていっているんだけれど」
「ファーストはこっちでしょうが」
そう言い放ってからもう一方を見ると、何故か自分がいる。
------あれ、なんか変ねぇ。どうしてアタシがそっちにいるの?っていうかなにこれ・・・・
「・・・何?」
「あ、あ、あんた」
「・・・何?」
「どうして、あたしが目の前にって、、、、まさか」
そういって、手鏡を取り出し自分の顔を見てみる
そこには赤い目と青いショートカットの驚きと怒りに満ちた顔が映っていた
「いやーーーーーーーーーーーあぁぁぁぁぁぁ」
数分後・・・・
「え、じゃぁ、綾波と惣流入れ替わっちゃったってわけ?」
「そうよ。みりゃわかるでしょうが」
「なんか、綾波に怒られているみたいで、変な気分だな」
「私はこっちよ」
そこには、無表情のアスカの顔
「っていうか、これからどうしたらいいのよ。まったく」
「そんなこといったって、。っってあれ、いない!!」
「あぁ、ファースト勝手に帰ったわね。あいつ・・・・・」
「しょうがない。このまま家に帰ろうよ。」
しかたないので、二人はコンフォート17に帰ることになった。
465: ◆x75mrwOncU
05/05/03 23:41:50
「ただいま」「たっだいまー」
「お帰り、シンジ君 ・・・・・ レイ、何か用でもあったの?」
「うるさいわね。自宅に帰ってきてなにがわるいのよ。全く」
「!?!?!?!?」
「あ、あのミサトさん あとで説明するから」
「ねぇ、今あがってきたのレイよね?なんかえらく人格変わってない?」
「あははは・・・・・」
それから数時間、ミサトの頭の中は混乱状態であった。あのレイがガツガツ
と夕食を食べてる上に、タオル一枚でお風呂から上がってそこらじゅうを歩き
まわったり、牛乳をパックのままラッパ飲みするわ、ラフな格好であぐらをか
いてテレビを見始めるわ、飲んでいたビールの味がまるで記憶に残らなかった。
「し、しんちゃん ちょっと」
「え、あ そうか。説明するの忘れてました。ちょっと家事が忙しかったんで」
「レイ、どうしちゃったの?」
「簡単にいうとですね、綾波に見えますけれど中身、惣流なんです。」
「ふぇ?」
「ですから、外見は綾波なんですけれど、中身が入れ替わっちゃって。綾波
はちゃんと家に帰ってますよ。外見が惣流ですけれど」
「ふぇ?」
1時間ほど経過してようやく事態を飲み込めたミサトはそれでも外見が綾波
レイである以上、ものすごく違和感を覚えていた。当然声も綾波レイなわけで
明日からどうやって生活しようか本気で悩んでいた。
とうのシンジも
------綾波の姿でタオル一枚で出てきた時には、ドキドキしちゃったよ全く
------中身が惣流だってわかっちゃいるんだけれど、綾波にシンジってよば
れているみたいで、なんだかなぁ。綾波のほうは、大丈夫なのかな
466: ◆x75mrwOncU
05/05/03 23:52:50
次の朝、やはり登校しないわけにもいかず、そしてまた当然のように学校
は騒然となった
「な、なんで綾波とシンジが一緒に登校してきてんだ?」 とか
「なんか、今日の惣流、ずいぶんしおらしいやないか」 とか
「綾波、随分とまぁ、明るい性格になったもんだ」 とか
「惣流さん、おしとやかになっちゃって、もう完璧」 とか
しかし、その日の昼休み いつものメンツが集まって事情を知ると
「なんや、そういうことかいな。随分と綾波の性格かわりよったと思った
が。じゃぁ、こっちの惣流の顔しとんのが綾波かい」
「えぇ、そうよ」
「なんか、新鮮だ・・・カメラに納めておこう」
「けれど、二人とも大変ね。これから」
「全くよ。ひかり 男子どものいやらしい目にさらされていると思うと虫酸
が走るわよ」
-------綾波は体がかわっちゃってもいつものマイペースか。外見がアスカ
なんだけれど雰囲気が変わってないなぁ。
「たとえば、このバカシンジみたいな目ね。あんた、アタシの体見つめないで
よ。全く変態が」
「ち、違うよ。綾波が・・・・」
「綾波がぁ じゃないでしょうが」
しかし、ことはそんなに単純ではなくなるのが、この後起きた使徒の襲来で、
はっきりすることになる。
467:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/04 22:56:51
乙
468:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/05 03:47:31
はっきり言っていい?なんつーか今の時点ではっきり言って微妙。
469:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/05 23:14:42
こう言っちゃアレだが、使い古されたネタだからな~
470:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/05 23:50:46
なんか文章も微妙
471:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/05 23:52:55
おまえら、はっきり言えよ。つまんねって
472:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/06 03:23:13
投下お疲れ様です。私は応援してるので続き頑張ってください。
使い古されたネタだと言う意見は翻って言えば王道ということなんで、
初めての投下なら全然良いと思いますよ。
あ、文末の表現は「…た」の形ばかりではなく、色々変えてみると良いと思いますよ。
あと、会話の羅列だけというイメージをもたれないように会話の間に
もっと地の文を挟むんだほうが良いとも思います。
では、続き期待して待たせて頂きます。
473:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/08 23:23:11
マダー?
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/09 14:22:54
君には期待しているよ
475:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:09:33
駅構内から外に続く階段を上がると、多くの人々が道を行き交っていた。
やはり、休日だからこんなにも人が多いんだと、シンジは改めて思った。
「えっと・・・。」
シンジはゲンドウから預かったメモを取り出した。
そこに記された場所は、ここからすぐ目の前だった。
「じゃ綾波、行こう。」
そう言って隣を見ると、レイが前をじっと見ているのが目に入った。
「綾波、どうしたの?」
その声にレイはハッとして、
「うん・・・こんなに人が多いなんて、思わなかったから・・・。」
と答えた。
「あ・・・そっか・・・。」
シンジは、電車での彼女の様子を思い出した。
「綾波・・・大丈夫?」
「うん、大丈夫・・・。心配しないで。」
そう言ってレイは少し微笑んだ。
彼女の笑顔を見ると、シンジも安心した。
(大丈夫みたいだな。)
そしてシンジは目線を移して、ちらりと本屋の方をうかがった。
「じゃ僕は向こうの本屋に行くけど、綾波はどうする?」
476:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:10:18
すると彼女は不思議そうに首をかしげた。
「あの・・・僕が本屋に行ってる間に、綾波は先に服を買いに行ったらどうかな・・・って思ったんだけど。」
シンジがそう言うと、レイは少し眉をひそめた。
「・・・綾波?」
「・・・私と一緒にいるのが嫌なの?」
「えっ?」
彼女の言葉は、シンジがまったく予期していなかったものだった。
自分の本心はむしろ逆だった。
シンジは彼女と一緒にいるのがとても恥ずかしかった。
はたから見ると、自分たちはどういう風に見えるかと考えると冷静でいられなくなる。
だから少し距離をおきたいとシンジは思っていた。
「・・・そうなの?」
「そっそんなわけないじゃないか!・・・何言ってんだよ。」
「そっか・・・よかった。」
477:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:11:01
レイはまた笑顔を見せた。
シンジは背筋がゾクッとするのを感じた。
彼女の表情の落差に思わず惹きつけられてた。
「私も行く。」
「・・・。」
「・・・碇君?」
「・・・え?ゴメン、何?」
「私も一緒に本屋に行く。」
「あ・・・うん。」
「・・・はぐれると困るから・・・。」
「そっか・・・じゃ行こう。すぐそこだから。」
といってシンジは歩きだした。
レイもすぐ後に従った。
478:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:11:47
本屋のすぐそばまで、二人は無言で歩きつづけた。
シンジはレイに何度も話し掛けようと思ったが、話題が見つからなかった。
彼女も居心地が悪いのではないかと心配になった。
「碇君。」
レイが先に口を開いた。
こういうとき、いつも自分は話し掛けられるほうだなとシンジは思った。
「何?」
歩きながらシンジは答えた。
「・・・どうしてさっきあんな事言ったの?」
「あんな事?」
「・・・私に先に服を買いに行ったらって。」
「あぁ・・・それは・・・。」
シンジは思わず本音を言いそうになった。
「それは?」
479:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:12:33
「その・・・ほら・・・。」
シンジは何か別の理由を探そうとしたが、なかなか見つからない。
レイは大きな瞳をシンジに向けていた。
「・・・別に理由はないよ。」
シンジはやっとの思いで言った。
「ホントに?」
彼女は顔を近づけた。
シンジの胸は高鳴った。
「ホ、ホントだよ。」
「そう・・・。」
彼女は残念そうに息を吐いた。
いったい僕がどう答えると思っていたんだろう、とシンジは思った。
480:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:13:17
そして書店にたどり着いた。
二人は中に入り、そしてシンジはまず壁にかけられている案内板を見た。
新刊コーナーや、文庫・新書コーナーが1フロアずつあり、目的の本は5階にあるらしいことがわかった。
「じゃ僕は5階まで行くから、綾波はこの辺りで待っててよ。」
「えっ・・・?」
「すぐ戻ってくるから。」
そういってシンジはレイの返事を待たずにそばの階段を上っていった。
「あっ・・・碇君・・・。」
彼女の声はシンジには届かなかった。
481:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:14:02
3階まで一気に駆け上がったシンジは、そこで一息ついた。
ふーっと息を吐いてから、シンジは再び階段を上り始めた。
彼女が「一緒に行く」といったとき、シンジは心のどこかで嬉しいと感じていた。
しかし、そうなるといつも逃げ出したくなるのも確かだった。
(どうしてだろう・・・。)
と、シンジは考えた。
つい最近までは、こんな感情を抱いたこと無かった。
レイをいとおしい、かわいいとは感じていたが、そばにいて胸が高鳴ることは無かった。
それは妹を持つ兄の感情だとシンジは感じていた。
だが最近はまったく違う。
もし彼女が妹でなく、ただの女性だったら、シンジはこの感情に素直になれたのかもしれない。
(ひょっとして僕は・・・。)
そこまで考えて、シンジはハッとし、頭を振った。
すでに5階にたどり着いていた。
もう一度メモを取り出し、本の題名を確認した。
482:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:14:47
生物のコーナーにたどり着いて、シンジは本を探した。
「あ・・・あった。」
その本は思っていたよりは厚くなく、持ってみると意外に軽かった。
シンジは本を手にしたままレジに向かった。
「いらっしゃいませ。」
店員がにこやかに答えた。
「コレ、お願いします。」
「はい・・・・1980円になります。」
(薄い割に高いんだな・・・。)
シンジは父から預かっていたお金を出した。
「ありがとうございました。」
シンジはレジを後にし、階段に向かった。
そこで一瞬立ち止まり、大きく息を吸った。
483:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:15:33
1階にたどり着いたシンジは、辺りを見回してレイの姿を探した。
しかしどこにも彼女の姿は無かった。
(綾波・・・?)
1階のすべての場所を探したが、見つけることができない。
シンジは突然大きな不安に襲われた。
心の中で何度も彼女の名前を唱えた。
もし、彼女が自分の手が届かない遠くに行ってしまったら、と考えるとシンジは冷静でいられなくなった。
ふと、シンジは顔を上げた。
外に通じる自動ドアの向こうに、彼女の青い髪が見えた。
シンジはほっと息を吐いた。
(何をあせってたんだ・・・僕は・・・。)
シンジは外に出ようと、歩き出した。
484:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:16:17
書店を出たとき、レイの様子がおかしいことに気づいた。
よく見ると、彼女のそばで見知らぬ男性がしつこくレイに歩み寄っていた。
シンジの胸の奥で、ふつふつと煮えたぎるような感情が湧いた。
そしてすぐさまレイのもとまで駆け寄った。
「綾波。」
「あ、碇君・・・。」
「行こう。」
そう言ってシンジは彼女の腕を引いた。
「あっ。」
レイはシンジの力が思ったより強かったので、一瞬よろけてしまった。
シンジはそばの男性に一瞥して歩き出した。
「あの・・・。」
その男性は呆然と立ち尽くしたままだった。
485:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:17:02
「碇君。」
とレイは呼びかけたが、シンジは彼女の腕を引いたままずっと前を見て歩いていた。
「碇君・・・。」
シンジはまだ答えない。
「碇く・・・」
もう一度呼びかけようとしたとき、シンジは急に立ち止まり、手を離した。
その拍子で、レイはシンジの背中にぶつかってしまった。
「痛っ。」
レイは顔を手で抑えた。
シンジはまだ前を向いたままだった。
「碇君?」
「ゴメン、綾波。」
「え?」
「ゴメン、綾波を一人にして・・・さっき、大丈夫だった?」
「あ・・・うん。」
「そう・・・良かった。」
シンジはニッコリと笑った。
それを見たレイは思わず顔を赤くしてうつむいてしまった。
「さっき綾波が1階にいないから、心配したよ。」
「・・・そう。」
486:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:17:47
レイはうつむいたまま答えた。
「綾波・・・それ何?」
シンジは彼女が握っている一切れの紙が気になって尋ねた。
「これは・・・さっきの人がくれたの。」
それを聞いてシンジはレイの手から紙を奪った。
どうやら名刺のようだった。
「・・・・芸能プロダクション。・・・何コレ。」
「うん、気が向いたら電話してって・・・。」
「ふ、ふぅーん。」
シンジは言いようの無い居心地の悪さを感じていた。
「僕はてっきり・・・ナンパかと思った。」
「・・・ナンパ?」
「うん・・・それで綾波が話し掛けられてるのが目に入って・・・。」
「・・・。」
「なんかよくわからなくなって・・・思わず綾波の手を引っ張って・・・悪いことしちゃったかな・・・。」
シンジはそこまで言ってレイの方を見た。
彼女は顔を真っ赤にしている。
シンジと目が合ったとき、彼女はすぐにうつむいてしまった。
「綾波?」
なぜ彼女がこのような状態なのか、シンジにはわからなかった。
487:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:18:51
「どうしたの?」
シンジが歩み寄ると、レイはポツリとつぶやいた。
「・・・バカ。」
「えっ・・・。」
シンジが言葉を失っている間、レイはの腕を引いて口を開いた。
「もう、平気だから・・・。」
「あ・・・うん。」
そしてレイは前に歩き出した。
シンジもあとに続いた。
ただ、彼女のつぶやいた「・・・バカ。」という言葉が、ずっとシンジの頭に引っかかっていた。
おわり
488:先生 ◆jisaITln1s
05/05/09 23:21:44
ふぅーやっと終わった。
というかまだ二人のお出かけが続いてるんですよね。
長すぎと思っていながら、あと2~3回は続きます。
さて、このパートが終わったら、アスカとかカヲルとか二人に絡めようかな・・・。
長々と独り言すいません。
ではまた次の機会に。
489:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/10 03:42:00
投下ご苦労様。と言うか、ありがとう、いつも面白い作品提供してくれて
仕事帰りに癒されました。続き期待してます。
ああ、レイがかわいいなァ
490:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/10 12:25:12
禿おってゅ。続き期待!
491:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/12 06:05:05 gscbLrKm
age
(・∀・)イイ
492:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/12 19:25:04
グッジョブ(*´Д`)ハァハァ
493:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/12 19:38:09
ながちゃん とかいうクソッタレの小説と、とりもちとかいうクソッタレ以外で
マイナーながら素敵なLRS長編ありますか?
494:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/12 20:05:05
>>493
スレ違いね。
お勧めLRS小説を教えて…スレは
スレリンク(eva板)l50
ここね。あと、君のような書き方は荒れる原因になるのでもうちょっと
言葉遣いを優しくしようね。
気に入らないかもしれないけど、私のお勧めは
MIDNIGHT SUN
にあるエヴァンゲリオン戦記。かなり設定が人を選ぶ話だけど個人的には
かなりいいと思う。まぁここらは個人の感性なんでどうこう言わないでね。
495:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/16 12:50:53
確かにいいね。
496:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/16 23:37:33
まだー?
497:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/17 01:38:41
投下まだーーーーーーーーーーーーーーーーーー??
498:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:54:00
「碇君。」
シンジが考え込んでいるとき、不意にレイの声がしたので顔を上げると、
彼女の顔がすぐ近くだったことにシンジは驚いた。
レイはそれを気にもかけず続けた。
「・・・今セールをやってるデパートって、どこ?」
「え?知らないの?」
彼女はこっくりうなづいた。
じゃあ何でさっさと歩いていったのかシンジは不思議に思ったが、口にはしなかった。
「ちょっと待って、母さんから地図もらったから・・・。」
シンジはポケットを探った。
「たしかここに・・・あった。」
シンジは取り出した紙を見て、場所を確認してみた。
「・・・ここじゃないみたいだな。」
「・・・そう。」
「うん・・・ここからだいぶ離れてる。・・・歩いて10分ぐらい・・・。」
499:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:54:51
するとレイがふわりと顔を寄せて覗き込んできた。
彼女の髪がシンジの腕に触れた。
シンジは思わずドキリとした。
「・・・ホント。・・・結構遠い。」
彼女の吐息がシンジの手に感じられた。
シンジは反射的にそこから離れた。
「碇君、どうしたの?」
「いっいや、なんでもないよ。」
「・・・なんだか、変。」
「べっ別に変じゃないよ。」
「そう・・・。」
「じゃ、早く行こう。」
「うん・・・。」
シンジ達は目的地に向けて歩き出したが、シンジの胸は高鳴ったままだった。
500:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:55:36
あまり会話も無いまま、二人は目的地に到着した。
シンジは中に入り、案内板を見た。
洋服売り場は3階だった。
「綾波、3階で売ってるみたいだよ。」
そう言ってシンジは振り向いた。
レイはうつむいたままだった。
「綾波?」
すると彼女はゆっくり顔を上げた。
レイはまったくの無表情だった。
シンジは寒気がするのを覚えた。
「どっどうしたの?」
シンジは声が震えそうなのを抑えていった。
「・・・別に。」
「あ・・・そっか。」
「碇君こそ・・・何?」
「あ・・・あのさ、3階で服を売ってるらしいよ。」
「そう・・・じゃ、行きましょ。」
と言って彼女はスッとシンジの横を通り過ぎた。
シンジは彼女の様子がいつもと違うなことを不思議に思いながらも後に続いた。
501:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:56:20
そばにエスカレーターがあったので、レイはそれに乗った。
シンジも少し遅れて乗った。
(綾波・・・どうしたんだろう・・・)
シンジは彼女が先ほど見せた表情を思い返していた。
(最近はあんな表情を見せていなかったのに・・・)
もしかして自分がさっき見せた態度が原因ではないかとシンジは思った。
シンジは顔を上げて彼女の方を見た。
(・・・また避けていると思われちゃったのかな・・・)
本当は違うのにとシンジは心の中で叫んだ。
説明したくてもできないことにシンジはもどかしさを感じていた。
彼女の後姿をじっと眺めながら、シンジはゆっくりと息を吐いた。
レイは青いスカートから細く、白い足をのぞかせている。
シンジの位置からだと、それが良く見えた。
すらりとした足には、どんなスカートも似合うんだろうなとシンジは思った。
それにもう少しで・・・
502:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:57:05
その時シンジはハッとして顔をそむけた。
(な、何をやってるんだ僕は。)
シンジは心拍数が上がっていくのを感じた。
(でも気づいてない見たいだし・・・)
シンジはもう一度顔を上げようと・・・
(だめだ、だめだ!何を考えてるんだ僕は・・・。)
シンジは頭を振ってその考えを振り払った。
(・・・大体、綾波のスカートが短すぎるんだよ・・・)
「碇君・・・。」
「うわっ!なっなっ何!?」
「・・・もう3階についたけど・・・。」
「え?あ・・・うん・・・そう。」
「・・・どうしたの?碇君。・・・顔が真っ赤。」
「あっこれは何でもないよ!」
「ホント?」
503:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:57:50
「ホント!ホントだよ!」
「そう・・・。」
レイはニッコリと笑った。
(ふぅ・・・よかった。気づかれなくて・・・。)
シンジはゆっくりと深呼吸した。
そして気持ちを落ち着けて前を見た。
シンジは我が目を疑った。
そこには黒山の人だかりがいたるところに広がっていた。
シンジはその場に立ち尽くしてしまった。
「ちょっと!そこどいてよ!」
後ろから誰かにつつかれた。
「あっすいません。」
シンジがそう言って道をあけると、すごい勢いでおばさんたちが通り過ぎていった。
「すごい人だね・・・。」
シンジはあきれた様子で言った。
504:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:58:51
「そうね。」
「・・・綾波・・・大丈夫?」
「・・・何が?」
「え?何がって・・・。」
するとレイが人ごみに突入しようと前に進んだ。
「ちょ、ちょっと待って!」
シンジが彼女の腕をつかんだ。
「何?」
「何って・・・綾波は、その・・・人ごみとか苦手じゃなかったっけ?」
「・・・関係ないわ。」
「関係ないって・・・。」
レイはそのまま前に進んで人ごみの中に消えていった。
「うわ!待ってよ!」
シンジはそこに飛び込むのに一瞬躊躇したが、かまわず進んでいった。
505:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 16:59:38
「フゥー・・・。」
シンジはそばのベンチに座り込んだ。
「碇君、大丈夫?」
隣に座っているレイが声をかけた。
「あ・・・うん。全然大丈夫。」
「そう。」
シンジは彼女が平気そうなのが不思議でたまらなかった。
(あれだけ動き回ったのに・・・息ひとつ切れてないなんて・・・。)
それに自分の方が先にへばってしまうなんて情けないと思っていた。
「それにしても・・・綾波、一着も服買ってないよね。」
「うん・・・全然いいの無かったから・・・。」
「あ、そうなんだ・・・。けど僕が着る分にはちょうどいいんじゃ・・・。」
「・・・そんな風だから碇君は成長しないの。」
「なっそれは・・・」
その言葉をさえぎるように、レイが彼の唇を手でふさいだ。
506:先生 ◆jisaITln1s
05/05/17 17:01:35
「いいから、私の言う通りにして・・・。」
微笑みながら彼女はシンジにささやいた。
シンジは顔を赤くしながらうなづいた。
「このデパート内に、他の洋服店があるかどうか探して見ましょう。」
レイはシンジの口から手を離してゆっくり立ち上がった。
「でっでも、ここの店以外はセールやってないんじゃ・・・。」
「ただ安い服よりも・・・高くていい服を買ったほうがいいから・・・。長く着られるし・・・。」
「あ・・・そっか。」
「じゃ、行きましょう。」
シンジも立ち上がって、彼女の後に従った。
(・・・ひょっとしたら僕は一生綾波に逆らえないのかも・・・)
そんな考えがシンジの頭をよぎった。
おわり(つかれたー、もうやめようかな・・・。)
507:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/17 17:22:27
お疲れさん。相変わらずの好作品。
それにしても、やめないデー。楽しみにしてるんだよー。
でも、つかれたのなら無理しないで暫らく休むというのもいいと思う。
作者さんが楽しんで書けなかったら意味ないと思うし。
そうなったら私はゆっくり待ちますよ。
508:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/17 19:56:46
乙であります!
509:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/17 22:37:53
乙です!やめないでぇ…数少ない楽しみなんだ…
510:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/18 19:51:15
乙!やめないで下さいね(´・ω・`)
511:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/18 20:12:42
貞本のように長期休載しても全然かまいませんからお願いします。
512:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/18 20:22:00
やめたきゃやめれば
513:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/18 20:34:10
無理して書き続けることもないんじゃない
514:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/18 20:34:36
512
515:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/19 11:00:43
は皮かむり
516:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/20 18:59:36
あぁ…乙です。作者様には妹はいらっしゃるのか?こんな妹が欲しい(´・ω・)
517:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/20 19:27:01
妹萌え
518:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/20 22:22:22
嫌々書いてるんならもう投下しなくてもいいよ先生。
そんな作品あんまり見たいとも思わないし。俺はあなたの作品好きだったから
続きが見れないのは残念っちゃー残念だけど。疲れたんなら周りを気にしながら
無理して書く必要もないと思う。
519:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/20 22:29:06
たぶん、みんなが引き留めると思っていたんだろうなあ
520:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/20 22:54:25
俺もそう思う。残念だが作者が嫌々書いてる作品見たって面白くもなんともないし。
投下したくないんならもうしなくてもいいよ。今まで乙でした。
>>519
君もよけいな事言わなくていいと思うよ。
521:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/21 01:30:29
<電車の中にて>
「碇君、どうして私の料理を食べないの?(怒)」
「許せなかったんだ。綾波が、いつも僕が作った料理に
ニンニク(6個分)をすりおろしてかけるのが・・・・・」
「あなたはニンニク料理を食べようとしたの?」
「食べようとした。」
「どうして食べようとしないの?(怒怒)」
「食べようとしたんだよっ!!」
「どうして食べようとしないの?(怒怒怒)」
「食べようとしたんだってば!!でも、綾波はニンニクの量の
加減を覚えてくれようとしないんだ」
「そうやって、嫌な食べ物から逃げ出すのね・・」
「いいじゃないかっ!?綾波は「特製よ・・・・(ポッ)」って
いってるけど、ただのニンニクかけすぎの料理じゃないか!?
臭い料理から逃げ出して、何が悪いんだっ!!」
ガタンッ・・・・・
ゴトン・・・・・
ガタン・・・・・
ゴトンッ・・・・・
<終>
522:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/21 01:32:17
スレ違いスマソ(´・ω・)
523:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/21 16:01:45
晒しage
524:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/21 16:06:16
>>521
場が少し和んだから良しとしよう。
525:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/21 19:22:17
乙ー
526:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 15:26:11
綾波は今日も学校を休んだ。僕やアスカは毎日ネルフで顔を合わせているけど、ケンスケなんかは被写体がいなくなっているから文句を言っている。
そんなこんなでようやく綾波の住んでいるマンションに着いた。
「綾波…いるかな?」僕は鳴らないと知りつつも一応インターホンを押してみた。返事はない。
「綾波ー!入るよ!今日学校で渡されたプリント持って来たから!」
やっぱり綾波の部屋には包帯や血まみれのティッシュが散乱していた。しかし、肝心の綾波がいない。
「ひょっとしてまたお風呂とかかな…」 そんな音は聞こえない。ちょっと残念かな…。
「な、なにを考えているんだ僕は…」
ちょっと顔が赤くなってしまったようだ。
「何を考えていたの?碇君。」
そこにはまたバスタオル一枚の綾波がいた…
527:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 16:52:31
綾波は今日も学校を休んだ。僕やアスカは毎日ネルフで顔を合わせているけど、ケンスケなんかは被写体がいなくなっているから文句を言っている。
そんなこんなでようやく綾波の住んでいるマンションに着いた。
「綾波…いるかな?」僕は鳴らないと知りつつも一応インターホンを押してみた。返事はない。
「綾波ー!入るよ!今日学校で渡されたプリント持って来たから!」
やっぱり綾波の部屋には包帯や血まみれのティッシュが散乱していた。しかし、肝心の綾波がいない。
「ひょっとしてまたお風呂とかかな…」 そんな音は聞こえない。ちょっと残念かな…。
「な、なにを考えているんだ僕は…」
ちょっと顔が赤くなってしまったようだ。
「何を考えていたの?碇君。」
そこにはまたバスタオル一枚の綾波がいた…
528:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 16:53:39
連投スマソorz
529:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 16:58:44
>>528
同人の焼き直しイクナイ
530:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 19:37:26
ケンスケが綾波の写真を売ってたという描写はないよね。
531:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/22 19:55:09
>>529何て同人?
532:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/23 02:02:45
またひとり、ネ申が去ってしまったのか……。
取りあえず乙です先生。
そのうち違う作品でもいいから会える事を…。
533:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:25:20
「へぇー、結構服売ってるとこ多いんだね。」
シンジは辺りを見回しながら言った。
紳士服や、婦人服の専門店から、若者向けの服を売っているところまでいろいろな店がデパート内にあった。
さきほどの階に比べて人も少なく、ここならゆっくりと服を選べそうだとシンジは思った。
レイはふっとそばの店に入った。
シンジはそこを通り過ぎそうになったが、慌てて中に入っていった。
店内はそう派手な服はなく、落ち着いた様子だった。
彼女の雰囲気にぴったりだな、とシンジは思った。
「いらっしゃい。」
すぐ後ろから声がしたので、シンジは思わず声を出しそうになった。
高鳴る胸を抑えながらゆっくり振り返ると、そこにはやさしそうなおばあさんがニッコリ微笑んでいた。
シンジはほっと胸をなでおろした。
「おや、驚かせちゃったかね?」
「あ、いえ。そんなことないです・・・。」
するとおばあさんが顔を近づけてきた。
534:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:26:05
「な・・・なんですか?」
「・・・キミは彼女とどういう関係?」
「は?」
「だからレイちゃんとどういう関係なんだい?」
おばあちゃんはさらに顔を近づけた。
「あのっ・・・かっ彼女は妹です。」
「いもうと?」
そう言うとおばあさんは首にぶら下げていたメガネをかけ直した。
「・・・言われてみると似てなくもないねぇ・・・。」
「え?そ、そうですか?・・・一応義理の兄弟なんですけど・・・。」
「義理?」
「あ、はい。両親は再婚で、僕は父の、彼女は母の連れ子なんです。」
「ほーそうなのかい。・・・それにしてもよく似てるねぇ。」
「あ、ハハハ。」
(僕の話聞こえてるよな・・・。)
535:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:26:51
シンジはふとおばあさんの言葉を思い返した。
するとあることがシンジの頭に引っかかった。
「・・・ところでおばあさん。」
「ん、なんだい?」
「あの、綾波の・・・いや、妹の名前を知ってたみたいですけど・・・いったいどうして・・・。」
「あぁ、それはね・・・。レイちゃんのお母さん・・・ユイさんといったかね・・・。
親子二人でよくこの店に服を買いにきてくれたからね・・・。もう顔を覚えちゃったんだよ。」
「ああ、そうなんですか。」
「おばあさん。」
「おや、レイちゃん。どうしたんだい?」
「これ、試着してもいい?」
「もちろん。」
おばあさんは笑顔で答えた。
「ところで、お母さん再婚したんだって?」
「あ、ハイ。」
536:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:27:35
「で、こちらが新しいご兄弟なんだね?」
レイはコクリとうなづいた。
「レイちゃん、気をつけたほうがいいよ。レイちゃんは可愛いから、いくら兄妹でも油断したら駄目だよ。」
「えっ・・・。」
レイはそれを聞いて顔を赤くしてうつむいてしまった。
「おや、もう心当たりがあるのかい?」
「ちょ、ちょっとおばあさん。」
シンジが口をはさんだ。
「なんだい?」
「かっ彼女をからかうのはよしてください。」
「おや、そうかい?レイちゃんはまんざらでもなさそうだったけど?」
そういっておばあさんはレイの方をうかがった。
「・・・試着室借ります。」
「はい、どーぞ。」
レイは顔を赤らめたまま店の奥に向かった。
「ふふふ・・・。」
おばあさんはとても嬉しそうに笑っていた。
シンジはそれを見てると怒る気も失せてしまった。
自分も服を選ぼうとシンジも店の奥に向かった。
537:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:28:20
「・・・コレがいいかな・・・。」
シンジは一組の上着とズボンを手にした。
「あのーおばあさん。」
シンジは店のカウンターに座っているおばあさんに呼びかけた。
「なんだい?」
「僕も試着室借りていいですか?」
「ああ、かまわないよ。」
「ありがとうございます。」
「あ、ちょっとまって。」
「何ですか?」
「右側の方、確かレイちゃんが入ってるから、左側つかってね。」
「あ、はい。わかりました。」
シンジは服を手にしたまま試着室に向かった。
(え~と、たしか右側が駄目なんだよな・・・。)
シンジは念入りに確かめて、左側のカーテンを開けた。
538:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:29:05
シャッ
「あ・・・。」
シンジは思わず声を上げた。
レイは白いシャツを上に羽織っただけの姿で立っていた。
「・・・・。」
「・・・・。」
二人の目が合った。
彼女の顔がみるみる真っ赤になった。
シンジは呆然としていたが、すぐに我に返った。
「ごっごごごゴメン!」
シャッ
カーテンを再び閉めた後、シンジはそこから逃げるように去った。
539:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:29:51
店内の紳士服コーナーで、しばらくシンジは隠れるように身を潜めていた。
(どどどどどうしよう!)
シンジは以前にも似たような経験があったことを思い出した。
(こっこれじゃあ僕がわざとやってるみたいじゃないか!)
シンジは少し辺りを見回した。
彼女の姿は見当たらない。
シンジはほっと胸をなでおろし・・・
「碇君。」
ビクッ!
シンジは背筋が寒くなるのを感じた。
「あ・・・・綾波・・・。」
怖くて後ろを見ることが出来なかった。
「・・・ワザとなの?」
彼女の声が恐ろしいほど冷たかった。
「いや、それは違う!全然違うよ!」
540:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:30:35
「ならどうして?」
「それはおばあさんが・・・。」
シンジは店のカウンターをうかがったが、彼女は知らん振りだった。
(あ~ずるいな~。)
「碇君。」
「ハイ!」
「おばあちゃんが何?」
「いや・・・別に何でもないです。」
シンジはどうせ本当のことを言っても信じてくれないだろうと思った。
「・・・信じられない。・・・コレで2回目・・・。」
反論の余地は無かった。
「ハイ、すいませんでした。・・・もうしません。」
「ホント?」
「・・・うん。」
「じゃあこっち向いて謝って。」
541:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:31:20
「ハイ・・・。」
シンジはうつむいたままくるりと振り返った。
そしておそるおそる顔を上げた。
シンジには彼女の表情など気にならなかった。
それよりも、彼女が着ているオレンジ色の服、
それに髪を後ろで軽く結んでいる彼女の格好がシンジの心を奪った。
「・・・碇君。聞いてるの?」
「え?あ・・・うん。・・・ゴメン。」
シンジはジーッとレイを見つめていた。
「・・・碇君、何?」
「・・・その服・・・買うの?」
するとレイは自分の服を見た。
「・・・この服は・・・一応着てみたけど、似合わないから・・・。」
「そうかな・・・ものすごく可愛いと思うけど。」
「えっ・・・。」
542:先生 ◆jisaITln1s
05/05/23 06:32:05
レイは顔を赤らめた。
「けど・・・綾波が言うんだから仕方ないよね。」
「あ・・・うん・・・。」
そのまま彼女はうつむいてしまった。
「・・・綾波?」
「・・・碇君も・・・服・・・選んだら?」
「あ、そうか。そうだよね。」
と言ってシンジは再び服を選びはじめた。
おわり
543:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/23 08:19:04
おってゅ。本編レイの髪で後ろ髪結べるかな?
544:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/23 18:30:16
はわわわ…
乙であります!
545:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/23 20:04:30
二人?も神がいらっしゃっていたとは!乙であります!
546:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/23 20:57:10
お疲れさんです。ゆっくり自分のペースで投下してくださいね。
あんまり急ぎすぎての未完よりも、のんびりでも完結の方が良いと思いますんで
547:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/24 17:43:30
ドウーイ
マイペースが一番でつよ!
548:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:14:50
「おばあさん。」
「おや、もう服は決まったのかい?」
「うん・・・コレを・・・。」
レイが差し出したのは、オレンジ色のシャツと白いスカートだった。
「おや、珍しいねぇ。こんな派手な色、めったに着ないだろうに・・・。何か心境の変化でもあったのかね?」
レイは顔を赤くしたが、おばあさんはこれ以上聞かなかった。
「はい、3000円ね。」
「え・・・あの、でも値札には4000円って。」
「ふふ・・・いつもきてくれるからサービスだよ。」
「でも・・・。」
「いいんだよ。気にしないでおくれ。こうしないと私の気がすまないもんでね。」
「あの・・・ありがとうございます。」
レイはぺこりと頭を下げた。
「いえいえ・・・それより、ほら、彼氏が向こうで困ってるみたいだから行ってやって。」
またレイは顔を赤くした。
549:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:15:35
普段が白いだけにそれが余計に感じられた。
レイは上気した顔のまま、もう一度頭を下げてシンジのもとへ向かった。
「ふふ・・・あの子もすっかり変わったね・・・。」
おばあさんがポツリとつぶやいた。
シンジは服の売り場で立ち尽くしていた。
(いったいどれにしたらいいんだろう・・・)
今まで服をこんな風に選んだことは無かった。
考えれば考えるほどわからなくなる。
(・・・もう何でもいいや。)
シンジは適当にそばの服を手に取った。
(一応試着した方がいいかな・・・。)
おばあさんに許可をもらおうと振り返ると、そこにはレイが立っていた。
「あ、綾波。・・・もう服買ったんだね。」
「・・・うん。」
550:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:16:20
「どんなの買ったの?」
「それは・・・。」
レイは顔を赤くした。
「えっどうしたの?」
彼女の態度がおかしいことをシンジは不思議に思った。
「私のことはいいの・・・それより碇君はもう決まった?」
「あ・・・うん。コレなんかどうかなって。」
レイはじっとその服をを見た。
「・・・そんなのダメ。」
「え、そうかな・・・。」
「うん・・・碇君には全然似合わない。」
「え・・・。」
(ひどい・・・。)
「ちょっときて。」
そう言ってレイはシンジの腕を引っ張った。
551:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:17:05
シンジは彼女の言葉に軽くショックを受けながら彼女の後を歩いていた。
するとレイは立ち止まった。
「碇君、コレ持ってて。」
彼女はそばにあったジャケットをシンジに渡した。
「あ、うん。・・・わかった。」
(さっき僕が選んだのと、どこが違うんだろう。)
シンジは釈然としなかったが、大人しく彼女に従った。
次にレイはジーンズがたくさん並んであるところに向かった。
(こんなのに違いなんてあるのかな・・・)
シンジの目にはどれも同じに写った。
彼女があれこれ思案していることが不思議でたまらなかった。
(どれも同じだよ・・・)
「碇君、コレ。」
「え?」
レイは掛けてあったジーンズをシンジに渡した。
552:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:17:50
「じ、じゃあコレを着ればいいんだね?」
彼女はゆっくりうなずいた。
「うん、わかった。」
シンジがそう言って試着室に入ろうとしたとき、不意にレイが口を開いた。
「・・・安心して。」
「え?綾波、何?」
「私は碇君と違ってのぞいたりしないから。」
「なっ何だよそれ!僕は・・・」
「いいから早くして。」
「あ、ハイ・・・。」
(やっぱり逆らえないな・・・)
シンジはため息をつきながらカーテンを閉めた。
553:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:18:35
しばらくして、シンジはゆっくりカーテンを開けた。
「あ、綾波。・・・どうかな?」
シンジはなんとなく照れくさかった。
「あ、碇君。襟が・・・。」
「え?」
レイはシンジに近づこうと、試着室に入ってきた。
シンジは思わず後ろに下がったが、すぐ壁にあたった。
「え・・・あ、自分でやるから。」
「・・・じっとして。」
彼女はシンジの言葉にかまわず近づき、ジャケットの襟を正した。
二人の距離はほとんど無かった。
シンジは胸が高鳴った。
「・・・これで大丈夫。」
「あ・・・ありがと。」
シンジは彼女を抱きしめたいと思ったが、それを必死で抑えた。
554:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:19:20
レイはもう一度後ろに下がってシンジの格好をじっと見た。
「・・・うん。・・・いい。」
彼女が誉めてくれたことで、シンジは嬉しくなった。
「そ、そう?じゃ、コレにしようかな。」
シンジはこの服を買うためにそれを脱ごうと再びカーテンを閉めた。
「碇君待って。」
そう言ってレイがカーテンを開けた。
「え?何?」
「このままの格好で大丈夫だから。」
「え・・・でも。」
「そのまま着ていったほうがいいわ・・・その方が・・・。」
レイは何か言おうとしてそれを飲み込んだ。
「あ、綾波が言うんなら・・・そうするよ。」
シンジは自分が家からきていた服を持ってレジに向かった。
555:先生 ◆jisaITln1s
05/05/24 20:20:05
支払いを終えて、店を出ようとした時、シンジはおばあさんに呼び止められた。
「はい、なんですか?」
「そういえばあんたの名前聞いてなかったからね。なんて言うんだい?」
「あ、シンジです。碇シンジ。」
「ほーシンジ君かい。いい名前だね。」
「そ、そうですかね・・・ハハハ。」
「それより、レイちゃんを大事にしなさいよ。」
「えっ・・・。」
「しっかり支えてあげないと、女の子の心は傷つきやすいんだからね。」
「あの・・・それはどういう・・・。」
「ふふ・・・私の言いたいことはそれだけさ。・・・ほら、早くしないと彼女においてかれちゃうよ。」
「・・・あ、ホントだ。おばあさん、ありがとうございました。」
「またいつでもおいで。」
シンジはレイを追っていった。
おばあさんはその二人の後姿を見ながらずっと微笑んでいた。
おわり
556:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/24 20:30:20
gj!!!!
557:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/24 21:10:50
乙。
558:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/24 23:09:40
タマンネーナ!チキショイ!
559:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/25 19:52:43
乙ぱい!乙ぱい!
560:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/27 19:01:06
グジョブ!!
561:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/05/30 18:35:30
GJだぜブラザー!!
562:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/01 12:00:11
何か暇つぶしに投下する?
563:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/01 12:56:27
投下してください
564:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/01 19:04:41
投下して
565:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/01 19:55:15
移転記念AGE
566:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/03 16:20:34
はよ投下汁。
567:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/03 22:53:26
>>562裏切ったな!父さんと同(ry
568:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/04 16:29:53
はやく投下しろ
569:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/04 19:51:00
今日の晩飯
(´・ω・`)カニチャーハンだよ
570:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/05 19:24:40
今日もまたチャーハンだよ
(´・ω・`)
571:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/06 00:20:36
マダー?
572:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/07 22:03:16 vTncxxd9
あげ
573:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/11 13:07:04
ふふん
574: ◆jOjLbwMyx6
05/06/13 10:38:33
全てが一つとなり終わったと思っていた。もう、絶望しかなく帰る家もないのだと
思っていた。綾波の影を追ってこのまま海に入って僕は死んでもいい・・・けれど
死なず
目覚めた時に僕は、あの空母の上でミサトさん達を見下ろしていた。そして元気
なミサトさんを見つけて思わず涙を流していた。今いる状況を把握できていなか
った。
「ア、アスカなに泣いてんのよ。感動の再会ってわけじゃあるまいし・・・・」
「ミサトさん・・・」
「!??ミサトさんってアスカも大人になったわねぇ。ちゃんと敬語使えるなんて」
「え!?」
自分で自分を見てみると、レモン色のワンピースにショール、なんか足下がスカスカ
とする初めての感じ。
「なんだ、これーーー」
ふと顔を見上げると、腕組みをしてにらみつけている僕がいた
「セカンドチルドレン。ちょっとつきあって」
僕は僕自身にそう言われてのこのこついてゆくことしかできなかった。
場所は変わって空母の食堂の裏
「アンタ、シンジでしょ?」
「え、ってどうしてわかったの?」
「馬鹿じゃないの?アンタのあの様子みてりゃわかるでしょうが。なんで
アンタがアタシでアタシがアンタなのよ」
「そんなこと僕に聞かれたって困るよ」
「アタシはこの数ヶ月間、そりゃもう恥ずかしいやらなんやらで死ぬほど
苦労したんだからね。お、男なんて未経験なんだから」
「(ちょっと危ない表現だなぁ)僕だって、どうしたらいいんだよ。女の人の
生活するの?これからずっと? はぁぁぁ・・・・・」
575:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/13 11:25:54
あー……。
いくつかつっこみます。
一回の投稿で一レスは短すぎ。
これはこんな~読みたいスレに昔あったネタですか?
LRSになるんだよね?
576:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/13 23:34:24
誤爆に3000点。
577:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/14 20:40:53
放課後、授業を終えて学校から出ようとしたシンジは外の様子を見て固まってしまった。
先ほどまで晴れていたのがウソのように雨が降りしきっていた。
(しまったー。カサ持ってこればよかった・・・。)
辺りを見回すと、ほとんどの人がシンジと同じような状況だった。
ある生徒は携帯で誰かを迎えにこさせようとしていた。
また他の生徒はカバンを頭に掲げて雨の中を走り抜けていった。
その様子を見てシンジも雨の中を走ろうとしたとき、不意に後ろから自分を呼ぶ声がした。
振り返ると、そこには綾波レイが立っていた。
「碇君・・・。カサ、忘れたの?」
「あ・・・うん。そうなんだ。」
いつもは無口な彼女が話し掛けてきたことにシンジは戸惑った。
少しの沈黙のあと、レイが口を開いた。
「碇君・・・駅までなら私のカサに入れてあげてもいいけど・・・。」
「えっ?」
思いがけない彼女の提案にシンジは言葉を失った。
けどここで断って彼女の善意を無駄にはしたくないとシンジは思った。
「・・・そ、それじゃあお願いしようかな。」
「あ、いたいた。綾波さーん。」
後ろから彼女の友達らしき人が現れてレイのそばに寄った。
「よかったー。もう行っちゃったかと思った。」
578:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/14 20:43:39
「・・・どうしたの?」
「私、今日カサ忘れちゃって。悪いんだけど駅まで一緒にカサに入れてくれない?」
「え・・・あの・・・。」
レイはチラッとシンジの方を見た。
シンジはどうぞおかまいなく、と言った様子で微笑んだ。
「あの・・・このカサ使って。」
レイはカバンの中から一本の折りたたみ傘を取り出して友人に手渡した。
「え・・・でもそれじゃあ綾波さんは・・・。」
「私は大丈夫だから・・・。」
「ホント?・・・じゃあこのカサ借りていくね。明日返すから。じゃ、バイバイ。」
そういって彼女の友人は雨の中を駆け抜けていった。
シンジは彼女が行ったのを確認してレイに話し掛けた。
「綾波、カサを彼女に貸しちゃって、自分はどうするの?」
するとレイは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
そしてカバンの中からゆっくりともう一本のカサを取り出した。
「・・・もうひとつあるから・・・。」
そして二人は仲良く下校していったとさ。
おしまいおしまい。
579:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/14 20:51:30
投下する前に、読み返した方がいいと思う
そうすれば
580:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/14 20:53:37
いや、俺はケッコウ好きですよこーいうの
581:名無しが氏んでも代わりはいるもの
05/06/14 21:02:23
俺も
582:少数派の10
05/06/14 22:35:45
作品を投下させていただきます。サイズは57kbなんですが、なんレスくらいになるかも
全く予想もつかないし、投下のやり方自体も良くわからない新人なので不手際が
あるかと思いますが、どうかお目こぼし下さい。
583:少数派の10
05/06/14 22:40:45
『もうそろそろ、レイの誕生日の用意を本格的にしなくちゃ』
シンジは高校からの下校途中、ボンヤリと夕日を眺めながら、一週間後に迫る恋人の誕生
日をどうするかを考えていた。
今回の誕生日は、彼の恋人である綾波レイと付き合い始めて一周年記念日でもあるらし
い。「らしい」と言うのはシンジにはいつから付き合い始めたのかがよくわからないから
だ。なんだかどんどん二人で居る時間が長くなっていつのまにか付き合っていた、という
のがシンジの認識だった。しかし、レイによると去年の誕生日からシンジとレイは付き合
い始めたらしい。確かに、あの日を境にレイと自分との距離は精神的にも物理的にも急激
に近づいた、とシンジも感じている。
584:少数派の10
05/06/14 22:48:27
その記念すべき去年の誕生日はお世辞にもレイにとってよい一日であるとはいえなかっ
たとシンジは思う。誰も彼女の誕生日をキチンと知らなかったため、彼女にプレゼントも、
祝いの言葉すらも送らなかったのだ…シンジ以外。そのシンジすら、ちょうどレイの家に
遊びに行っていたからレイの誕生日を知ったといった有り様であった。シンジはあの日、
クールビューティーで通るレイが泣くのを初めて見た。
レイの新しいマンションに遊びに来たシンジは、いつも感じる緊張と違和感をその日も
また感じていた。一年も続いたあの戦争とも呼べない馬鹿げた騒ぎの後すぐ、レイはあの
ボロマンションからすぐに引っ越していった。レイ自身が積極的に引越ししようとしたと
聞いたときはシンジも少し驚いたが、納得もしていた。
『やっぱり、綾波も本当はあのマンション嫌だったんだろうなぁ。ウチに来るたびに何
となくうらやましそうな顔してたもんな』
あの狂騒が終結した後、レイは何処か変わったようにシンジには思えた。顔は相変わら
ず無表情を崩そうとしないのだが、以前の超然とした雰囲気が薄まり、なんとなく人間臭
さが感じられるようになったのだ。
585:少数派の10
05/06/14 22:49:13
彼女の変化を考えていたシンジはふと、マヤにレイの誕生日がもうそろそろだと言われ
ていたことを思い出す。
「レイちゃんって最近なんか雰囲気変わったわよね。そういえば、もうそろそろレイちゃ
んの誕生日だったと思うわ。シンジ君チャンスじゃない。今のレイちゃんなら、ここでア
ピールできればきっとポイント高いわよー」
ニヤニヤしながら言うマヤに、女性は歳を取ると皆、ミサトのようになるではと軽い恐怖
を抱いたことも思い出してしまいへこむシンジ。しかし、目の前で優雅に紅茶を飲むレイ
を見る限り、女性への希望は棄てなくても良さそうだ。
「そういえば、綾波の誕生日っていつなの?そろそろって聞いたけど」
ありがたくマヤのアドバイスに従い、レイとの距離を縮めるための一手を出す。誕生日プ
レゼントに何が良いかなーなどと想像しながら…しかし…
「……………今日」
あえなくその一言で固まるシンジ。
「へっ?」
喉からは間の抜けた空気しか出てきはしなかった。シンジはボケッとレイを見つめていた
が、やがてレイの硬質の相貌の中に普段と違うなにかを見つけた。
『とりあえずなにか言わなくちゃ』
「お、おめでとう」 『うわー、なに捻りのない事言ってんだよ、僕は!』
586:少数派の10
05/06/14 22:50:50
シンジはいつものクールな返答しか帰っては来ないだろうと落胆する。最悪、レイの事だ
からなにも言わないかもしれない。俯きながらレイの返答をしばらく待つ。
返ってきたのはテーブルを押しのけての突然の抱擁。
「ううぅ、い、いかりぐーん、あ、ありがどう。ううっ、ありがどううう」
ただただ驚くシンジ。
涙を流し、顔をみっともなく歪めながらレイはシンジに抱きついていた。飲みかけの紅
茶はテーブルの上に零れて小さな紅い水溜りを作っている。後から聞くとあの時レイは感
激していたらしい。誕生日の意義を理解した後での初めての誕生日であったので内心とて
も楽しみにしていたそうだ。しかし、うきうきしながら学校に行ってみても誰も彼女に祝
いの言葉を掛けてはくれず、プレゼントなど望むべくもない…レイは悲しかった、とても
とても悲しかったのだ。顔は無表情だったが…
「そうだったんだ。それじゃ、今から誕生日会はじめようか」
「して、くれるの?」
そろそろ泣き止んで来たレイは無表情のように見えるが、その声にはわずかながら喜色
が混じっているのがわかる。良く顔を見ると僅かに口元がほころんでいる。
そうして、レイの家にあった食材やお菓子でささやかな二人きりのお祝いをしたのであっ
た。
レイはシンジが料理を作っている間ずっとリビングでドロップを舐めながら嬉しそうにし
ていた。シンジはそんな子供っぽいレイをあの時まで見た事がなかった。普段のスマート
なレイとのギャップが血液をさらに急激に心臓に送りこむ。鼻歌が聞こえてきそうな様子
のかわいらしいレイを見て、来年こそはちゃんと用意してあげなければと、胸をどきどき
させながら決意したのであった。
587:少数派の10
05/06/14 22:52:25
シンジとしても、そんなことがあったから今年のレイの誕生日はちゃんと時間を掛けて
用意をしてあげたい。そして、これをきっかけに自分とレイの仲をもう一歩進めたいとも
思っていた。
シンジとレイとの仲は公認のものである。『綾波と碇が近くにいないと、なーんかしっ
くり来ないんだよなー』との発言がクラスメート皆から納得されるくらいに。両方が一人
暮しであるのもあって、周囲からは既に肉体関係を結んでいるのでは、と思われている、
が、しかし、実はキスもまだなのだ。付き合い初めが曖昧なら、付き合い方も曖昧で、な
かなか一歩を進めなかったのだ。
しかし、シンジも16歳。シャイな彼はお年頃な男の子でもあるのだ。当然、好きな女
の子と手も繋ぎたいし、キスもしたい。だから、今回の誕生日で…と計画していた。
何を用意するか考えながら自転車をこいでいる内に、夕日はビルの中に完全に隠れてしま
った。もうこんなに帰って来たのか、と意識を浮上させたシンジは、周囲を見回して、自
分が何処ら辺りまで帰ってきているのかを確認しようとした。そこでシンジの目にふと一
軒の店が目に止まった。いつもなら、まず気に留めない店。その店は以前の同居人、葛城
ミサトの語ったのろけ話を思い出させた。今は夫である加持リョウジとよりを戻した時、
その加持と初めてキスをした時、はじめて抱かれた時、いつも彼に軽く酔わされていた、
と言う内容だった。あの話を聞いていた時の、同じく同居人だったアスカの不機嫌な様子
はいつもとまるで違った質を持っていたので、今でもはっきりとあの会話は覚えていた。
シンジもまた、そんな話を恋に破れたばかりのアスカにするようなミサトの無神経さに耐
えられなくなってあの家を出たのだったのだが、これは今はどうでもいい。
588:少数派の10
05/06/14 22:53:05
『そうだ、雰囲気を出すためにもワインなんか良いかもしれない。うん、なんか大人って
感じするもんね。レイの雰囲気にも良く合ってるし。』
『でも、お酒の力を借りるのはちょっと卑怯かな』なんて風にも思うが、
『ドラマや漫画でよくやってるし正攻法だ、うん』
と自己弁護して終わる。だって酔ったレイはさぞかしかわいいだろうから。
そうと決まれば料理は洋風にしなくては。一時期同居していたドイツ系クオーターから
の無茶苦茶な要求を、暴力によって飲まされていた苦い経験が今役に立つ。でも、西洋の
料理は肉が入るものが多い。そして、レイは臭みの薄い肉しか食べたがらないので、今か
らメニューの研究をしなくてはならない。最低一回は試食しなくてはいけないし、大忙し
だ。
プレゼントは事前に決めておいてよかったとシンジは心の底から思った。2週間前のデ
ートの時に寄ったCDショップで、レイが財布を開けながらルービンシュタインのショパ
ン全集を見ていたのをちゃんとチェックしておいたのだ。彼女はピアノ曲が大好きなので、
きっと気に入ってもらえるだろう。それに、クラシックの音はきっとムードを高めてくれ
るだろうし、一石二鳥だ。シンジは楽しいパーティを想像しながら、早速料理書を求め本
屋に向かっていった。
589:少数派の10
05/06/14 22:53:42
そして、ついに誕生日当日。シンジはレイの部屋の前まで来ていた。ドアの前でシンジ
は手鏡を取り出して服と髪をチェックし整える。
『よし、大丈夫だ』
シンジは大まじめだが、しかし、どんなに決めようとしても、大手スーパーのビニール袋
なんかを両手一杯に抱えたその姿にあまり凛々しさはなく、むしろ微笑ましささえ感じる。
ここら辺があのレイをして「…シンジは見た目は確かに二枚目だけど…やることは二枚目
半…」と女友達にのろけさせる点なのだろう。
さぁ、とインターホンを押そうと指をのばし…
「…いらっしゃい」
その寸前にドアから女の子がお出迎え。肩まで伸びた青い髪、夕日のように赤い瞳、日本
人形のような大人びた顔立ちを併せ持つこの女の子が碇シンジの恋人の綾波レイだ。いつ
ものドライアイスのような表情でこちらを見つめてから無言で家の中に入っていく。しか
し、シンジは彼女のドライアイスが一瞬にして昇華する様をよーく知っているので、別に
今更たじろぎはしない。それよりも、自分がドアの前にいた事がわかったことに驚いてい
た。
590:少数派の10
05/06/14 22:54:59
「よく僕が来てるってわかったね。ドアの前に監視カメラでも付けたの?」
「…違う、あなたの心のイメージが伝わってきたから…この頃、付き合いの深い人間なら
心のイメージがはっきりと区別できるようになって…その人がどこにいるのかがわかるよ
うになったの…」
「ふーん、相変わらず色々できるよね。そういえば、この前、キャベツの芯LCLにしてト
マトの肥料にしようとしてたけど、あのトマトちゃんと大きくなった?」
「…ええっ、肥料化作戦は無事成功したわ。LCL無しの対称区に比べて危険値0.01で統計
的有意が確認されたわ…後で一緒に食べましょう…」
「…また今度統計教えてよ…なに言ってんのかよくわかんないから…」
こういう時にシンジは改めて目の前にいる彼女が人間ではないことを思い出すのだった。
このことを知った当初は彼女に恐れを懐いていた彼だが、あらゆる生物、つまり人間を始
めとする動物、植物、細菌、果てはウィルスとまで意識を一体化するという、古今東西の
あらゆる預言者を凌ぐような体験をはっきり覚えているせいで、その辺りはどうでも良く
なっていた。ある意味で彼は悟りを開いていると言えるのかもしれない。いつでも人類を
絶滅できるような圧倒的な力を持つ異生物相手に本気で恋愛ができるのだから。サードイ
ンパクトと呼ばれるあの現象を起こしたゼーレという組織の目的がこの悟りにあったとい
うのなら、彼はその唯一の成功例だと言えるだろう。もっとも、煩悩は健在だが…
話に上ったトマトのポットを見たり、軽く会話をした後、早速シンジは料理にとりかか
る。事前に長時間かかる下ごしらえが必要なものはタッパーに入れて持参してあるが、そ
れでもやはり本格的な料理は時間がかかるものだ。そんなシンジの背中を眺めつつレイは
シンジに教えるための統計学の初心者用の教科書選びを大真面目にやっていた。
ちなみに、今日の料理のために買ってきたトマト「桃太郎」は冷蔵庫に入り、替わりに
ベランダで収穫された「弐号機パイロット」が使われることとなった。
591:少数派の10
05/06/14 22:55:46
一時間ちょっとかかってようやく料理が完成した。件のトマトをはじめとする野菜がふ
んだんに使われているが、香辛料を一杯使った子羊の肉料理もメインをちゃんと張ってい
る。これなら肉の臭みは殆ど感じられないだろう。やはりシンジも肉は食べたいし、テー
ブルに肉料理がないとなんとなく侘しくなってしまう。
レイもここに来て手伝えることが出来たのがうれしいのか、心持ち嬉しそうな顔をして
配膳を手伝い始める。今日の料理は見た事も無いものばかりだったので、シンジの足を引
っ張ってしまいかねない為なにも手伝えなかったのだ。
「あ、そうだ。今日は誕生日だから、こんなの用意したんだ。どんなのが好きかわから
ないから…」
テーブルにワインを4本だす。
「とりあえず、赤、白、それと、ロゼって奴、あとシャンパンの四つ用意してみたんだよ」
「…重かったでしょう。わざわざこんなに用意してくれて…ありがとう…」
レイはすこし顔を緩めこちらを見つめる。顔を赤らめるシンジ。
592:少数派の10
05/06/14 22:56:29
この顔を見る事が出来ただけでもワインを揃えた甲斐は十分にあったというものだ。シン
ジは、こういう時に一瞬見せるレイのやわらかな表情を堪らなく魅力的に感じるのだ。
「あ、あのね、ラム肉には赤ワインが合うらしいからね、とりあえず、これから飲もうか」
ちょっと舞い上がりつつ、早速ワインと一緒に買ってきたコルク抜きで栓を抜こうと頑張
る。
『あ、あれ、なかなか抜けない』
慣れないと結構てこずるものなのに、さらに照れと焦りも手伝ってなかなか上手く行かな
い。しまった、これも練習しておけばよかった、シンジは後悔していた。
しかし、シンジを見つめるレイの表情はむしろ温かい。こういう少し抜けているところ
もシンジを好ましいと感じる所の一つだ。なんというか、ゆったりした暖かい空気を味わ
えるからだ。
「うわっ!」
コルクの抜けるポンッという良い音と共にシンジの慌てた声が聞こえた。あまりに強く引
っ張りすぎた所為で勢い余ってワインが零れそうになったようだ。服にかからなくて良か
った、レイはそう思った。彼が今着ている服は、彼の服の中で一番上等な物であることを
レイは知っていた。暫らくは他に出番のないであろうその服を今日わざわざ着てくれてい
ることにレイはちょっとした喜びも感じていた。シンジがワイングラスにきれいな赤色の
液体を注ぐのを眺める自分の顔は緩んでいるに違いない、彼女は思った。
593:少数派の10
05/06/14 22:57:04
「かんぱーい」
「乾杯」
ようやくワインの用意も終わった二人は杯を合わせていた。ガラスの硬い音色が耳に心地
良い。
「…そういえば、私お酒って初めて…」
「あっ、そうなんだ。僕はミサトさんにちょくちょく飲まされてたなぁ。もっとも、ワイ
ンなんて上品な物じゃなくて、ずっとビールだけだったけどね。」
「…そう、三尉らしいわね。前の忘年会のときは、気の抜けたビールもごくごくと美味し
そうにラッパ飲みしていたものね…きっとあの人には肝臓が4つはあるわね…」
二人で少し笑いながら語る。やはり今日は特別な日だからか、レイの表情がいつもより
ずっと豊かだ。シンジはグラスを傾けた。ワインに詳しい冬月から初心者向けのものを聞
いたから、味は大丈夫なはずだが…
「…あ、美味しい…このワインとっても美味しいよ。レイも飲んでみなよ」
「…ええ」
594:少数派の10
05/06/14 22:57:38
少し戸惑いながらもレイはグラスを口元に運んでいく。それをシンジはじっと見つめてい
た。なにせ、もしもレイがワインを気に入らなかったら彼の計画は根本から瓦解するのだ
から。レイはチョコレートボンボンが好きなのでアルコールは大丈夫だとは思うが…レイ
の感想をどきどきしながら待つ。
「………あ…本当…思ったより美味しいわ、これ。ありがとう、シンジ」
そう言いながら、シンジに微笑みかけつつ、レイはすぐに二口目を飲み始める。その様子
を見てシンジは計画の第一段階がとりあえずは成功したようだと安堵した。
そうして、二人は近々迫る修学旅行や、最近のお気に入りの本についてなど、会話を楽
しみながら料理を食べ進めていった。
「…そういえば、この間からヒカリさんに漫画を貸してもらっているの。思っていたより
もずっと面白い物ね」
「へー、そうなんだ。洞木さん、前に結構持ってるって言ってたもんね。そういえばあっ
ちの本棚に漫画が置いてあるね。今気付いたよ」
シンジはリビングに置いてある本棚を見ながら言う。数冊の赤っぽい背表紙の漫画が岩波
文庫の間に挟まっている。
「…自分でも買い始めたの。あんまり借り続けるのも彼女に悪いもの」
「結構レイって気を使うよね。っと、あれ、もうワインがないや。レイはまだ飲むよね?
新しいの開けようか?」
595:少数派の10
05/06/14 22:58:15
全く酔った気配の感じられないレイは、勿論、といった様子で頷く。その顔はあくまで涼
しい。
「それじゃ、新しいのを開けようか。次はどれ飲みたい?」
「…んー…お酒はよくわからないから、シンジが適当に選んで…」
ちょっと眉を寄せ悩んだあと、そう答えた。レイはシンジに判断を任せるようにしたらし
い。
「それじゃ、今度は白を飲もうか」
首を傾けながら答えるレイに微笑みかけながらシンジは二本目となる白ワインを開けた。
今度はとちらないようにと気を付けながら慎重に。
料理もあらかた片付いたときには、もう3本目を殆ど飲んでいた。シンジはそのことに
気付き、少し驚いた。どうやら、自分とレイはかなり酒が好きな方らしい。自分はもうか
なり酔っているが、涼しい顔のレイを見る限り、彼女の方は耐性もかなり強そうだ。
シンジはふわふわした頭を楽しんでいたが、ふと計画を思い出した。
『って、僕が先に酔っ払ってどうするんだよ。軽く酔ったレイにプレゼントを渡して、そ
の勢いで…ってはずだったのになぁ』
そんなことをボウっと考えていたシンジ。
「…シンジ、聞いているの?どうかした?」
少し心配そうにレイが尋ねる。どうやら話を聞き逃したらしい。
596:少数派の10
05/06/14 22:58:50
「ああ、ごめん。なに?」
「…赤木博士の今度の受賞祝いに何贈りましょうか?って言ったの…」
「なにがいいかなぁ、リツコさんって何が好きなのか良くわからないんだよねー。コーヒ
ーが好きなのは良く知っているんだけど。レイはリツコさんと付き合い長いけど、何がい
いと思う?」
「………実は私もよくわからないの。博士とはネルフでは小さい頃から会っているけど、
あの人プライベートな話は殆どしないから…」
「そっか、確かにリツコさんの趣味とかってあんまり話題になったことないかも。ミサト
さんならよく知ってるだろうから、ミサトさんに相談して決めようか」
親友の表彰を嬉しそうに話していたミサトを思い出した。
「そういえば、リツコさんって恋人とかっていないのかな?」
シンジは続けて思い出した。一足早くウェディングドレスを着た親友の為に、嫉妬と喜び
が混ざった複雑な顔と声で友人代表スピーチを努めていた姿を。
「…さあ?でもあの人の性格を考えるとまだ当分出来ないんじゃないかしら…」
レイはくいっとロゼを呷り静かに呟く。そして、ゆっくりとグラスに更なる酒を注ぐ。
「確かに…何か、今でも父さんのこと引きずってるっぽいもんね。たまに旧司令室に行っ
てる時があるって話まであるし。いい加減あんな男のこと忘れれば良いのにねー」
「…そうね。でもそれが出来ないのがあの人なのかもしれない…」
「リツコさん、前にレイのこと『生きるのが不器用』って言ってたけど、そういう本人も
そうだよね。かわいそうな人だよ。」
「…ええ、そうね。」
すこし、しんみりした空気が流れる。シンジは慌てて湿った空気を換えようと、別の話題
を振った。
597:少数派の10
05/06/14 22:59:35
「まぁ、プレゼントはまた今度考えようよ。ところで、今読んでる漫画ってどんなの?」
「…主人公の幼馴染の男の子が転校生と恋仲になるの。主人公は最初凄く傲慢な性格で、
自分が最高の女だと信じていたから、絶対自分以外の女の子には、男の子は見向きもしな
いと思っていたのね。だから余計に落ちこんで、塞ぎ込むの。その幼馴染の男の子の励ま
しにも余計に傷つくだけだし、親友とも売り言葉買い言葉で喧嘩をしてしまうの。でも憧
れていた体育教師や、ある日出会った一つ年上の男の子に優しく諭されて、ようやく自分
が何ら特別でもない、ただちょっと回りより目立つだけの、周りと同じ一人の人間である
ことに気付くの。そして、ちょっとあって、その年上の男の子と付き合い出すの。今読ん
でるのはここまで。このあと、その年上の男の子の男女を問わない恋人遍歴で悩むって展
開になるらしいわ。でも、主人公の女の子も、なんだかんだとかなり気の多い子だからお
あいこね」
いつもに比べて異常なまでに多弁なレイに圧倒されるシンジ。
「な、なんか熱心に語ってるね。そんなにその漫画が気に入ったの?」
「別に。まぁ、普通の漫画よ。別にそんなに熱心になるほどではないわ」
「そ、そう?その割には熱篭ってるみたいだったけど」
首をかしげながら答えるシンジ。
598:少数派の10
05/06/14 23:00:46
「そう?私はいつもと変わらないわ」
いつもの涼しい顔でレイは答える。
しかし、そう答えるレイの口調は熱い。
『絶対いつもと違うよ』
訝しく思いながら曖昧に微笑みお茶を濁すことにする。
暫し無言の時が過ぎる。シンジはレイを観察していた。レイの顔は確かにいつもと変わら
ないかに見えるが…そういえば、微笑がいつのまにか無表情に戻っている。っと思ってい
るうちにレイは4本目のシャンパンを開けようとしていた。しかし、ビンの首を自分に向
けながら蓋を抜こうとしている。
「あ、危ないよ、レイっ」
慌ててシンジはレイからビンを離す。
「…なぜ?」
不思議そうな顔で尋ねるレイ。どうやら彼女はシャンパンというものを知らないようだ。
599:少数派の10
05/06/14 23:01:51
「あのね、このお酒は炭酸が入っているから、蓋が飛ぶんだよ。さっきみたいにしてたら
レイの顔に当たっちゃうよ?」
見ててごらん、そう言いながらシンジはビンの口の向きを慎重に選んでから、蓋を開ける。
「わっ」
「きゃっ」
ボンッという音と共に蓋が勢い良く飛び、天井で跳ね返る。
開けた本人のシンジも驚いているようだ。レイも珍しく目を丸くしている。
「…あ…ありがとうシンジ。あれは…かなり痛そうだわ…」
まだ少しぼうっとした顔でレイがいう。シンジは首でそれに答えてから、ハッとした顔で
レイと自分のグラスにスパークリングワインを注ぐ。
「そうだ、レイにプレゼントがあるんだ」
一番ムーディなシャンパンの時に、と前々から思っていたシンジはプレゼントをシナリオ
通りに出す。
「初めての誕生日プレゼント…本当にありがとう。シンジ。」
頬を染め、顔を綻ばせながら感謝の言葉を言うレイ。本当に嬉しそうだ。ここまで顔を緩
めるレイを見るのはシンジも初めてだった。
600:少数派の10
05/06/14 23:02:22
「…早速開けてみていい?」
少し上目遣いでシンジにそう尋ねる。が、そう言うレイの指はもう既に包みを解こうと紙
の間に入っている。
それに苦笑しながらシンジは、もちろん、と答える。目を輝かせながら早速プレゼントを
いそいそと取り出すレイ。その様子はいつもと違いとても無邪気だ。
「…わぁあ、これ、前から欲しかったの。うれしいわ」
にこにことした顔をこちらに向けてくるレイに、シンジもまた満面の笑顔を返した。
「早速かけてみるわ」
子犬のような足取りでオーディオにCDをセットする。なんだか今日はレイが良く笑って
くれるな、と嬉しく思いながらシンジはその姿を眺めていた。リビングにショパンのワル
ツが響く。意外にレイは軽やかな曲が好きだ。
軽くワルツのリズムに体を揺らせながらレイとシンジは杯を傾けた。
CDはノクターンに移り、もう2曲目。その間も飲んでいたのでもうシンジは完全に出
来あがっている。レイの方も若干頬を赤く染めていた。そんな二人は穏やかな沈黙をとき
どき挟みながらも会話を続けていた。
601:少数派の10
05/06/14 23:03:20
「そういえば、結婚はいつするの?」
レイがいきなりシンジに尋ねる。
またレイが変なことを聞き出したな、シンジは酒で鈍った頭でそう考えた。レイは以前の
教育の所為で一般常識の類が絶望的に足りていない。この前タクシーの乗り方を教えた時
大変だった。あの、手を上げる動作を見ていたレイは、ヒッチハイクのそれと混同してい
たものだから、あやうく金を払わずに降りようとするところだった。あの場に自分がいな
ければちょっと面倒くさい事になっていたかもしれない。そんなことを思い出しながら、
シンジは答えた。
「大体27歳位じゃないかな?」
それを聞いたレイは少し目を細め、言った。
「…なぜ、そんなに待たなくては行けないの?」
「なんのこと?」
「…そう、誤魔化すのね。男の人は結婚せずに遊びたがると聞いていたけど、シンジもそ
うなのね。」
レイは凍える視線でシンジを見ながら言う。
602:少数派の10
05/06/14 23:03:59
「だから、なんのことさ?…ってもしかして、それって僕とレイの結婚のこと?」
「あなたと私以外の誰の事だと思ったの?もしかして、元弐号機パイロットとの結婚予定
を答えたの!?」
もはや訳のわからない事を言い始めるレイ。眉間に皺を寄せ、いつのまにか真っ赤になっ
ていた頬はこわばっている。ここまで怒りの表情を作るレイを見るのは初めてのシンジは
戸惑い、声も出ない。
それを見たレイは涙を浮かべて叫ぶ。
「や、やっぱり、やっぱり、あ、あの人とも付き合っているのね、私をす、棄ててあの人
と結婚する気なんでしょう!?」
さすがにそれを聞いた途端に酔いの冷めるシンジ。レイはたいして酔っていないと思って
いたが、顔になかなか出ないだけだったらしいとようやく気付いた。
レイと一緒に居だした頃、自分とアスカとの関係をレイが心配していたと洞木ヒカリか
ら聞いていたが、まだ心の底で警戒していたとは。
603:少数派の10
05/06/14 23:04:47
シンジは、昔のように圧されたまま何も言わないで変な間を作ると本当にまずいことに
なる、とすぐに否定の言葉を出す。
「ち、違うって。誤解だよ。アスカとは本当になんでも無いよ。最近は連絡もしてないし、
浮気なんてしてないってば、考えたこともないよ!信じてよ!」
アスカから告白された時にはきっぱり断り、その後もレイに勘違いされるような状況を作
らないように、と意識しながら友達として付き合ったことはレイも知っているはずだ。そ
れに今年からアスカは大学院に通い出したため忙しいらしく、連絡も殆どなくなっている。
そんなこともレイには話した記憶がある。
もう一度改めてそのことをレイに伝えるも、まだ沸騰は収まらない。
「じゃあ何故すぐに結婚しないの?」
またもや訳のわからないことを言い出すレイ。シンジは久し振りに頭を抱えて穴蔵に篭り
たいと思った。
「なんでいきなり結婚なのさ!?」
「愛し合う二人は結婚するものでしょう!」
いかにも当然といった感じでレイは断定する。どうやら彼女の読む本に偏りが出来ていた
らしい。
「いや、レイ。それはね、ちゃんとしたステップを踏んだ大人の恋人がするものなんだよ
…それに僕じゃまだ君を養えないしさ」
少し疲れた声でシンジは答える。低年齢の結婚を量産する少女漫画家や小説家に恨みを抱
きながら。
604:少数派の10
05/06/14 23:05:35
「…お金ならたくさんあるじゃない。ネルフからの今までの給与や研究所の株券をあわせ
れば3億は行く筈よ。私も10億は持っているもの」
たしかに、最近給料の一部として与えられる、民営化されたネルフ研究部門の株や、あの
戦いで得た給与をあわせれば二人の財産はとんでもない額になる。特に幼い頃から様々な
実験に参加していたレイの方は凄まじい。しかし、シンジにとってあの金は水物だ。結婚
するならきちんと稼いだ金で妻を養いたいと思っていた。
「…あとは恋人のステップを昇っていけば良いのね?」
しかし、どんどん話を進めていくレイ。一応疑問形だが、シンジの了解を必要としていな
いのは目が物語っている。
「…さっそく一段昇りましょう!」
そう言ってシンジの首に被りつくレイ。シンジはいきなりのことに驚き、あたふたしなが
ら必死にバランスを取る。レイも振り落とされないようにと余計に必死にしがみつくので
大変だ。
「…ずっと…こうしたかった…」
シンジの体勢が落ちついた後、鮮やかに上気した顔でシンジを見上げながら呟くレイ。い
つもはきれいだと思う顔だが、今はただただ愛くるしい。
605:少数派の10
05/06/14 23:09:21
「…僕も…その為に今日は頑張ったんだよ」
シンジも瞳を見つめ、うっとりしながら愛しい女に囁く。心の奥底で、あまりの計画との
齟齬にちょっとした自己嫌悪をかみ締めながらも。
「…うれしい!」
それを聞いたレイはいきなりシンジの頭に手を回し引きつけ、頬、額、鼻など、顔中にキ
スのシャワーを浴びせる。
「ん、をん、うん、んっ、むっ」
「わー、わ、わっ」
いきなりのレイの行動にシンジはなす術も無い。しかし、その間にもしっかりとレイの体
の柔らかさは堪能しているようだ。
「…シンジ…愛してる…」
いったんシャワーをストップし、シンジの瞳をもう一度熱く潤んだ瞳で見つめた後、レイ
はついに唇にキスをした。合間合間に顔の角度を激しく変え唇をこすり付けている。
「むーっ、む、ぬー、ううぅぅ」
レイの目は切なそうに細められ、苦しそうでもある。
606:少数派の10
05/06/14 23:10:14
『な、なんか違う…もっと、もっとムードが…ムードが…ああ、一瞬シナリオの修正が効
くかと思ったのに…』
「ぷはっ」
「さ、さぁ、こ、これでステップのほ、方もクリアー、した、わ?」
一旦抱え込んでいたシンジの頭を解放し喘ぎ喘ぎ話すレイ。
やはりレイの方も相当苦しかったらしい。顔はさらに赤くなっており、かなり呼吸が荒い。
『と、とりあえず、今だけでも話を合わせとか無いと。ここまでやるレイ相手に駄目だな
んていったらどうなることか…』
酸欠で碌に働かない頭で考え、歪な笑い顔でうなずくシンジ。やはりこちらも息絶え絶え
といった感じだ。
「そ、そう…だね、でも、こ、この話しは、ま、また今度…く、詳しく…話しあ、合おう
か」
607:少数派の10
05/06/14 23:11:14
ちゃんと問題の先延ばしを加えている。その目はレイをまっすぐに見詰めることはなく、
ちらちらと様子を伺うかのようだった。純粋だったシンジの心は周りの汚い大人のおかげ
でいまやすっかり汚れてしまっていた。しかし、レイは敏感にシンジの瞳に気付いた。レ
イの体が震え出し…
「………いやぁ…いやぁ…けっこん、してぇ。い、いま、いま、ちゃんとや、やくそくし
てぇ」
突然レイは幼子のように首をいやいやっと振りながら泣き出した。
シンジは内心、しまった!っと思いつつ、レイを慰めようと近づくがオレンジ色の壁に阻
まれてそれ以上進めない。むしろ、どんどん壁側に押されているような気がする。いや、
実際にだんだん壁との間がなくなっている。
「わ、判ったよレイ!しよう!今すぐしよう!」
焦りの混じった声でシンジが叫ぶ。