05/06/25 01:49:46
チリリン・・・。風鈴の音が鳴る。今年の夏は暑い。
私は、縁側に座り、うちわを扇いでいた。
私は、夏が好き。
何故って私が若かった頃、一番輝いていた頃、いつも夏だったから。
私の夫、シンジは3年前他界した。心筋梗塞だった。
(あなた、私は今も夏になるとあの頃を思い出してしまうのよ・・・)
エヴァ。使徒との戦い。大人の男性への淡い憧憬。
でも、ホントに好きなのは、あなただった。
高校時代、楽しかった。
甘い新婚生活。ケンカも沢山したわね。
あなたと過ごした長い長い日々・・・。今では全てが輝いている。
人は死んだらどうなるのかしら?天国に行くのかしら?
そしたら、またあなたと会える?
それとも、生まれ変わるのかしら?
もしそうなら、生まれ変わってもあなたと一緒に、なりたい。
「ばあちゃーん。」
この声は、孫のシンスケだ。
「あら、また来たの?」
「うん。ばあちゃんにこの前の話の続きを聞こうと思って。」
「そう。えー、どこまで話したっけね?」
「おばあちゃんが、おじいちゃんと豪華客船で運命的な出会いを果たした後、
猛練習の末、ダンス大会で優勝したところまでだよ。」
「ああ、そうだったわね。それじゃ、その続きから話すわね。
昔々のそのまた昔、私が14歳の少女だった頃――