05/01/23 08:43:33
教室のドアが大きな音を立てた音、アスカの背中が廊下に消えていく。
しばし、誰もが呆然とそれを見送っていたが、
「碇君、アスカを早く追い掛けて」
とヒカリが声を出した。
それによって我に返ったシンジは立ち上がったが、
「えっ、」
と、レイへ顔を向けた。
シンジの右手首をレイが強く握っていたのである。
「行かないで…」
と、レイは静かに言う。
しかし、彼女の瞳は燃えるように紅く輝き、その意志を伝えていた。
「碇君、」
ヒカリは再び言うが、レイに気圧されたのか声の勢いは弱い。
教室中に緊張が走り、静寂が場を覆った。
だが、
「おっはよう。みんな、元気ー」
と、ミサトの声がそれを破った。
「ん? おろ? みんな、どうしたの?
間の抜けたようなミサトの声。
しかし、兎にも角にも始まったホームルームによりシンジは教室に残らざるを得なかった。