04/06/14 18:00
その後、なんだかんだと説得されて同居することになったシンジ君。
翌日の朝食では、気まずい雰囲気が漂っているし、目が合うとヒカリちゃんは睨んでくるし。
でも、学校が同じだから、一緒に登校することになって、
「ちょっと、もう少し離れて歩いてよ」
「えっ、どうして?」
隣を歩くシンジ君は不思議そうな眼で彼女を見る。
「男の子と一緒にいるなんて、不潔に見られるでしょ」
「??? そうなのかなあ」
「そうなのよっ!」
と言って、ヒカリは眉を逆上げにする。
「あのさ、怒ってる?」
「……私が怒ってるですって?」
「う、うん。そうにしか見えないけど」
「怒ってるように見えるとしたら、碇君が悪いのよ」
と更にヒカリは目をつり上げたが、シンジは逆に笑みを浮かべた。
「やっと、名前を呼んでくれた」
「えっ?」
「僕は父さんのこととは別に君たちとは仲良くしたいんだ。
前のところではあまりいい思い出がなかったから、今度は……もう少し……」
言い淀んで俯いてしまったシンジを、ヒカリは暫く見ていたが、
「ほら、早くしないと遅刻しちゃう」
と、彼の右手を優しく握り、再び歩き出した。