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日本経済新聞 2006年7月1日(土)夕刊 3P アーバンBiz
さぶかるウオッチング 涼宮ハルヒ
いまアキバ系の間で人気急上昇中の「萌え」ストーリー。軽い文体の小説「ライトノベル」からブームが起き、アニメやラジオ番組、CDなど様々なメディアで関連作品が人気を集めている。
自己中心的な女子高生「涼宮ハルヒ」の周囲で不思議な事件が起こるというストーリー。物静かなメガネっ娘や童顔の先輩など、オタク好みな脇役が物語に花を添える。
ライトノベルはすでに八巻が刊行され、累計百三十万部を販売した。
二〇〇三年から続く人気シリーズだが、今年に入りメディアミックスを積極化してブレイク。二月にラジオ番組、四月に全国でテレビアニメが放映開始。DVDやエンディング曲のCDもチャートをにぎわす。
異色なのは、アニメや主題歌を涼宮ハルヒ自信がプロデュースしているという設定。制作スタッフ名にも彼女の名が連なる。ラジオは作品中に登場する「SOS団」というサークルが放送するという形で、公式ウェブサイトもSOS団のサイトという形式をとる。
現実と虚構が交錯する不思議な感覚は、作品の世界観にも通じるものがある。(周)
挿絵 デザイン部 田口寿一