Rozen Maiden ローゼンメイデン SS総合 7at ANICHARA2
Rozen Maiden ローゼンメイデン SS総合 7 - 暇つぶし2ch66:真紅・喫茶店編1
06/11/05 19:10:41 Co+Ynt3J
ある日、ノリが人形たちを呼び集めます。
「パパとママからの仕送りがなくなったので、みんなでお金を稼がないと食べていけないのよ~」
いきなりの知らせに人形たちも言葉が出ません。
「この家を改装して喫茶店を開業しま~す、お人形さんたちも手伝ってね~」

喫茶店開業当日
「じゃあ、ヒナちゃんはウェイトレスしてね」
「わかったなの~」

「翠星石ちゃんはレジをお願いね」
「仕方ねぇ~です~、手伝ってやるから感謝するですぅ」

「真紅ちゃんはね・・・一番大事なお仕事があるのよ」
「ノリ、なんでも手伝うのだわ。言ってちょうだい」
ノリは真紅を厨房に連れて行きます。
「うちの喫茶店は高級紅茶を売りにしようと思うの」
「わかったわ、私が紅茶の茶葉を調合するのね。適任だわ」

ノリはニッコリ笑うといきなり真紅をラーメン屋にあるような巨大な寸胴ナベに放り込みます。
「違うのよ、真紅ちゃんが紅茶になるの」
ナベの上からお湯をドバドバと注ぎこむと真紅は必死で逃げ回る。
「アッ、熱いのだわ!!止めるのだわ~~!」

お湯をたっぷり注ぎ、蓋をして煮ること30分。ガタガタとうるさかったナベも静かになった。
「あら~やっぱり良い色が出るわ~、香りもいいわね~」
ノリが蓋を開けると紅茶の中で茹で上がってヘロヘロになった真紅と茶色になった液体が目に飛び込む。

何十年、何百年と紅茶ばかり飲んでいた真紅は体そのものが凝縮された紅茶葉となっていたのだ。
熟成された紅茶は最高級の味わいとなり、ノリの喫茶店は大繁盛した。

67:真紅・喫茶店編2
06/11/05 19:11:45 Co+Ynt3J
「もう、もう・・・ダメなのだわ・・・ジュン、紅茶を淹れてちょうだい」
あれから3ヶ月、喫茶店用の紅茶パックとして使われた真紅はくたびれ果てていた。
名前の通りに真紅だった服は色あせてエビ茶色になり、髪も白髪となっていた。
「喫茶店に改装するために借金したんだから、もう少しがんばれよ」

ジュンはカップに山盛りの紅茶葉をスプーンで食べさせる。
「・・・こんな茶葉ではなく普通の紅茶が飲みたいのだわ」
「真紅の紅茶の出が悪くなってるから仕方ないだろ、がんばって食べろよ」
「つらいわ・・・悲しいのだわ・・・」

「う~~ん、困ったわ~。真紅ちゃんがんばって!」
散々に酷使された真紅は紅茶の出が悪くなり、今日は1時間以上も茹でられていた。
「熱いのだわ!!出して!!」
「仕方ないわ~。ジュン君、これを使ってね」
ノリは巨大なシャモジをジュンに手渡す。
ジュンはシャモジで強引にナベに押し付け紅茶を搾り出す。
「もう・・・限界なのだわ」

真紅の涙の塩味のせいだろうか、喫茶店の紅茶は評判が悪くなってしまった。
「う~ん、真紅ちゃん紅茶は限界かしら?」
真紅の服は白く色が抜け、茹でられ続けた皮膚はボロボロと剥がれだしていた。
「・・・なのだわ」
「じゃあ、真紅ちゃんはウェイトレスやってね」

「え~と、紅茶の味が落ちてきたので新メニューを出したいと思います!」
ノリがみんなを集めて発表する。
「新メニューは・・・苺ジャムケーキです!」

「おいしそうなの~~!!」

68:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/07 14:48:07 cjAAyIB0
ぬるぽ

69:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/08 13:43:23 DdPCsSUL
あげ

70:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/09 02:43:45 0t+L+IgJ
ーー・ -・・- ー ・・-

71:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/09 03:57:39 qa9epEQv
モールス信号か?

72:真紅・赤軍編
06/11/12 11:35:48 TKHhsX17
1942年スターリングラード

「同志水銀燈、貴方のクレツスカヤでの行動は党と人民に対する裏切り行為なのだわ」

「しかたなかったのよぉ、弾薬も燃料もなくなっちゃったしぃ」

「貴方に足りなかったのは弾薬でも燃料でもないわ。党への忠誠と勇気が足りなかったのだわ」

「党への忠誠?革命以来の党員であるアタシを疑ってるのかしらぁ?」

「それを決めるのは内務人民委員会の職務なのだわ」

「ア、アタシに死ねと言うの?アタシは無実よ!」

「そうね・・・貴方が無実だと言うのなら、懲罰大隊で無実を証明しなさい」

「真紅、私たちは姉妹なのよ、お父さまのところで過ごした日々を忘れたの?」

「私の父は同志スターリン閣下で母は共産党なのだわ、ジャンクと一緒にされたくないわ」

「真紅!覚えてなさい!」

水銀燈は懲罰大隊に送られた。

73:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/12 22:28:11 xnfuKesF
真紅のタネの無い手品に驚嘆し、我ながらアホな面をしていたと思う。
元通りに直った窓ガラスをぺたぺた触って、やっぱりタネも仕掛けも無いなと改めて実感していると、
ドアがノックされる音が響いて我に返った。

ドアの向こうで僕の名を呼ぶ声が聞こえる。
ドタバタ騒いだから母さんが不審に思ってやって来たのだ。
さて、どうする。
今までの経験上、母さんは僕の部屋に入るときは必ずノックをするが、
僕の返事を待つこと無く部屋に入ってくるケースが圧倒的に多い。

一瞬、別にバレちゃってもいいんじゃないか?という疑問符付きの考えが頭を過ぎったがすぐに打ち消す。
とにかくバレちゃ駄目なんだ。
秘密があった方が楽しいからとか、そんな稚拙な理由では無い筈なんだが、今は説明出来ない。
自分でもわからないんだからな。
まあそのうち四百字詰め原稿用紙二枚分くらいに理由を書きまとめて提出するよ。
添削は翠星石にでも頼むかな。

そうと決まったらすぐ行動だ。
すまし顔で正座してる真紅を抱きかかえて有無を言わせず押入れに放り込む。
「すまん。お茶は後で淹れるから」
次いで石石姉妹を押入れに放り込むべく踵を返すと、翠星石が蒼星石の服の襟を掴んで、
「まったく、しゃーねー野郎ですぅ」
と言って、頭上でクエスチョンマークを持て余している蒼星石をずりずり引きずって
押入れの中へ入っていった。

襖を閉める間際、
「ちょっと、一体どういうこと?」
と隙間からひょっこり顔を突き出し僕に訊ねる真紅に、
「それは後で説明しますから、今は静かにしといてほしいです」
と翠星石が答え、真紅が渋々顔を引っ込めるのを確認してから襖を閉じた。
機転を利かしてくれた翠星石に素直に感謝する。

一通り証拠隠滅し終え、僅差で母さんがドアを開け部屋に入ってきた。
危ない危ない。ふと母さんの視線の先にある物に目が行く。
しまった、鞄だ。
忘れていた。
「大きな音立てて何してたの?」
と母さん。
「いや、そこの鞄につまずいて転んじゃってさ」
しめた、鞄の事は不審には思っていないようだ。
息子の部屋事情を把握していないからそうなるんだ。
「ガラスの割れた音が聞こえたんだけど」
この質問には知らぬ存ぜぬで通すしかないな。
「え?そんな音は聞こえなかったけど・・・」
「おかしいわね、確かに聞こえたんだけど」
幻聴だよ。
と言う訳にもいかないので、
「母さん、疲れてるんじゃないの・・・?休んだ方がいいよ」
と遠まわしに幻聴説を肯定しておく。
母さんはそうかしらねえ、などと言いつつも目から発射中の疑り光線を僕に浴びせ続けていたが、
まもなく諦めて階下に戻っていった。

74:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/12 22:29:12 xnfuKesF
母さんの姿が消えたのを確認してからドアを閉め、
「もういいぞ」
と押入れの中の連中に声をかける。
ガララ、と立て付けの悪い襖を開けて真っ先に出てきたのは真紅だ。
「髪が乱れたわ」「こんな真っ暗なところに閉じ込めるなんて」「駄目な家来ね」
などと小言を連発しながら不機嫌空間を作り出している。
次いで翠星石と蒼星石が横一列になって出てくるところを見て、
この二人の容姿が瓜二つだと言うことに気付いた。
姉妹と言うより双子と言った方が正しいのではないか。

真紅が澄んだ青い瞳で僕から何かを読み取ろうとしているかのようにじっと見つめた後、翠星石に向かって、
「隠し事をするような人間がどうしてあなたのミーディアムに選ばれたのかしら。甚だ疑問だわ」
真紅の口ぶりから察するに、既に押入れの中で翠星石から事情説明を受けたみたいだな。
ミーディアムとかいう意味不明な単語が出てきたが、これは今に始まったことでは無いので特に気にしない。
「これが私の家来でなくてよかったわ」
どうやら真紅の中では僕は「これ」扱いらしいな。
「ぐむむむ・・・」
と翠星石が歯がゆそうな唸り声をあげて、僕を睨みつける。
なんだよ、その顔は。

飼い犬を連れて散歩していたところ、
おせっかいと嫌味を同時にこなす奥さん連合のボス的なオバハンに出会って、
あらあらお宅のワンちゃんは随分粗末な格好をしていますのね、うちの犬に比べたら・・・
と侮辱された若奥様のような顔になっている翠星石を見て、ちょっと複雑な気分になった。

まあそんなことはどうでもいい。
それより一つ訊いておきたいことがある。
「お前たちは一体何をしに来たんだ」
真紅が意外そうな顔をして、
「私は翠星石から、あなたが遊び相手に不自由して寂しい思いをしているから
今日だけ相手をしてやって、と頼まれたのよ」
感謝しなさい、ところでお茶はまだなのと真紅。

寂しい思いだって?僕が?
翠星石は知らん顔をしている。今にも空々しい口笛が聞こえてきそうだ。
「僕は無理矢理連れてこられたんだけど、そういう事だったんだね。最初から素直に話してくれればいいのに」
と蒼星石。
「たとえ遠まわしではあっても、友達がいねーなんて堂々と言いふらしちゃ人間が可哀想ですよ」
「あはは、それもそうだね」
と石石姉妹。
待て待て。
勝手に納得してもらっちゃ困る。これじゃまるで、僕がいたたまれない子じゃないか。

僕が弁解の言葉を考えていると、
「ところであなた、何をしたいの」
と真紅。
すると翠星石がトランプケースを水戸黄門の印籠のように見せつけて、
「じゃじゃーん!今日はこれで遊ぶですぅ!」
と一人はしゃいでいる。
一体どこに隠し持っていたんだ?


75:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/12 22:30:29 xnfuKesF
僕と一緒にテレビゲームをしてからというもの、
翠星石が家中の娯楽道具を引っ張り出してきゃいきゃい騒いでいたのは記憶に新しいが・・・
そういえばトランプも引っ張り出してたな。
今翠星石が持ってるのと同じやつだ。
あの時は僕が「トランプで出来るゲームってのは大体が人数がある程度揃わないと遊べないものばかりだから」と教えてやると、
「じゃあ人数揃えば遊べるですね!」
と言って目を輝かせていたな。

だんだん読めてきたぞ。
お前まさか・・・と言おうとすると翠星石が、
「人間がどうしてもトランプで遊びたいって泣きついてきやがるもんだから、
しょーがねーなーって事でルールの方はバッチリ覚えてやったですぅ。
ババ抜きでも大富豪でも神経衰弱でも、なんでもきやがれーっ、ですぅ!」
やっぱりそういう事だったか。
この性悪人形め、人を勝手に友達のいない気の毒な人にしやがって。
「あら、トランプね。トランプゲームの殆どは、人数が揃わないと楽しく遊べないものばかり・・・。
確かに、友達がいないあなたには不向きね。見たところ、カードも新しい物のようね。
使う機会が無かったのね・・・」
そう言うと真紅は僕に「可哀想な子ね」と言いたげな視線を向けた。
待てよ、誤解だ。
「大丈夫だよ。今日は沢山遊んで沢山楽しもうよ。ね?」
と蒼星石。
大丈夫もなにも、僕は最初から大丈夫なんだが。
「じゃ~あまずはオーソドックスなババ抜きから始めるです!」
翠星石が意気揚々と宣言して、カードを切り始めた。
シャッフル上手いな。そんな小さい手でよくやるぜ。
ってそんなことはどうでもいいよ。
勝手に話を進めるんじゃねえ。
と嘆いても時既に遅し、いつの間にか円形に集まっていた面々に翠星石がカードを配り始めた。



ちょっと前までは賑やかだった部屋も、真紅と蒼星石が帰ってからは随分と静かになった。
最も、一番うるさいやつがまだ残ってるが。
「今日は楽しかったですぅ。また一緒に遊べるといいですねー」
と翠星石。
確かに楽しかったけどな。
だが、真紅と蒼星石の中で僕に対する間違った共通認識が芽生えたのはいかんともしがたいね。
「それくらい大目に見やがれですー。でかいくせにチビチビといつまでも気にするんじゃねーです」
そう言って翠星石は押入れの中に入っていった。
気付けばもう九時か。
翠星石就寝の時間だ。

76:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/12 22:31:16 xnfuKesF
真紅と蒼星石はトランプゲームのルールをよく理解していて、
最初のババ抜きでは真紅と蒼星石のワンツーフィニッシュが殆ど、
僕と翠星石はドベの座を毎回争っていた。
ところが大富豪を始めると、翠星石が異常なまでの強さを発揮し、始終大富豪の座に君臨していた。
僕も運が良かったのか、富豪の座を手堅く守り通した。
蒼星石は貧民から脱出出来ず、真紅は毎回大貧民になっていたな。
翠星石は大富豪特権で大貧民真紅からカードを巻き上げるのを至上の楽しみとしていたのか、
「おーっほっほ、真紅ぅ。この翠星石様に一番強いカードを献上しやがれですぅ」
というようなことをゲームが始まる度に言っていた。
その度に真紅は顔を真っ赤にして親指の爪をカリカリ齧りながら
「どうして私が・・・」「不公平よ・・・」「許せない・・・」
などと聞き取りづらい声でボソボソと呟いていた。
僕には呪いの言葉に聞こえたね。
神経衰弱は蒼星石の独壇場だったな。その記憶キャパシティを少し分けてほしいと思ったぐらいだ。
翠星石はヒステリック気味に髪を掻き毟りながら
「だー!また間違ったです!」「ええっ、間違いは無かった筈ですのに!」
「カードが移動しやがったですぅ!小癪な野郎ですぅ!」
などと騒いでいた。うるせえよ。
真紅は蒼星石がカードに手を伸ばす度に
「それは間違いよ」「あなたの記憶力の悪さを証明出来るいい機会ね」
などと巧みなメンタル攻撃を仕掛けていたが、それにめげずに一位の座を守り続けた蒼星石は凄いよ。
まあ僕も始終二位だったけどな。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去ると言うが、その言葉の意味を今日ほど実感したのは初めてだ。
と言っても、翠星石と一緒にいる時も時間の流れが加速しているような気がするね。
なんでだろうね。

「人間、おやすみも言えねーですか?」
翠星石が押入れから顔を覗かせている。
「ああ、おやすみ」
「おやすみですぅ」
ギギギ、ガタンと襖が閉じられた。
立て付けが悪いからな。

77:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/13 17:26:18 TuF/3pD7
ギギギで「はだしのゲン」を思い出した俺は負け組

78:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/14 22:09:16 wMjvwrkn
>>25の続きが激しく見たい

79:雛苺・ひよこ編1
06/11/16 22:11:01 0IWcyVmS
今日は夏祭りだ。
まずはりんご飴を買ってなめつつ屋台を見物する、ふと気になる看板があった。

『カラー雛苺釣り』

なんだろう?
屋台を覗いてみると1m四方のタライの中に小さな雛苺が何匹も入ってる。
赤、青、緑、黄色、色鮮やかに塗られた雛苺がとてもかわいらしい。
「「ヒナが鬼やるの~」」 「「ドロップき~~っく」」 「「ヒナのぼりなの~」」
雛苺達はタライの中で鬼ごっこをしたり、プロレスごっこをして遊んでいる。
かわいいな、欲しいな。

僕は家までダッシュで帰り、お母さんに頼み込んだ。
「雛苺飼いたいんだ!僕が世話するから飼っていいでしょ?」
お母さんは顔をしかめて大きくなったら飼いきれないとか食費がかかるからと言ったけど説得する。
お母さんの「どうせすぐに死んじゃうから」という言葉にショックを受けたが、許してもらえた。

僕は再び全速力で雛苺釣りの屋台に戻る。
「坊ちゃん、釣ってみるかい?一回100円だよ」
屋台のおじさんが声をかけてくる、早速やってみよう。

100円を渡すとおじさんは飴のついた糸をくれた、これで釣るらしい。
タライの中で雛苺同士で楽しく遊んでいたが僕が飴を垂らすとこっちに注目が集まる。
「「「お菓子なの~」」」 「「「飴ほしいの~」」」 「「「お腹すいたの~」」」
飴の下に一斉に集まり、飛びついて飴を取ろうとする。

赤、緑、青はたくさんいたが、一匹だけ紫色の雛苺がいた。
他の雛苺は仲間と遊んでいたのに一匹だけボールを転がして遊んでいた子だ、この子にしよう。
目の前に飴を垂らしてやるとボールを放して飛びついてくる、このまま引き上げれば釣れる。
引き上げようとすると紫雛苺に他の雛苺もしがみついて一緒に上がってこようとする。
屋台のおじさんは棒で紫以外をタライの底にバシバシと叩き落す。
「はいはい、釣るのは一匹だけね。坊ちゃんウマイね~、紫はアタリだよ」
おじさんは釣った雛苺をビニール袋に入れ、口を輪ゴムで縛って渡してくれた。

80:雛苺・ひよこ編2
06/11/16 22:13:06 0IWcyVmS
家に帰ってビニール袋を開けてみるが雛苺はぐったりとして動かない。
屋台のおじさんに言われたとおりゼンマイのネジを巻いてやることにする。
蝶ネジを取り出し差し込む穴を探したが見つからない。
思いついてスカートをめくり上げ下着を下ろしてみるとお尻に穴が開いていた。

お尻の穴に蝶ネジを差し込もうとするが中々入らない。
三分の一ほど入ったところで左右にグイグイひねってみると雛苺が動き出した。
「うわ~~ん!!いたいの~~!穴が違うの~!」
どうやら動かなかったのはビニール袋に入れてたため酸欠になったらしい。
僕は雛苺に謝り、今日からこの家で雛苺を飼うことを説明すると大喜びしてくれた。

さっそく一緒に遊ぶが雛苺は左足を引きずっている、どうしたんだろ?
「・・・昨日ぶつけちゃったのよ、大丈夫なのよ」
しばらく遊んでやるとお腹が空いたと騒ぎ出した、何を食べるのかな。
「うにゅ~が食べたいの、白くて丸くて甘くてフワッ~としてるのよ」
う~ん、なんだろう?白くて丸い?

台所にあったダイコンを輪切りにして与えてみる。
「違うの~こんなのじゃないの~もっとフワッ~っとしてるの~」
ダイコンを摩り下ろして大根おろしにして与えてみる、手間がかかるなあ。
「違うの~!!辛いの~!こんなの食べたくないの~」
贅沢を言う雛苺に好き嫌いはダメだぞと言い聞かせ、大根おろしを食べさせる。

2~3日もすると紫色だった色がだんだんと剥がれてきた。
どうやらスプレーで着色してあっただけらしい。
めずらしい紫雛苺だと思ったのに、どこにでもいるピンク雛苺になっちゃったなあ。
「ごめんなさいなの~・・・」
普通のピンク雛苺を前にしてがっかりしてると雛苺はしきりに謝る。
お詫びのつもりなのか、ダンスを踊ったり、歌ったりしてくれるが気分は晴れない。

お前、いまだに足を引きずってるけどぶつけただけじゃなかったのか?
「・・・うゆ~、本当は生まれた時から足が不自由なのよ・・・」
雛苺の話を詳しく聞くと、体に障害のある雛苺は目立つような色に塗って、早めに売って処分するらしい。
僕は屋台のおじさんにすっかりだまされてしまったようだ。

81:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/17 14:03:33 7fCcgfY9
>>79
一匹100円なら全部買っちゃうぜ!と思ったが、食費が…

82:雛苺・ひよこ編3
06/11/19 13:53:59 mKPH+tTe
「あのね、あのね・・・ヒナがアリスゲームに勝てば足も治って、人間になれるのよ」
他の人形姉妹を倒すと雛苺が人間になれるらしい。
近くに真紅を飼っている家がある、連れて行ってみよう。

山田さん家の真紅は畑で草取りをしていた。
それにしても年寄りの真紅だ、頭は白髪だし腰も曲がってる。
赤いモンペをはいて、頭につけてる布もヘッドドレスではなく赤い手ぬぐいだ。
「アリスゲームなの~~~!!」
雛苺が僕の手から飛び出し、足を引きずりながら突進していく。大丈夫かな?
相手は婆さん真紅だが身長20cmくらい、雛苺は子供で10cmしかないし、足が不自由だ。

雛苺はポコポコと老真紅を殴りつけ、老真紅はホッホッホと笑って受け止めている。
しばらくすると老真紅は「負けたのじゃわ~」と言ってコテンと後ろに倒れる。
「ヒナが勝ったの~!ろーざみすてぃかを渡しなさいなの~!」
老真紅は笑いながら腰につけた巾着袋から飴玉を取り出し雛苺に渡す。
「おいしいの~~」

畑の脇に座って真紅の話を聞くことができた。
ローゼンメイデンはそれぞれ人気の差で生産数が違うのでアリスゲームはほとんど成り立たないらしい。
人気のある翠星石、水銀燈に生産が集中していて雪華綺晶がほとんど生産されなかった。
全種類のローザミスティカを集めるのは無理ということらしい。
「人間と一緒にいつまでも暮らすのが一番の幸せなのじゃわ」

雛苺、人間になるのは無理みたいだ。残念だったな
「飴おいしいの~」
老真紅に手を振って別れると雛苺を抱えて家に帰る。
家に帰ったら紫色が残っている服を洗ってやろう。

83:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/19 21:06:05 jpbnoWNH




虐待は?

84:雛苺・ひよこ編3
06/11/19 22:08:51 mKPH+tTe
カラーひよこだからネコに足食われたり、雑煮の具になったりする程度

85:真紅・終末編
06/11/22 12:09:19 o0R/o4Ci
ネットで通販サイトばかり見てると肩がこる。
というわけで僕は肩こり解消用に低周波治療器を愛用している。

「ジュン、たまには外に出て運動しなさい。そんなものは迷信に決まっているわ」
真紅は低周波治療器を怪しげな健康法と一緒にしてるようだ。
これは真紅に試してもらわないといけないな。

「じゃあ、ちょっとだけ試してみろよ」
真紅の両手に電極を持たせスイッチを入れる。
「気持ちいいのだわ・・・」
体をぴくぴくさせながら目を閉じて気持ちよさそうにしている。

よし!強さを上げてみよう!まずは中!
「あ!ああああ!!イイイイィィィィーーーー!!」
全身をビクビクと仰け反らせ、首をガクガクと振り、口からは舌が飛び出す。
気持ち良いというか感じてるな。

次は最強!
「と、と、止めるのだわ!ダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワダワ・・・・」
なんかダワダワ言い出したぞ。
真紅の目はピカピカと点滅して首が360度グルグルまわり、体全体がエビのように弓形になる。
手足をバタバタ振り回して股間からは湯気がたっている、どうやらお漏らししてしまったようだ。

そろそろ止めてやろう。
「真紅、気持ちよかったかい・・・真紅?」

真紅は動かなくなっていた。
真紅の関節からは白い煙が上がり、青かった目は白く濁ってしまった。
ゼンマイを巻いても、強く振っても動き出さない。
真紅は壊れてしまった。

僕が真紅を壊してしまったことを知ると、翠星石と雛苺は逃げるように家から出て行ってしまった。
僕は真紅の亡骸を机の上に座らせ話しかける。
「人形が動いてて喋ったりするなんて、今になると夢だったみたいだな・・・」

僕は再び学校に行くようになり、友達もできた。
それでも一日の最後には真紅にその日の事を色々と話す。
机にちょこんと座った真紅におやすみと言うと、僕はベッドに入り深い眠りについた。

86:名無しさん@お腹いっぱい。
06/11/23 18:02:20 2TWGz9Dp
真紅「ジュン」
ジュン「なんだよ」
真紅「たまには紅茶ではなく、ミルクティーが飲みたいわ。淹れてきなさい」
ジュン「はぁ…はいはい、分かったよ」
真紅「いい子ね」

30分後…

ジュン「ほら、淹れてきてやったぞ」
真紅「ありがとう、頂くわ。」
ジュン「どうだ?」
真紅「……そうね。紅茶とはまた違う、優しい香りと味…。ジュン、まるであなたの様…ふふ」
ジュン「真紅…」
真紅「ジュン…」
ジュン「それ、こげ茶色の絵の具に白い絵の具を混ぜたやつ」
真紅「ブブゥ!」


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