Rozen Maiden ローゼンメイデン SS総合 6at ANICHARA2
Rozen Maiden ローゼンメイデン SS総合 6 - 暇つぶし2ch494:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/07 01:28:01 h7f3PTvL
>>488
俺に任せろ。
ただし魔法は尻から出る。

495:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/07 03:32:20 ms/LywUm
俺も虐待書きたくなってきた。
真紅をめちゃくちゃにしたい。

496:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/07 19:21:18 pskHEsp9
>>494

任せた。
何だか分からないが「尻魔法」期待してる。

497:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/07 19:43:45 pskHEsp9
>>492
ワロタ。
因みに、その後遊びに来た蒼星石のあだ名は
バルタン星人に決定みたいな…。
鋏振り回すから。


498:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 03:38:58 stWlWEct
>>497
「フォッフォッフォッフォッ…はぁ…僕は一体何やってるんだろ…?」

499:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 04:02:27 6UASQQlz
最近どこもパロ多いな。
ネタの渇望かね。

500:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 17:31:23 V2BZKwOX
>>492
ワロタ
特撮にハマッたJUMとか
ネクサス打ち切りを聞いて怒り狂うけど
マックスにもハマッてしまう真紅とか見たいな。

501:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 17:48:48 AMt3eSwv
虐待スレなくなった?

502:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/08 20:48:05 7nwTLg4n
>>501
どこの虐待スレよ?翠星石のならまだあるぞ

503:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 01:12:44 R6tmum8y
赤提灯的私生活をきぼん

504:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 03:23:19 HBm0qptL
>>502
翠星石虐待スレPart3
だ。
過去ログ倉庫からなくなってるんで。
在るならURLうp頼む。
迷惑かけてすまん。

505:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 03:44:01 jk+VhVM1
スレリンク(cchara板)
翠信者が性懲りも無くAAで荒らして必死

506:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 04:01:29 HBm0qptL
>>505
おお、サンクス。
しかしひどい状態だな。


507:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 19:41:32 7UN4Vlba
>>505
問題はAA厨じゃないでしょw
>>506
世の中にはアホなやつもいたもんだな・・・

508:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 19:51:07 jk+VhVM1
>>507
AAや数字で荒らすやつが原因だろ。
こいつら頭おかしいから。

509:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 21:03:49 7UN4Vlba
俺的には数字VIPPER>AAコピペ厨だけどな
AAにはもう慣れてるからまぁ許容範囲

510:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/09 23:12:47 h24olQ69
>>503
僕が図書館から帰ると、真紅がブランデーを一瓶空けていた。
しかも、紅茶の中にブレンドするという荒業。
「うわ、酒くっさー!何やってんだ真紅、昼間っから酔っ払って」
「紅茶にブランデーって絶妙の味らわ~」
とか言いながら、暑かったのだろう、上着を脱いで下着姿で得々と僕に『民主主義』を語るのだ。
「いい事ユリアン…私の事は不敗の魔術師、若しくは提督って呼びなさい」
「誰がユリアンだよ、ていうか誰だよ、ユリアンって!あーあ、こんなに部屋を散らかして…」
「身の回りの事はユリアンに一任!そもそも人類の歴史の中で…」

「こんにちはージュン君、一体これは何の騒ぎだい?」
「蒼星石、聞いてくれよ、真紅が酔っ払っちゃって大変なんだよ」
僕は蒼星石の助けに期待した。でも蒼星石を見た真紅は何故か彼女に襲いかかった。
ポカポカポカ!
「キー!ヘテロクロミア!ヘテロクロミア!!」
「ちょっと真紅、止めてよ、ヘテロクロミアって、僕が何したって言うんだい!!」
「カイザーの手先、ロイエンタールめっ!あんたなんかメルカッツのオジジに犯やられえばいいんだわ!」
こうして、僕と蒼星石は、真紅の自由,平等、博愛の講釈を、
彼女が眠るまで延々と聴かされる羽目になったんだ。
酔っ払い相手は疲れるなァ…。

桜田家の歴史がまた1ぺえじ。

赤提灯的生活ってのが良くわからん。



511:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/10 00:24:45 DNI6wn+B
銀英wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

512:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/13 01:26:48 ic9K/dvr
何故急に過疎る

513:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/13 06:01:04 Dh/fPuFx
銀様が英雄伝を語る
えいゆうででんでんでんでん

514:デュード ◆rKKpoidTWY
06/05/13 14:25:17 J98r32lc
>>482
「さあどうする?」
以前体勢は変わらず、翠星石はいつ切り裂かれるかわからない恐怖に怯えていた。
「黙ってたらわかんねえだろうが!もういい。手始めに左目を潰す!」
その言葉に驚いた翠星石は慌てふためいた。
「ま、待つです!言うことを聞くです!だからやめるですぅ!」
だがもう遅い。
コンバットナイフは既に翠星石の左目に深く突き刺さり、デュードが手首を軽く捻ると、左目は卵から出てくる黄身のように綺麗に抉り出された。
翠星石は左目のあったところを両手で押さえて悲鳴を上げながら床をのたうち回った。
「ほぉら、苦しめぇ。骨の髄まで俺の怖さを教えてやるぜ」
 デュードは苦しむ翠星石の腹を踏み付けた。
「どうだ?目の色が違うなんて気持ち悪いんだよ。どうせなら両目とも潰せば良かったぜ」
「目は!?翠星石の目は!?」
「ここだよ」
翠星石の目はデュードの靴の下にあり、今にも踏み潰されようとしていた。
「じゃ、これで終わりだな」
「やめてぇ!」
翠星石は飛び掛って止めようとするが体が動かない。
彼女の目はデュードに踏み潰されて粉々になった。
「ヘッヘッヘ。そしてこっちもだ!」
デュードは翠星石の右目にナイフを突っ込んだ。
そして先程と同じように抉り出す。
翠星石の目のあった部分には真っ黒なアイホールが二つ出来上がった。
「ッハッハ!ガイコツかっつうの!マジで笑えるぜ!ダセえ!」
大声を上げて笑うデュード。翠星石にはもはや反論する力もなく、横たわっている。
「さあ仕上げだ。ちなみにお前を潰した後、姉妹や元マスターも問題なく殺戮させてもらうから安心しな」
「え?そんな!」
そして翠星石の頭はマシエトで切断され、粉々に砕かれた。

The End

515:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/15 15:58:41 Uei8r4St
「……僕のせいなんだ」
 ジュンは腕で涙を拭い取ると、震えのない声で言った。
「僕が、真紅を壊したんだ。 僕がもっとはやくに気づいていれば、真紅は壊れずにすんだんだ」
「それは違うですよ、ジュン」
「なにが違うって言うんだよっ!!」
 ジュンの怒声が響き渡る。その勢いで翠星石に振り返り、正面に立つ。そんなジュンの行動に、翠星石はたどたどしく視線を逸らした。
「僕はアイツのミーディアムなんだ! なのに、なのに僕はアイツに何もしてやれなかったんだ!」
「わたしの―」
 ゆっくりと翠星石が視線をあげてジュンを見た。オッドアイの双眸には、押し殺せずにいる感情で溢れ返っている。
「わたしのミーディアムも、ジュンですよ」
 ジュンは言葉を詰まらせた。
左手に視線を走らせる。
真紅の存在が大きすぎてすっかり忘れてしまっていた。そこには翠星石と契約を交わした時に大きくなった指輪が鈍く光っていた。
「ジュン、私じゃダメですか……?」
 とても真剣で悲しげな表情。
「私は、大事な人を失った悲しみを知ってます……自分の半身を奪われた様に、それはとても辛く哀しいことです」
 以前ローザミスティカを失った、正しくは奪われてしまった彼女の片割れのことが、ジュンの脳裏に浮かぶ。
立場は違えども、翠星石と自分は同じなのだ。互いに大切のものを失ってしまったのだ。


516:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/18 23:25:49 kpgarB2o


517:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/20 01:21:20 CExHxpv3
反日真紅、反日Rozen Maiden
ニダ━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━!!!!
日本アニメを「下請けの」韓国アニメーターが反日的内容に書き換えw
スレリンク(news板)l50

・blood+(9話)ベトナム編の背景に朝鮮企業の看板をこっそりと入れる
URLリンク(blog.naver.com)
・まほらば(最終話)日の丸を排し、その座を埋める大極旗
・UG☆アルティメットガール(11話)竹島どころか、壱岐・対馬までもが韓国領に
URLリンク(homepage1.nifty.com)
・カレイドスター(43話)商店に掲げられる×印を描かれた日の丸と、Keep Outの文字
URLリンク(www.geocities.jp)
・おジャ魔女ドレミ ドッカ~ン! OPで韓国旗が常に他国の旗の前面を舞う
・ドラゴンドライブ OPで背景に流れる単語にJAPの文字
・Rozen Maiden(5話)真紅が偽ポッキー(ペペロ 韓国ロッテ製品)を食べている
・銃夢(1話) 背景に朝鮮文字を発見。背景が全員日本人なので色塗りの段階で工作
・ヒカルの碁 ロッテリアの異常露出
・BECK 綴りを変えた某韓国企業の看板が何度も大写し
・バジリスク 原画から異臭。カット中にビューティフルJOの設定混入
韓国人アニメーターによる陰湿工作を発見した場合、制作元へ速やかに通報しましょう。
UG☆アルティメットガールは制作元に速やかに通報された為、web放送とDVDでは修正。

518:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/20 01:30:07 a40l578/
コピペだろうが、銃夢は「サイバーパンクな混沌のアジアな雰囲気を出すためのハングル」であって、下請け韓国人の細工じゃネーよ。

519:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/21 02:23:58 B66sHwKd
真紅:ジュン、紅茶を持ってきて頂戴。

ジュン:あーもう、人遣いが荒い人形だな。

真紅:ちょっと待ちなさい、ジュン。どこへいくつもりなの?

ジュン:どこって・・・台所に決まってるだろ。紅茶が欲しいんじゃないのか?

真紅:ジュン、ちょっとそこに座りなさい。
あなたに今から言葉の裏の意味というものを教えてあげるわ。
人は言葉に色々な感情を込めるものなのよ。
だからそれをちゃんと理解しなくてはダメ。
とても大事なことだからちゃんと聞くのよ。

真紅:もし「ジュン、紅茶を持ってきて頂戴」と私が言った時に、
今の様にすぐさま紅茶を取りに行ってはいけないのよ。
なぜなら私が「紅茶を入れて」と言ったら、
それはすなわち私を抱っこして頂戴という意味だから。
言い換えればそれは私にキスをして頂戴ということなのよ。
だから、もし私が「ジュン、紅茶を持ってきて頂戴」と言ったら、
あなたはすぐに私を抱きしめて、キスをするの。
それから紅茶を取りに行かなくてはならないのよ。
わかったかしら?
そう、わかったのね。
話はそれだけよ、ジュン・・・・・・・・早く紅茶を持ってきて頂戴。


520:真紅が人間だったなら
06/05/21 19:05:42 B66sHwKd
もしも私が人間だったら、
私は重病で今まさに死んでしまうところなの。
だからあなたは私の手をギュッと握ってくれなくてはいけないのよ。

もしも私が人間だったら、
私はあなたの子供で、とっても良い子。
そしてテストで必ず100点をとるのよ。
だからあなたは私の頭を撫でてくれなくてはいけないのよ。

もしも私が人間だったら、
私はそれでもやっぱりあなたとは結婚できないのよ。
だってあなたは右手で私の手を握っていて、左手で私の頭を撫でてくれているのよ。
婚姻届に判が押せないわ。


521:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 00:00:48 VaHw//xq
>>496
すまん、尻魔法失敗した。

522:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:04:23 FLTKIedz
蒼星石:刈りとるよ、刈りとるよ、庭師の鋏で雑草を~

翠星石:場所ができたら種を撒くですぅ

蒼星石:種を撒いたら水をやらなきゃ!

翠星石:健やかに~伸びやかに~緑の葉っぱをキラキラ広げて~

蒼星石:水をやったら花が咲く それがしぼんで実ができる

翠星石:そしたらタイム トゥ ハントですぅ

蒼星石:ここでも活躍!庭師の鋏!

翠星石:やっておしまい!蒼星石!

蒼星石:そうして固めて出来上がり!

翠星石:ですぅ!


そして数日後の桜田家・・・・


金糸雀:ふふふふふふ・・・今日こそは薔薇乙女1の頭脳派、金糸雀がローザミスティカをいただきかしら

金糸雀:まずは双眼鏡で様子見から・・・・ってなんで2階の窓からモクモクと煙が出てるのかしら!!まさか火事!?
た、大変なのよ!このままではみんな焼け死んでしまうのかしら
助けに行くのかしら!!

金糸雀:うんしょ、うんしょ、もう少しで窓から・・部屋の中に・・・って!ええ!?

真紅:(゚∀゚)

雛苺:(゚∀゚)

翠星石:(゚∀゚)

蒼星石:(゚∀゚)

ジュン:(゚∀゚)


523:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:05:47 FLTKIedz
金糸雀:みんな顔が危ないのかしら!?一体どうしたのかしら!?
火事は一体どこなのかしら!?

雛苺:あっ、かなりあー

翠星石:火事なんてどこにも起きちゃいねぇですよ

金糸雀:ゴホ・・ゴホ・・・じゃあこの煙は何なのかしら?

真紅:・・・・それはこれの煙ね、きっと

金糸雀:た、タバコ!?みんな不良になったのかしら!?いけない子なのかしら!?

蒼星石:タバコとは違うよ、これは幸せになる魔法の薬だよ

金糸雀:ま、魔法の薬・・・!?

蒼星石:そうとも、僕と翠星石で育てて、真紅が生成した魔法の薬さ
使えば誰でも幸せになれるんだよ
お腹も減らないし、寝なくても全然平気、いつでも元気一杯になれるのさ

金糸雀:そ、それはすごい薬なのかしら・・・・・ってそれは麻薬なのかしら!!!!?

蒼星石:そうとも言う

金糸雀:そんなあっさりと!!!?

蒼星石:僕達は人形だから法律には触れないし大丈夫!

金糸雀:そこで約1名、寝転んでるのは人間じゃないのかしら!?

ジュン:いいんだよ・・・どうせ僕は引き篭もりなんだから・・・・・

金糸雀:そ、それは関係ないと思うのかしら!!

524:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:07:07 FLTKIedz
蒼星石:バッドトリップしちゃってるね 彼のことは放っておいてあげよう・・・・

翠星石:まったくうるさいですぅ
ちょっと黙るですよ
おめーも一緒にやるですぅ

金糸雀:カ、カナは遠慮するのかしら・・・・・・

真紅:逃がしてはダメよ

雛苺:あいなのー

金糸雀:苺轍!?

蒼星石:観念するんだね

蒼星石:ですぅ

真紅:だわ

雛苺:なのー

金糸雀:ああああ!!
お、襲われるのかしら!?
監禁されて、薬漬けにされて、無理やり小説を書かされるのかしら~!?
そしてようやく動けるようになったと思ったら、逃げられないように足をへし折られて、また薬漬けにされるのかしら!!
書いた小説の内容が気に食わないと言ってはお仕置きされることに怯える日々に突入なのかしら!?
みっちゃんヘ~ルプ!!!!!

翠星石:何もキメてないのに勝手に幻覚を見てるですぅ

雛苺:かなりあがこわれたのー

蒼星石:うーん・・・・

真紅:しっかりするのだわ!

ばちん!

金糸雀:アニーがくるぅ・・・あうち!?

真紅:目が覚めたかしら?

金糸雀:はっ!?カナは一体何を!?

蒼星石:正気に戻ったようだね じゃあ改めてトリップしてもらうよ

金糸雀:寝ても覚めてもぴーんちなのかしら・・・・

525:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:09:04 FLTKIedz
雛苺:かなりあも昔はしんちゅうぐんの兵隊さんにギブミーチョコレートって言ってたでしょー?

金糸雀:意味が違うのかしら!!というか進駐軍て何のことなのかしら!?

蒼星石:さあ、もう悲劇のヘロインを気取るのはやめておとなしくこれを吸うんだ

金糸雀:それを言うならヒロインなのかしら!!

翠星石:それにしても結構長い間こうやってる気がするですぅ
真紅ぅ、今何時ですかぁ?

真紅:ハッシシ(八時)丁度ね

金糸雀:ちょっと強引なのかしら!!!!

ジュン:う・・・気持ち悪い・・・・・・

雛苺:あれ、じゅん~?

翠星石:どうしたですかぁ?チビ人間?

蒼星石:初めてなのにあんまり長時間煙の中にいたせいかな?
下に連れて行って介抱を・・・ハッ

真紅:私の下僕だから仕方がないわ 私がやるのだわ

翠星石:し、しょうがないですぅ ここは翠星石がチビ人間の面倒をみてやるですぅ

雛苺:ひながじゅんをかいほうするのー

蒼星石:いや、ここは言いだした僕が!

金糸雀:この隙に逃げるが勝ちなのかしら~

蒼星石:逃がさないよ!金糸雀!

金糸雀:ひいっ!は、鋏はやめるのかしら・・・・

蒼星石:ここは君に協力してもらおうか

金糸雀:な、何をさせるつもりなのかしら?

526:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:10:18 FLTKIedz
蒼星石:まず君の頭にリンゴを乗せる!
それを見事ライフルで打ち抜いたドールがジュン君を介抱する!
名づけてウイリアム・テルゲーム!!!!

金糸雀:そんなバロウズは嫌なのかしら!!!

蒼星石:嫌だといっても許さないよ!

金糸雀:め、目がマジなのかしら・・・

蒼星石:さあ!リンゴを頭に乗せるんだ!

金糸雀:う・・・あ・・・・グスッ・・・グスッ・・・
カナはここで死ぬのかしら・・・シクシク・・・

雛苺:あー蒼星石がかなりあを泣かせたのー

蒼星石:え!?

翠星石:蒼星石がイジメをするなんて 翠星石は悲しいですよぉ・・・

真紅:イジメ、かっこ悪いのだわ

金糸雀:エーン!!エーン!!

蒼星石:いや・・・あの・・・その・・・・
わ、わかった!ウイリアム・テルはとりやめにしよう!

金糸雀:でも、カナを薬漬けにするつもりなのかしら・・・えーん!!えーん!!

蒼星石:ごめんよ!悪かった!薬も中止だ!僕もみんなも薬を止めるから泣き止んで・・・

金糸雀:・・・・ぐすっ・・・本当・・・?
              
蒼星石:ほ、本当だとも!ねえ、みんな!?

翠星石:わかったから鋏を仕舞うですぅ!
    ジャンク
真紅:危ない子なのだわ・・・・

雛苺:めがこわいのー

527:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:11:27 FLTKIedz
蒼星石:ほら、みんなもこう言って反省しているからさ!
さ、涙を拭いて、ね?

金糸雀:(コクコク)

蒼星石:(ホッ)

翠星石:お薬やめたら何をするですかぁ?

真紅:そうね どうしたらいいかしらね

蒼星石:カラオケ大会だ!!!

雛苺:からおけー?

翠星石:なんでまたカラオケですかぁ?

蒼星石:薬を止めたら反省会でカラオケと相場は決まっているものさ!!

真紅:まあ、別にいいのだわ 誰が一番に歌うの?

蒼星石:オッケー!ここはボクが口火を切らせてもらうよ!!
1番蒼星石歌います!!
曲はBUCK-TICKの悪の華!!
イヤァーーオッ!!!!

金糸雀:ほ、本当に反省しているのかしら・・・・

雛苺:蒼星石のりのりなのー

翠星石:じゃあ2番目は翠星石がいくですよ
2番翠星石歌うですぅ
曲は清水健太郎の失恋レストランですぅ!

金糸雀:全然反省してないのかしらっ!!

雛苺:せんきょくがしぶいのー

真紅:次は私ね
3番、薔薇乙女 第5ドール 真紅 歌うのだわ
曲はラッツ&スターのハリケーン!

金糸雀:色んな意味で真っ黒なのかしら!!!

雛苺:ひとりだけむかしのえいぞうがかっとされてるのー

528:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 01:12:37 FLTKIedz
蒼星石:さあ、次に歌うのはどっちだい?

金糸雀:ところでさっき倒れてた人間はどうなったのかしら?

蒼星石:あ!?そういえばすっかり忘れていた!!

翠星石:ですぅ

真紅:だわ

大丈夫よ ジュン君は下のソファーに寝かせたから・・・・

翠星石:いつの間に抜けが・・じゃなくて気が利くですぅ、チビ苺!

雛苺:ひななにもしてないのー

真紅:え!?じゃあ・・・

蒼星石:まさか・・・・

のり:た・だ・い・ま

翠星石:あう あう あう あう

雛苺:こ、こわいの・・・ひなとってもこわいの・・・

真紅:この私が恐怖で動けないというの!?

蒼星石:は、話せばわかるから・・・

のり:火遊びはダメって言ったでしょう・・・・・?ましてやイケナイお薬なんて・・・・・・
お し お き よ

ウギャー

オトーサマー

ユルシテナノー

ナンデ カナマデー




その日の桜田家の晩御飯はニンジンとピーマンのオンパレードだったそうな。



                          お し ま い

529:おまけ
06/05/22 01:13:35 FLTKIedz
めぐ:芥子の花が咲いたよ・・・・・


水銀燈:め、めぐぅ!?


530:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/22 22:47:57 pkEzCyjy
オモロカッタ。

スネークマンショーを思い出した。


531:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/24 20:51:41 Iynn5/Rm
>>528
みざりぃ吹いた。文調おもろいなこれ。

532:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/24 20:58:24 8PTUYo6Q
そろそろSSも飽きてきた

533:ジュソ
06/05/25 10:35:35 VZHKaSXP
その部屋では一人の少年と二体の人形が争っていた。。。
「死にたくなかったら早くこの指輪に誓いの口づけをなさい。」
「ほう。つまり自分一人じゃ何もできないから契約してほしい、と。ならちゃんとお願いしろよ。」
左手中指でずれたメガネを上げながら少年は言った。
「あなた正気!?自分の置かれている状況が分かってるの?」
「あぁん?たかが包丁持ったピエロ人形に俺が殺られるとで、もっ!!」
少年はピエロが振り回してきた包丁を本体ごと腕で弾き飛ばし話を続ける。
「実は包丁で怖いのは切りつけじゃなくて突き刺しなんだよな。みての通り服一枚でも意外と切れないんだよ。それに人形程度の重さじゃ軽すぎて致命傷どころか肉にめり込む前に弾き返せちまう。だが重さが同じ人形同士なら―」
「常軌を逸しているのだわ…。」
「はっ、お前の常識で俺を測った結論に興味なんてないね。別に強制するつもりはない、頭下げて助けてもらうかこのままヤツにぶっ壊されちまうか好きに選べ。」
「なんて傲慢な…キャッ!!」
会話の途中に割って入って来たピエロの包丁をステッキで受け止めながら赤服の人形は思った。
(このままでもこのコを倒す事はできる。でもただ倒すだけじゃこのコの魂が永遠の迷子になってしまう。操られているだけのこのコにそんなまねは…)
「おう、戦いながら考え事とはお前結構余裕なのな?なら遊んでないでとっととケリつけちまえよウスノロ。」
(くっ、人の気も知らないで勝手な事を。契約無しにはこのコを救えるだけの力が…ああっ!もうもたないっ)
「仕方ないわね。一度だけしか言わないわ。私の、私のマスターになって頂戴…」

534:ジュソ
06/05/25 10:44:19 VZHKaSXP
「おっ、やっと素直になったな。だけど残念ながらまだ90点だ。『お願いします』が抜けてんだろが!」
「いい加減になさい!どうして私がこんな辱めを―」
ギィイン。。
乾いた金属音と共に力負けした赤服のステッキは弾き飛ばされ、ついにはピエロに追い詰められてしまった。
「あ~あ、余裕かまして調子に乗りすぎたな。」
「ひっ!」
ピエロの包丁が顔をかすめ段々と恐怖に顔を歪ませていく人形。助けを乞う視線を少年に送るとまるでこの状況を楽しんでいるようにニヤニヤしている。
(完全に狂ってる!!本当に助ける気がないのだわ…)
「あぐっ!」
よそ見をしている隙にピエロに首を捕まれ馬乗り状態にされてしまう。ゆっくりと包丁を持つ手を振り上げるピエロ。。
そしてついに観念した人形が声を挙げた。
「……ます…、…がいします…、お願いしますから私のマスターになって下さい!私を助けて下さいっ!!」(こんな屈辱って、屈辱って……)
「は~い、よくできましたwんじゃ約束通り助けてやるよ。ぅおおぉぉぉらぁぁ!!!!」
少年は赤服に詰め寄っていたピエロを壁際まで蹴り飛ばした。
「はぁっはぁっ、ひとまず助かったのだわ…。さあ今のうちに早く契―」
「がぁぁぁぁ!!!!、ぶちまけて死ねよォ。」
ブチブチブチィィィ。
「なっ、えっ!?」
一瞬のうちにピエロの首を胴体からひきちぎって黙らせた少年。そのあまり光景に、赤服はそれを現実だと認識するのに少しばかり時間を要した。
「あッ、い、いやゃあぁぁぁぁ~~~!!」
「あぁん?今更何をびびってやがんだ。コイツもう死んだっぽいぜ?ああ、契約か!心配しなくてもしてやるよ。俺は約束を破るのは大嫌いだからよ。」
「そんな、魂が飛んで…、そのコは利用されただけなのにっ、被害者の方だったのに……」
赤い服の人形は少年の両手に握られた先程まで人形だった綿の塊を見つめ泣きだしてしまった。
「なんだよ、泣くほど怖かったのかよ。偉そうなのは口調だけか。全くヤレヤレだぜ!」

535:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/25 16:14:57 MfSzsCso
ワロタw

536:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/25 18:21:17 nqbk/7Oh
黒っ!w
続き気になるw

537:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/25 19:14:55 4cXjQ4dw
何この石川賢の漫画に出てきても違和感無いジュンw
このジュソならラプラスとでも互角以上に戦えそうだな。

538:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/25 20:03:39 tbQl+PJB
このまま翠や銀ちゃんと対面したらどうなるんだ・・・

539:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/25 21:42:50 +Uq9dxW8
虐待きぼんぬ

540:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/26 15:56:36 9txr1yra
ジュソ君は暴れ過ぎて学校行けなくなったんだろうな

541:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/26 16:10:29 aX7OeDjO
ジュソってジュムの人?

542:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/26 19:15:03 mpMNjTC6
呪詛…禍々しいのも道理だぜ!
このジュソじゃ、トゥモエはとっくにヤラれとるな

543:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/26 20:31:02 aKvL52pI
私はジョースター家の血筋を感じたのだが。違うのか?ヤレヤレだぜ。

544:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/27 00:38:04 THiQE7/d
虐待ものの主人公ってどれも口調がデュードっぽく冷めたところがあるんですが気のせいですか?

545:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/27 00:45:04 Ldrp5BaP
一番書きやすいタイプなんじゃないかな。

546:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/27 01:16:50 T5j8oQ/l
どれもデュードに見えるという錯覚に陥ったことがある。
ってかあの方はまだ書いてるの?

547:デュード ◆rKKpoidTWY
06/05/27 01:54:55 Gd0Awj4W
俺も久々に投稿すっかな。
そうそう、あんまり俺の名前を広めないでくれよ。
一部のファンからは相当恨まれてるっぽいからこれ以上知られると後ろが危ないからなw

548:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/28 10:51:44 1BFqpEe6
自演うぜぇんだよデュード。
お前いくつよ?中学生だろ?
中身のないスカスカなss書くな。見ていて苛々する。
あとデュード信者は何なの?お前らも中学生?
虐待物はデュードが後発だろうが、虐待物の主人公がデュードっぽく見えるんじゃなくて、デュードが従来の虐待ssをパクってるだけだろ?
いい加減気持ち悪いんだよお前ら。デュード専用スレでも作ってそっちでやってろ。

549:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/28 16:42:15 gF+omoYg
そんなこといったら虐待SS全部否定したことになってしまうな

550:名無しさん@お腹いっぱい。
06/05/28 22:12:27 dkUZxUNw
age

551:ジュソ
06/05/30 08:57:59 nIZkXTtJ
『桜田君ごめんなさい、今週末もちょっと忙しくて会えません。この埋め合わせはきっとします。本当にごめんなさい。』
「なんかさァ、巴のやつ最近付き合い悪ぃんだよな。」
今日は土曜日。二日前に携帯に送られて来たメールを何度も読み返しながら愚痴をこぼす不機嫌な少年がいた。
「ふんっ、いい気味なのだわっ。」
そしてまた人形の少女も不機嫌であった。
「あぁん?まだ根にもってんのかよ!ピエロの件はお前の説明不足だし、ありゃ明らかに正当防衛だろうが。それに悪ぃと思ってるからこうして糞ゲームに付き合ってやってんだろ?」
と反論する少年。
「どうせあなたにとっては恋人との予定が中止になった暇つぶし程度なんでしょ、都合の良いことばかり言って最低ね。」
少年はそのセリフに少しだけ顔を反らし、言い辛そうに返答した。
「正直な所理由の半分はそうだな。でもな、お前一人で危険なゲームを戦わせるのが心配だと言う気持ちもないことはないんだぜ…」
「えっ!?」
少年の意外な言動に驚きを隠せない人形の少女。と同時に自分の中から湧き出てくる不思議な感情に戸惑いを感じていた。
「どした?俺、何か変な事言ったか?」
「な、何でもないわよっ!下僕が主人の身を案じるのはと、と、と、当然なのだわっ。。」
人形の少女は少しだけ少年を好きになれた様な気がしていた―


(ああ本当に心配で心配で堪らねぇよ。せっかく手に入れた楽しい玩具が勝手にぶっ壊れでもしたら困っちまうからなァ。ククッ、クククッ…)
そうしてそれぞれの想いを胸に両者は目的のフィールドに到達した。

552:ジュソ
06/05/30 09:01:12 nIZkXTtJ
「さてと、俺以外にこんな粋狂な事をやってる物好きのツラでも拝んどくか。」
フィールドを見渡すと遠くにそれらしき人影があり、それに近づいていくと桃色の人形と倒れて動かない自分のよく知る少女が目に映った。
「はははッ…成程こいつはおもしれぇwこういう事だったかよ。」
それを見て急に嬉しそうな笑みを浮かべる少年を訝しそうに思いながら状況を説明する人形の少女。
「笑い事ではないのだわ。あのミーディアムのコ、力を使いすぎて倒れているのよ!」
しかしその説明を聞いても全く動じる様子のない少年。
「はっ、これが笑わずにいられるかよ!これといって女の子らしい趣味とは疎遠だったあの巴がよ、疲れて眠りこくまでお人形遊びに夢中になるなんて嬉しくて嬉しくてよ。」
少年は巴に歩み寄り顔をぺちぺちと叩く。
「おい、起きろ。はしゃぎすぎだ。ンな所で寝てたら風邪引くぞ?」
反応はない。
「っつたく世話のかかる女だぜ…」
そう言って巴を抱きかかえる少年に小さな人形が騒ぎたてる。

553:ジュソ
06/05/30 09:04:37 nIZkXTtJ
「やめるの~トモゥエを連れていかないで!トモゥエはヒナとずっと一緒だって約束したんだ―」
「うるせー。」
「ぎゃぴっ!!」
ゴロゴロゴロゴロッ。。
うっとおしくまとわりついてきた人形のミゾオチにトゥーキックが炸裂し、人形は地面を転がって行った。
「おい、とりあえず俺は巴をベッドまで運んでくる。今はゆっくり休ませてやりてーからな。そういう訳でお前はあのガキのお守りだ。いいな。」
突然な展開に納得できずうろたえる人形の少女。
「ちょっ、あなたさっき一人で戦わせるのが心配だとかどうとか言ってなかったかしら!」
「あぁん?とことん使えねぇグズ人形だな!ちったあ空気読めや。仕方ねぇから今回は特別に好きなだけ力を使わせてやる。まあ適当に頑張れよ、じゃあな。」
それだけ言い残してこの場を去って行く少年に唖然とし、とりみだす人形の少女。
「なっ、お待ちなさい。その女が一体何だと言うの?どういう事か説明くらい―あんっ!」
少年を問い詰めるために追いかけようとするも後ろから蕀の蔓に巻き付かれ身動きがとれなくなる。
「しんくぅ、逃がさないのよ。早くトモゥエをかえすの~!」
「このっ、こんな時にっ。おやめなさい雛苺。きゃっ!」
ビリビリビリッ。。
余程慌てていたのか、無理に蕀の蔓から逃れようとしたため転んでしまう人形の少女。
体は自由になったものの大切なドレスはトゲでズタズタに引き裂かれ泥まみれになってしまった。
そして、そうこうしているうちに少年の姿はすでに消えてしまっていた。

「グスッ…。なんで…なんでよっ!なんで私がこんな目にあわなくちゃいけないのよっ……」

ただ一体残された人形の少女の叫びは誰に届くでもなく、Nのフィールドに虚しくこだますばかりであった。。

554:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/01 02:34:48 +RqsmGyi
出たなバイオレンスジュムw

555:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/01 13:02:41 LvLD4faM
ベッドに寝かされた巴は
ジュムに無理矢理犯されてしまうのでした。(をわり)

556:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/04 07:27:24 KJclDwY1
難燃性素材にアスベストを織り込んだ特殊繊維製のオムツに船舶用高粘度B重油を滴り落ちるほど
滲み込ませて、ドレスをビリビリに引き裂いて素っ裸にしたクソ雛苺に装着。
燃焼途中で脱落せぬよう鋼鉄製の超細型コイルにてしっかりと固定しガスバーナーで点火。
JR渋谷駅前にて拘禁を解き明治通りを走らせる。

オムツから不気味なオレンジ色の炎をメラメラ燃え上がらせ、激しい黒煙を振りまきながら短い足で
全力疾走するクソ雛苺。
「ああああ熱いのおおおおおおおおおお~」と白目を剥いて叫びながら、
「雛、なんにも悪いことしてないの~」
と、完全に誤った自己認識に基く主張を行なって恥じることのないクソ雛苺の醜悪な姿。

ゲラゲラ哂いながら携帯を向ける女子高生。クソ雛苺に向い指を指して子供を諭す若い母親。
空缶やペットボトルを投げつけるDQN中学生。更には「売国人形」を轢き潰そうと迫る街宣車。

尻に火の点いたクソ雛苺、表参道方面へ向かって走る、走る、走る。
なるほど弱いだけのことはある。逃げ足だけは天下無敵だ。
自らを励まそうとしてか或いはオムツの燃える熱さに耐えようとしてか、無意識に
「あいとっ、あいとっ」と泣きながら自らに掛け声をかけるクソ雛苺の姿は実に陳腐だ。

ところでクソ雛苺をはじめドールの体組織は堅固とは言い難い。
それ故オムツを装着されていた臀部付近が竹下通りに差し掛かった折に崩壊してしまう。
高熱と高速運動の負荷に耐えられなかったのだ。

脚を失い、松明(たいまつ)の如く燃えるオムツを回転させながらクレープ屋の前を転げまわる
クソ雛苺。
それでも一生懸命「あいとっ、あいとっ」
修学旅行の中学生に蹴飛ばされても「あいとっ、あいとっ」
佐川急便に轢き潰され、ぺしゃんこにされても「あいとっ、あいとっ」

雛ちゃんほんとに強情だねえ。
だから苛められるんだよ。


557:名無し@お腹いっぱい。
06/06/04 18:45:49 7hwjGi46
なんか馬鹿が虐待スレを埋めようと必死になってるね

558:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/09 07:41:39 wmYtMbyX
一般SSスレに書きこめたいけど、
あのぬるさはちょっと我慢できないワレハドウスレバイイデスガ。

559:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/09 14:42:57 w31YNZic
おすきなように

560:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/09 18:47:42 oVbcC4dW
自分をスレに合わせることですな。
でなければここに投下するか
自分の考えが正しいと思うなら、自分の、自分による、自分のためのスレを作って
上手く立ち行くかどうかやってみれば。
で、うまくいかなかったら、自分で1000まで埋める、と。

561:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/09 21:55:12 8sMywrFx
マジレスワロス

562:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/10 13:22:49 XUDfdbLA
俺は親切なのだよ。

563:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/12 00:54:13 lNiT6nNI
痛いだけだよ

564:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/12 07:36:18 Nj6hkfpk
可愛いと思うよ

565: ◆vJEPoEPHsA
06/06/16 03:16:09 sAraFmTJ
はじめまして。
エロパロ板とアニキャラ総合板のSSを保管させていただいているものです。
アニキャラ総合板の方の236さんからこちらのSS保管の希望があったのですが、こちらの方々としてはいかがでしょうか?

既に前スレ67さんのまとめページがあるので不要かも知れませんがご検討下さい。

566:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/16 06:55:55 fGWk3hwu
お願いします

567:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:04:40 ZyaCwwKu
 深夜のとあるドールショップの中から若い、だが苦悩に満ちた声が洩れていた。
 造詣は、良い。ドールに魂が宿るほどの出来だった。目を閉じるだけで思い起こ
すことが出来る自分の作品。憂いを帯びた瞳。紅の差した頬。薄い唇。弓形に反っ
た睫毛。黒の着物に漆黒の髪が艶をだし、赤い帯がアクセントとして添えられてい
るその姿。両の細腕が振袖に包まれ、足元には深緑色の草履を履いている。
 しかし、圧倒的に足りない。ドールとしては見た目だけで決まるものではない。
彼が目指す師を超えるためにはどうしても必要なもう一つの要素。それは―。
 ドールとしての強さ。戦闘能力。彼女の前に生み出したもう一つの作品、薔薇水
晶の力は申し分無かった。だが彼はそこで満足しきったわけではなかった。更なる
力を求め、ドールを、強さを、更なる高みへと……。
 しかし、出来たのは見た目だけで力をほとんど持たない彼にとっては失敗作とし
か呼べぬ代物が出来ただけだった。なんとかして力を持たせる方法は?それとも
いっそ壊してもう一度作り直すか。しかし既に魂までも持ってしまった人形を壊し
て、果たしてそれがもう一度呼び戻せるのか。
 苦悶に満ちた人形師の背に誰かからの声がかけられる。
 「ならばいっそ、師のローゼンのようにドールを手放して見ては如何?彼もまた
  思うとおりに行かぬドールを作って苦悩し、アリスになる術を託してアリスゲ
  ームに賭けた……。」
 「ただ捨てるだけでなんとなる?果たして力を得て帰ってくるものか?」
 背後からの声、燕尾服に身を包んだ異形の兎顔。ラプラスの魔の言葉に人形師
が疑問の声を投げ返す。
 「そこでこの道化師が取り出したりますはこの指輪。この指輪を持って媒介を
  探し出して契約し、それを力とすればよい。それならば力も上がることでし
  ょう。」
 道化兎の取り出したのは薔薇の文様が描かれたブラックダイヤの指輪。精緻な
薔薇の蔓の細工が施された指輪の宝石部分はまさしく黒薔薇と呼ぶべき形に彫刻さ
れたブラックダイヤ。
 「これをどこで……?」
 人形師の顔がラプラスの魔に向けられる。その視線に含まれるのは疑惑。
 「さて、はて。問題なのは経緯よりもこれからの結果。貴方様は如何なされる
  おつもりですか……?」

568:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:06:05 ZyaCwwKu
 扉が開く音。光が洩れて地面に刺さる。続いて、地面に重たいものが投げ出され
る物音。少女の悲鳴。向けられる冷たい眼差し。
 「いきなり何をなされるのです……お父様……。」
 黒髪の少女の嘆きは青年人形師の冷たい面の皮へと跳ね返されて。
 「お前は力を持たない。失敗作だ。だから何処へともなりといってしまうがいい
  。」
 言葉と共に投げ出されるのは鞄。地面を一度跳ねて少女の、そのドールの下へと
転がり落ちる。
 「そんな……、私はお父様の下から離れたらどうしたらいいのか……。」
 涙の伝う頬に容赦なく一条の飛礫が放たれてぶつかり落ちる。それは指輪。頬に
ぶつかり、落ちて着物を伝い両足の間の隙間の布地部分に落ちる。
 「その指輪で契約者……ミーディアムを見つけろ。薔薇水晶を超える力を持って
  帰ってくること。これがお前が帰ってこられる条件だ。」
 ドールにお父様と呼ばれる人物、槐はそれだけ告げると扉を閉めて、ドールを外
に締め出した。しばしドールの咽び泣く声が聞える。扉に背を向けてその声を聞い
ていること数十分。やがて衣擦れの音がして、ことんと何かを立てる音が聞えると
共に風を切る音が聞える。槐が再び扉を開けたとき、そこにはもうドールの姿は無
かった。

569:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:08:01 ZyaCwwKu
 自分は捨てられた。力が無いから。夜の闇を鞄に乗って裂いて行くそのドールの
名は黒秦樹。薔薇水晶と同じく槐に作られたドールだ。日が昇る前に人目につかな
いところを探さなくてはならない。ドールが人目につくことを製作者が好まれない
のは、生まれたばかりの自分でもよく知っていることだった。数少ない槐との外出
の思い出の中にその情報は刻まれていたし、また彼自身の口からも言われたことだ
った。どこに身を隠そうか……。お父様から店を出るように言われたもののあまり
遠くへは行きたくない……、さりとてあまり近くで目に触れるわけにもいかない…
…。結局行き着いたのは朝になりかけた商店街の一角。日陰に入るようにして人目
を避けながらも時々はnのフィールドを通っては身を隠し、一部の人の善意による
物乞い行為で食料を得るという野良生活が始まるのだった。球体間接の見えずらい
着物だということが功をそうしていた。商店街の親切な人々には幼い黒髪の童女と
してひっそりと囁かれるだけでその存在を明るみにされることは無く、ただ一人鞄
とお気に入りの寝床を確保して生活をし始める。最初はただ捨てられたことにショ
ックを受け、呆然自失とただ打ちひしがれているだけだった。動いているドールで
ありながら、どこか生気の無い顔。穿たれた傷口に立ち直る事も出来ずにただぼん
やりと商店街の人から物を貰い、日々を過ごしていく。しかし、直ることの無い傷
口はあってもそういう生活の中で少しではあるが、人々の笑顔と込められた優しさ
が、案外と馴染んだものとなった。
 ―こういう生活も悪くは無いです……―
 そんなことをぼんやりと思うようになる幾年月。いつもの路地裏で少女と少年達
の群れを見かける。最初はここから全てが始まるとは思いもよらなかったが。

570:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:10:21 ZyaCwwKu
 少女はどうやら苛められているようだった。貶し言葉や囃し言葉。そういったも
のが少年達の口から繰り出されては、髪を引っ張る、叩く等と古典的な嫌がらせを
行ったりしていた。最初は人とあまり関わらぬように、近づかずにいたが日を変え
ても時々また、同じ場所で苛められているのを見かけるのだった。
 そんなある日。
 「捨てられッ子。」
 「要らない子。」
 「不要品。」
 「ゴミ、クズ、カス。」
 そんな言葉が少年達の口から発せられるのを偶然聞いてしまう。思わず、足を止
めてしまった。捨てられた子。要らない子。不要品。ゴミ。クズ。カス……。どの
言葉もまるで自分に言われているようで。思わずその場に留まる。そしてその時、
初めて少女自身を見る。ショートカットの黒髪の少女。やや気弱そうな顔が今では
泣き出す寸前にまで歪められていた。
 「待ちなさい……。そこの子達……。」
 気付いた時には声をかけていた。振り向く少年達。いつもなら立ち去るだけの自
分が何故?内心そう思いながら少年達のほうへと歩みを進めていった。改めて近づ
いてみると少年達は自分よりやや大きいくらい。幼稚園生だろう。
 「なんだよ、お前。」
 少年の中でリーダー格らしい真ん中の少年がこちらに声を上げた。茶色く染めら
れた髪が黒髪の一団の中で目立つ。
 「……………………………。」
初めは声を出せなかった。言うべき言葉が見つからないのだ。自分でも何故こんな
事をしようと思ったのか判らない。もう一度、試みる。
 「……やめなさいと……言いたいのです……。」
今度は言葉に出た。ありきたりな制止の台詞。自分はこんな事が言いたかったのか
……。一体何故?
 言葉の結果は目の前の少年達から明確に見ることが出来た。敵意を露わにする少
年達。
 「なんだよ、お前。」
 「・…………………………。」
 言われる問にしかし黒秦樹は答えない。代わりに紡がれるのが。
 「立ち去りなさい……。」
 という言葉のみ。右の少年が動いた。
 「五月蝿いんだよ、おまえ!」
 右手で殴りかかってくるのが見える。反射的にこちらも右手をあげて黒真珠を生
みだしていた。相手の手がこちらにくるよりも先に真珠が相手の顔にぺちりと音を
立てて当たった。
 「いたっ!」
 右の少年が顔に手を当ててうずくまる。同時に真ん中と左の少年が動き出す。
 「おまえっ。」
 「やったな!」
 相手が間合いを詰めてくる前に両手を翳して真珠を打ち出す。狙いたがわず両者
の顔に真珠が当たる。手加減無しの攻撃。だが、それも子供泣かすのが精一杯の攻
撃でしかなかった。さらに追い討ちを数発打つと、少年達は泣きながら逃げていっ
た。少女とは反対方向に逃げていくのを見送って溜息を吐く。
 「…………ふぅ……。」
 我知らず肩に入っていた力が抜ける。自分の力なんて所詮この程度のものだ。全
力で子供泣かす程度の、子供だましのものでしかない。薔薇水晶には遠く及ばない
……。

571:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:13:35 ZyaCwwKu
 振り返ると苛められていた少女が立ちすくんでいた。ふと目が合う。
 ―これが……苛めらていた……要らない……子……?―
 くすんだ黄色のワンピースを着ている少女はこちらを怯えたような眼差しで見て
いる。足元には空色の靴を履いていて背中には赤いリュックを背負っていた。幼稚
園のものだろう。幼稚園の名前の入った刺繍がされている。リュックには土がつい
ていた。転んでつけたのか、それとも先ほどの少年達につけられたのか。
 歩いて近づいていくと、少女は怯えを見せたが逃げ出しもせずにやはり立ちすく
むだけだった。隣まで来ると手でリュックの土を払ってあげる。それでも少女の顔
は暗い。捨てられッ子か……。恐らくなにか事情があるのだろう。深く聞きはせず
にポツリとだけ呟いた。
 「名前……なんですか……?私は……黒秦樹………。」
 黒秦樹の声に少女が震えた。小動物のように怯えた眼差しをこちらに向けて。こ
ういう時はどうすればいいのだろうか。とりあえず微笑んでみる?ぎこちなく笑み
を作って見せる。まだ作られて間もない所為も、そして捨てられて以来表情に乏し
かった所為もあり、下手な笑顔だったがそれで少女は少し警戒を解いてくれた。
 「藤谷……藤谷、鈴音……。」
 こちらにかろうじて届くような小さな声でぼそぼそと話し掛けてきた。
 「藤谷……鈴音……。」
 確認するように繰り返す。少女、藤谷鈴音はそれに答えるように頷いた。
 それが始まりで、よく会うようになり二人の関係は次第に仲が良くなっていった。

572:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:15:36 ZyaCwwKu
 数年の月日が流れて、ドールだから変わらない黒秦樹とは対称的に鈴音は成長し
、変わった。小学校に上がり、性格が明るくなり、苛められる事も無くなった。あ
れだけ怯え、無口だったのが黒秦樹と話しているうちに物怖じしない性格になった。
 黒秦樹も見た目は変わらないが、笑うことが増え、過去に囚われる時間が少なく
なった。ある時、黒秦樹は自分がドールであることを伝えた。目の前にいるのが人
ではない……そう聞いたときの彼女の反応は小さな物だった。
 「そう………。」
 それだけだった。そして関係も変わらなかった。
 そして今、黒秦樹は身の上話をしていた。お父様、槐に作られた事、薔薇水晶と
いう姉に当たるドールがいること、自分がそれを越えないと戻る事が出来ない事、
そして、そのためには指輪で契約して、ミーディアムを得なくてはいけないこと。
そして今の今まで言おうかどうか迷っていた事を切り出した。
 「私の……ミーディアムになってくれませんか……?」
 「私が?」
 伏し目がちにそういうと、鈴音は黒秦樹の顔を覗き込むように聞き返した。
 「……はい……駄目ですか………?」
 遠慮がちに尋ねると鈴音は笑って。
 「私でよければ勿論だよ。」
 そう答えた。黒秦樹の顔がパッと明るくなる。ついにミーディアムを得る事が、
それも自分と仲のいい少女がなってくれた。そんな嬉しさを隠し切れずに笑みが
零れる。つられて鈴音も笑みを浮かべる。暫く二人は笑い合ってから黒秦樹が契
約の儀式の為に左手を差し出した。
 「この左手の指輪にキスをしてください…・…。」
 左手の薬指にはめられたブラックダイヤの指輪。
 「ここね?」
 鈴音がゆっくりと顔を近づけて指輪に唇を触れさせる。それと同時に黒い光が
指輪から発せられて、さらには鈴音の薬指にも黒い光が輝き始める。
 「指が……熱い……。」
 光りを発する左手を抑えながら鈴音が言葉を漏らす。黒い輝きが納まると其処
には黒秦樹のものと同じ薔薇の文様が彫られた指輪がその手につけられていた。
 「これで契約できたの?」
 尋ねる問いに黒秦樹が頷く。
 「力が溢れてきます……。これがミーディアムの力……。」
 淡く全身が輝きを帯びている黒秦樹は、その両手を見つめて呟いた。力が内側
から湧き上がってくる感触。今までとは段違いの力を感じる。これがミーディア
ムとの契約の力。鈴音はそんな黒秦樹を見ながら語りかけた。
 「これでいつも一緒だね。」
 「はい……、一緒です……。」
 二人は微笑みあい。見詰め合った。

573:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:17:24 ZyaCwwKu
 そしてまた月日が流れて鈴音は中学生になった。二人の仲はより親密になり、
黒秦樹は藤谷家で暮らすようになっていた。
 晴天のすがすがしい朝。鈴音がいつものように学校へと出かけていく。それを
部屋で見送る黒秦樹。しかし今日は異変が起こった。部屋の中の鏡台が光りを発
して中から何かが出てくる。思わず身構える黒秦樹。出てきたのは兎顔の異形の
紳士、ラプラスの魔だった。ラプラスの魔は優雅に一礼をすると警戒する黒秦樹
にこう告げた。
 「無事ミーディアムを獲得なされたようで何よりです。今こそ貴女の力を試す
  時、薔薇水晶の元へと案内しましょう。」
 その言葉に黒秦樹は眉根を寄せて。
 「あなたは誰ですか……。薔薇水晶の元に案内するとは本当ですか……?」
 「これは失礼。名乗るのが遅れました。わたくしはしがない道化師。ラプラスの
  魔とでもお呼び下さい。」
 ラプラスの魔はにやりと笑うと大仰な身振りで鏡台へと手を差し伸べる。
 「さあ、この先に薔薇水晶が待っています。あなたの力を存分に発揮してくださ
  い。」
 「…………………………。」
 警戒は崩さない。しかしラプラスの魔の言うとおり黒秦樹はミーディアムを得て
薔薇水晶と戦う力を得た。そして今戦うチャンスがある……。鈴音のことがちらり
と頭をかすめるが、頭を振って思いを打ち消す。彼女に危険は無い。これはあくま
でも自分の戦い。勝って無事に帰ってくると信じている。
 決意を決めると光りを発する鏡台の中へと吸い込まれるように消えていった。

574:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:19:20 ZyaCwwKu
 一面を覆う紫水晶の山。暗澹とした空の中に入り込んだ黒秦樹はゆっくりと地面
に降り立った。兎はついてこない。それを確認すると今度は薔薇水晶の姿を探し出
す。水晶の山の間を歩いていき、暫く進むと紫のドレスを纏ったドールが宙を浮い
ているのを見つける。ふわりと薔薇の蕾をデザインしたスカートのすそをたなびか
せてこちらを見下ろしている。
 「薔薇水晶……。」
 キッと相手を見つめると臨戦体制に移る。
 「……黒秦樹………貴女に私は倒せない……。」
 「やってみなければそんなことは分からないでしょう……!」
 その言葉と同時に地面から水晶が飛び出す。地面を蹴って宙へと逃れる黒秦樹。
nのフィールド内ならばドール達は飛べる。反撃に黒真珠の飛礫を飛ばす。その数
100を越える大量の飛礫は薔薇水晶に迫るが薔薇水晶は大きく身をかわすと水晶の
剣を抜き放ちこちらに向かって突っ込んでくる。黒秦樹には接近戦用の武器は
無い。迎撃するように真珠を打ち出す。剣を盾にして弾く薔薇水晶に黒秦樹は笑み
を漏らす。一粒の一際小さな真珠が剣に弾かれたと思った瞬間巨大化して剣ごと薔
薇水晶を取り込む。黒秦樹の切り札である攻撃だった。取り込んだ真珠は脆く、相
手に抵抗されれば割れてしまうものの暫くの間動きを止められる。隙を逃さずあり
ったけの力を引き出して黒真珠を生み出し始める。雲霞のごとく集められた真珠は
薔薇水晶の周りを覆うようにして集められてようやく巨大化した真珠を割り拘束か
ら逃れた薔薇水晶を取り囲んでいた。
 「これで終わりです……!」
 全ての力を振り絞り全方位から真珠を爆縮するかのように薔薇水晶めがけて撃ち
出す。逃げ場の無い薔薇水晶に焦りの色が見えたその時―。
  ―ピキッ―
 何かがひび割れる音共に全ての真珠が消え失せた。さらに黒秦樹を襲う脱力感。
あまりの脱力感の激しさに地面に墜落してしたたかに身を打ち付けてしまう。
 「な、なにが……。」
 痛む体を堪えながら身を起こすと指輪がふと目に入る。一瞬目の錯覚かと思い、
目を擦る。しかし見間違いではなかった。指輪には亀裂が入っている。
 「なかなかの見物でしたがどうやらこれまでのようですね。」
 突如空間が裂けてその中からラプラスの魔が出てくる。ラプラスの魔はパチパチ
と拍手をしてから地上にいる黒秦樹を見下ろして。
 「おわかりでしょうか。貴女は力を使いすぎた。過ぎたる力は身を滅ぼす。その
  結果ミーディアムはほら、ご覧のとおりに。」
 虚空に映像が映し出される。それは登校中の鈴音の姿だった。顔色が悪いのが
一目でわかる。信号は赤だった。しかし彼女の目には入っていない。ふらふらと
横断歩道を渡り、途中で倒れる。そこへ車が飛び込んできて―。
 そこで映像が途切れる。しかし何が起こったのかは誰の目にも明白で。
 「鈴音さん……!鈴音さん……!」
 私の所為だ。と頭を抱える。もはや何も映さない空間に向かって悲痛な叫びを叫
びつづける。薔薇水晶は動かずにただその様子を見守っている。
 私の所為だ。私が力を使いすぎたから鈴音さんは力を奪われすぎて意識が朦朧と
して……。自分を責め続けるが過ぎてしまった時間は帰らない。そこではっと気付
く。指輪はまだ失われてはいない。鈴音は生きている。
 薔薇水晶もラプラスの魔も省みず空間の出口へと向かっていった。

575:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:21:25 ZyaCwwKu
 鈴音と会えたのは病院の一室だった。nのフィールドを通り近道をして最寄の
病院へと急いだためか家族の姿すらまだなく、病室には鈴音ただ一人が包帯に包
まれてベッドに横たわっていた。
 「鈴音さん……!」
 ベッドに駆け寄ると名を呼んで呼びかける。苦しそうに息をしながらも鈴音は
黒秦樹のほうを見ようと首を動かした。
 「私の所為で……私の所為で……私が戦ったから……。」
 涙が止まらない。自分のしてしまったことの大きさに身を震わせながら泣き縋
りつく。
 「いいんだよ。黒秦樹……。」
喋るのもやっとといた様子で言葉を途切れ途切れに言葉を紡ぎながら鈴音は黒秦樹
を見つめていった。
 「でも……私が……。」
 「あのね……私の最後の言葉……聞いてくれる……?」
 「最後だなんて言わないでください……。」
 「あなたの話を聞いて思ったの……。あなた達ドールは強さだけが……力だけが
  全てじゃないと思うの……。見失わないで……あなたの本当の望みを……。」
 「強さだけが……?」
 けれども最後の問いに対する答えは帰ってこなかった。指輪のパキンと割れる音
ともに鈴音は静かに目を閉じた。それはまるで眠りにつくかのように静かな物で。
 「う…うわぁぁぁぁぁぁん…………。」
 泣き声は病室に木霊して鈴音の亡骸の前で嘆くドールだけがそこに残っていた。


576:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:22:47 ZyaCwwKu
 黒秦樹は藤谷家を出てまた商店街で路上生活をするようになった。ミーディアム
を失った傷は大きく、彼女を藤谷家に留まらせる事をさせなかった。ただ、無為に
過ごす日々の中で考える鈴音の最後の言葉。力だけが全てじゃない。その言葉の意
味だけを考えて。
 力だけが全てではない。私たちドールには……。力を求めて、他の事を見失って
本当に大切な物を、鈴音を失ってしまった。力だけが全てではない。
 そう思いながらいつものように起きだした朝。近くの水溜りからまたもや光が
洩れ始めた。中から出るは道化師ラプラスの魔。
 苦い記憶を思い出して顔を顰める黒秦樹に道化師はまたしても招待の言葉を囁く。
 「今朝から薔薇乙女達と薔薇水晶との最後の戦いが行われています。そして貴女
  の大切な父親である槐もまたそれを見にきています。薔薇水晶を倒す最後の
  チャンス。貴女は如何いたされますかな?」
 芝居かかった仕草で口上を述べるとまた水溜りの中へと消えていく。黒秦樹は暫
く考え込んでその場に立ちすくんでから、何かを決意した表情で後を追い、水溜り
の中へと入っていった。
 出た場所は屋敷の中だった。あたりを見回すと丁度薔薇水晶が廊下を先に行くの
が見えた。これもラプラスの魔の仕業かと内心思いながらも薔薇水晶に声をかける。
 「待ってください……薔薇水晶……!」
 薔薇水晶が無表情に振り返りこちらを向く。
 「最後の勝負です……。」
 「貴女では私に勝つ事は出来ない……ましてやミーディアムを失った貴女では…
  …。」
 「力だけが全てじゃないと証明してみせます……!」
 もはやミーディアムのいない自分では相手を倒すには奇策しかない。走って間合
いをつめると素早く右側に、薔薇水晶の眼帯をつけた左眼側に回り込む。こうすれ
ば相手の死角をつくことが出切る。しかしその戦法は薔薇水晶にとって予測された
ものだった。見えなければ全体を攻撃すればいい。水晶柱が廊下の天井と床から飛
び出して黒秦樹に避ける隙間もなく挟み込む。
 「く……ぐぅぅ………・・。」
 腹から下半身と左腕を水晶に挟まれて身動きが取れなくなってしまっている。
それどころがどんどんと水晶がせりあがり体を押しつぶそうとしている。

577:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:25:14 ZyaCwwKu
 薔薇水晶は捕えられた黒秦樹を見るとそれきり興味を無くしたのかまた廊下を
先に歩いていく。
 「ま…待って……。」
 かろうじて自由な右手で空を掻くようにするが何にもならない。それどころか。
  ―ミシッ―
 「……がっ………!」
 水晶がとうとう体を押しつぶし始める。体の砕ける音が廊下の中に響く。足が
潰れ、腹が潰れ左手がひしゃげ。
 「………………あ……。」
 右手がだらりと垂れて眼が虚ろになる。結局私は何も出来なかった……。霞む
視界の中で辛うじて思考する。このまま何にも出来ないまま果てるのか。そう思
ったときに後ろから足音が聞えてくる。どうやら走っているらしい。
 「くそっ、ここも塞がれてるのかよ。」
 少年の声がして暫くすると赤い光が洩れるのが見えて水晶が消える。それと同時
に砕けた半身と共に体が落ちる。がしゃりという音とともに砕けた破片が散らばる。
 「な、なんだ。こいつ!?」
 少年の驚いた声が聞えるが最早顔を動かしてそちらを向くことすら出来ない。
うつぶせに崩れ落ちたままその場から身動きも出来ずにいた。
 「こいつもアリスゲームの……犠牲者なのかよ。」
 少年は黒秦樹の壊れた体を抱き起こすと壁際に立てかけた。
 「おい、おまえっ。まだ生きてるのか?」
 「はい……。」
 なんとなく、この少年がローゼンメイデンのミーディアムなのだと理解できた。
心配そうにこちらを見る顔がぶっきらぼうに聞える言葉とは裏腹に優しさを滲ま
せていた。
 「私は……もう……いいですから…待っている人の下へ……行って上げてくだ
  さい…………。」
 少年はしばし逡巡を見せた後、悔しそうに唇を噛んで。
 「わかった……。」
 少し名残惜しそうに振り返ってから、薔薇水晶が去っていったほうへと駆け出
して言った。
 最後にお父様に会いたい。そんなことを思いながら虚ろに廊下を見つめていると
また足音が聞えてくる。コツコツとゆっくり歩いてくる足音。それを聞いて黒秦樹
はその足音の主を確信した。最後の力を振り絞り足音のほうへと顔を向ける。視線
の先には金髪の白いワイシャツを着た青年がゆっくりと歩みを進めていた。
 「お父…様……。」
 お父様と呼ばれた人物。槐はその声に振り向かない。
 「お父様に…伝えたかった……。力だけが…全てを決めるものではないと……
  ドールは……それだけじゃない…って………証明…したかった………。」
 瞳からは涙が零れ落ちて必死に語りかける。しかし槐は振り向かない。見向きも
しない。無表情に通り過ぎていく。
 「お…父……様………。」
 去り行く背中に右手を伸ばそうとしてバランスを崩して上半身が壁から崩れ倒れ
る。遠くに行く姿とともに徐々に霞んで見えなくなっていく視界。完全に視界から
槐の姿が消えるとともに、黒秦樹の意識も途切れた。

578:黒秦樹(クロシンジュ)
06/06/17 02:27:06 ZyaCwwKu
 気がつくと椅子の上に座らされていた。意識がはっきりしない。だがしかし目の
前に誰かがいる。暖かい、優しい全てを包み込むとような雰囲気をもった誰かが。
 その人物が屈んで顔をゆっくりと近づけて。
 「力だけが全てじゃない。君の言葉に期待しているよ。是非とも君のこれから
  でそれをみせてくれ。」
 そう囁いた。窓から差し込む陽光の中その人物は立ち上がると扉を開けて去っ
ていった。おぼろげな意識で横に目をやると自分の座っている椅子と同じ椅子が
置いてあり、そこに紫のドレスを着たドールが横たわっていた。
 「私のこれからを……見てください……お父様…・・…。」
 そう呟くと再び眠りに落ちた。
                             END

579:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/17 06:16:38 uQ4eACBF
良い子ね…黒秦樹…

580:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/17 21:42:21 tiuhB1FT
GJ!
特別編は黒秦樹…

581: ◆vJEPoEPHsA
06/06/19 16:37:22 Y/0SYDdT
なぜだか書き込めなくて…というか何か落ちてたような感じで…
そんな訳で遅れましたが、作業を開始しました。

URLリンク(rinrin.saiin.net)

修正箇所や掲載に不都合がある場合などは連絡を下さい。

582:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/19 20:33:59 REhEmiNE
黒秦樹を使って金儲けできると思った俺心が病んでる

583:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/19 20:43:02 e0x+8CQO
過疎ってるんで宣伝

アニメキャラクター個別板
雛苺タン(;´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァなの~
スレリンク(anichara2板)
漫画キャラクター板
【Rozen】雛苺萌えスレ【Maiden】
スレリンク(cchara板)

584:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/20 19:57:15 H1rKb+B5
JUM「ハイサイ沖縄メンソーレ!!!!!!!!!」

585:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 00:43:46 95fHeFVn
皆あっちのスレに逃げちゃったな

586:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 20:21:15 9MMw17U4
何故なんだ……投下が無いからか?

587:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 21:03:08 KjcTUkBA
投下したら批評という名の叩きに合うからだよ。
もっともそいつらもあっちのスレに行ったんだけどな。

588:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 21:56:03 3i0pxgDz
根も葉もないことを。
投下すれば必ずしも叩かれるというわけじゃない。
あっちのスレからわざわざ出張乙。

589:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 22:01:25 95fHeFVn
>>586
たまに投下されても批判なんてされませんが。
少し妄想にとりつかれてるみたいだな。

590:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/25 22:24:23 9MMw17U4
>>589
確かに「たまに」だけどさ…

ちゃんとした批判をくれる人もいるから、一概には言えないよね。

591:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/26 11:29:27 upCJrHQp
「ヤサシサ」

さぁて、今日は何が来たのかな?
おっこれはこの前買った呪い人形!
んっ?なんだこいつ?腕が取れかけてるじゃないか

…………

クーリングオフするにもこれじゃ出来そうにないな

可哀想とかそんなんじゃなくて
あくまで返せなくなると困るからだからな
ってなに人形に話かけしてんだ

―――

よし直った、これで大丈夫だろ。
そろそろあいつも出かけたかな飯でも食うかな

あ…り…

んっ?なんだ?…空耳か…
ガチャ、バタンッ

あ…り…がとう…

592:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/26 19:30:58 /n/rJaBm
次スレのルールはどうしよう?
1000レスや容量の使いきりは遥か先になりそうだけど
スレの現状を見るに、DAT落ちはありえない話じゃなくなって来ている。
過疎からの脱却を信じて現状のスレルールを継承するか、新ルールを提起するか
それとも虐待、批評を切り捨ててノーマルスレに合流するか

敗北を認めて投降するか、それとも今一度再起をはかるか

593:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/26 20:19:35 E7ZjE1hu
ここは何でもありのスレなのにそんなことをしたら意味が無い。
マンセーだらけのスレも気持ち悪いんで。

594:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/26 22:42:54 upCJrHQp
別に自己満足で書いてるから気にしなくていいんじゃない?
批判するなとかもアホらしいGJ!ばかりも馬鹿らしい
ここは総合なんだから虐待系もありでいいと思う
自分は虐待系はあまり好きじゃないけど
でもあくまで総合だしね

595:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/27 16:23:12 nuNgPJ0l
今北産業

596:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/27 17:42:52 +O4TmH9c
ふにゃ~ふにゃ~つ~だらだった

597:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/29 01:11:03 BdqMVknu
かなり過疎ったな。蒋介石から始まったこのスレもそろそろ晩年か。。。

598:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/29 02:08:50 cwDa9yY9
ネタを思いついても話を固められない俺素人

599:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/29 13:12:26 AJABoGFK
age

600:名無しさん@お腹いっぱい。
06/06/30 01:04:14 2ZRMsAEl
真紅にまさちゅーせっちゅ

601:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/03 11:21:42 t++InKAa
過疎だな~
ageAGE

602:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/05 23:12:44 FwzkNrSg
「それじゃあ、ジュンにもよろしくね」
電話の向こうの、とても遠く感じる、娘、のりの声。
事実、桜田夫妻はおよそ地球の裏側のようなところに居た。

同じ会社に勤務していた夫婦は、揃っての長期海外出張。
娘と息子を日本に残した不安で、初めは毎日のようだった国際電話も、
慣れてしまうもの。それが毎週となり、今では月1回か2回。

そんな月数分となった貴重な親子の会話、その内容はほとんどが、
のりから母への、弟のジュンについての報告、相談だった。
と言うのも、のりの弟、ジュンは中学生となってから1度も学校へは行かず、
所謂、言うところの、引き篭もり状態だったのである。


そしてこの電話が終わると、すぐさま今度は妻から夫へ全く同じように、
報告、相談、訴え等が繰り返される。

だが夫は決まってこの数ヶ月間
「大丈夫。のりがいる。心配要らない。」
の一言だった。
近所に親戚がいるとか、家政婦といった存在もなく、
引き篭もりの中学生の息子を、高校生の娘に一任である。
しかし、この妻も夫にそう言われると、その後は何も無かった。

603:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/05 23:14:10 FwzkNrSg
もうすぐジュンが引き篭もって1年が経とうとしていた。
今日も1ヵ月ぶりながら、いつもの定期報告。
だが、今日は違って、妻は心に決めてたかのように、夫の放任主義に強く言葉を返した。
「あなた、ジュンが引き篭もってもうすぐ1年たつのよ?
 のりも来年は受験。ジュンの面倒ばかりも見ていられないわ。」
妻は長期戦を考えて、次の返す言葉を用意する。

しかし驚いた事に、夫は少し目を瞑ったのち、
「わかったよ。そろそろと考えてたんだ。。。」
と軽く頷いた。
妻が何がそろそろなのかと、突っ込む間も無く、
夫は携帯電話を手にし、メモリから番号を探し始めた。

最近の履歴や、普段かける番号ではないのか、夫は探し出すのに苦労したが、
やがてその端末を耳に当てた。そして


「もしもし。例のアレ。うん。登録してある住所にね。
 え?そうだな。第5ドールがいいだろう。
 アプローチはそちらにお任せするよ。」

604:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 03:27:03 ftFzpuB2
句読点多い

605:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 15:58:40 nV+ijRZ0
トゥルルルル……
巴   「はい、柏葉ですが」
謎の男「巻きますか? 巻きませんか?」
巴   「あの、どちら様ですか?」
意味不明な言葉に気味の悪いものを感じる。
謎の男「巻きますか? 巻きませんか?」
ガチャン!
巴   「なにこの悪戯電話……」
トゥルルルル……トゥルルルル……
また今の電話だろうか? 出ないわけにはいかないし、恐る恐る受話器を上げる。
巴   「柏葉ですが」
謎の男「巻きますか? 巻きませんか?」
巴   「……い、いったいどちら様なんですか? 悪戯はやめてください!」
ガチャン!
トゥルルルル……トゥルルルル……トゥルルルル……トゥルルルル……
何度も繰り返される電話。かれこれ3日以上鳴り響いている。
最近テレビでよく問題になっている、ストーカーというやつだろう。
一体だれが……自分が知る男子の顔を代わる代わる思い浮かべる。
巴   「もしかして、桜田君……」
トゥルルルル……
確かめてやる。
巴   「桜田君……桜田君なんでしょ! いい加減にやめて!」
謎の男「巻きますか? 巻きませんか?」
巴   「一体何が目当てなの? 『巻きます』とか……」
ブツッ

携帯を切り、一人の男がグッっとガッツポーズを決める。
謎の男「まったく強情な子だったな。しかし私の勝ちのようだったな」
フッ……と笑みを浮かべながら、リストにチェックをつける。
謎の男「さて、仕上げだ」
車のトランクに用意していた鞄を取り出す。彼女の部屋の窓めがけ、円盤投げの要領で高速回転をしながら投げつける。
謎の男「とべっ!!! 雛苺ぉぉぉぉおおぉぉぉ!!!」
闇の中に男の叫び声が響く。次いでガシャーンと窓ガラスの割れる音が響く。
謎の男「散々私をてこずらせたお嬢さんの顔を見たい気もあるが、見つかったら事だ。ずらかるか」
次は桜田の子か。久しくあっていない男の顔を思い出す。あいつの子供なら楽勝だろう。
謎の男「なになに引篭り? あの男めなんて面倒なやつを押し付けてくるんだ。
 これではまともに電話にでないじゃ……む? オカルトに興味をもっているか。
 ならば私が手がける大預言社から手紙を送らせれば……」
ニヤリと唇の端を上げる。絶対に『巻きます』と答えさせてやる。それが私の生きがいである。
謎の男「桜田ジュン。貴様に逃げ道はない……」

606:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 16:01:30 nV+ijRZ0
ここでCMです

    ウ、ウ、ウニュウニュ   ♪
      \ウニュー、ウニュ、ウ、ニュニュ/
         _
    ♪ ,',i><iヽ  ♪
       /((ノノリノ))
      ((ミi!゚ ヮ゚ノミ))
     _/U本ヽ)_ キュッキュ♪
     |\.◎。\◎。\
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

607:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 16:37:44 nV+ijRZ0
謎の男「くそ、この文面でもダメかっ」

小声でうなりながら、少年の動向を監視する。
きちんと少年が巻きますに丸をしたことを確認しなければ、ルール上問題になってしまう。
私が徹夜で作った手紙を「ふん」と鼻をならしながら、床へと投げ捨てる。
『霊界パワーで必ず幸せになれる! イジメも克服! あなたも幸せのネジを巻こう!』

謎の男「この文面のなにがいけなかったんだ……」

少年が投げ捨てた手紙を拾いながら、悔しさに唇を噛み締める。
私の読みが外れるなど何十年ぶりだろう。この少年……もしかして。

謎の男「ふっ、ひさびさの強敵だな。だが、最後に笑うのは私だ」

ベッドの下から、やる気のなさそうな少年の顔を見上げ宣言する。
必ずこの真紅は貴様に渡してやる。
手元の鞄をさすりながら、まだかまだかと出番を待っている娘を落ち着ける。

謎の男「よし、次は呪いのご案内だ。少年勝てるかな。『いじめたあいつを暗黒パワーで仕返ししよう……』」


ジュン「なんか最近変なおっさんの幻聴が聞こえるな。本物の呪いグッズ引き当てちゃったのかな……無言電話もかかってくるみたいだし」

608:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 17:14:33 nV+ijRZ0
桜田少年との生死を彷徨う激闘から数日後……。私の仕事も終わったと思っていた。
しかし……

「全く……あんなひどい人間に、可憐でキュートな私を渡すなんて何考えてやがりますか!」
足元で必死に腕を振り回しながら、抗議する翠星石。
「ふむ……」
「ふむ……じゃありませんですわ。もう少し慎重に選びやがれですぅ。だから人間なんて信用できないですぅ」
私が選別した人間と折りが合わなかったらしい。うっすらと頬をぬらしている。
「では、どうする? アリスゲームを降りるのか?」
「そ、それは……」
アリスゲームを降りることは、彼女達にとって死を意味する。
それを悟ったのだろう。先程まで怒鳴りちらしていた勢いはどこかへ消え、うつむいてしまった。
「ま、他に手がないでもない」
「……えっ?」
あっけにとられた顔で、目を見開き私を見上げる。
「真紅の元にいってみるか?」
きっと私を苦しめたあの少年ならば、この娘に人間というものをもう一度信じさせることができのではないか。
「さあ、急げ。出かける準備をするぞ」

「飛べっ!!! 翠星石ぃいぃぃいぃぃっ!!!」
ガシャーンと心地よい硝子の音が木霊する。
「あとは任せたぞ、桜田少年……君ならばなんとかしてくれるはず」

609:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 17:18:54 nV+ijRZ0
ここでCMです。

      ___   ♪
     く/',二二ヽ> 
     |l |ノノイハ)) )) すこやかに~のびやかにぃ~
 ((  |l |リ゚ ヮ゚ノl|          翠星石印の園芸セットを今なら3,980円で!
     ノl⊂l_介」つ0匚lア ミミ
    ≦ノ`ヽノヘ≧     ミミ
.   ミく二二二〉ミ     ψ

610:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 17:33:31 T9tqw81O
AAは余計

611:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 18:55:26 O4DN7DST
つーか書きながら貼ってるならCMとか言ってないでメモ帳に全部纏めてくれ

612:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/06 22:23:13 b14e/B84
>>609
芽も出てることですので、とり合えず頑張りやがれですぅ~♪

613:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/07 00:13:54 vEsbYEFY
CMはさむのがウケると思ってるんでしょ?

614:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/07 06:16:51 LvDhhAqi
>>609
微妙に燃えがワロタ
続きもとむw

615:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/09 06:32:23 Yw8bqZev
電話の男をジュンと決めつける巴ヒデェwwww

616:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/11 17:52:48 1NoVwwrK
蒼「ねぇ、僕の出番は無いの?」
謎男「はぁ?お前はじじぃんとこに落ち着いたろ?」
蒼「えっ…でも僕をおじいさんの所に送る話まだやってないよ?」
謎男「しるか、お前はあっさり送り込めたからな、話がつまんないんだよ」
蒼「そんな…」
謎男「まぁそう言う訳だからお前の話はカットwww」
蒼「うわぁ~ん。・.・(つД`)」

617:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/13 05:58:31 Kb8rc9IQ
蒼…(´;ω;`)

618:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/15 19:36:29 Xp2AP2NY
notnot

619:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/16 14:32:48 dnOYsrOM
      ___   ♪
     く/',二二ヽ> 
     |l |ノノイハ)) )) 今日は最萌投票日ですぅ。
 ((  |l |リ゚ ヮ゚ノl| 
     ノl⊂l_介」つ0匚lア ミミミミミ
    ≦ノ`ヽノヘ≧     ミミミミ
.   ミく二二二〉ミ   <<翠星石@ローゼンメイデン トロイメント>>
●ルールとトーナメント表
  URLリンク(saimoe2006.hp.infoseek.co.jp)
●コード発行所(どちらでも行けます。PCは発行まで最大二時間かかります。携帯電話は即時発行)
  URLリンク(banana236.maido3.com)
  URLリンク(qrl.jp)
●コピペ用リスト(仮設置)
  URLリンク(www106.sakura.ne.jp) (PC向け)
  URLリンク(www106.sakura.ne.jp) (携帯向け)

620:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/17 13:29:40 Y6P9ehqg
あげ

621:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/18 11:24:23 69xxnqJN
ローゼンメイデン
・DVD売上ハルヒの5分の1
・ローゼン原作100万部、ハルヒ280万部
・CD売上 ハレ晴れユカイ8万 詰合6万 冒険でしょでしょ5万2千 聖少女領域5万
・アニメ雑誌表紙に一度もならず


            ,rヘ      /  /-―‐-\、\
              /゙i  i^ヽ  /  ∠ イ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽヽ.\
           /゙i i  i  i  /  / . : i  | :i 、: . \: i: 、 ヽ
.        / / i  i,  i / /i : :/!  !  、: ヽ: . ヽ: . |\ ハ
.        / ,  .i!  i!  i' く/|:∠..! |ヽ iヽ ヽ: . |: : トヽ.〉ハ
.         i i ::i!  ll |f水j :|  ヽ:ト、\! へiヽ/!: :∨|ハ .ハ
.       l .::j ::i__ lj  ∨/} : i r≡ミ、    r=≡ミ! : ハ!V : ハ   何?この糞アニメ
       j ´      .:::ソ  i、: \   _'_    |: :ムノ: : : i, :i
         i   ー-´/ ̄ゝ |ヘ: :トヽ  V  ノ   /: /: : : : : ハ i
.       |      }:    .::ム: ヽi>  `¨´   /: /: : : : : / .i:i
         l         ::/ it- 、: : : i` -  i:´/: /: : ,i : : / .リ
       、      .....:/   \ 「|「|    .ソ∠: : :ハ: /
        `ー 、- ⌒¨¨´        |.|1|-、  __」|_ヽ\|-ヘ:{
           \:::::::::::::.....    ハ1 、、   //  } ハ  丶
            ` ー- 、_:::::.. / ハ 、、 //  j   | ,  i

622:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/18 15:10:47 YRpiP+VS
糞アニメではない。少なくとも、俺の中では最高傑作だ。

623:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/18 16:32:41 Ou+0n2db
ハルヒは名前しか知らない

それにしても過疎ってるな
構想はあるんだけど、文章にするのは難しい

624:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/18 16:42:01 9n+3M308

        , ⌒⌒ヽ
    〃∩リノヽ、@)
   ⊂⌒ヾ(i.゚ ヮ゚ノ   < 文章がダメなら、AAでもokかしらー
     `ヽっ/⌒/⌒/


625:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/18 20:46:38 YRpiP+VS
ハルヒも全話見たけど、やっぱりローゼンメイデンのほうがいいな。

626:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/19 23:36:46 MeyIxorF
なにこの、藤岡じゃないほうのハルヒさん。

627:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 02:00:54 xSgICosO
ホスト部かよ!!

628:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 03:30:34 7fD6Asda
ジョンソンは翠星石の体のある部分を指で強く突いた。
「へ?痛くもかゆくもないですぅ」
「秘孔をついた。3秒後にお前はボンだ」
「は?ちょっま!ひびゅあ!」

629:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 04:12:19 o46FOGIP
今の状況を教えてくれないか?

3ヶ月位居なかったんだが
今の状況が知りたい


過疎ってる系?

630:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 05:29:57 N3ELpLNk
なんか変な奴が批判にたいして
なんか言い出したのが引き金なのか
今はかなり過疎

631:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 09:01:40 dCwTDUNA
URLリンク(newsplus.jugem.jp)
アニメヲタクを盗撮して自分のサイトで公開し、
「気持ち悪すぎ、家族諸共惨殺されるべきじゃない?」と、言い放った男。
暴行やレイプ未遂を自慢した過去の日記が発見され、一気に話題に。

東京都杉並区荻窪~西荻窪出身。
現在は東京の府中市在住。

庵谷鷹志(BLOGで暴行強姦自慢)に投票お願いします。

ネットアイドルランキング (現在5位)
URLリンク(www17.big.or.jp)
アイドル・芸能
URLリンク(www16.big.or.jp)

632:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 19:03:51 y73VkVLp
>>630
状況報告サンクス


かなり過疎、か…
dat落ちしなければ(ry

633:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/21 21:48:39 XC508Okh
ホスト部は話が面白いらしいね。
別のハルヒは動きだけは良かったらしい。

634:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 01:48:05 H6H5PB5Q
スレ違い

635:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 05:37:54 0+HIoWPJ
雛苺が動かなくなった
只の人形になってしまった
この前まであんなに元気だったのに
今は只の人形
笑うことも話す事もない只の人形
冷たく、固くなっていた
暖かく、柔らかい雛苺は帰ってこない
もう声も聞けない
初めは鞄から出して話しかけたりもしていた
一生懸命話しかけても返事がない虚しさ
悲しみを増大させる
だから今はあまりしていない
そしていつしか雛苺を鞄から出さなくなった
段々と雛苺がいない生活に慣れてくる自分
雛苺の存在が私の中から薄れていく

でも

なにか心が軽い
心が半分ないみたいに軽い
授業で上の空だった
部活も上の空だった

雛苺がいないからだ
慣れたと思ってた
でも本当は違った
無理に忘れようとしてただけ
本当は寂しくてたまらないんだ
家に来たばかりの雛苺の気持ちが分かった気がした

636:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 05:39:33 0+HIoWPJ
久しぶりに雛苺を鞄から出してあげた
少し心が満たされた
それと一緒に心が痛んだ
雛苺、長い間だしてあげなくてごめんなさい
私はバカだった
いつ雛苺がまた起きるかわからないのに
鞄に閉じこめたままにしておくなんて
ごめんなさい、雛苺私はあなたのマスター失格ね
寂しくさせてごめんなさい
だけどこれからはあなたを一人にしない
寂しい想いをさせない
雛苺がいつ起きても良いように苺大福も買っておく
寂しくないように毎日話しかけてあげる
桜田君の家にも連れてってあげる

だからいつか必ず

またあの元気な声で


私の名前を呼んでね雛…

637:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 06:33:19 MpDygJub
うん、読んでて面白くないな

なんか捻りが足らない
そしてやる気も感じられない

638:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 16:05:18 NAnEmd1X
ポエムだから雰囲気を楽しむもんなんじゃね?

639:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 20:55:14 YDa3FZvA
大丈夫さ、何書いても叩きまくって職人再起不能にするのが
今このスレでの新たな掟っぽいから

640:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 21:51:02 H6H5PB5Q
職人叩きの前には、糞職人ごときゴミクズ同然!

641:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 21:53:38 0+HIoWPJ
>>639
うん!巴負けない!ww

>>637
やる気がなきゃこういう所に書き込まないよ
後つまらないのにわざわざ感想書くのバカらしくない?

それとも人をバカにすることで優越感に浸ってるのかな?
暗い性格だね

642:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 21:56:51 0+HIoWPJ
>>640
ちょっとした物も書けないくせに
職人叩きとか書いてる人をクソとか幼稚園だね
リアルジュン君かな?

643:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 22:13:36 H6H5PB5Q
いや、この台詞は職人叩きの本音という意味なんだが。

644:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 22:28:03 0+HIoWPJ
>>643
そうだったんですか…
すみません、早とちりしちゃって
変な事言って本当にすみませんでした


それにしても自分で見ても痛い文だなぁ…

645:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/22 23:34:46 eBvRsjyT
>>641
ごめん、
変に勘ぐってしまった

>後つまらないのにわざわざ感想書くのバカらしくない?
やっぱ、斬新なの読みたいじゃん?
指摘して面白くなれば
それはそれで…

正直、言い方が悪かった
すまない
 今は反省している

646:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/23 00:18:27 IdnSV2A6
>>645
ID違うけど>>637なのかな?
だとしたら謝らないでよ
謝られると私一人馬鹿みたいじゃない

でも次はがんばるからまた読んでね

647:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/23 21:06:21 yZuWfhK+
>>646
俺はこれから読ませてもらいます。
今後もがんばってください。

648:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/23 21:10:47 yZuWfhK+
>>635
俺はこういうの好きですよ。
読んでて、目頭がちょっとあつくなりました。

649:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/25 19:18:54 fec6K0ti
保守とかしてみたり?

650:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/25 19:37:41 hALqEtRi
下げちゃいみなかったり?

651:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/27 23:22:44 7Scl464M
誰も書かないのか?

なら、漏れが書いちゃうぞ♪



…㍉

652:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/28 15:06:51 RPmqtl3E
>>651
早くかきなよ

653:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/30 01:42:56 UtsbX7X7
誰でもイイから書けYO!

654:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/30 02:31:23 7/HrwuzV
修羅場抜けて久々に着たら過疎ってるorz
明日あたりとうこうする㍑。

655:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/30 02:50:23 UtsbX7X7
なんと
明日に投稿する㍗とな!


期待しとるよ
名作を

656:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 00:03:25 NdDQ1O+o
>>655
ちょい長めだけどごめんよう㌍。


タイトル『そしてカナリアは「かしら」と鳴く』
======================
『カ、カナちゃん・・・・』
『・・・どうする~?カナリアーン・・・』

そのCMはまさに空前絶後のハイパワーCMでした。
つぶらで、涙に潤んだ目。そんな目をしたカナに上目遣いをされたら、
きっとだれだってイチコロ。
CM自体は消費者金融のちょっとばっかりいかがわしいものでしたが、
みんな、その魅力に撃沈していきました。

そうなると後は日本人の悪いところで、かしらショップには
もう、連日おびただしいほどの人が集まって、我先に、我先に、って
カナを買い取っていくのです!
そのうち「50万でも買うよ」って人も現れる始末で、瞬く間に
カナの価値は爆裂しました。一年前、CMが流れる前から比べると
実に50倍もの値段になってしまいました。

ここにひとりのカナがいます。
顔立ちもとっても整っていて、髪の質も十分。
コサージュだって、薄汚れのひとつだってありません。
120万で、一人のシロガネーゼに買われた、このカナは、
本当に何一つ不自由のない生活を送っていました。
お洋服はクローゼットの端から端まで、実に1kmに及ぶほどありましたし、
ご飯は毎日、一流シェフの作るカナまんまご飯。
そして、一日20回にも及ぶセレブの為の高級まさちゅーせっちゅ。
よりエレガントに、より貴婦人らしくなるカナ。窓の外から眺める下界には
数多くの、野良メイデンたちがいましたが、そんなことどうでもいいのです。
今の生活が変わることなんて、玉子焼きにお塩を入れるくらい、まずないのですから。

しかし、晴天の霹靂というか、既に天候は崩れ始めていたというか、そのすばらしい生活は
以外にあっけなく破局を迎えることとなるのです。
カナをCMに起用していた会社が倒産しました。普通に倒産するならまだいいのですが、
倒産理由がとんでもなくて、とてもここではかけません。詳しい理由はグーグルで検索でもすればいいと思います。
こうなると、もう大変!カナを飼っていたお金持ちはイメージダウンを恐れて、
カナを捨てたのです!
『あらまぁ、奥様。あそこの奥さんまだカナかっているそうね』
『ええ、まさかあんな事件があったというのに、まだ飼ってるなんて・・・ヒソヒソ・・・・』
こんな風に言われたら、シロガネーゼの沽券にかかわりますから
カナは、大雨の夜の日に捨てられました、本当に着の身着のまま。
悲しいかな、それはこのカナがお金持ちのカナであったという、とてもちっぽけな証明でもありました。


657:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 00:05:23 NdDQ1O+o
2/4
==========================
突然セレブカナから、野良カナになってしまったカナ。
でも生きるためには、ご飯を探して、寝るところを探して、生活をしなくてはなりません。
昔、窓から見た下界は本当に薄汚れていて、悪意に満ちていました。
今カナは悪意に包まれています、どうしようもないほどの悪意に。

野良ローゼンたちは、セレブであったカナに意地悪をします。
セレブであったカナが食べかけで、質のいいお砂糖入り卵焼きを見つけても、
脅して、そしてラクしてズルて奪い取るのです。
何故このカナにそんなことをするのか、理由などありません。ただ世間が憎いだけなのです。

カナは公園で一人たたずみます。このセレブお洋服を売って、しばらくの玉子焼き代にしましょうか。
いえ、ダメです。これは唯一カナがセレブカナであった証拠。これをうっぱらってしまったら、
もはや、カナはすべてを失うのです。
今にも消え入りそうな街灯の下、カナはおなかが減って、その場でうずくまっていました。
ああ、あの電球にたかっているムシが全部玉子焼きだったらどんなに素敵かしらーって、
夢想ばっかりしているのです。

そんなカナの目の前に一人の野良メイデンが現れました。
「だわぁ、ねぇ、よぉ」
第一ドールの野良メイデン。野良ぎんとうです。

「だわぁ、だわ、よぉー」
若干ドールの種類が違うので、会話は難しいと思われましたが大丈夫。
カナは“元”セレブカナですから少しの語学力はあるのです。
二人の会話は大分長い間続きました。
ようやくするとこうです。
「私には、とても思っている人がいるのよ、でもその人は病気で、だけど誕生日は近くて、
 でも、私はお金なんかもってなくて、だけどなんか買ってあげたくて、だから手伝って欲しいのよぉ(カナ翻訳)」
ちょっとばっかしカナの翻訳がへたくそなので、否定詞ばっかりならんでますけど、
つまりは、カナに何かを手伝って欲しいとのことなんです。
手伝えば、ご飯をあげるとも言ってくれました。
カナは二つ返事をします。だって、こんなこと言ってくれる野良メイデンなんて絶対他にはいません。
これはまたとないチャンスなのです。


658:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 00:06:11 NdDQ1O+o
3/4
==========================
カナのお仕事は思ったより難しいことではないようです。
まず、野良ぎんとうが入っていったお店の前で待っていて、お店の人からお金を受け取り、
それを使ってケーキを買う。あとはそのケーキを野良ぎんとうが指定したところに持っていくだけなのです。
これでご飯を食べれるというのならとっても安いものです。
「よぉー」
お店に入る前、野良ぎんとうさんは、羽を逆立てて、カナにあいさつします、
“行ってきます”といっているつもりなのでしょうか。
そして、10分がたち20分がたち、30分が立ちました。
いつまでたっても、のらぎんとうさんは中から出てきません。
もしかして、だまされたかしら?カナの心の中に一瞬疑心が浮かびます。
そんなうまい話ある分けないのです。こんなんでご飯が食べられれば、
世の中の野良メイデンたちはみんな裕福に暮らしているはずなのです。

しかし、そんなカナの暗い気持ちを吹き飛ばすように、中から男の人が現れました。
野良ぎんとうが言うように、片手に、お金を持っています。
あと反対の手には骨まで切れるような鋭利な骨切り包丁。
エプロンにはところどころ、黒い羽がついています、あたらしいオシャレでしょうか?
 あの野良ぎんとうはうそつきなんかではありませんでいた、本当のことしか言わなかったのです。
「おお、綺麗な毛並みの美しいカナだな。話しは聞いてるよ。ごくろうさん」
そういって、カナに数千円のお札を渡します。あとは、このお札をもって、
ケーキ屋さんに行き、そいでもって野良ぎんとうが指定した病院に届けるだけ、
とっても楽勝かしらーではありませんか。
るんるん気分で、カナは町を歩きます。

カナがこの店の正体を知っていたら、とっても悲しんだことでしょう。
悲しくて立ち上がれなくなっていたかもしれません。
だけど、このカナはセレブカナ。お店の正体なぞ知る由もないのです。
今も、そしてこれからも。

659:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 00:07:08 NdDQ1O+o
4/4
==========================
カナはケーキを買いました。とても大きなケーキで。真ん中には「めぐちゃんおめでとう~のらぎんより~」とチョコレートで
入れてもらいました、これも野良ぎんとうのしじでした。
あとは、ただひたすら病院を目指すだけ、とっても簡単なことではありませんか!

スキップをして野良ぎんとうの言っていたびょうしつに入ります。
おとどけものかしらーと言った風貌でがんばるカナです。

そこには一人の女の子がいます。
きっとこの子がめぐちゃんに違いありません。
「あら、すてきなたっきゅうびんだこと」
めぐちゃんは、ベットから起き上がると、カナの頭を軽くなでてくれました。


カナは、野良ぎんとうから頼まれたケーキをめぐちゃんに渡します。
箱を開けたときのめぐちゃんの表情といったらありません!
顔をぐじゅぐじゅにして泣いて、大喜びをしていました。
そしてカナに、「あの野良ぎんちゃんにも御礼をいっておいてね」と伝えます。

この姿、あの野良ぎんとうにも見せてやりたいものです。
絶対喜ぶはずです、こんなめぐちゃんの姿を見ればきっととびついて抱きしめてしまうほどかも。

いえ、いました、野良ぎんとうはいたのです。めぐちゃんの横、ぴったりとくっつく形でいるのです。
カナは目をぐしゅぐしゅとこすります、さっきまでは確かにいなかったはずなのに、
今ここに野良ぎんとうさんはいるのです。

野良ぎんとうは、とても安らかな表情で、めぐちゃんの体に手を回しだきつきます。
でもめぐちゃんは表情ひとつ変えません、微動だにしないのです。
それでも、野良ぎんとうさんは満足そうでした。そして、このめぐちゃんの
お誕生日会に出席できたことをとても喜んでいるようなのです。


そして野良ぎんとうは、声をも出さずに、口の動きだけで、カナにお礼を言います。
カナもそれに答えるように「かしら」と鳴きました。



660:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 00:37:05 z2jpwjja


      .ィ/~~~' 、
    、_/ /  ̄`ヽ}    いい話だわ。
    ,》@ i(_,从从)
    ||ヽ|| -д∩||   でもカナ=犬だと脳内変換がちょっと大変、チワワならチワワで
    || 〈iミ'介'ミi.||    カナは個人名(個犬名?)にして欲しかったわ。
    ≦ く,ノ(つつ≧

661:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 00:45:53 NdDQ1O+o
>>660
べ、別にチワワなんかじゃないんだからね!(どうみてもチワワです)
しょ、消費者金融も武○士なんかじゃないんだからね!(どうみても○富士です)


久しぶりにご感想とご意見がもらえて元気でました㌢
精進します。

662:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 01:01:29 1gpusM01
独創性があって悪くないと思う(?)

だが、落ちが少し弱いキガス
短いなら、短さに合う様
太く短くの精神で、虐待分を強めにしてみては如何かしら?

次回作を期待する㌘次第で

663:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 03:06:06 Oo5fhyMf
絵本みたいな感じでよかったよ
本当に絵本にしたら面白さが増すと思う


てかのらぎんが……(つД`)

664:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 07:07:13 r5qCz1ym
こっちは批判自由だから叩きもあるというのに。

665:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 09:16:03 ZIFlj85j
実装石?

666:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 15:32:33 r5qCz1ym
本当にもっさりした作品だなこりゃ

667:名無しさん@お腹いっぱい。
06/07/31 15:45:36 tbv0frP2
あ~こりゃこりゃ

668:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/07/31 23:07:16 08MS4RGA
>>662
いつもオチから考えているんだけど、脅迫観念に囚われて、
それで書き急いで、ウボァに。次は意識的に最後に力入れてみるお。
虐待、痛いの苦手なので精神的なのでいってみる。

>>663
クレヨンしか使えない。

>>666
もっさりとも言うが、
どっちかというとクドイといわれる時の方が多い㍑。

669:名無しさん@お腹いっぱい。
06/08/01 19:07:13 yn7crA7+
楽してズルして保守かしら~!

670:名無しさん@お腹いっぱい。
06/08/01 20:48:58 mNDr2mRS
わーいもっさり氏だ。
話自体は凄く面白かったんだけどね、これカナの必要ないよね、よね。
視点の問題で主人公としては確かに必要なんだろうけど、カナが元セレブとか、そういう設定あんまり生きてないよね、よね。

だからこの元セレブカナの受難をシリーズ化してほしいかしらー。
今回はのらぎんとうにスポットを当てた形になったから
今後も、別のドールや人間との関り合いなんかの
心温まる話が読みたいかしらーかしらー。



そういう訳で、三行で纏めると、

非常に楽しめました。GJ。
でもこのままじゃ主役のカナが生きないし、それ以上にもっと読みたいので
是非続編を執筆していただきたいです。

ってことでした。

671:名無しさん@お腹いっぱい。
06/08/01 22:04:22 d8TEs06O
ぶっちゃけつまんね

672:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/08/01 22:14:59 gR8Tb37m
>>670
ありが㌧。でもこのまま続けると創作的に泥沼なので、
続編はやめておくよ。

>>671
ところで俺の次の話を見てくれ、こいつをどう思う?



っていうかこんなに沢山いろんな人に言われたの初めてだ。
本当に過疎ってるのね・・・

673:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/08/02 00:10:54 mev3hmXW
連投は良くないと思うんだけど、色々なことを願ってもう一作。
========================


明け方5時ごろ、ジュンくんは目を覚ましました。
昨日は2時ごろまで楽地獄通販サイトに入り浸っていたので、
実質睡眠時間は3時間ぐらい。
でも、今日はせっかくの日曜日なので
(ヒキコモリといっても日曜日のアドバンテージは大きいのです)
ちょっと早めの朝食をかっこみ、今日の予定を立てていました。
「まず、通販サイト行って、買って。行って買って。それでもって買うか・・・」
良く分かりませんが。つまりは何か買うということです。
げっぷをするほどのコンフレークをおなかの中に入れて、二階に上がります。
しかし、突然のねむけがジュン君を襲います。
「寝不足・・・だよな、やっぱり」
ジュンくんは睡眠欲に負け、そのままベットに倒れこんでしまいました。

『か か っ た わ ね 、 ジ ュ ン く ん』

扉を少しだけ開けて中を覗いていたのり。その手には本が握られていました。

==============================================
「一人からの、スーパーミラクルひきこもり脱却法~実践編~ 
 著:山田大学名誉教授 ハイデカ・マサオ・マリオ       」
==============================================

次にジュンくんが目を覚ました場所、それは全く見ず知らずのデパートの中でした。
座っている所のまん前に各階の案内表示板があるんだから間違いありません。
「な、なんだってこんなところに・・・」
まだうまく働かない頭を動かして、必死に考えます。
でもダメ、どうしたって思い出せません。
確か、朝食を食べたあと突然眠くなったとは覚えているんですが。
「もしや、悪の秘密結社に連れ去られて・・・・いや、まさか」
そんな冗談めいた言葉を考えながら、ジュンくんは休憩用のベンチから立ち上がります。
とりあえず、こんなところに長いは無用なのです。

おかしい、ジュンくんは、足に違和感を感じます。なんかスースーするのです。
!!ジュンくんの表情が一瞬で固まります。スカートです。スカートをはいているのです。
しかもこれってば、のりが昔通っていた中学校のもの、それをなんでジュンくんが着ているのでしょうか。
よくよく調べてみると、上着もそれです。胸の辺りのリボンがオシャレです。
「お、おちつけ、おちつくんだ僕。なんか辺な夢を見てるんだ。
 悪夢だ悪夢。もしかしたらあの性悪人形達の仕業かも・・・・」
落ち着け、と言っている割には全然効果なしです。

674:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/08/02 00:14:15 mev3hmXW
ガーっと目の前エレベーターが開きます。
「う、うわぁ」
うっとりするほどさらさらのストレートヘヤー。とても自然で上品な
ナチュラルメイクはきっと同姓の女の子だってうっとりするほどでしょう。
めがねがそんな全体の印象にちょこっとワンポイントを入れているのも
評価点が高いです。
 そんなうつくしい少女が、エレベーターの中の鏡に映っていたのです。
オウイエス!ジュンくんです!!

頭が混乱して、考えがまとまりません。
こんなの悪夢のほうがマシです。
それでも、ジュンくんは必死に考えます。
これからどうすればいいのか。
どうするべきなのか。


今日は日曜日ですが、幸いまだ朝の早い時間みたい。
人の数も少ないですし、うまくいけば、
あんまり目立たずに、ここから抜け出せそうです。

案内板を詳しく見ると、このデパートは、ジュンくんたちが住んでいる町より電車で
5駅分所にあるようです。電車さえ使えば、かっとびできるはずです。
ジュンくんは、スカートのポッケの中を探ってみました。
小銭出て来い、小銭出て来いました。電車賃分だけみつかりゃあとは
何もいりません。

『ライオンの親は時に我子を千仞の谷に突き落とすという。
 ヒキコモリにもそれぐらいひつようなんだなぁ
       ~ハイデカ・マサオ・マリオの言葉~ 

 その格好で家まで帰ってきてね。
 きっと、これでジュンくんは一回りも二周りも大きくなれるはずよ。
 ファイト!                 おねえちゃんより
 
 PS:もちろん電車賃はありません、かならず、誰かに借りて
    帰ってきてね、それも修行のうちだから。        』


ジュンくんの血管がプチンと切れました。
「ちくしょう!な、なんだって僕がこんな目に!」
床をドンドンとグーで殴ります。
しかし、その奇行は自然にみんなの視線の的となります。
(ヒソヒソ・・・あの子どうしたのかしら・・・)
じっとしているとこんな声まで聞こえてきそうです。
こんな格好をしている以上、絶対目立ってはいけません。自然に、自然に、ごく自然に振舞ってなければ
ジュンが男とばれて、変態少年と揶揄されて、
『ハレンチ!ヒキコモリ変態女装少年が日曜のデパートで破廉恥な行為を!』
と女性週刊誌の一面を飾ることになってしまいます。
とにかく自然でいること、そして、自然に家に帰ることが、今ジュンくんがもっともしなければならないことなのです。



675:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/08/02 00:16:24 mev3hmXW


ジュンくんは色々と苦肉の策を練らねばなりませんでした。
まず、ヒキコモリにありがちな挙動不審はNGです。これをやったらまずばれて、
変態女装少年であることが世間に露呈されてしまいます。
恥ずかしいのですが、胸を張って、堂々と歩きます。
また、蟹股歩きも変です。見た目はほぼ女の子なのですから、しゃなりしゃなりと、
ちょっとオシャレにエレガントに歩きます。
慣れてないこともあり、若干不自然ですけど、まあ合格点といったところでしょう。
一歩歩くごとに顔から火が出そうになりましたが、今はじっと我慢です。
トイレに行きたくなったのですが、男便所には入れませんでした。
「ま、まさか・・・本当にこんなことをしなくちゃいけないだなんて!」
 もはや恥も外聞もかなぐりすてて、女子トイレに入りました。
ヒキコモリのせいでこうなったというのならば、ジュンはヒキコモリを恨みます。
心のそこからヒキコモリをうらみます。

しかしそれもあと少し、あと少しでデパートの出口です。
ここのデパートを出て、電車に乗ってしまえば家までわずかないとまもかかりません。
今すぐに、どっかそこらへんを歩いている人にお金を借りて、
それでもってばっくれてしまえばいいんです。
どっちみち、こんな格好になることなんて、二度とないんですから。


(よし、次に出てきた奴がカモだ。お金を借りてばっくれないと)

入り口で張っていたジュンくんはそう決めました。
こういうのは決断が大事です。

「す、す、す、すみませぇん、じつは、ぼ・・・アタシ・・・」

なんとか女の子言葉でがんばろうとしますが、ヒキコモリであるとの恥ずかしさでどうにもなりません。
言葉が出ないんです。

「どうしました?具合でも悪いとか・・」

再びジュンの表情が固まります。その顔には見覚えがあるのです。
とってもよく知っています。むちゃくちゃに良く知っています。
トモウェです。

「トモエッ、どうかしたのー?」
「さっさと屋上行かないと、くんくん変身ショーが始まってしまうですぅ!」
「さっさと案内なさい、トゥモエ」

しかも、なんかおまけいっぱいついています!赤と緑とピンクです!
しかも赤なんて、なんか分かってるっぽくて、ジュンくんのことを見て、
ニヤリと笑いやがりました!

もうだめです。すべてが終わりなのです。




676:もっさり ◆x3BPXU4g5U
06/08/02 01:07:43 mev3hmXW
「すみません、この子たちに面倒まで見てもらっちゃって」
「い、い、いえ、そんな・・・・」
ジュンくんは裏声を使って言います。
なぜかジュンはトモウェ&愉快な仲間達と共に屋上にきています。
何か事情を知っていそうな真紅はともかく、雛苺が、これでもかってほど
女装したジュンになついてきているのです。
「オシャレさ~んは、ちょっとおしゃれ~アハンハーン」
なんか即興で作ったような歌を歌いながら、じゅんにぺったりとくっついています。
(柏葉でもいいから、何とかお金借りて逃げなくちゃ・・・・)
ジュンくんもそう考えているのですが、雛苺のせいで、それさえどうもうまくいきません。
なんとかこの場は取り繕って、終わり次第逃げ出すことにジュンくんは決めたのです。

「こらー!まてー、です!」
すいせいせきは、男の子を追っかけていました。なんか後ろに座っていた男の子が
すいせいせきの髪の毛のカールを逆巻きにしようとたくらんでいたそうなんです。
雛苺は雛苺で、「おねえさんのぼりー!」なんていいながらジュンの頭の上に
上っていたりします。
トモウェはそんな姿を見て、クスリと笑いました。
「・・・この子達変わっているでしょう?」
うんうん、とジュンはうなずきます。いつも見ているから分かってますが、
こうも客観的にみると、更に変わっています。
「でも、この子のお兄さんも、おんなじぐらい変わってるんですよ」
(!・・・僕のことだ・・・。柏葉の奴、なにを言うつもりなんだろう)

ジュン君の心に針が一本突き刺さりました。きっと「実はね、ヒキコモリなんです」とか
「とっても暗いんです」とか、ネガティブなことを言われるに違いありません。
それを考えると、心が冷たい水の中にしずんいってしまうのです。
段々意識が遠のいて、周りの風景が灰色に変わっていきます。
「そのお兄さんって、本当にとっても変わっているんですけど。とっても素敵な人なんですよ」
(え?)
心が、識が水の中からひょっこりと顔を出します。
「・・・男の子だけど裁縫が得意で、ほら、私が使ったハンカチも彼が縫ってくれたんです」
それは、小学校1年生の時に、ジュンくんがトモウェに誕生日プレゼントとして渡したものです。

(まさかまだ持っていたなんて)

「私、彼のことが大好きなんです。こんなに素敵なものを作り出せるすばらしい腕と心を持ってて、
 それに、この子たちにもすごく好かれているんですから」
何故トモウェはこんなことを女装しているジュンくんに言うのでしょうか?
のりから事情を話されて、話しているようにも思えないのです。
とすると・・・・

「・・・(ありがとう、柏葉)」
「え?」
ジュンは小声でそう言うと、よっこいしょっ、と雛苺を置き席を立ちました。
お金を借りることもせず、ジュンはその場から立ち去ります。
もうお金などいりません、どうどうと、歩いて帰るのです。
この格好でも、どんな格好でも、誰に見られても構わないのです、
ジュンくんは、ジュンくんなのですから。

デパートの屋上からエレベーターで降りていくジュンくんを
トモウェはウィンクして見送りました。
「トモウェ」の瞳はすべてをじっと見ているのです。



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