【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ【一般】at ANICHARA
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ【一般】 - 暇つぶし2ch122:名無しさん@お腹いっぱい。
06/03/28 01:45:06 JxidoB1i
水銀燈は煉瓦でできた部屋の窓から外を眺めていた。
何を考えているかはわからないが、誰かを待っているという感じだった。
後ろの方からドアが開く音がした。
「今日は遅かったのね」
彼女は窓に映った初老に入ろうとかといった感じの男だったに声をかける。
「悪かったな。こっちも報告書を書かなくちゃいけないからな」
「それで」
顔を男の方へ向けて
「今日はどうだったの?」
「十一人殺しだ。特務曹長四人に、兵士二人に・・・」
男が殺した人間について話し始めると、水銀橙は飽きれた顔をする。
「もういいわ。そんなこと聞いてもわからないもの」

男との出会いは数日前に遡る。
「あなたがネジを巻いたのぉ?」
机に置かれた鞄の上に立つ人形。
「なんだ貴様は?スパイか?」
その人形を見て男は威嚇するような目線で睨みつけた。
「スパイ?失礼ねぇ。私はローゼンメイデンのドール、水銀燈よ。それにしてもあなた、見たところ兵隊さんのようねぇ」
水銀燈は男をまじまじと見つめた。
「今は戦争中だ。奇妙な鞄が置かれていれば爆弾か何かと勘違いするのも仕方ない。それよりも人形とはどういうことだ?」
「まああなたには話しても無駄でしょうけど、一応教えるわ」
水銀燈は自らについてや契約のこと、アリスゲームのことなどを大雑把に伝えた。
男は意外と物分りが良いのか、すんなりと理解し、いろいろと質問までしてきた。
「なるほど。君達人形同士の戦いに私は巻き込まれたというわけか」
「そういうことねぇ。わかったら早くこの指輪にキスして契約してくれる?」
男はしばし考えた結果、次のような返事をした。
「そうだな。戦争が終わったら考えよう。それまで待ってくれるか?」
「私の気はそんなに長くないわよ。まあこの時代に他の姉妹が目覚めているかどうかすらわからないんだし、しばらくは待ってあげてもいいわ。ところであなた、名前は?」
「ハインツだ。偉大なる我がドイツ帝国軍狙撃手だ」
そして今に至るのだった。

夕方になって、ハインツは食事を取っていた。
薄暗い部屋に豆電球が一つ寂しい明かりを照らすだけで、明るいとはいえない。
「ねえ、あなた、どうやって人を殺しているの?」
水銀燈のその言葉にパンを掴んでるハインツの手が止まった。
「知りたいか?」
ハインツは興味深そうに水銀燈に迫る。
「別に。ただ気になっただけよ」
するとハインツは立ち上がり、壁に掛けていた細長い布製の袋を、食事をどけて置いた。
ハインツはその袋にを縛る紐を解き、袋を取った。そこからは一丁のライフルが出てきた。
水銀燈は興味深そうにそのライフルを見る。
「これが私の愛銃、モーゼルKAR98だ。他人にこういうものを見せるのはあまり好きじゃないが、今回は特別だ」
「このレンズはなに?」
ライフルのボルトの部分に取り付けられたスコープを前方部分から覗き込んで言った。
「これはスコープといってな。相手をより正確に狙うためのものだ」
ハインツは立ち上がり、銃をアイアンサイトで構える。
「こうやって構え、スコープの中心に敵が入ってきた瞬間、息を止め引き金を引く」
スコープを覗き込み、引き金に手を掛けた。
「すると相手は動かなくなる。肝心なのは頭を狙うことだ」
「ふぅん。なんだかあっけないかんじぃ」
熱く語るハインツに冷めたような言葉を返す水銀燈。
「さて、明日の早いので私はもう寝るとする。君も早く寝たまえ」
そう言ってハインツはベッドに入った。
水銀燈はその後外を眺めていたが、しばらくして鞄の中に入り眠った。


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