10/02/12 19:34:45 /ksPzKwL
>>119
例えば、今、会社にいて上司から怒られた。悲しみが続くので、それを帰りの電車でコラム法を使って対処する、
というのは有効だと思います。
一方で、今、動物園にいてキリンを鑑賞している時に、10年前に会社で上司から怒られたことをふと思い出した。
悲しむのでコラム法を使おうというのは技法選択上好ましくないと思います。
今いるのは動物園だし、10年前のことなんだから、
キリンでも見たりアイスを食べた方がいいんじゃないと言いたかった訳です。
現時点というのは空間(会社と動物園)と時間(今日と10年前)で判断し頂けたらと思います。
また、現時点の意味合いは人によって変わります。その人の問題を事例定式化した結果、
過去のことも今起こっている困りごとに関連するなら、検討した方がよいと思います。
今起こっている問題を解決するのが優先させます。
例えば、今、上司から怒られた後に落胆し涙がこみあげてきて
仕事に全く手につかないとの問題が発生している時に、10年前に怒られた出来事が、
今の問題解決に関係するとしたらとりあげられるべきです。
今、上司と業務に支障がでるほどの問題が起こってなければ、たとえ10年前にいやなことがあって
それを思い出したとしても認知行動療法は積極的には取り上げないです。
でも、取り上げないだけで対処しようと思えばできることはできますが。
セラピスト用のテキストにジュディス・ベック(2004)『認知療法実践テキスト・基礎から応用まで』星和書店
というテキストがあります。p.9に「原則5:認知療法は、まず、<現在>を強調する。」とあり、
「<今ここでの問題>(here-and-now problems)を検討することから、治療を始める」
と書いており、詳しい話は参考にして頂ければと思います。
ちょっと回答になっているか自信はありませんが、
119さんの疑問はもっともなので、上記の本の様なセラピスト用のテキストも、
もしご覧になっていないのであれば、見て頂ければ納得される回答があると思います。
長文すみませんでした。