10/01/11 20:42:33 fglvPcAy
>>860
サリーとアンの課題というのは説明のために簡略化したものであり、サリーとアンの課題がクリアできれば、そのレベルの発達課題がクリアできた、ということにはならないのです。
専門的になりますが、サリーとアンの課題というのは、ピアジェ理論では感覚運動知能第V(5)期をあらわします。
感覚運動知能第V期の課題は、自分の行動や活動が関与しない事柄の因果関係が時間的空間的に理解できること、であり、それと通じてシェマ(認知構造)の同化と調節を分化させることが到達目標となります。
知能を使ってサリーとアンの課題を正解に導いても、それは単に「サリーとアンの課題」というクイズを解いただけにすぎず、シェマ(認知構造)の分化には寄与しません。
ですから、サリーアン課題を「知能」により考察して正解を導いた場合は、正しい時期に発達課題をクリアできていない、というのは間違いありませんが、サリーアン課題を「知能」により考察して正解を導けば、感覚運動知能第V(5)期をクリアできたことにはならないのです。
青年期(20歳と書かれていますが、おそらく青年期の発達課題を示したいのだと思いました)までの発達課題がクリアできている人は、いわゆる「空気」が読めます。
したがって妄想系の人格障害者は、空気は読めます。
空気が読めないのは、青年期以前の、乳児期または幼児期の発達段階のどこかに問題があるから、ということに心理学ではなるのです。
したがって、空気が読めないのでSSTやアサーションで治療する、というアプローチそのものが間違いなのです。
繰り返しになりますが、発達障害にSST系のものは効果がないことはDSM4TRにも明記されております。