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カウンセリング辞典 国分康孝編 誠信書房 1990 16刷1999
p.314 スーパービジョン supervision
初心者に診断や面接治療の具体的な技術を教育訓練するための一つの方法。
研修生(スーパーバイジー supervisee)は、自分でおこなった心理テストや心理
面接の資料を指導者(スーパーバイザー supervisor)の前で具体的に報告し、
その判定手順や相手の心理の理解の仕方、面接の進め方などについて指導を
受ける。そのやり方としては、一対一の個人スーパービジョンと、数人をまとめて
行う集団スーパービジョンとがある。その内容として、毎週、同じ事例について個
人的に継続的に進めていく方法が理想的あるが、これはやる方も受ける方も大変
なので、ふつうは集団的に問題点を中心に話し合ったり、事例報告の形でまとめて
検討していく方法がよく用いられている。その指導の仕方は、研修生の教育訓練の
レベル、経験や力量によって異なるが、面接場面で、「なぜそこで、そういう反応を
したのか」と治療者の態度を深く掘り下げていくと、教育分析のように研修生の個人
的感情(逆転移)の問題にまで立ち入ることになる。それで一般には、事例研究会
のように、あまり研修生の内面の問題には立ち入らないで、面接家庭を客観的に
理解させたり、どのようにすればいいかちおう技術的な問題への助言指導を行う
ことが多い。
(前田重治) ※九州大学 1990年当時