10/06/14 06:43:34 adpcEaDf
>>514>>515
I 軸診断のうち、不安、抑うつ系の障害は高率に合併します。
うつ病、全般性不安性障害、恐怖症、パニック発作など。
このうち、恐怖症は現実対象への恐怖ですが、
PTSDは記憶表象への恐怖という相違があります。
恐怖症は具体的な特定の対象によって恐怖が生じるというもので、
対象を連想させる刺激によって恐怖が生じるものではありません。
パニック発作の場合は明確な誘因が無くても発作が起こります。
これに対してPTSDでは出来事を連想させる様々な刺激によって恐怖が生じるという相違があります。
たとえば乗り物恐怖の場合には乗り物に近づくことによって恐怖が生じますが
、乗り物の事故によるPTSDの場合には、そのことに関する新聞記事など連想させる刺激によっても恐怖が生じます。
恐怖症でも迷走血管反射を生じたりパニック発作を合併した場合など、重症化する場合があります。
また恐怖の対象に頻繁に遭遇している場合には、そのことを夢にも見ますので、
PTSDとの区別が難しいことがあります。
II 軸診断のうちでは境界性人格障害などが合併することがあります。
ただし、虐待などの長期的な被害を受けた場合には、PTSDの診断基準には書かれていない人格行動面の変化が生じるとの報告があり、
そうした変化に対してDESNOSといった診断基準も提案されていますが、
まだ正式には認められていません。そのような方に対して、現行の診断基準では境界性人格障害などが当てはまることがあります
言うまでもなく、先行する人格障害の上にトラウマ被害が生じる場合もあります。