09/04/05 21:26:34 wQySu4ko
>>782
ふむふむ。貴殿が例に挙げられたような「切迫した危機」については
脳生物学の知見が参考になるかもしれんぬ。
恐怖といった原始的な感情は、まず脳の扁桃体という部位で処理されるんだが
ここではサル以前の動物的な反応を作り出すんだね。
いわゆる「闘争・逃走反応」ですな。
その直後、扁桃体に遅れる形で大脳新皮質でも恐怖に関する情報が処理され始める。
記憶や知覚をもとに現実的・合理的な反応を作り上げるわけだあね。
認知療法が主として機能するのはこの大脳新皮質なんだぽ。
LeDouxという学者によると、大脳新皮質を鍛えていくことで
(完全には無理だが)我々は扁桃体をある程度制御できるようになる。
つまり、認知療法などを通じて大脳新皮質を鍛えていけば
恐怖に対して徐々に免疫がついていくわけですね。
したがって、認知療法の限界はそのあたりに見出すことができる。
扁桃体が機能し始めたその瞬間については認知療法は無力だと言えるが
その直後、大脳新皮質が機能し始めた段階で大いに活躍するわけです。