08/12/30 12:34:31 NcUnK1zQ
つきあった女に言われるまで、身長を意識したことはなかった。
SMAPの中居君がからかわれるのをテレビで見ると、ほっとけと思う。
小説に出てくる「小柄な男」は、たいてい165㎝だ。
明治生まれの祖父は、病院のベッドに収まらない背丈だった。
骨になってからは小さかったけど。
その祖父、自殺図るようになったんで
当時ヒキだった俺が監視に行かされたんだ。それまで一度も逢ったことはなかった。
俺が注いだ最後の一杯で倒れるまで、その人は俺のために面白い話をしてくれた。
要は自殺の手伝いをさせられたんだな。
こっちも遺産とかの関係で派遣されたわけだけど。
互いの事情をわかっていながら酌み交わしてた。
まるで昔から爺ちゃんと孫だったかのような顔で。
唯一よくしてくれた肉親だったよ。彼と過ごした正月が忘れられない。
同じ頃、つきあってた人がパワハラ被害で鬱だった。
「新年会の前に少しでいいから逢ってくれ」って言われて
車をコンビニで待ってるとき、外を救急車が通り過ぎた。
その人は遅れてやってきた。地下鉄とバスで一時間半の場所で下ろされた。
祖父の家には明かりがついてなかった。暗い居間に歩行器だけがあった。
それでもまだ「待ちきれなくて寝たんだな」と思ってた。
歩行器がなけりゃ寝室に戻れないのに。
留守電がチカチカ光ってて、携帯にも留守電が入ってた。家族からだった。
そのプリペイド携帯は祖父にもらった金で買った。
祖父のことを口実にして、ようやく持つことを許された携帯だった。
だからかなぁ……休みに入ったとたん、寂しくて2ch漬け。
手元にはあのときの酒。よせばいいのに。今は昼間からは呑まないけど。
とにかく中学時代、まともに喰っとけば
背の高いイケメンだったかもしれんのだよ。爺ちゃん結構モテたらしいし。