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向精神薬不明、元事務長が供述「暴力団に売った」
大阪府大東市の診療所で約２０万錠の向精神薬「エリミン」が所在不明になっている事件で、麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で書類送検された元事務長の中田厚生容疑者（５５）が、
近畿厚生局麻薬取締部の調べに「エリミンを暴力団関係者に渡し、金をもらった」と供述していることがわかった。約２０万錠の一部は、中田容疑者の辞任後に持ち出されているが、
中田容疑者は実弟の院長（５２）の関与を示唆する供述を始めており、同取締部は慎重に捜査している。
同取締部関係者によると、７月下旬に中田容疑者の自宅を捜索した際、４～５人の名前の後に「１０００錠、８～１０万円」と記したメモが見つかった。
中田容疑者は調べに「暴力団関係者にエリミンを売った記録」と供述したといい、同取締部はメモに書かれた人物の特定を進めている。
中田容疑者については、尿検査で覚せい剤の陽性反応を示したことから、同取締部が８月上旬に覚せい剤取締法違反（使用）容疑で逮捕、すでに起訴されていたことも判明。
自宅には、暴力団関係者に注射器を渡す代わりに覚せい剤をもらったことを示すメモもあり、同取締部は中田容疑者が薬物を常用していた疑いがあるとみている。
一方、中田容疑者が５月に辞任した後もエリミンがなくなっていたことから、同取締部が中田容疑者を追及したところ、
「院長が院長室に暴力団風の男を呼び入れるのを数回見た。院長も持ち出していたのではないか」と供述。
院長は調べに「自分は関係ない。中田容疑者が合鍵を使うなどして侵入し、盗んだのではないか」と否認したという。
同取締部は、院長が暴力団関係者と連絡を取っていたことを携帯電話の通話記録で確認しており、さらに事情を聞く。院長は読売新聞の取材に対し、
「経営者としての責任は感じているが、薬を不正流用した事実はない」と疑惑を全面否定している。
（2008年10月20日 読売新聞）
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