09/06/01 12:01:31 Ra2OXKR1
カバットジンの世代はチベタン仏教、禅、テーラワーダの僧や
その書籍がアメリカに輸入されて関心を呼んだ世代であって、
それぞれ瞑想センターもあちこちに建てられた。
現在盛んな仏教的心理療法やマインドフルネス、フォーカシングやミンデル
などのボディワークもそれを背景に根付き発展したもの。
心理療法として、禅もチベット仏教ももちろん重要視されているが
(ユング心理学などとの親和性があり、ハコミセラピーなども禅や老荘思想を取り入られてる)
一方で、禅もチベット仏教も「メソッド化」しづらいというか、「メソッド化」をむしろ拒む。
禅は、不立文字・教外別伝といって、言葉では伝えられず直接心に切り込む体験主義、
チベット仏教は、世界観が広大で文化的側面も強い。
また、両者とも帰依や慈悲といった宗教的な心のありようを重要視しているから、
単純化した心理療法としてはそぐわない。
その点、ヴィパッサナ瞑想はあらかじめある程度メソッド化されているから
仏教用語を心理学の用語に置き換えるだけで、簡単に心理療法のメソッドとして転化することができる。
だからカバットジン自身が禅やチベット仏教を排斥してるわけではなく、
本人も道元や鈴木大拙に大きな影響を受けたと。
マインドフルネスの本の序文は禅僧のティク・ナット・ハンが書いているし。
友人のラリー・ローゼンバーグは日本の禅やチベット仏教のみならず
韓国やミャンマーでも学んだという。
ケン・ウィルバーも禅・チベット仏教・テーラワーダと、それぞれの師について学んでいる。
そういう意味では、アメリカにおいて仏教が形を変えて脈々と法統を受け継いでいると言っていいかも。