10/05/21 01:42:18 発信元:220.146.48.54
連環の計のつづき
ところが十一月の二十日に、突然南風が吹き始めた。劉備の軍師諸葛孔明は早くから天候を
観察して周喩と準備を整えていた。このとき、曹操には黄蓋からの手紙が届き、いまから投降し
てくると書かれていた。曹操がこれを迎えようと部下たちを連れて船首に出ていると、果たして
黄蓋が十数隻の小船を率いてこちらに向かってくるのが見え、曹操は喜びを隠せずにいた。
こうして小船は風に乗って、あっという間に曹操軍の船団の前までやってきた。そのとき黄蓋が
手を振ると、小船がすぐさま炎上した。実は小船に積んであったのは枯れ草や油脂など燃え
やすいものだったのだ。燃え上がる小船は南風に推され、曹操軍の船団に突入したので曹操軍
の船団に火が移って燃え始め、船は鎖で繋がれているため、船上の将兵たちは逃げることも
できず曹操軍の船団はあっというまに火の海と化した。慌てた曹操は船を捨てて岸に上るが、
いつの間にか岸に置いた食糧倉庫も周喩が前もって派遣した伏兵によって燃やされていること
に気付いた。この機に乗じて孫、劉連合軍は猛攻撃をかけ、曹操軍は大敗し、曹操は包囲から
突破して、狼狽して北方へと逃げ帰ったのである。