09/11/30 22:07:39 発信元:124.86.238.83
懲鬼打射希望奇声(ちょうきだいきぼうきせい)
古代中国で行われた刑罰方法の一つ。
時の皇帝・削慈燕縫(さく・じえんぬ)が鬼のように暴れまわる備府賊や嵐賊
に対し頻繁に行ったとされる。
その方法とは、鬼(賊のことを指す)を重い拘束刑に掛け、相手が恩赦を請う
希望の声が奇声となるようにまでになっても、それを射抜き打ち砕くように
却下するというものである。
この方法の効果は絶大であり、喧騒が絶えなかった街中が静まり返るほどで
あったという。しかし、賊の拘束方法は、賊の居住地域と思われる住民もろとも
拘束するという壮絶なものであり、巻き添えの被害者が後を絶たなかったという。
このことから、削は「削除人(人をなんの躊躇もなく取り除く皇帝・削の意)」と
恐れられた。また、巻き添えになった住民はまるで死の縁に追い詰められた
ように唖然としていた様子から、この刑法は別名「死縁?送り」と揶揄されて
いたという。
後に、政府の役人に一定額の罰金を納めることにより、簡単に刑を免除される
ようになり、その効果も時がたつにつれて薄れていったという。
現在も、ネット上の掲示板の治安を管理しているものを「削除人」というのは
このことが元になっているのは言うまでもない。
民明書房刊「古代中国刑法列伝」より