10/05/12 22:56:56 発信元:118.12.37.153
連れ帰る 成人後、故郷へ 結婚し再び来日―第12部〈大陸源流〉
黒竜江省方正県中心部に「僑村」と呼ばれる高級住宅地がある。大きな一戸建て約40戸が並ぶ。
住民は日本からの帰国者だ。
趙さんの母親は祖父母とともに1943年、日本から旧満州に渡った。敗戦後、祖父母はソ連兵に
殺され、17歳だった母親は中国人農民の妻になった。70年代に日本にいる姉妹と連絡が取れ、
2番目の夫の死後、86年に日本へ。趙さんと斉さんも後を追い、89年に2人の子供と埼玉県に
移住した。
趙さんのきょうだい3人とその妻や夫、子供たちも日本に渡った。斉さんの妹の1人は在日華人と、
他の2人の妹は日本人と結婚した。夫婦の家系だけで、日本に移住したか、日本で生まれた親類は
約30人にのぼる。
日本へ行った華人の子供や孫の多くは成人後、故郷の方正県を訪れて結婚相手を探し、連れ帰る。
言葉や習慣の違い、収入の格差で日本人との結婚は難しいという。方正県の人々が続々と日本に
向かう流れができている。
中には戸籍を偽造し、日本に渡った人の親族になりすまして来日する人もいる。
ある男性(44)は40万元(約550万円)を仲介業者に払い、妻を残留孤児の娘として、自分は
その夫と偽って90年代に日本に入国した。業者は残留孤児の家族に謝礼を、戸籍を管理する
警察関係者らにはわいろを渡して戸籍やパスポートを偽造した。
方正県は、日本人と結婚する女性が多い。日本の国際結婚仲介業者のウェブサイトには、方正県
の女性が目立つ。県内では日中の十数業者が営業しているといわれる。
(続く)