おにゃのこが改造されるシーン素体13人目at SFX
おにゃのこが改造されるシーン素体13人目 - 暇つぶし2ch1:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:45:17 15ga84g20
美しい女性(女子高生、人妻、ょぅι゙ょ問わず)が拉致されたり洗脳されたり操られたり、
女戦闘員や女怪人に強制改造されたり、手術台の上であんなことやこんなことをされたりする
シーンに萌えるスレです。SSの発表や、雑談の場などに。sage進行推奨。

前スレ「おにゃのこが改造されるシーン素体12人目」
スレリンク(sfx板)

 「女子高校生位の子が改造されるシーン」(初代スレ)
URLリンク(book.geocities.jp)
「うら若き女性が改造されるシーン」(2スレ目)
URLリンク(book.geocities.jp)
「おにゃのこが改造されるシーン 3スレ目」
URLリンク(onyakai.googlepages.com)
「おにゃのこが改造されるシーン 4スレ目」
URLリンク(onyakai.googlepages.com)
「おにゃのこが改造されるシーン 5スレ目」
URLリンク(onyakai.googlepages.com)
「おにゃのこが改造されるシーン素体6人目」
URLリンク(onyakai.googlepages.com)
「おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目」
URLリンク(onyakai.googlepages.com)
「おにゃのこが改造されるシーン 素体8人目」
スレリンク(sfx板)
「おにゃのこが改造されるシーン素体9人目」
スレリンク(sfx板)
「おにゃのこが改造されるシーン素体10人目」
スレリンク(sfx板)
「おにゃのこが改造されるシーン素体11人目」
スレリンク(sfx板)

「おにゃのこ改造@ウィキ」 特撮板・エロパロ板のおにゃのこ改造スレのまとめwiki
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

2:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:45:57 15ga84g20
本スレのお約束
・SSを投稿するときは、全部書き終えてから一気に投稿する。
・投稿するときは、名前欄は固定ハンドルネーム&トリップ付きで。
・SEX描写がメインのSSはエロパロ板で。
「おにゃのこ改造 BYアダルト14」
スレリンク(eroparo板)

《関連サイト》
「蜂女の館」(現在閉鎖中)。
URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
みーんな、なかーま
URLリンク(nakaama.web.infoseek.co.jp)
舞方雅人の趣味の世界
URLリンク(masatomaikata.blog55.fc2.com)
沙弥香の脳内妄想
URLリンク(blog.livedoor.jp)
Kiss in the dark
URLリンク(blog.livedoor.jp)
蜂娘祭跡地
URLリンク(ssb.sakura.ne.jp)
E=MC^2
URLリンク(rose.zero.ad.jp)
海マツリ
URLリンク(www.ssb.sakura.ne.jp)
maledicted ladies' archives
URLリンク(book.geocities.jp)

3:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:46:45 15ga84g20
《NGワードについて》
過去のいきさつで、SS作家「ダイレン」氏に関連してスレが荒れやすくなっています。
その結果、前スレより専ブラへのNGワード「ダイレン」の登録が推奨されました。
登録により、ダイレン氏への叩き、煽り、ダイレン氏を騙る荒らし等を見ずに済ますことが
できますが、言うまでもなくダイレン氏の新作や本人によるカキコも不可視になります。
ダイレン氏自身を荒らしと認定する場合、登録は適切ですが、この認定には異議もあります。
この点ご勘案の上、各自の判断で登録を行ってください。

4:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:47:14 15ga84g20
《関連スレ》(dat落ちしたものはmaledicted ladies' archivesに保管)
【ぐるぐる】ショッカーの蜂女様を讃えるスレ【おっぱい】
スレリンク(sfx板)
ショッカーの蜂女よりエロい女怪人はいない!
URLリンク(book.geocities.jp)
特撮における変装や擬態
URLリンク(book.geocities.jp)
【トカゲロンは】怪人の素体となった人間【サッカー選手】
URLリンク(book.geocities.jp)
自分の彼女が蜂女に改造されたら?
URLリンク(book.geocities.jp)
蜂女(ショッカー)の魅力について語るスレ
URLリンク(book.geocities.jp)
蜂女(ショッカー)の魅力を語るスレ Part2
URLリンク(book.geocities.jp)
特撮とエロス
URLリンク(book.geocities.jp)
23歳OLだけど気がついたらショッカー蜂女に改造されてた
URLリンク(book.geocities.jp)

5:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:48:07 15ga84g20
《前スレで投下されたSS》
ショッカー代理人氏作
「シラキュラス」
スレリンク(sfx板:42-59番)
35歳会社員、任川真恵(いむかわまさえ)は血液の病気にかかった娘由美を思うあまり
血液を求めて町をさまよい歩く。やがてショッカーに遭遇した真恵はシラキュラスに改造され…
「ゴキブリ女」
スレリンク(sfx板:250-262番)
インチキ殺虫剤「ゴキコロリ」を売り歩く男、黒木建蔵の妻・早苗がゴキブリ女に改造される。
「サソリ女」
スレリンク(sfx板:741-754番)
本郷猛の親友である早瀬五郎の恋人、勢野(せの)亜矢子がサソリ女に改造される。

羽生翔子氏作
「幽霊屋敷の蜂女」(仮)
スレリンク(sfx板:795-799番)
脅されて親友をだまし悪の組織のアジトへ導いた少女が、親友共々蜂女へ改造される。

マッキー氏(12スレ816=初投稿氏)作
「地球刑事シャイガー/ギャル軍団の幼女改造」(仮)
スレリンク(sfx板:816番)
スレリンク(sfx板:820-823番)
スレリンク(sfx板:828-829番)
スレリンク(sfx板:834-836番)
スレリンク(sfx板:838-841番)
小学6年生の理沙と留衣は悪の組織・空魔の珍獣スナスナの砂を浴び、珍獣イトイトの
作り出す洗脳スーツ以外の服を着られない体になってしまう(着ると服が溶けてしまう)。

6:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:49:51 15ga84g20
《前スレで投下されたSS・その2》

maledict氏作
「名も無き改造人間たち1・親友」
スレリンク(sfx板:902-941番)
奴隷生物シリーズ。主人公とその親友の二人の女子中学生二人が奴隷生物に改造される。
いったんは洗脳を免れた二人だが、まず親友が、続いて主人公が、結局は洗脳される。

12スレ392氏作
「怪人黒鳳凰の爪の垢」(仮)
スレリンク(sfx板:392番)
大連者のリンはネカフェにいた「○イレン」というネームプレートをつけた男に邪水晶を埋め込まれ、
怪人「黒鳳凰」にされてしまう。その爪の垢を飲まされた人間は…
「ネオショッカー富士樹海基地、今日も異常なし」
スレリンク(sfx板:411-412番)
スレリンク(sfx板:414-416番)
スレリンク(sfx板:423-424番)
スレリンク(sfx板:442-444番)
スレリンク(sfx板:463-465番)
スレリンク(sfx板:474-476番)
スレリンク(sfx板:478-479番)
スレリンク(sfx板:482-484番)
スレリンク(sfx板:512-518番)
株で大損をした幸子は、自殺パーティに参加するために向かった樹海で、
ネオショッカーの一員・佐藤の手によりS-107号に改造される。佐藤の訓練を受けた
幸子はその能力を現し、最先端の怪人・ネオ蜂女への改造を受ける。

7:名無しより愛をこめて
09/03/16 20:51:21 15ga84g20
《前スレで投下されたSS・その3》
12スレ392氏作 (続き)
「樹海へようこそ・外伝」
スレリンク(sfx板:529-533番)
「ネオショッカー樹海支部・アキバ暴動の巻」
スレリンク(sfx板:624-626番)
スレリンク(sfx板:633-637番)
「おにゃ改スレ壊滅」
スレリンク(sfx板:653-654番)
NS樹海基地外伝。タイレンウィルスによるスレ壊滅。改造シーンなし。

一発ネタ
「青スジ女」
スレリンク(sfx板:337番)
「水虫女」
スレリンク(sfx板:338番)

8:1
09/03/16 21:27:20 15ga84g20
テンプレ貼りはとりあえずここまでにします。

過去スレ投下SSを全部紹介するのは一時廃止になりましたが
12スレ目でまた復活しました。自分は「まとめwikiを参照」でもいいかなと思うし、
余力もないのですが、どなたかがやってくださるならば、それは
新しく来る人に親切だとは思います。

それでは、雑談、情報交換、SS投下等お楽しみを。

9:1
09/03/16 21:36:34 15ga84g20
>>7のあらすじが抜けていました
(前スレの段階で抜けていたを見落としていました)。追加版を書きます
--------
「樹海へようこそ・外伝」
スレリンク(sfx板:529-533番)
博士は、擬体化されたネオ蜂女=幸子の人間時の肉体をクローン化し
温泉整形スパを拠点に新たな計画を推進する。

「ネオショッカー樹海支部・アキバ暴動の巻」
スレリンク(sfx板:624-626番)
スレリンク(sfx板:633-637番)
憑句藻電機に新型CPUCore i7百個を注文に出向いた佐藤は、翌朝自分の注文した品が
N石レンタルの差し押さえにあっている現場に遭遇し、怒りを爆発させる。

10:名無しより愛をこめて
09/03/17 21:07:55 YfYl4+c90
「メカゴジラの作動装置を桂さんに」

11:名無しより愛をこめて
09/03/17 21:08:35 YfYl4+c90
サソランジンは可愛そう。

12:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/19 03:41:06 LBU3jwp/0
SS投下します。

ブランクが空き、リハビリ代わりに短いのを書こうと思ったら長くなってしまいました。
オチを考えずに書き始めたせいか最後の方が説明的になってしまいました。
エロいシーンの分量が増え、アダルトに投下するかどうか迷ったのですが
我ながらエロくないエロシーンなのでこっちにします。
特撮ネタではなくオリジナルな話です。ご了承下さい。
タイトルは「日記と棒」。

13:日記と棒(1/20)
09/03/19 03:44:17 LBU3jwp/0
「大丈夫。危険地帯といってもこの辺は危険度Eだったはず。大丈夫…」
 そんな独り言で自分を励ましながら、わたしはかつての自分の家を
目指していた。

 山向こうの大きな都市が「敵」の勢力下に入ってしまうと共に、
わたしたちの住んでいた小さな町も放棄された。誰も彼も、ほとんど
着のみ着のままで町を退去し、安全な地域へ疎開せざるをえなかった。
 疎開はやむをえないことだし、疎開先の祖母の家はもとの家より
便利で快適ですらあった。
 だけど、一つだけ大きな心残りがあった。病院で亡くなった母との
最後の日々を記録した、大事な交換日記を置いてきてしまったのだ。
何の荷物でもないノート一冊。なのに、あれだこれだと下らないものを
詰めているうち、うっかり鞄に詰め忘れてしまった。
 「敵」の勢力は時間が経てば経つほどに広がる。ぐずぐずしているうちに
日記は永久に手の届かないところに行ってしまう。行くなら今しかない。
危険だろうか?…いや、まだ大丈夫のはず。でも…
 そんな煩悶を一週間続けたあげく、わたしは結局、手遅れになる前に
日記を取り戻しにいこうと決意した。
 皆が寝静まった深夜。わたしは叔母が買ったばかりという原付を
こっそり拝借して故郷の町を目指し、明け方には到着した。警備は
思ったよりも全然手薄で、裏道を通れば簡単に潜入できたのだった。

 早朝の町は一見したところ一週間前と何も変わらない。だが、この町が
目覚めることはもう永久にない。そして、いずれそう遠くない将来、
町全体が「敵」の…
 ぞっとする想像を振り払い、わたしは大通りをとばして我が家を目指す。

14:日記と棒(2/20)
09/03/19 03:44:53 LBU3jwp/0

 家の近くの大きな木の横を通ったとき、後ろの荷台でべちゃっ、
という音がした。
 何が起きたのかはすぐに分かった。同時に、後悔と恐怖が心を満たした。
この辺はすでに「敵」の勢力圏に入ってしまっているのだ。町に入った後、
どこかで「境界」をまたいでしまったに違いない…。
 わたしは半ばパニックに陥りながらブレーキをかけた。急停止と共に
背中とヘルメットにべちゃりと何かが付着し、生温かい感触が背中に広がる。
わたしは大急ぎでバイクから飛び降りると、無我夢中でジャケットと
ヘルメットを脱ぎ、へばりついたものを包むようにジャケットを丸め、
遠くに放り投げた。そして、あと数百メートル先の我が家へと駆けだした。
がしゃ、といやな音をたててバイクが倒れたのが背後で聞こえた。

 走りながらそっと振り向くと、バイクにまだ大量の「それ」が
こびりついていたことが分かった。「それ」―「ゼライブ」と呼ばれる
赤い透明なゼリー状の物体―は、バイクを離れ、人間が歩くほどの
スピードでわたしの方に近づきつつあった。ジャケットにくるんで
放り投げた方もその後を追っていた。
 わたしを認識し、追いかけているのは明らかだった。
 しかも、やつらは獲物を認識すると仲間を呼び寄せるという。このまま
「勢力圏内」でもたもたしていると、大量のゼライブに包囲されてしまう
ことになるだろう。
 来た道を引き返せば案外すぐに圏外に出られるかもしれないが、後ろに
ゼライブたちがいる以上、それは無理だ。

15:日記と棒(3/20)
09/03/19 03:45:21 LBU3jwp/0
 とはいえ、現在家に向かっているのは、日記を取り戻すためだけではない。
わたしの部屋には、日記と共に、やはり置き去りにしてきたスクーターの
キイもあるのだ。このまま追いつかれずに部屋まで行けば、日記を取り戻した
上で、逃げおおせる見込みは十分ある。部屋の窓から外に出ればすぐ車庫だ。
スクーターを全速で飛ばせば追いつかれはすまい。木や電柱の下を避けて
通れば、さっきのような上からの襲撃も防げるだろう。
 
 とはいえ、あまり猶予はない。玄関にたどり着き、家の鍵を開けながら
後ろを見ると、バイクにへばりついた二体以外に、もう二体が迫ってきた
のが見えた。いずれもまだ百メートル以上遠くだが、当初よりもかなり
速度が上がっている。ゼライブは地面に薄い膜を広げ、その上を滑走して
移動するため、ちょうどスケート選手のように加速度がつきやすいのだ。
 遮蔽効果がないことは知りつつも、玄関をしっかり閉め、靴のまま廊下に
上がる。息が上がりかけていたが、このまま廊下の突き当たりの部屋まで
一気に駆け抜け、日記と鍵をとって、すぐに窓から飛び出さねばならない。
 廊下を走る背後で、ぼん、ぼん、と鈍い音が計四回響いた。加速をつけた
ゼライブたちが玄関のドアにぶつかった音だった。思わず振り向くと、
すでにドアの周囲から赤いゼリーがじわりと染み出している。
 …しかし、これならなんとかなりそうだ。ドアのおかげでやつらの速度は
減殺された。そしてこちらはもう部屋の前だ。時間は十分ある。わたしは
幾分ほっとしながらドアを開け、部屋に入ると急いでドアを閉めた。

16:日記と棒(4/20)
09/03/19 03:45:45 LBU3jwp/0

 ぐるりと見回した部屋の中は、一週間前とまるで同じだった。ちょうど
いつも起きるぐらいの時刻だ。薄桃色のカーテン越しの朝の日差し。そうか、
祖母の家の部屋はカーテンの色が違うんだ。でも、日記と違ってカーテンは
お店で売っている。いつか引っ越し先が決まったらじっくり選ぼう…。
 そんなことを思いつつも、わたしはぬかりなく引き出しを開け、日記と
スクーターのキイを取り出した。叔母さんの新車も、これで弁償すれば
いいだろう。こっちも新車で、値段は倍近いのだ。
 今頃になってようやく例のぼん、ぼんという音がドアから響く。
ぞっとはするがもう楽勝だ。あとは窓から出て、スクーターを飛ばせば、
追いつけはすまい。
 そう思って窓のカギを開けようとして、わたしは凍り付いた。
 窓の向こう側に、薄桃色の物質がべったりと貼り付いていたのである。
 カーテンは開いていた。さっきわたしを安心させた光は、窓に貼り付いた
ゼライブだったのである。
 玄関のドアよりも気密性が高いせいか、窓の外のゼライブはなかなか
中に入れずにいるようだ。だがもちろんそれは、何の救いにもならない。
 背後ではめきめきという音がした。ゼライブの圧力で蝶番が外れたの
だ。床に広がったゼライブが、わたしを取り囲むように迫ってくる。
窓の方からはピシっという音。とうとうガラスが割れたらしい。
 机の前にいたわたしは、半ば本能的に椅子によじ登り、上でしゃがんだ。
椅子の脚をゼライブが這い上ってくる。恐怖が限界に達したわたしは、
母の日記を抱きしめ、絶叫していた。
「助けて!助けて!おかあさん!おかあさん!!」


17:日記と棒(5/20)
09/03/19 03:46:17 LBU3jwp/0
 絶叫の後に待っていたのは残酷な静寂。頭が真っ白になったわたしの両肩に
ぺちゃりと熱いものが触れた。その熱い何かは猛烈な力でわたしを椅子ごと
机の上に押し倒した。椅子は床に倒れ、わたしは身動きがとれなくなった。
ゼライブの大きな塊が両肩に張り付き、机に固定しているのだった。
 やがて両肩のゼライブは腕と首へ、その体を広げ始めた。はじめ
Tシャツごと腕を取り囲んでいたゼライブが、やがて首元と袖口から
Tシャツの中に侵入を始める。そうしてゼライブが両腕の素肌をぐるりと
囲んだとき、膨圧でTシャツがびりびりと破れる。熱いような痛がゆいような
奇妙な感覚が肩と腕を覆い、その面積を広げていく。
 ―ああ、もうだめだ。わたしはこのまま…
 無力感と絶望、そして恐怖が心を染める。
 
 ぼんやりと見ていた天井によく目をこらすと、天井には、床にいるのの
倍はある量のゼライブが張り付き、うごめいていた。やがて幾筋かの
しずくが胸元へ落ちた。悲鳴を上げそうになるのを必死の思いでこらえる。
口の中に入ってしまうのが何より恐ろしかったからだ。
 しずくは徐々に太さを増し、しまいには滝のようにわたしの胸元に
「ゼライブ溜まり」を形成する。そしてぼろぼろになったTシャツの下側に
入り込み、肌の表面を覆いながら広がり始める。

 「熱さ」の感覚は徐々に「快感」に変わり始めている。その面積が
これ以上広がれば、正気を保ち続けるのは難しいのではないか、という
恐ろしい考えが頭をもたげる。

18:日記と棒(6/20)
09/03/19 03:46:43 LBU3jwp/0

 上半身を固定されているため、両足は宙に浮いていた。その足の先に
ゼライブが触れる。床に広がっていたゼライブが、十分な高さまで
盛り上がれるほどに寄り集まったのだろう。
 ひとたび足にとりついたゼライブは床から足へと急激に移動を始め、
足の先に雪玉のようなゼライブの塊ができあがった。塊の一部はソックスの
内側に入り込み、つま先まで浸透する。摩擦を失ったソックスと靴が
ずるずると滑り落ち床にごとんと落ちる。その一方、塊の上部は足首から
すね、すねからひざと、徐々に上へと広がり始める。
 
 胸元にできた「ゼライブ溜まり」はすでに腕を覆い尽くしているゼライブと
結合し、ぼろぼろになったTシャツの下で、上半身全体をぐるりと背中まで覆った。
Tシャツのときと同じく、当初ブラジャーごと胸を取り囲んでいたゼライブが、
ブラの裏側にその足を伸ばし始めた。
「やめて!」
無駄だと分かっていても叫ばずにはいられなかった。谷間の部分に溜まった
ゼライブが、二つの球体の表面を「ふもと」から「頂上」に向けて覆っていく。
「やだ…やだよう…」
熱いちくちくする刺激が、とうとう両胸の中心の敏感な部分に達したとき、
わたしはそう呻かずにはいられなかった。
 膨圧で背中のホックが変形してしまい、いまやブラジャーはだらしなく
垂れ下がっている。そうして両胸を覆い尽くしたゼライブは、お腹の方へ
その体を広げる。ジーンズの内側に侵入し、やはり膨圧で裂けたジーンズが
床へずり下がる。両足を這い上っているゼライブも、すでに太ももの上部まで
達している。このままいけば…
「やめてぇ!おかあさん!おかあさん!おかあさん!」
 わたしは右手に持ち続けていた日記をぎゅっとつかんで無駄な叫びを上げた。

19:日記と棒(7/20)
09/03/19 03:47:26 LBU3jwp/0

 お腹と太ももの両側から広がったゼライブが、とうとうショーツを覆い、
そしてショーツの開口部から素肌に広がり始め、足の付け根近くからお尻まで
下半身をほぼ覆った。腰の周りに集まったゼライブの膨圧でショーツが裂ける。
 いまやわたしの首から下は赤色のゼリーに覆い尽くされている。全身の
皮膚に、熱く、決して不快とは言えないちりちりしたむずがゆさが広がる。
気を抜くとおかしくなってしまうのではないか、という以前想像した恐怖は、
今や生々しい実感として迫りつつあった。

 そこまで来たとき、予想もしなかった動きが生じた。全身のゼライブが、
これまでになく流動性を増し、激しく、そして複雑な運動を開始したのである。様々な速度、様々な向き、そして軟度も弾性も刻々と変化する微妙で複雑な運動。
 それは「愛撫」と呼ぶしかない刺激だった。全身に広がっていたもやもやした
痛がゆさが、いまやはっきりした快楽に変わった。乳首と脇腹を中心に
強烈な刺激が全身を走り、それが両股の中央部に焦点を結んだ。結ばれた
焦点で世界が破け、そこから熱い液体がじゅわりと滲み出てきたのを感じた。
「……ん…ふぅ……や…ら……」
 力が入らない。意図してもいない声が漏れる。いやだ!こんな風になるのは
いやだ!わたしは自分の正気をつなぎ止めようと懸命に意識を集中させるが、
全身でのたくるゼライブたちが、それを妨げる。
 ゼライブの動きはますます激しく複雑なものとなり、今や垂れ下がるブラジャー以外何もまとっていない全身の皮膚の上で、狂乱した赤い波がのたくり
回っている。散乱しそうな意識を集中させてそれを見ていたわたしの目に、
おぞましいものが飛び込んできた。

20:日記と棒(8/20)
09/03/19 03:48:01 LBU3jwp/0
「いやぁぁぁ~っ!こんなのやだぁぁ!……ゃらぁあああ!」
 波打つゼライブがところどころめくれ上がり、その下にのぞかせたわたしの
皮膚は、いつのまにか人間とはかけはなれた薄緑色に変色していたのである。
 
 わたしは愕然とした。そして無力感と諦念がこみ上げてきた。
 ゼライブに机に押し倒されて、まだ数分と経っていない。たったそれだけの
時間で、わたしの脳は狂乱の一歩手前に追い込まれ、そしてわたしの肉体は
人間とは呼べないものに変わりつつあるのだ。
 
 錯乱するわたしの周りに、天井や窓になお残っていたゼライブが集まり
わたしの肉体をさらに厚く覆い始めた。同時にゼライブの強引な「腕」が
わたしの足と腕を折り曲げる。そして今まで首の下で止まっていたゼライブが、
あごから上へと広がり始めた。危機感を覚えて大きく息を吸った直後、
口と鼻がふさがれた。絶望のカウントダウンの始まりだった。
 すぐにゼライブは顔全体を覆った。最初赤いゼリー越しに漏れていた光が、
見る見る暗くなり、最終的に視界が闇に閉ざされた。これまでになく
厚い層が自分を覆っているのだと分かった。
 その直後、腕と足の拘束が消え、手足の自由が戻った。体を覆っていた
ゼライブが粘性のほとんどない液状に変成したのだ。だが、腕や足を
伸ばそうとするとその先が固いゴムのような層に突き当たり、阻まれるのが
分かった。

21:日記と棒(9/20)
09/03/19 03:48:28 LBU3jwp/0

 わたしはニュースで見た記録映像を思い出した。
 これまで「敵」の犠牲になった人間は「繭」と呼ばれる赤黒い球体の形で
発見されるのが通例だった。「繭」の中には赤い「羊水」が詰まっており、
その「羊水」が中にいる人間を人間ならざるものに変質させるのだと
いわれていた。
 一番有名な記録映像は凄惨な場面の記録だ。繭から異形の者が
「羽化」し、繭を心配そうに見守っていたかつての仲間に襲いかかる
シーン。中継映像が記録されているだけで、羽化した「犠牲者」や
カメラマンも含め、当事者の誰一人としおてその後の生存は確認されていない。
すべては「敵」のはらわた深くに飲み込まれてしまった事件の記録だ。
 ―自分はまさに今、その繭の中にいる。あの怪物は近い未来の自分なのだ。

 「羊水」と化したゼライブに囲まれた世界は異様なほど静かだった。
 だが、これがそう長く続くはずはない。
 まず、もうすぐ息がもたなくなる。わたしはいずれ原始的な反射行動で
この呪わしい「羊水」を吸い込んでしまうだろう。それがわたしの命を奪う
ことはたぶんない。「繭」の中で窒息した人間はいないのだ。しかしまた
繭から人間のままで出てきた者も一人もいない。羊水に体の内側から
変質させられてしまうのだ。
 それに、ぴくりとも動かなくなったゼライブと反比例して、わたしの心は、
荒れ狂っている。あの強烈かつ繊細な愛撫が不意に中断され、酸欠とは異質の
強烈な渇望が全身を焦がしていたのだ。―むずむずする。もっともっと
いじり回して欲しい。めっちゃくちゃにこね回して欲しい。
お腹やおっぱいだけじゃなく、あそこを!あそこを!どうにかして!

22:日記と棒(10/20)
09/03/19 03:49:02 LBU3jwp/0
 普段なら決して口にしないような卑猥な言葉を転がしている自分に
ふと気づき、その事実のいやらしさが情欲をさらに倍加させた。
他方で、息苦しさは限界に近づきつつあった。

 ふと、自分の手足が、繭の中でなら自由に動くという事実に思い至る。
重力のほとんど相殺されたこの繭の中で、自分はどんな姿勢でも自由に
とれるのだ!
 
 ―ねえ!いじくっちゃおうよ!!
 ―息も吸っちゃおうよ!
 
他ならぬわたしがわたしを誘う。

 ―わたしはわたしだ。わたしがわたしの主人だ。
 ―わたしがわたしの体を好きなように使って、何のいけないことがあるの?
 ―なんで、好きこのんで、こんな苦しい思いをしないといけないの?

 決して開いてはならない、そんな思考回路を、わたしはわたし自身で開いた。
 そして自分が自分に与えた提案に促され、わたしは左手で乳首をぎゅっと
つまみ、それから乳房全体を揉みしだいた。爆発しそうな快感に
気を失いそうになったわたしは、とうとう右手の日記を手放し、
指先をあそこにあてがい、ゼライブとははっきり違う大量の粘液の
感触をたしかめると、指を一息に割れ目の一番上までしごき上げた。
 脊髄を電撃が突き抜け、とうに限界に達していた気道の緊張が緩んだ。

「ごぼっ」


23:日記と棒(11/20)
09/03/19 03:49:38 LBU3jwp/0
大きな泡をはき出したわたしの肺に、ほとんど自動的に大量の「羊水」が
流入する。羊水は酸素を肺に供給したが、同時に脳の中に、原色の赤に
染められた狂気が流入してきた。

「あああああああああああああああああああああああああああ」

人間の言葉では表現できないイメージの奔流。何かとてもおぞましい光景。
この地上の人間だけではない。どこか違う世界のまったく違う生き物たちが
抱く、まるで異質の、しかし根本的には同じ感情。憎悪。恐怖。苦しみ。
悲しみ。そして、そのような感情を糧にして肥え太る、「敵」と呼ばれる
不気味な存在。そんな風な、知識とも幻覚ともつかないイメージが
めまぐるしく頭をかき回し始める。

「ああん…ああああん…」

 そんな中でも、わたしの指は休むことなくあそことおっぱいをいじり回す
のをやめなかった。だが、そうして自慰を続けるほどに、不満は募っていった。
 ―だめ!こんなんじゃ全然だめ。さっきのがいい!さっきのあれがいい!

 狂おしいイメージは絶えることなく送り込まれている―「憎い」
「おぞましい」「逃げろ!」「あいつは敵だ!」「いやだ!」「怖い!」
「苦しい!」「助けて!」―数知れない世界での無限に多様な、
しかし生命を削り浸食するという意味では常に似通った、痛ましく
つらい感情が際限なく送り込まれる。
 そして、どの世界でも「敵」は常に「敵」なのだ。

24:日記と棒(12/20)
09/03/19 03:50:08 LBU3jwp/0

 わたしがぎこちなくあそこや胸をまさぐり続けているうち、わたしの
焦げるような思いに、いつしか羊水、いやゼライブが反応を始めた。
羊水が徐々にあの粘性を取り戻し、わたしがして欲しいのと近い
動きを、少しずつしてくれるようになり始めたのだ。

「ううん…そうよ…そうよ…!」

ゼライブと自分の意志が連動し、快楽が高まるにつれて、絶え間なく
頭をかき回すイメージの嵐の見え方が、少しずつ変わってきたことに
気がついた。当初、漠然とした黒い塊にしか見えなかった、様々な世界の
様々な苦しみや悲しみ。その微妙な差異や陰影、その各々がもつ独自の個性、
あるいは独特の「味わい」。それが少しずつだが識別できるように
なってきた。
 実際、それは、この宇宙で生まれうるありとあらゆる可能な生命体の
目録に等しいものだった。わたしは、憎悪や悲しみこそ、生命がその真の姿を
発揮するかけがえのない瞬間だという真理に、少しずつ気づき始めていた。

「あ……はん……」

わたしが真理に近づき、生きるものすべての「苦しみ」を賞味する喜びを
より深く知れば知るだけ、ゼライブとわたしの意志の連動は強くなって
いった。わたしはゼライブを自在に操ることができるようになり始め、
それによってより貪欲に、より巧みに、快楽を引き出す業を追求していった。

25:日記と棒(13/20)
09/03/19 03:51:03 LBU3jwp/0
 そうして快楽により深く溺れば、それだけわたしは、世界の中心に位置する
あの存在に、ゼライブを媒体としてつながっていることをより強く実感
するようになっていった。様々な生き物の、様々な形の負の感情を糧にして、
果てしなく進化する崇高な存在。そしてわたしはその存在の一部であり、
道具である。この事実をよりはっきり自覚すればそれだけ、ゼライブは
ますます自在にわたしの意志に従うようになる、より高度で洗練された快楽を
提供するようになっていった。

「ううううん…あああぁぁぁぁぁん」

今のゼライブは繭に入る前にわたしに与えていた快楽をはるかに超えた
快楽をわたしに与えている。…いや、わたしが自らの意志でわたしに与えて
いるのか?しかしゼライブを動かしているのはわたしなのだろうか?
わたしの意志がゼライブに適合してるのではないのか????

 快楽を自ら与え、受けるという果てしない連鎖の中、わたしは自分が
どこにいるのか分からなくなりかけていた。そうして出口のない回路の中で
途方に暮れかけたとき、天啓のように「真理」が降りてきた。

 ―実のところ、わたしはあのお方の一部であるだけではなく、
ある意味ではあのお方そのものなのだ。

26:日記と棒(14/20)
09/03/19 03:51:36 LBU3jwp/0
 ―多様などす黒い感情を吸い込み、時空を越え永久に進化し続ける存在。
あのお方は未来のわたしであり、わたしは過去のあのお方だ。あのお方は
進化し続ける我々の同胞すべての未来の姿であり、逆に我々すべては
あのお方の過去の発展段階の一こまだ。そして永遠の相の下で見れば
過去と未来はなくなる。限りなく進化を続ける永遠なる存在が
ただ一つあるだけなのだ。わたしはあのお方であり、あのお方はわたしだ!

 …この神々しい認識にわたしが達したとき、久しく待ち望んでいた
瞬間が訪れた。羊水の一部が凝縮し、固く太い棒と化したのだ。
じれるような渇望をこらえながら、わたしは両足を大きく広げ、棒の先端を
あそこにあてがう。そして腰と羊水をゼライブの自在に動かしながら
棒の先端であそこをかき回す。
 高まる期待に胸躍らせたわたしは一度棒をあそこから外し、それを
両手で丁寧に撫で回し、先端に熱いキスをする。そして今度こそ
挿入するために、再びあそこへあてがう。

 高まる期待は決して性的快楽だけへのものではない。
 この熱い棒こそ、今この時空でのあのお方そのものなのだ。それと一体に
なるとき、わたしのすべての過去は消え、わたしは真にあのお方の一部、
すべての時空に同時に存在する、あのお方そのものへと転成するのである。
ああ、そのときが、もう、いますぐにでも、目の前にあるのだ……!


27:日記と棒(15/20)
09/03/19 03:52:41 LBU3jwp/0

 …だが、挿入はなされなかった。何かみすぼらしい異物がわたしと
あのお方を隔てたのだ―……みすぼらしい異物?……ノート……
……交換日記……………おかあさん!

 わたしの中の異質な感情の覚醒によって羊水のバランスが急激に崩れた。
羊水の一部が凝固し、一部が再び完全に液体化した。やがて繭の外皮が
破け、わたしは異物であるかのように地面にはき出された。

 部屋中に、砕け散った繭の破片が散らばっていた。固体と液体に分離した
ゼライブは、もはや「媒体」としての機能を果たさないただの残骸だった。
 わたしは立ち上がり、自分の姿を姿見に映してみた。
 鏡に映った姿は、もはや完全に人間のものではなかった。
 全身は濃い緑色の、ぬめぬめした両生類のような皮膚に覆われ、
ネズミのような尻尾が生えている。両手の爪はかぎ爪になり、よくみると
指が八本もある。髪の毛と陰毛は真っ赤な触手になり、額には二本の角。
目は円形の真っ赤な複眼。口は昆虫のような大あご。背中には昆虫とも
コウモリともつかない、グロテスクな肉質の羽根が生えている。
 女の子としての救いは、体型そのものが以前と大差ないか、ちょっぴり
グラマーになったというところか。また乳房も陰部も大きな変化は
ない。乳首や陰部の色が毒々しい黄色になっているぐらいだ。

28:日記と棒(16/20)
09/03/19 03:53:10 LBU3jwp/0
 そして心の中も、もう取り返しのつかないほど変貌してしまった。
 今のわたしは生命体の負の感情を味わい、それによって精神的進化を
続ける、どす黒い歪んだ魔性の存在である。幸か不幸か中枢システムへの
完全な同化を果たしそびれてしまったとはいえ、今のわたしは以前として
「敵」や「あのお方」と呼ばれる高次元多階層知性体の一部分を構成する
存在ではあるのだ。ついでに言えば、今のわたしは、性的快楽を貪欲に
追い求めるように調教されてしまった、薄汚れたメス豚でもある。
 母の形見を取り戻しに、危険な「敵」の中へ飛び込んでいく、けなげで
純真で初々しい少女は、残念ながら―ああ、なんていい言葉!―
もうどこにもいないのである。

 …とここまで考えたとき、わたしは自分が繭から最終的にはじき出された
経緯の記憶をはっきり取り戻した。そして自分が両手に持っているものに
気づき、軽くうろたえた。
 わたしの右手には多少よれよれになった母の形見の交換日記があった。
そして左手には、あろうことか、この時空での現在の「あのお方」
そのものである、ゼライブ製の巨大な男根があったのである。

29:日記と棒(17/20)
09/03/19 03:53:34 LBU3jwp/0

 わたしの最初の反応は涙だった。こんな複眼のどこに涙腺があるのかと
思うのだが、流れるものは仕方がない。
 涙のわけは、自分の中に、ほんのカケラでも、女の子らしい気持ちが
残っていたこと、そして形見の日記が無事だったことへの喜び、そして
何より、亡き母への感謝の気持ちだった。
 母の日記がはさまったおかげで、わたしは「敵」との最終的な合体を
回避できたのだ。母との思い出が消え、そもそもわたしが母の娘であった
という事実そのものがこの時空から消失してしまうことを回避できたのだ。
母の日記を取り戻したいという純真な思いだけは守り通し、そして
母の日記そのものも無事だったのである。
 それだけではない。ここには、母の日記のおかげで、恐るべき「敵」の
本体があるのだ。ゼライブでできた男根にすぎないこれを、今
粉々に破棄すれば、この地上から、いや、今現在のこの時空から、
「敵」は消滅するのだ。
 もちろん、永遠なる存在である「敵」を本当の意味で消滅させることは
できない。しかしまた永遠なる存在とはいえ、その時空での肉体が
なくなれば、もうそこでの活動はできなくなる。
 例えば「敵」が、大昔に永遠なる存在として覚醒する以前は、やはり
どこかの時空で生まれ、普通に修行していたただの生き物だったはずだ。
仮にそのときの「敵」をその時空で殺していたら、その時空で「敵」が
悪事をなすことはなかっただろう。そして今この時空でのこの男根は
そういうまれな存在なのだ。

30:日記と棒(18/20)
09/03/19 03:54:12 LBU3jwp/0
 なんでそんなことになったかと言えば、言うまでもなく「敵」は
わたしを中枢に取り込み、つまりはわたしの肉体をこの時空での
あらたな寄り代にして、さらなる高みを目指そうとしていたからだ。
その最後の儀式を母の日記が阻止したのである。
 それはたぶん偶然ではない。母の強い思いが因果律に多少のひずみを
もたらしたのである。母の愛がわたしの人間としての生を救った。
 そして、いまこの男根を破壊すれば、「敵」の知性を構築している
莫大な情報は失われる。そして、わたしたちが知りうる範囲で
「敵」が自分の進化のためだけに生み出そうとしてきた
すべての悲しみ、苦しみ、その他から人々は救われるのである。

「くくっ、なあんだ。なら、すべきことは一つじゃない!あははは」

 わたしはそこまで考えると思わず口に出して笑い出さずには
いられなかった。
 そうだ。すべきことは一つだ。母の日記をいますぐ燃やし、
そして改めて「あのお方」と一つになるのである。他の選択肢は
思いつかない。

 今のわたしにとって最も甘美なものは憎しみや悲しみの感情である。
たとえそれが自分自身に生じる感情でも、それは変わるところがない。
いたいけな少女がかろうじて守り抜いた母の形見。それを無情にも
火にくべる。そのとき生じる怒り、悲しみ。亡き母の踏みにじられた
思い。そんなステキな悲劇がもうすぐ見られるのだ。

31:日記と棒(19/20)
09/03/19 03:54:35 LBU3jwp/0
 それに、せっかく封印した「敵」をむざむざとまた解放する。
そうして世界に苦しみと悲しみがさらに満ちあふれる。これは、
ただ単に世界を苦しみと悲しみで満たすより、はるかに面白いことでは
ないだろうか?希望というスパイスが一さじ入るだけで、絶望の味は
何倍にもなるだろう。
 そして、それよりも何よりも、わたしは「あのお方」とのセックスの
機会がまだ失われていなかったという事実に、目が回りそうな喜びを
おぼえていたのである。
 この男根は決してただの張り型ではない。これと交わることは
あのお方と交わることだ。時空を越え永劫の過去から蓄積してきた
様々なテク。それを駆使して絶頂に達し、その果てにあのお方自身と
一体化することができる。あのお方に調教して頂いたこの貪欲な性欲を、
あのお方自身に満たして頂ける。こんな機会をどうしたら見逃せようか?
 わたしは高まる期待で胸が張り裂けそうだった。

  *  *  *  *

 結局、わたしは母の日記を燃やすこともなく、「あのお方」ないしは
「敵」と一体化することなかった。かといってこの男根を破壊する
こともしなかった。
 世界は絶望と希望の宙ぶらりんの状態にある。わたしがこの二つの
アイテムをこのままにしておく限り、この状態は続くだろう。

 世界を絶望から救ったのは、一つにはわたしの中の「魔性以上の魔性」
であり、もう一つには、おそらく母の日記が残してくれた人間の良心だ。
どちらが本当の原因なのかは永久に分からないと思う。だがいずれにせよ、
あのあと、わたしの中の魔性がこうささやいたことは事実だ。

32:日記と棒(20/20)
09/03/19 03:55:07 LBU3jwp/0

「ねえ。色々楽しみにしているようだけど、あんたのお楽しみって、
ちょっと陳腐じゃない?もっとずっと味わい深い負の感情はあるのよ。
 考えてみて。いたいけな少女の苦しみ、世界の絶望、そして
めくるめく『あのお方』との一体化。そんなすばらしい『ごちそう』に、
何の根拠もなく『待った』をかけられた魔女の苦悩ってどう思う?
交わろうと思えばいつでもできる『あのお方』と、なんの理由もなく
交わってはいけない、というルールを自分に課すの。
理不尽きわまりないルールを、それでも守り続けないといけないの。
 …どう?苦しみといえば、こんな不条理で複雑な苦しみなんて、
ちょっとないんじゃない?」

 結局、わたしは自分自身に説得された。たしかにその通りなのだ。
燃やそうと思えばすぐに燃やせる日記、交わろうと思えばいつでも
交われる男根、また反対に、この時空の幸せのために、壊す気になれば
いつでも壊せる「敵」の本体。それを手にしつつも、何もしない
宙ぶらりんの状況を維持する。こんな意味不明の苦行は存在しない。
それに苦しんでいるわたしの苦しみは、たしかに、他のどんな苦しみ
よりも甘美で味わい深い。…これは、わたしにとって、否定しようのない
事実なのだ。

 結局のところわたしは、母も「あのお方」も好きなんだろうと思う。
 どちらかを選ぶなんて、できはしないのである。(了)

33:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/19 03:57:24 LBU3jwp/0
以上お粗末でした。ちなみに「ゼライブ」というのはゼリーの材料の「ゼライス」が
元ネタです。箱に「ゼライスとは『ゼリーを愛す』からつけました」とか書いてあり、
それにちなみました。 

それでは。

34:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/22 00:21:50 r8VG6ezw0
一人でスレを汚しているみたいですが、
瀬川昌男『チタンの幽霊人』 (1968年)の外伝を書いてみました。
作品については前スレの下記をご参照下さい。
スレリンク(sfx板:891-899番)

自分はメカ改造よりはバイオ改造の方が好きですが、上記のようなのを読むと
メカ系もいいなと思います(前スレ392様も擬体化でしたね)。

なお、舞台の「1980年代」とは、原作者瀬川氏が1968年の段階で想像した
架空の時代をベースにしています。出てくるアイテムには原作通りのものと
自分が想像をふくらませて書いたものがあります。

タイトルは「チタンの幽霊人外伝・ミリカ」ということで。

35:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(1/22)
09/03/22 00:22:16 r8VG6ezw0
 その晩、トキオは複雑な計算に没頭していた。小型計算機に数値を打ち込み
ながら、込み入ったステップを一歩一歩進む。その数式はトキオが取り組んで
いる研究に必要なものだったが、今のトキオを駆り立てているのは学問的関心
ではなかった。その昔パスカルが歯痛を忘れるために数学の問題に取り組んだ
のにならい、昨日起きた辛い事件をせめてひとときでも忘れていたいと、
半ば無理やりに方程式を解いていたのだった。
 沢井トキオは高校三年生。両親を早くに亡くし、いまは政府の奨学金で
一人暮らしをしている。優秀な学生で、アマチュア理論物理学者としてまとめた
論文がさる大学教授の目にとまり、来年から飛び級で大学院へ進学することが
決まっている。

 突然、ドアのブザーが鳴る。トキオは首をかしげる。時刻はもう真夜中で、
最終のチューブカーもとっくに終わっている。いったいこんな時間に誰が?
 そう思っているうち、インターフォンから声が響いた。
「こんばんは。わたしよ」
 トキオの頭をまさかという思いが駆けめぐる。インターフォンの声は続く。
「わたし、ミリカよ。ここを開けて」
 トキオは驚きながらインターフォンに向かって話す。
「ミリカ?どうして…」
「わけがあって詳しくは話せない。でもわたしなの。幽霊でもないわ」
 本人であることは間違いがない。トキオはドアのスイッチを操作し、自動ドアを
開けた。立っていたのはやはり碓井ミリカだった。
 トキオはミリカを招き入れながらも、今ここにミリカがいるという事実がまだ
信じられなかった。

36:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(2/22)
09/03/22 00:22:40 r8VG6ezw0
 ミリカは昨日、母親である碓井博士と共に自宅で焼死したはずなのである。家庭用
原子力温水器の暴走による、不幸な事故だった。たしかに、今のところ「死亡」ではなく
「行方不明」という扱いであったが、それは死体が著しく損壊し検証に時間がかかる
からであって、生存の見込みがあるようなものではないとされていたはずだった。
「…ひょっとして、事故のときには家にいなかったのかい?…でも、だとしても、
なんで今まで姿を見せなかったの?…」 
「お願い!詳しいことは言えないの。今日はお別れに来たの。わたしは死ぬわけでは
ないけれど、でも、あなたとはこれきり。もう一生会えなくなる」
 トキオの疑問はさらにふくれあがる。だが、何か問いかけようとしたトキオを
制するように、ミリカは続けた。
「何も聞かない。そして今夜のことは誰にも言わないと約束して。それに時間は
あんまりないわ。その時間をつまらない詮索で浪費しないで!その代わり、一生残る
思い出をちょうだい!」
そう言って手を握ってきたミリカに、トキオはもう何も質問できなかった。

「まあそこに座って。何か飲む?」
「じゃあ、ココアがあれば」
 コートを脱ぎ、ベッドに腰掛けながらミリカが答える。トキオは流しの戸棚から
錠剤を二つ取り出し、カップに入れて温水器からお湯を注ぐ。ぶくぶくという音を
たてて上質のココアができあがる。
 トキオの部屋はしごく質素な部屋だ。8畳ほどの部屋にバスルーム、トイレ、流し。
家具は全自動調理器、食器棚、食事用の小さなテーブル、勉強机、衣類や小物を納める
戸棚。全自動調理器と乾燥食料が広まると共に冷蔵庫は置かないトキオのような人も
増えている。他にあるのは旧式の立体テレビと、もう年代物と言っていい、音声しか再生
できないレコードプレイヤー、あとはファイルを十冊ほど納めた本棚。それで全部である。

37:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(3/22)
09/03/22 00:23:02 r8VG6ezw0
 若き科学者の部屋にしては本が少ないように見えるが、ファイルの中には超高密度の
マイクロフィルムが大量に納められている。これだけの分量だと、二十年前の小さな町の
図書館ぐらいの情報が詰まっていてもおかしくないのだ。

 二人は長い間黙ったままココアを飲むだけだった。
 トキオは椅子に座りながら、ベッドに座っているミリカに、何の話をすべきか考え
あぐねていた。口を開けば質問めいたことしか出てこなそうだったし、それ以外の世間話
などそらぞらしい気がした。母親の死の話ですら、なんとなく口にしかねた。
「最初に会ったのは入学式の日だから、会ってから三年近くなるんだね。長いのかな、
短いのかな?」
 トキオはとりあえず話しかけてみた。
 二人の交際が始まったのは出会って間もなくだった。いわゆる「清い仲」で、
いっしょに昼ご飯を食べたり、放課後図書館に行ったり、休日に買い物や立体映画に
行ったりと、そんな感じだった。半月ほど前、公園で初めてキスをしたのが、男女として
最も接近した瞬間だった。彼女がトキオの部屋に上がるのも、実はこれが初めてなのだ。
1980年代の現在、アメリカあたりでは男女関係もだいぶ開放的になっているが、日本の、
それも進学校の生徒としては、それは標準的な関係であるといえた。
 ミリカは黙ったまま立ち上がり、椅子に座っているトキオに近づいた。そしていきなり
トキオの唇に自分の唇を重ねた。一瞬驚いたトキオはそれでもミリカを優しく抱きしめ、
そうしてしばらくの間二人は抱き合っていた。
 長いキスのあと、ミリカは耳元でささやいた。
「ねえトキオ。…抱いて!」
 トキオはぎくりとした。それから、たった今していたように、ミリカをぎゅっと
抱きしめた。ミリカは少し怒りながら言う。
「そういう意味じゃないわ。分かっているでしょ?女の子にあまり恥ずかしいことを
言わせないで!」

38:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(4/22)
09/03/22 00:23:22 r8VG6ezw0
 トキオは腹をくくり、部屋の電気を落としに行こうとした。しかし、ミリカはそれを
制止して言った。
「お願い。電気はこのままにして欲しいの。そして…わたしの姿をあなたの目に強く
焼き付けて欲しい。いつまでもいつまでも、消えないように」
 そう言いながらミリカはセーターを脱ぎ、ブラウスのチャックを下ろした(この時代、
ボタンはすたれ、洋服の留め具はほとんどチャックに変わっていた)。そうしてブラウス
を脱ぎ捨て、次にスカート、ブラジャー、パンティ、最後にソックスの順に、手際よく
衣類を脱ぎ捨てていった。
 初めて見るミリカの形のよい乳房や、きゅっとした腰のくびれ、そしてつややかな茂み
などに目を奪われかけていたトキオは、目の前の少女にあまり長い間恥をかかせては
いけない、と気づき、慌てて自分も服を脱ぎ始めた。
 やがて互いに一糸まとわぬ姿になった二人は再び抱き合い、先ほどよりも激しいキスを
交わした。やがてそのままベッドの上に倒れ込み、そしてミリカの言う「思い出」を
二人で作り始めた。

 行為の途上、トキオが戸棚を指さし、ミリカに問いかける。ミリカは首を振り、言う。
「避妊なんてしないで。大丈夫。わたしが妊娠することは絶対にないの。絶対に!」
 「絶対」という言葉を口にしたミリカの声には、とても悲しそうな調子が籠もって
いた。高い教育を受けた二人は、「絶対安全」などありえないとよく知っていたので、
ミリカの言葉には何か特別の意味があるはずだった。トキオは、ミリカの身に起きつつ
ある不吉な陰をそこに感じたが、その正体はわからないまま行為を続けるしかなかった。

39:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(5/22)
09/03/22 00:23:41 r8VG6ezw0

 長い陶酔の時間が過ぎ、ミリカはトキオの胸にすがりながら何かをじっと考えていた。
そしてトキオに言った。
「ねえ、のどが渇いちゃった。レモネードとかあるかな」
「食器棚に入っているよ。作ろうか?」
「いえ。わたしが作る。お手洗いにも行きたくなったしね」
 そう言ってミリカはトイレに入り、それから戸棚のレモネードの錠剤を二錠
コップに入れ、続いて冷水器の水を注いだ。そうしてベッドの上のトキオにレモネードを
差し出し、二人で飲んだ。
 濃密な情事の余韻が消えやらぬトキオは、やはりどうしてもという思いをミリカに
ぶつけた。
「…ねえ。やっぱり聞かずにいられない。さっき言っていた、これでお別れ…って…い…
う……の………は…………」
 みなまで言い終わらずにトキオは眠り始めた。ミリカがレモネードに睡眠薬を入れた
のだった。
 ミリカはトキオに毛布をかぶせ、その寝顔を愛おしそうに眺めながらそっと言った。
「トキオ、ありがとう。…さよなら」
 その言葉を言い終えるとミリカは手早く衣類を身につけ、外に出て、公衆電話でタクシー
を呼び出した。すぐにTAXIと書かれたエアカーが到着し、ミリカを乗せて走り出した。

 ミリカはタクシー会社を変えながら三度タクシーを乗り換えた。トキオにも、「研究所」
の人間にも、足取りをつかまれまいとする、せめてもの工夫だった。最後にミリカは
公衆電話から「研究所」へ電話をかけ、迎えに来た「研究所」の黒いエアカーに
乗り込んだ。もう夜が明けかかっていた。

40:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(6/22)
09/03/22 00:24:01 r8VG6ezw0

 「研究所」で待っていたのはマトベエワと名のる中年の科学者だった。日本語の達者な
ロシア系らしい怪人物である。
 マトベエワはミリカを部屋に入れ、目の前の椅子にかけさせると、直ちに尋問めいた
質問をミリカに浴びせた。
「『思い出』は作れたかね?母上のご厚意に感謝するんだな。それから、マスコミやら
警察やらに余計な話はしていないだろうね。母上は依然『人質』だ。君が余計な話を
したことが今後発覚したら、その時点で我々は君の母上の命を奪う。その約束を
忘れてはいないね?」
 事務的で冷酷な質問に、ミリカが毅然とした態度で答える。
「大丈夫よ!ある友達に、わたしが生きていることは知られた。だけど、余計な話は
何もしていない。嘘発見器を使ってくれてもいいわ」
「ふむ。約束の範囲内だね。いいだろう。でも、念のため確かめさせてもらうよ」
 マトベエワが取り出してきたのは嘘発見器ではなく、見慣れない装置だった。
「『脳地図分析機』の試作品だ。このヘルメットをかぶり、そこに横になりたまえ。
これで、過去数時間分の君の記憶を再生できる」
 ミリカは唖然とした。まさかそんなものがあるとは予想していなかった。たしかに
理論上は可能だが、実用までにはまだ何十年もかかると言われている装置だ。いったい、
この「研究所」はどんな組織なのだろうか?
 ミリカはできれば脳地図分析機などにかけられたくはなかった。たしかに約束を破って
はいない。しかし、トキオの顔を知られてしまうし、何よりトキオとのあの「思い出」の
一部始終を第三者に見られてしまうことになる。

41:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(7/22)
09/03/22 00:24:21 r8VG6ezw0
 だがミリカに抗弁する権利はないのだった。そもそもこの「思い出作り」自体が異例の
措置なのだ。女手一つでミリカを育てた、「オープンな」思想のをもつミリカの母・碓井博士
が、ミリカが手術を受ける前に、ミリカに女としての喜びを経験させたい、最後の思い出を
作ってやりたい、と上層部を説得し、実現した特別の配慮なのである。ミリカが余計な
ことをすると、母の身に危険が及ぶのだ。
 ミリカは黙ってヘルメットをかぶり、一言だけ訴えた。
「お願いします。友達の顔や名前がわかっても、彼には何もしないで下さい。彼は
『行方不明』中のわたしに出会った。そしてわたしは再びいなくなった。それだけの
ことです。彼から何か秘密が漏れる心配はありません」
 マトベエワは殊勝な声で返答する。
「いいだろう。もしそれだけのことなら、我々とて不必要な暴力や殺人はしたくない。
約束するよ」
 ミリカとしてはその言葉を信じるしかなかった。そしてベッドに横たわり、装置に
身をゆだねた。
 解析が始まり、映像が復元される。映像を見ながらマトベエワがデリカシーのない
言葉を発する。
「ほう。なかなかいい『思い出』が作れたみたいだね」
こういった態度はこの男の常なのだが、それは悪意や猥褻な意図というより、対人的な
感受性の麻痺に由来しているらしい、ということにミリカは気づいていた。学問ばかり
やりすぎてそういう感受性が麻痺してしまっているようなのだ。母親の同僚にも似た
タイプの人物は少なからずいた。
「相手の男もなかなかテクニシャンじゃないか。最近の若いやつらは、情報だけは豊富だ
からな」

42:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(8/22)
09/03/22 00:24:43 r8VG6ezw0
 ミリカは顔から火が出そうだった。と同時に、ふとトキオの本棚が思い浮かんだ。
きっと、あの中には学術文献以外のマイクロフィルムも入っていたに違いないわ、
とミリカは気づいた。

 やがてマトベエワは装置を停止させ、ヘルメットを回収しながら言った。
「これで記録はとれた。もう少し詳しい解析は必要だろうが、ざっと見たところ余計な
ことを話していない、という言葉に嘘はなさそうだ。安心したよ」
 陵辱されたような気分でマトベエワをにらみつけるミリカに、マトベエワは続けて言った。
「では早速手術を始めるとしよう。手術室に向かいたまえ。言い忘れたが、母上の手術は
先ほど無事に成功したよ」
 こともなげに言うマトベエワの言葉は、ミリカに、自分がそもそもなぜここにいるのかを
思い出させた。猶予の時間は終わった。もう自分は「手術」を受けねばならない。
しかも、母はもう「手術」を受けてしまったというのだ。
 ミリカは青ざめながら立ち上がり、マトベエワの後について部屋を出た。
 
 手術室に入ってミリカの目にまずとまったのは、台に置かれたロボットか人形のような
ものだった。それが自分が受けるという「手術」に関係するものなのかどうか、ミリカに
は判断がつかなかった。そもそも、非常に一般的な説明以外、詳しいことはほとんど
聞かされていなかったのだ。
 マトベエワがミリカに言った。
「見たまえ。さっき話したとおり、母上の手術は無事成功した。母上はこれから
宇宙開発用サイボーグとして我々の計画のために働いてもらうことになる」

43:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(9/22)
09/03/22 00:25:02 r8VG6ezw0
 ミリカは耳を疑った。そして目の前に横たわっているものを改めてじっくりと見つめた。
そして、確かにその顔が、自分の母親のそれと重なることを認めねばならなかった。
 サイボーグとなったミリカの母は、銀色の人形のような髪を生やし、白目のない
真っ黒な目を見開いていた。口と鼻はただの飾りで、開くことはできなさそうだ。
全身の皮膚は銀色に近い半透明の樹脂で覆われていた。ふくよかな乳房の形は以前の
ままだったが、乳首は細かなで凹凸のない、つるりとした突起に変わっている。体毛は
まったくなく、女性の大事な部分には幼女のようなスリットが一筋走っていた。
その下に開口部があるのか、口や鼻のようなただの飾りなのかは、見ただけでは何とも
言えない。腰にはベルトのようなものが巻かれ、それはベルトというよりもサイボーグと
しての体の一部なのだろうとミリカは思った。
 目を見開いたままぴくりともしない母に、ミリカは思わず声をかけた。
「お母さん?」
 黙ったままの母を見て、マトベエワが言う。
「まだ麻酔で眠っているようだ。目は閉じない作りになっていてね」
 まるで母を人形か何かのように言う男に、ミリカは寒々しいものを感じた。
 そのとき、手術台の上のサイボーグの手がかすかに動いた。そしてかすかな声が漏れた。
「う…ううん。…ここは?」
 母親の声に変わりなかったが、その声は口ではなくベルトの部分から出ているようだった。
ミリカは母がもうふつうの人間ではなくなってしまったという事実を改めて思い知らされた。
 マトベエワが声をかける。
「おめでとう碓井博士。あなたの手術は成功しました。目は見えますか?」
 きょろきょろとしていたミリカの母の目は、天井の手術灯の鏡面に釘付けになった。
そこに映った自分の姿を認めたらしかった。

44:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(10/22)
09/03/22 00:25:23 r8VG6ezw0
 ミリカの母は上半身を起こし、自分の体を見下ろし、両手で顔を撫で回した。
「ああ…手術を、手術を…わたしはもう受けてしまったんですね!わたしは…わたしは…
…もう…」
 その声はひどく狼狽していた。眠っている内に手術の時間になり、そのまま麻酔を
受けて手術されたのかもしれなかった。
 母親は娘に気づき、もう一度自分の体を見下ろし、申し訳なさそうに娘に話しかけた。
「ああ、ミリカ。ごめんなさいね、お母さんを許して…」
 自分の変わり果てた肉体が、すぐ先の自分の娘の運命でもあることを、母は改めて
自覚したようだった。
 そのとき、マトベエワが、部屋の奥にいた技術者のような男と目配せをして、思いも
かけない話をし始めた。
「ところで碓井博士。残念な話をしなければならないんだが、あなたの娘さんは我々の
秘密をマスコミにぺらぺらと触れ回ってしまったんだな。対策は取らせてもらった。
余計な人死にが出そうだが、何とかなりそうだ。だが、どうあれ責任は取ってもらわねば
ならない。事前の申し合わせでは、あなたの命を奪うということだったんだが、我々と
しては優秀な科学者でもあり、無事完成したサイボーグでもあるあなたを失いたくは
ない。それで、あなたの娘さんを処刑することで、関係者のみなさんへの見せしめに
しようと、そういうことに決まったんだ」
 まったく事実に反する話をマトベエワは始めた。ミリカは驚いたが、母親はそれ以上に
狼狽し、ほとんど泣き叫ぶように訴えた。
「なんですって!?お願い!やめて下さい!おねが…」

45:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(11/22)
09/03/22 00:25:47 r8VG6ezw0
 そのとき、部屋の奥でかちんという音がした。するとミリカの母は急に話すのを
やめた。そして今までとはうってかわった、何の感情もない声で言った。
「…取り乱してすみません。そうですか。ではそのように対応して下さい。計画の
ためには、仕方がありませんね」
 そうして、まるでロボットのように動きを止めた。その姿はまさに「次の命令を待つ
ロボット」そのものだった。
 マトベエワが言う。
「ふむ。情緒コントロールは良好だ。…碓井博士、いやサイボーグ第15号。申し訳ない。
ちょっとテストさせてもらったよ。今のは嘘だ。娘さんは約束を守り、これから手術を
受けるところだ」
 母親はたいして関心のなさそうな声で返事をする。
「そうだったのですか。サイボーグの数が無駄に減らずに済むのは、好ましいことです」
 そうしてまた不動の姿勢を続けていた母親は、不意に立ち上がると、用意されていた銀色の
ビキニのような衣類をつけ、それからどこかへ行ってしまった。マトベエワが説明する。
「電波で命令が来たんだろう。出発の準備で色々忙しいからね。早速働いて
もらわないといけない」
 それからミリカに向き直って言った。
「さあ、手術台は空いた。お次は君の番だ。服を脱いでここに横になりなさい」
 これから自分に何をされるのか。その一部始終を見せられたミリカには、簡単に
「はい」とはとても言えなかった。ためらっているミリカにマトベエワが続ける。
「抵抗するなら強制的にやらせてもらうが、君も無駄な暴力は受けたくないだろう?」
 ただの脅しではないだろう。ミリカは観念して、震えながら服を脱ぎ始めた。
 ほんの数時間前、同じように服を脱いだときも、自分はやはりかすかに震えていた。
あのときもやはり未知への不安はあった。しかしあのときの不安と今の不安は天と地の
違いだ。今の自分に待ち受けるのは恐ろしい運命と絶望だけ。何の救いもない。

46:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(12/22)
09/03/22 00:26:08 r8VG6ezw0
 服を脱ぎ終えたミリカは手で胸と茂みを隠しながら手術台に横たわった。
マトベエワがそれを見て言った。
「手をどけたまえ。麻酔をかける前に、まずは剃毛をしないといけない」
 そう言いながらバリカンとカミソリ、それに剃毛用の石けんをマトベエワは
準備していた。
 頭髪が落とされ、丁寧にそり上げられると、次に局部の剃毛が始まる。無造作な指が
秘所に触れるたび、大事な思い出が汚されたような思いで、ミリカの心にはやり場の
ない怒りが生まれる。
 やがて全身つるつるになったミリカに笑気ガスが当てられる。急速に遠ざかる意識の
中、早くもお腹にメスが当てられたことを感じつつ、ミリカは思う―次に目が覚める
ときは、わたしはもうサイボーグにされちゃっているんだ。さようなら、わたしの体…

 幸か不幸か、ミリカの予想は外れた。体質のせいであろうか、ミリカは手術の途中で
二度ほど目を覚ましたのである。
 一度目に目を覚ましたとき、天井の手術灯の鏡面の中にミリカが見たのは、空っぽに
された自分の胴体だった。ミリカは不自由な喉からくぐもった悲鳴を上げた。胸部と
腹部との皮膚が切り裂かれ、だらんと外側に広げられている。そして肋骨の中にある
はずの肺も、胃や腸やその他の臓器も、ほとんど除去されているのが見えた。
 悲鳴に気づいたマトベエワが話してきた。
「おや、麻酔の効きが弱かったのかな。大丈夫。生命維持装置はちゃんと働いているよ。
内臓の切除で生体部分が影響を受けることはない。内部の清浄と表面加工が終われば、
空いた部分にコンパクトな生命維持装置を収納する。原子力電池さえ補充すれば半永久的に
活動が可能な高性能の装置だ。骨格の強化が終われば骨格を装置の動力に接続する。
強力な力を発揮できるだろう。そして、多少の微量栄養素の補充以外、呼吸も食事も
不要になる…」

47:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(13/22)
09/03/22 00:26:29 r8VG6ezw0
 再投与された麻酔によって再び遠ざかる意識の中、ミリカの絶望は深まった。
 ―つまり、わたしはもう二度と食べたり飲んだりする楽しみを味わえない体に
なってしまう。そういうことなんだ。あのレモネード、おいしかったな…

 二度目に目を覚ましたとき、やはりミリカは悲鳴を上げた。表皮を除去され、筋繊維が
むき出しにされた自分の顔がいきなり目に入ってきたからだった。しかも、その悲鳴は
口からではなく腰に巻かれたベルトのスピーカーから発せられた。すでに、声帯や舌の
神経が、音声合成装置につなぎ変えられていたのだった。
 悲鳴を聞いたマトベエワが、手術を続けながら、また説明を始める。
「おや、また目が覚めたのかい。現在、全身の表皮に特殊シートを接着中だ。各種宇宙線を
遮蔽し、通電により放熱と冷却が自在にできる、いわば超薄型の宇宙服というべき優れた
素材だ。これに保護された君の体は、真空の宇宙空間や絶対零度近い惑星表面など、
どんな過酷な環境でも裸に近い姿で活動できるようになる」
 たしかにすごい技術だと思ったが、ミリカは別にうれしくもなかった。それはつまり、
そんな「過酷な」環境で自分が労働に従事させられる、と予告しているようなもの
だったからだ。
「顔については、心配しなくともいい。頭部には特に色々と処理が必要でね。
でも最終的には君のもともとの美しい顔を復元できるはずだ」
 どうせなら、とびきりの美人に整形してくれればいいのに、と言いかけたミリカは、
その言葉を飲み込んだ。ここまで何もかも変えられてしまって、その上別人の顔にされて
しまったら、もう自分が何者なのか、永久に分からなくなってしまうに違いなかったから
だった。そんなことを考えながら、ミリカはまた眠りについた。

48:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(14/22)
09/03/22 00:26:48 r8VG6ezw0

 三度目に目覚めたとき、以前のような慌ただしいスタッフの行き来や、やかましい
機械の音はもう止んでいた。それで、手術は終わったらしいと直感された。
 ちょうど、視神経が新しい機械の目に適合し始めたところらしく、ぼんやりしていた
視界が急速に鮮明になるのが実感できた。意識も急速に回復し、自分がどこにいて、
何をされているのかをミリカはすぐに思い出した。
 手術灯の鏡面に映っているミリカは、すっかり完成されたサイボーグだった。今さら
特別の衝撃も絶望も湧いては来ず、ただ、鈍い喪失感だけが心に広がった。
 そのときミリカは、これがまだ最終段階ではないことを思い出した。母と同じく、
このあと自分の脳には「情緒コントロール」が施されるはずだ。それによってサイボーグ
としての自分は完成するのだった。人間の肉体をベースに作られた命令に忠実なロボット、
というのが母やミリカの最終的な完成形態なのだ。
 ロボット工学をかじっていたミリカは、現在の技術力の中でサイボーグという存在が
いかに効率のよい道具であるかをよく理解していた。汎用ロボットや汎用コンピュータの
開発は1980年代に入っても遅々として進んでいない。ロボットの「手足」を構成する
専門に特化した機械の開発は飛躍的に進んだが、中枢となるコンピュータやそれを
統一するコンパクトなシステムはまだ存在しない。サイボーグは、いわば天然の
汎用コンピュータを備えた汎用ロボットである人体をベースに、特殊な機能だけを
強化することで、余分な研究開発費を大幅に節約できる、すぐれた発明品と言えるのだ。
 ミリカにとって悲しく、また苛立たしいのは、他でもない自分がその発明品、道具に
作りかえられてしまったということだった。このまま情緒コントロールによって、何を
するためかも分からない計画の駒として使役される、という自分の運命は、暗澹たる
ものと言うしかなかった。どうにかして、どうにかして、情緒コントロールに抵抗
できないものだろうか。例えば、命令に忠実なロボットのふりを続け、そうやって
油断させておいて…

49:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(15/22)
09/03/22 00:27:05 r8VG6ezw0
 ミリカがそこまで考えを進めたとき、ふいにマトベエワがブラウン管を横目で見ながら
話しかけてきた。
「ふふふ、なかなか聡明なお嬢さんだ。しかも情緒コントロールに抵抗か。面白い。
君は母親に負けず劣らず勝ち気な女性のようだね…」
 ミリカはぞっとした。この男はあの画面からわたしの思考をすべて読みとっている
らしい。つまり母親に電波で命令できるのとちょうど反対に、サイボーグの思考を
遠隔で読み取ることもできるのだろう。これでは相手を欺くことなどできない。
 あたかも会話しているように、ミリカの心の中の思考にマトベエワが答える。
「その通りだよ。この画面に全部表示されているよ。ついでにもう一つ、面白いことを
教えてあげよう。君の『思い出作り』だがね、あれが母上の意向であることは事実だが、
実を言うとそれはまた、我々の望むところでもあったのだよ」
 何?どういうこと?そんなミリカの思考にマトベエワは答える。
「情緒コントロールと言っても、若年者向けと成年向けでは若干やり方が違うのだ。
若年者の場合、情緒の全面的な抑制だけで制御には十分なのだが、成年の場合それでは
足りない場合がある。ところがうまくできたもので、成年の場合、性的快楽をうまく
制御してやることで不足を補うことができるのだ。君の場合、どうやら情緒の抑制
だけでは不十分らしいと思われていたのだが、母上の主義の割に、君自身はオクテだった
ようだからね。『思い出作り』は君の脳に必要な制御スイッチを組み込むための、
格好の機会だったわけだ」
 ミリカの心を強烈な無力感が覆う。ミリカをロボットとして操るための仕組みを当の
ミリカ自身にこうまで自信たっぷりに語るというのは、その制御システムがそれだけ
強力だということを裏書きしている。そして実際、そんなものを自在に操作されたら、
自分をいつまでも保ち続ける自信が、正直なところ、今のミリカにはない。数時間前の
トキオとの濃密なひとときは、それほど強烈な経験だった。

50:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(16/22)
09/03/22 00:27:26 r8VG6ezw0

 相変わらずミリカの心を読み続けているマトベエワは、ミリカのそんな思考に返事を返す。
「そのトキオくんだがね、実を言うと隣の部屋にいるんだ」
 ミリカは愕然として思わず声を張り上げる。
「何ですって!?うそつき!トキオには何もしないって…」
 マトベエワはにやにやしながら言う。
「約束を破ったわけではないよ。たしかに我々も少しうかつだったが、君のコートの
ポケットに小さな発信器が入っていてね。ちょっと前、彼の方からここに乗り込んで
きたのさ。それでは感動の対面といくかね」
 そう言ってマトベエワは内線電話で指示を出す。
 ミリカはそれを聞き、思いがけぬ再会にほんの一瞬胸が躍るが、すぐに大きな恐慌に
とらわれる。ここまで来てしまったトキオを、彼らがただで返すはずがない。トキオは
どうなってしまうのか。それに、トキオと再会しても、今のわたしは…
「いやっ!!」
 背後で開くドアの音を聞きながら、ミリカは上体を起こし、まだ馴染んでいない
新しい体をぎこちなく動かして、ドアに背を向けて体を丸めた。
 ドアの方からは懐かしい声が聞こえる。
「手術室?いったい、なぜミリカが手術室なんかにいるんだ!?まさか事故にでも
……!」
 トキオの言葉がとまる。手術台の上にうずくまるミリカの背中を認めたらしい。
「ミリカ?ミリカなのか!?」
 こんな風にされてしまった体を、トキオにだけは見られたくなかった。ミリカは
ぎゅっと膝を抱え、絞り出すような声でトキオに言う。
「わたしよ。だけどトキオ、お願い。わたしを見ないで!」

51:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(17/22)
09/03/22 00:28:40 r8VG6ezw0
 マトベエワがからかうように言う。
「せっかくの新しい体だ。彼氏に見せてやればいいじゃないか。ふむ、そういえば
情緒コントロールがまだだったな」
 ミリカは青ざめた声で懇願する。
「いや!やめて!それだけは…」
 かちりという音がする。同時にミリカは、自分の心から、たった今まで激しく渦巻いて
いた不安、おびえ、憤り、といった感情が忽然と消失してしまったことに気づく。
「もう一度言おう。トキオくんにその体を見せてあげたまえ。これは命令だ!」
 まるで自分で決めたことのように、ごく自然に命令を果たそうと、体と心が
動き出す。…でも…でも……
「……い…や…。い、や、で、す…」
 か細い声でミリカは抗弁し、動きそうになる体を押さえ、体を丸める。それは
意志の力というよりは、少女としての「意地」のようなものだった。
「ふむ。なかなか強情だね。でもまあ予測の範囲内だ。性欲の回路を開こう」
 再びかちりという音がして、今度は獰猛なけだものの情欲が自分を動かそうとして
いることにミリカは気づく。その奔流にミリカはもはや抗えない。
「…はう……いや……だめ……あ…」
 切ないあえぎ声を上げながらミリカは上体を起こし、手術台から降り、トキオの前へと
歩み出る。そして自らの肉体がトキオによく見えるように両腕と両足を軽く開き、
くるりと一回転までしてしまう。
 マトベエワがうれしそうに言う。
「よし。上出来だ。まあこれはあまり使わない方がお互いのためだ。いずれだんだん、
余計なことを考えることもなくなってくるはずだ」
 ミリカの前では、呆然とした表情のトキオがいる。両腕を後ろに縛られ、背の高い
サイボーグがそのひもを握っている。ミリカやその母とは、頭髪がない点、衣類が
短いパンツのみである点のみが違っている。

52:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(18/22)
09/03/22 00:29:00 r8VG6ezw0
「ミリカ…その体は……手術…サイボーグ手術を…受けてしまったのか?」
 嵐のような情欲の支配が去ったミリカは、なけなしの「意地」をふりしぼり、
トキオに言う。
「そうよ。もうわたしはあなたの知っている碓井ミリカではない。サイボーグ第16号が
今のわたしの名前。外見だけではなく、もうじき心の中まで完全にコントロールされた
ロボットになってしまうわ。こんなわたしのことは忘れて…」
 トキオは首を振り、ミリカじっと見つめながら言う。
「そんなこと言うなよ。君はミリカだ。改造されても、とても美しいよ!」
 その言葉が、ただの慰めやお世辞ではないことをミリカは知る。トキオの肉体の一部が
激しく突出しているのが目に入ったからだ。
 見つめ合う二人に、無粋な男が水を差す。
「それで、トキオ君の処遇だが、ここまで我々の秘密を知ってしまった以上、もう君を
見逃すことはできない」
 トキオはマトベエワの方を向いて言う。
「どうするつもりだ?殺すのか?」
 マトベエワは答える。
「普通ならそうせざるを得ないところだ。だが、先ほど上層部や何人かの科学者に君の
名を出したところ、君を我々の計画にぜひ引き入れたい、という声が少なからず上がってね。
君の論文は一部で相当高い評価を得ているらしいんだな。だから、君をサイボーグに
改造して我々と共に働いてもらうのがいい、ということになった。言っておくが選択の
余地はないよ。ちょうどスケジュールの谷間で、向こう三日は手術の予定がないことでも
あるし、これから直ちに君の改造手術を始めることにする」

53:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(19/22)
09/03/22 00:29:18 r8VG6ezw0
 逃れようのない運命を知らされたトキオは、うなだれて答える。
「サイボーグに改造されてロボットのように使役される。それが僕の運命ですか。
ミリカのいない人生よりも…その方がいいかもしれない」
 しかし、やはり納得のいかない、という顔でトキオは問いを発する。
「それにしても、あの論文がいったいどんな研究の役に立つというんです?想像が
つかない。あれは理論上のパズル、頭の体操みたいなもので、解くのは面白いけど、
実用性なんてまったくない代物でしょう?…まあ、質量爆弾でも本当に作るとなれば
話は別ですけどね…」
 そこまで言ってからトキオははっとした。マトベエワもかすかに動揺したようだ。
「…そうか!質量爆弾!あんたらはあれを真面目に作ろうとしているんだ。なるほど!
そのためのサイボーグというわけか!!」
 トキオの目に、妖しい喜びの色が浮かぶ。その目の輝きは、奥にいるマトベエワの目
そっくりだった。
「すごい!コントロールなんてされなくとも、進んで協力しますよ!いや、コントロール
だって何だってしてくれていい。改造手術?受けますとも!どんな肉体労働も厭いませんよ!
実用可能な質量爆弾の製造!大学院に進学するより、ずっとワクワクする!!」
 ひもにつながれたまま、トキオはいそいそとズボンと下着を脱ぎ始めた。
マトベエワは軽くあきれた顔をしながら、手術の準備に入った。
 トキオは再びミリカの顔を見て、言う。
「ミリカ。もう一度言う。今の君は、とてもきれいだ!」

54:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(20/22)
09/03/22 00:29:36 r8VG6ezw0
 トキオの股間のものは、今のミリカにとって喜ぶべきことなのかどうか、部屋で見た
ときよりも急角度でそそり立っていた。トキオはどうも、改造されるとか、マインド
コントロールを受けるとか、その種のシチュエーションに激しく興奮する性癖らしいと
いうことに、ミリカは思い至った。思い返せば、つきあっている間、それを伺わせる
言動は少なからずあった。あの膨大なファイルの中には、一体どんな画像や小説が
入っていたのかしら…
 そこまで考えたとき、ミリカはふと、いつの間にか自分の思考や感情が幾分自由に
なっていることに気づいた。それはどうやら、今のトキオの話によって生じた、心の
変化に関係しているらしかった。つまりトキオの話を聞く内、この研究所の「計画」
への反感や抵抗感が薄れ、それに呼応して心を縛るコントロールも緩んだようだった。
 質量爆弾。マスコミでは悪魔の兵器などと呼ばれ、実際理論上はすさまじい破壊力の
兵器ではあるが、しかし科学者の間では「強すぎて役に立たないもの」の代名詞のように
言われている。それはひとたび作動するや付近の質量を見境なくエネルギーに変換して
しまう、危険すぎて使いようのない兵器というだけでなく、製造が並はずれて困難という
意味でも、机上の空論に近い発明なのだ。ある試算では、実用化できる規模の質量爆弾を
製造するには、惑星の軌道間ほどの真空の中で、数年をかけて微細な調整を何度も繰り返さねばならない。つまり事実上不可能だ、というのが常識だった。
 この研究所の母体である組織、マドベエワや各種機材からみて、おそらくは東側の
政府に関わる機関は、その非常識な計画を実行し、質量爆弾の現物を作ってみようという
途方もない計画を立てたのだ。さっきのトキオのような反応を示す科学者の数はたぶん
非常に多く、技術上の協力者には事欠かなかったはずだ。そして東側が質量爆弾を手に
することで、東西のパワーバランスは大きく変動する。そして、それはたぶん好ましい
結果につながるだろう。

55:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(21/22)
09/03/22 00:29:54 r8VG6ezw0
 母の受け売りではあるが、ミリカは現在話題になっている「完全軍縮」にはかなり
懐疑的だった。そんなきれい事で国際政治がまとまるはずがないというのが母の見解で、
ミリカもそれには賛成だった。そして、やはり母の熱心な教育の影響なのだが、ミリカは、
腐敗した西側よりも、合理的な計画で社会と経済をデザインする東側が世界を掌握する
方が、結局は人類のためであると固く信じていた。
 ならば、抵抗する必要など何もないのである。大好きなトキオと共に、未来人類の
ために黙々と使命を果たせばいいのだ。これ以上余計なことを考える必要もないとすら
言うべきかもしれない。あの勝ち気な母があれほど簡単に情緒コントロールに服して
しまったのも、考えれば当然かもしれない。母はサイボーグ化へのとまどいこそあれ、
計画そのものには大賛成であるに違いない。

 トキオはすっかり服を脱ぎ終え、手術台の上で剃毛を受けている。そんなトキオと
ミリカにマトベエワが言う。
「サイボーグ計画には、夫婦が多く含まれている。そしてサイボーグの肉体には擬似的で
あるが『夫婦生活』が可能な機構も組み込まれている。もし望むなら君たちも夫婦として
登録できるが、どうするね?」

56:チタンの幽霊人外伝・ミリカ(22/22)
09/03/22 00:30:12 r8VG6ezw0
 トキオはほぼ即座に「はい!」と返事したが、ミリカは黙っていた。それは精神操作の
ためでも、「研究所」への抵抗の意志によるものでもなく、「結婚」の二文字を
突きつけられたとき、男女問わず多くの人に生じる躊躇によるものだった
 ―トキオに選択の余地はほとんどないだろう。しかし自分は違う。この80年代に
なっても、自然科学は依然として男が圧倒的に多い世界である。だからサイボーグ化される
科学者に独身男性が相当数含まれるのはまず間違いがない。そしてその中にはこの
美形だが変態のマッドサイエンティストよりも素敵な男性がいてもおかしくないのでは
ないか…?情緒コントロールのせいか、母親からの遺伝か、ミリカの脳内にはそんな
したたかな打算が渦巻き始めていた。
「…少し、考えさせて下さい」
 ミリカそっけなくそう答えた。
(了)

57:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/22 00:36:44 r8VG6ezw0
以上お粗末でした。

ロシア人の科学者は、ロシアっぽい名がぱっと思いつかず、
本物だったら結構すごい「氷河時代のナノテク」と言われるオーパーツの
研究をしたとされる学者の名前を借りました。たいした意味はないです。
途中まで「タワノビッチ」(死神博士の本名)にしていたのですが
なんだか恐れ多い感じがしてやめました。

トキオとミリカというのは「60年代の人が未来っぽく感じたであろう名前」を
想像してつけました。トキオの方は現実の1980年の沢田研二のヒット曲に
ちなんでもいます。ミリカの方はあんまりいなさそうな名前を考えましたが
いるかもな。一応、ルース・ミリカンという哲学者の名にちなんでもいます。

にしてもスレが本当に閑散としてますね。ひょっとして前スレ657様の

なーなー。いいかげんこのスレを放棄して、どっか別の掲示板に住民こぞって移住しない?

っていうのが実行されたんでしょうか。なんかハメルンの笛吹男みたいですね…

それでは…。

58:名無しより愛をこめて
09/03/22 10:40:09 fslPHCr90
> 途中まで「タワノビッチ」(死神博士の本名)にしていたのですが
> なんだか恐れ多い感じがしてやめました。

そんな気をまわすくらいだったら、いっそ巨乳の女科学者にして
名前を「チヴーサ・タワワノビッチ」にするくらいの茶目っ気がほしかった

59:名無しより愛をこめて
09/03/22 13:51:08 pbFlLKz/0
ケチだけはつけるのね。寂れて当然のスレッドだぜ


と、オレもgjとはしてないけどさ。
長いのは苦手で

60:名無しより愛をこめて
09/03/22 17:06:42 e1UA3Cm50
>>59
長文読むと頭が整理できずに混乱するってか?
要はヴァカなだけだろw 
maledict氏のバッシングでもするつもりか?
くだらない発言するな

61:名無しより愛をこめて
09/03/22 17:08:58 pbFlLKz/0
>>58にケチつけているのがみえないヴァカしね
長文はウザイだけさ。時間がむだ

62:名無しより愛をこめて
09/03/22 17:11:53 e1UA3Cm50
>>61
maledict氏のバッシングもしてるじゃん。
どこまでヴァカなんだよw
>>58と同じことしてるのがわからないんだな


63:名無しより愛をこめて
09/03/23 00:33:36 45RtARoG0
>>61
>長文はウザイだけさ。時間がむだ
ならば読まなければよいだけのこと

64:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/23 03:37:01 oWQr6llE0
住人の皆さんが健在のようでほっとしました。
悪の組織に拉致とかされてなくてよかったです。

>>58
>チヴーサ・タワワノビッチ(w
自分も実は「改造する方もされる方も女」というパターンの方が好きなのですが、
今回のキャラについては無神経な中年男に是非ともやらせたかったのでした。
そもそも名前は本当にどうでもいい部分だったので長々書く話ではありませんでしたが、
「特に深い意味はない名前」を考える方が実は気を遣うものなんで
(前の作品の「ゼライブ」=「ゼリーで愛撫」というのもその類です)
ついあれこれ書いてしまいました。

>>59
長いと読んでもらえる人が減るというのは自覚しています。
自分も長いと「うっ」となることが多いです。
じゃあもう長いの書かないかというと、やっぱり書くとは思うんですが、
(自分が読みたいものがそういうものなので、それは仕方がないのです)、
10レス分以下の短いのも書きたいなと思っていて、ちょうど準備してはいました。
いつか投下して、限度内だったら読んで頂ければうれしいです。

他の方もありがとうございます。…で、また長文すみません。

それでは。

65:名無しより愛をこめて
09/03/23 11:20:29 45RtARoG0
>>64
>>58>>59にわざわざ気を遣うことはない

66:名無しより愛をこめて
09/03/23 18:02:02 q4y4CcpV0
それもそのとおりだが、maledict氏は自分語りを押さえたほうがいいと思う。
元ネタとかわかる奴はニヤリとすればいいし、わざわざ言うことではないと思うのですよ。


67:名無しより愛をこめて
09/03/23 18:15:46 45RtARoG0
maledict氏はもっと語ったほうがいいと思う。
元ネタを知ってニヤリとしたいし、気にせず語ってくれればいいと思うのですよ。


68:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/23 19:30:39 nqY8H1Nl0
>>65
まあ、そういうキャラ設定なので(w

>>66様のおっしゃる通りかと思います。HP収録の際に解題コラムのようなものをつくり、
>>67様のような奇特な方のみ見てもらえばいい(…で、見てやっぱりうんざりする(汗 )、
というのがスレ汚しにならなくていいですね。…というか、ヘルマリオンのときにそうすることに
決めたはずなんですが、うっかりやってしまいました。投下後というのは興奮して
我を忘れがちなんで特に自重するようにします。ごめんなさい。

このレスもまあ自分語りなんですが、必要悪ということでご容赦下さい。

69:マッキー@saru
09/03/23 23:34:27 Qy1igp830
前スレで初投稿したモノです。

確かに短く抑えようとするけど、説明文等で長くなってしまうんですよね。
改造シーンだけなら良いのだけど。

前スレで「小学生はヤメレ」みたいな感想があったので
今回は大人の女をメインに創作しています。
でも改造シーンは難しい…


70:マッキー ◆dRwnnMDWyQ
09/03/23 23:36:30 Qy1igp830
おっと失敗

71:名無しより愛をこめて
09/03/24 09:44:44 oE7r0dyF0
tesuto

72:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/03/24 17:04:29 NwVbPVtT0
>>69-70マッキー様
初めまして!説明文等、そうですよね。
前スレの感想でも書きましたが、
スナスナ&イトイト(ギャルズファイバー)最強ですね。楽しみです。
小学生改造(ex.↓)も王道といえば王道なので、封印せずいずれまた投下して下さい。
     ) )
   (ノハヽヽ
   (゚ー゚*) 从
  ⊂ _⊂:)ミ
  彡(__:)ミ
  彡(__:)ミ
    U U

73:名無しより愛をこめて
09/03/25 11:25:07 59CUqf4l0
毒毛虫ちゃんなつかしスグル。

74:名無しより愛をこめて
09/03/28 09:40:14 u/2YAYPPO
ほしゅ

75:名無しより愛をこめて
09/03/31 02:29:49 4PjINq0D0
化身忍者の改造を考証したもの(本とかサイトとか)ってありますか?
ウィキペディアを見ると「外科的手法なのか呪術的手法なのかは不明」
だそうですが…

76:名無しより愛をこめて
09/04/01 20:17:50 wQgRs1lC0
ショッカー代理人様、そろそろ新作が見たいのですが。

77:名無しより愛をこめて
09/04/03 01:59:32 8BBM8xBl0
マッキー氏にも期待

78:名無しより愛をこめて
09/04/03 07:48:58 6j6PrSjx0
新人の出現にも期待

79:名無しより愛をこめて
09/04/04 20:27:12 C5jqeTOO0
>>75 やや違うが、最近読んだ本で

子供10歳~15歳くらいの子供を毒薬を使い仮死状態にさせる
葬式後、子供は墓へ埋める。
夜、関係者が帰った後に墓から子供の遺体を掘り出して蘇生させる。

但し、薬かその後の仮死状態のためか子供は脳に障害が出て
記憶喪失状態になっている。

そう言う戸籍の無い子を集め農園で強制労働をさせる。
女の子は夜の仕事もさせる。

そんなのがあった。


80:名無しより愛をこめて
09/04/05 01:27:11 u7bgf4eS0
>>75
誰でもいいから菊容子演じる村娘千恵タンの毒蛾くノ一への改造シーンを書いてくれ
弟をハヤテに殺されたと血車党に吹き込まれて復讐のために自ら改造を望んだ、というのでも
強制改造でもいいから


81:名無しより愛をこめて
09/04/05 18:17:06 5ewei33a0
>>80
元ネタは何?

82:名無しより愛をこめて
09/04/06 00:14:10 zLavwbzmO
<子供を毒薬を使い仮死状態にさせる
葬式後、子供は墓へ埋める。
夜、関係者が帰った後に墓から子供の遺体を掘り出して蘇生させる。


ここまで読んでダレン・シャンに似てると思ったの俺だけだろうな…

83:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
09/04/06 19:29:09 7xJ/q4eB0
こんばんはです。
ショッカー代理人です。
最近ちょっといまいち妄想が浮かびません。

この怪人を取り上げて欲しいというのはありますか?
ご期待に添えられるとはお約束できませんが、妄想の一助になればと思いますので。
勝手なことを申しましてすみませんです。

84:名無しさん@恐縮です
09/04/07 00:05:45 VA0EgNKn0
蜂女スレの835を参考に、ゲドンにさらわれ赤ジューシャに改造される女性たち。
でお願いします、

85:名無しより愛をこめて
09/04/07 07:51:18 iWOU9JCa0
ショカ代さんは悪女改造は駄目なんだよね
ナチの女看守を改造した蜂女とか、同じくナチの女幹部を改造した狼女とか
綾小路律子を改造したコブラ女とか、女幹部マヤを改造したピラザウルス女とか
一文字に恨みを抱く悪女が改造されたハエ女とか
リクエストはいっぱいあったはずなのに全部スルーされてる

86:名無しより愛をこめて
09/04/07 09:45:17 0iYhtG+y0
ショッカー代理人氏が好きなのは熟女改造

87:名無しより愛をこめて
09/04/07 09:52:06 GaWoqHNx0
>>84
いったい何を言ってるのかと思ったらこれか。

835 名前:名無しより愛をこめて:03/01/30 06:43 ID:2TZ1VGCt
蜂女を大量に製造する改造プラントというのはどうだろう?
さらわれてきた女性たちが全裸にされ、垂直に立てられたベッドのようなものに
大の字に身体を固定されて、ベルトコンベアー式に手術室に運ばれてゆく。
約3メートルごとにベッドがずらりと並んでいて、自分よりも先に手術台に運ばれた
女性が改造されてゆくさまが、どの女性からも手に取るように見える。
改造は全自動機械式。だいたい20分前後で蜂女が一人誕生する。
あと何人で自分が改造されるのか一目瞭然なので、恐怖のカウントダウンにおののき
つつ、改造の時を待たなければならない。
何とか脱出しようともがく女性。絶望に号泣する女性。すっかり諦めきって嗚咽
するだけの女性。
どのベッドからも、恐怖と絶望と悲しみの声が響いてくる。
なおコンベアのラインは手術台から折り返しており、残酷にも改造を待つ女性の脇を、
改造が終了し、蜂女にされてしまったわが身の不幸にすすり泣く女性を乗せた
ベッドが通り過ぎてゆく。

88:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
09/04/07 18:26:43 gFewxiU20
>>85
ありがとうございます。

悪女改造はどうしても改造前と改造後のギャップが感じられずに
妄想が働かなくてついついスルーしてしまいました。
綾小路律子やマヤはもともとショッカーの一員なので改造にも抵抗がなさそうですし、
彼女たちに関しては悪女改造の得意な方にお任せしたいと思います。

こちらの勝手な申し分ですみません。

89:名無しより愛をこめて
09/04/07 19:38:08 Rcl9ZFQj0
>>ショッカー代理人さん

「怪魚人アマゾニア」なんてどうだろう?
海底工場建設のために水泳選手らを拉致する話で、さらわれた選手の妹や、
滝の同僚のFBI捜査官の女なんてのも出てくる。
実はこのFBIの女が改造されたのがアマゾニアで、女子水泳選手ばかりをを次々とさらい、
半魚人に改造して海底工場建設を行っている、という話にすればいいと思う。
ついでにアマゾニアが人間体で滝を誘惑する展開なんかがあっても面白いのでは?

90:名無しより愛をこめて
09/04/08 00:58:56 iiZartUN0
>>89
なんか盛りだくさんでいいですね
誘惑シーンからはkov様にタッチというのもアリかも…

91:名無しより愛をこめて
09/04/08 07:48:05 nDDM4xrH0
人間を半魚人に改造する話といえば、サニー千葉主演の「海底大戦争」ってのがあったな。
マッドな博士が拉致してきた人間をガラスケースに閉じこめて改造ガスを浴びせて半魚人化する話で、
新聞記者の千葉ちゃんと金髪の外人ねーちゃんが捕まってガスを浴びせられ、改造されかかってた。
改造途中→URLリンク(muminhh.hp.infoseek.co.jp)
改造後→URLリンク(muminhh.hp.infoseek.co.jp)
改造ガスは仮面ライダーTHE NEXTのナノロボットみたいなものだと思えばアリだよね。

92:名無しより愛をこめて
09/04/08 18:02:57 227eWWlN0
もしも改造ガスで改造するんだったら、単にプシュー!きゃーっ!で改造するんじゃなくて
じわじわとエロく演出してもらいたいな

例としては、手塚治虫の書いた「サンダーマスク」で、ヒロインの高瀬まゆみがガス生命体の
デカンダーに取り憑かれて肉体が変化するシーン(これは改造じゃなく憑依・寄生だけど)
ガスを吸ってだんだん意識が朦朧となって、顔を紅潮させたまま着ている服をゆっくりと
一枚、一枚脱いでいって、ブーツもきれいに脱ぎそろえて、最後にパンツを脱ぎ捨てて
恍惚とした表情で裸でうずくまったまま、肉体がどんどん変化してゆくの
全身からシューと煙が噴き出し、皮膚がボコボコと黒く泡立って徐々に女悪魔のような姿に変わってゆく
とにかくエロかった

93:名無しより愛をこめて
09/04/09 01:39:02 sIFgFuwv0
ええい!改造ノズルはまだか!

94:maledict ◆sOlCVh8kZw
09/04/09 21:18:02 L1LyMUOv0
>>93
↓こんなのはいかがでしょう?

95:メルダンフェル外伝1/再会(1/10)
09/04/09 21:18:55 L1LyMUOv0
 いやな気配を感じて、そっと後ろを見たら、アレがいた。わたしは
泣きそうになった。何でわたしなの!?
 だが、泣いているひまはなかった。アレがわたしを獲物と認定して
走り出したのが分かったからだ。わたしは、高校時代陸上選手だった足を
信じて、必死で駆け出すしかなかった。
 深夜のオフィス街の外れ。住宅地にはやや遠く、飲み屋の類もなく、
立ち並ぶ雑居ビルに人の気配は全くない。こんなことならケチらずに
タクシーを拾うんだった、と後悔したがもう遅かった。

 全速で走ったせいか、アレとの距離は少し開いた。このまま目の前の角を
左に曲がると中心部に向かう大通り。右に曲がると入り組んだ路地。
逃げるなら大通り、隠れるなら路地だ。どちらがいいだろう…。
 そう思いながら懸命に走っていると、いきなり数十センチ前の道の
まん中に大きな黒い穴が開いた。わたしはとっさに、幅跳び選手のバネを
駆使してジャンプした。そしてそのまま着地し、角を右に折れた。
 角を折れたとき、またも黒い穴が、今度は見当違いな場所に開いた。
この穴はアレが開けている、あるいは少なくとも、アレからの情報を受けて
開けられているに違いなかった。角を曲がったわたしの正確な位置を捉えて
いないのだ。
 このまま、路地をくねくねと曲がれば多少は目をくらませられよう。
しかし、こちらもいつまでも全速では走れない。他方、相手は人間ならざる
存在だ。体力の限界など関係なくわたしを追いつめる可能性が大きい。
距離を引き離している今の内に、なんとかしなければ。
 わたしは複雑な路地を何回か曲がった末、結局、目に付いた公園の
トイレに駆け込んだ。一か八かここで気配を殺し、アレをやり過ごすのだ。

96:メルダンフェル外伝1/再会(2/10)
09/04/09 21:19:38 L1LyMUOv0

 アレはたしか「アントロイド」と呼ばれていた。真っ黒なのっぺらぼうの
怪人で、捕まると蜂女にされてしまう。冗談のように聞こえるかもしれないが、
現についこの間、親友が蜂女に改造されてしまっていたのをわたしは
目の当たりにした。親友は長年付き合っていたご自慢の彼氏を何のためらいもなく
殺し、アントロイドと共にどこかへ消えてしまったのだった。

 知り合いに警察や政治家はいないし、歌手だモデルだという有名人でも
ない。わたしがアレに追われているのは、親友と同じ、たまたまアレに
見つかったから、そして多分、やはり親友と同じく、アレの獲物に
認定される程度には容姿が整っていたからだ。うれしくも何ともないが。
 だから、ひどい話ではあるが、ここで息を殺しているうち、別の美人が
通りかかる可能性もないではないわけだ。アレがそっちを連れ去って
くれれば、少なくともこの場は逃れられる。それに美人が来ないとしても、
アレだってひまではないだろう。いずれあきらめて別の場所に狩りに
向かうのではないか?そんな見込みがわたしにはあった。

 アレがわたしの行方を突き止めている様子はなかった。もしも
突き止めているなら、とっくにわたしは捕まっているはずだからだ。
 そうして、なおも息を殺して外の様子を伺っていると、
ぺたん、ぺたんという特有の足音が近づいてきた。全身の毛が
逆立つのをこらえられなかった。しかし、今ここをやり過ごせれば、無事に
逃げおおせるかもしれないチャンスでもあった。同じところを二度調べは
しないだろう。だから、足音が聞こえなくなってしばらくしてから
飛び出し、今度こそ大通りへ逃げればいいのだ。

97:メルダンフェル外伝1/再会(3/10)
09/04/09 21:20:03 L1LyMUOv0

 だが、運命というものはやはりあるのか…いや、正直に認めれば、
単純にわたしの不注意なのだが、わたしはアレに発見されてしまった。
アントロイドがまさにトイレの真横を通過したとき、携帯が鳴り響いた
のだ。しかも、よりにもよって、彼氏からのメロディだ。
 わたしがうろたえている内、早くもアレは行動を開始していた。
わたしのいる個室の扉の上部から、軟体状の体がずるり、ずるりと
入り込んで来たのだ。
 わななきながらそれを見つめるしかなかったわたしは、なおも
鳴り続ける携帯の受話ボタンを押し、震える手で携帯を耳に当てて言った。
「…もしもし、わたし。あのね、わたし、これから蜂女にされちゃう」
 自分のことばのあまりの非現実ぶりに、感情がついて来なかった。
奇妙に冷静な言葉がわたしの口をついて出た。
「…だから、もうじきあなたを殺しちゃうかもしれない。ごめんね」
 口にしたとたん、親友が彼氏を惨殺するシーンが頭をよぎり、
急速に、自分の言葉が、他でもない現実の自分の運命なのだという自覚が
心になだれ込んだ。涙がどっとあふれ、言葉がのどに詰まり始めた。
「…ひっく…ごめん…ごめんね………さよなら………」
 それ以上何も言えなくなったとき、アントロイドがぺちゃりと床に
着地し、わたしに襲いかかった。たまらず上げた悲鳴は、彼氏に
届いただろうか…。

98:メルダンフェル外伝1/再会(4/10)
09/04/09 21:20:28 L1LyMUOv0

 この怪物は普段は人のような格好をしているものの、本来はアメーバ
みたいな形のない存在らしい。アントロイドに抱きつかれたと思った
直後、わたしは自分がゼリー状のカプセルに閉じこめられた状態に
なったことに気づいた。口と鼻の部分に空気穴が開いているだけで、
他はすっぽり、人体よりもやや熱いゼリー状の軟体に包まれ、身動きが
できなくなっていた。
 アントロイドは、そうしてわたしを捉えたまま移動を開始した。
個室のカギを開け、トイレを出て、トイレの前に開いたあの黒い穴に
飛び込んだ。そして蜂女たちの本拠地に続くであろう、長い長い
地下通路の旅が始まった。

 移動中、アントロイドが行ったのは、わたしの衣服を脱がすことだった。
それはまるで魔法のような手際で進められた。
 軟体の一部が微妙に硬化し、複雑な動きが胸の前の方でなされた。
直後に、わたしのジャケットとブラウスのボタンがすべて外されていた。
透明な「指」がすべてのボタンを一斉に外したのだった。
 透明なゼリーの中で、ジャケットとブラウスがずりずりと移動し、
腕が抜かれ、背後で折りたたまれた。いつのまにかスカートのホックも
外されており、スカートとパンティストッキングもまた下ろされ、足下で
たたまれていた。
 残った下着も脱がされるのはあっという間だった。ブラのホックは
とうの昔に外されており、腕を抜かれ、自分の胸の前で折りたたまれて
いるのをわたしは肌で感じた。そして、人間の指では不可能な仕方で、
パンティのゴムが均等に押し広げられ、なめらかに下ろされた。

99:メルダンフェル外伝1/再会(5/10)
09/04/09 21:20:55 L1LyMUOv0
 最終的にわたしは、全裸の状態で、なま温かい、いや、やや熱い感じの、
ゼリー状の軟体生物に包み込まれている自分に気が付いた。

 ―なんだろう?何だか、なつかしい…

魔法のように服を脱がされ、熱い軟体に覆われたわたしは、不思議な
なつかしさを感じた。忘れていた記憶。…「あなた」。今の彼氏と
付き合う前の……あなた!
 忘れてしまったことすらほとんど忘れていた懐かしい記憶が怒濤のごとく
蘇り、わたしは軽く狼狽した。そして自分を包んでいるものに呼びかけたく
なる気持ちを抑えきれなかった。
 ―わたしよ!あなた!わたしはここにいるのよ!…

 そんな興奮に包まれたまま、わたしは薄暗い大広間に到着した。
広間には無数の手術台のようなものが並び、その上には同じように
無理やりさらわれてきた美女たちが拘束されていた。
 わたし同様、さらわれてきた直後の女性がとる反応は様々だった。
恐怖の悲鳴を上げる者、絶望に満ちた無表情な顔を中空に向ける者、
勝ち気な抵抗の声を上げる者、気が触れたように笑い続ける者、等々。
 …だが、もっと多くいる、様々な程度に蜂女化しつつあるそれ以外の
女性は、ほぼ例外なく同じ反応をとっていた。つまり、みな一様に、
大事な部分にノズルのような器具を挿入され、快楽の声を上げているのだった。
 わたしは「改造」の仕組みを知らされ、全身の血が逆流するような思いを
感じていた。

100:メルダンフェル外伝1/再会(6/10)
09/04/09 21:21:13 L1LyMUOv0

 わたしもまた、アントロイドに囚われたまま、空いているるベッドに
運ばれた。アントロイド、いや懐かしいあなたとの接触もそこまで
だった。アントロイドはどこかに去り、後にはベッドに拘束された
わたしと、ベッドの横にきれいに畳まれた衣服が残された。数十分後には
何事もなかったかのようにこれを来て町に戻るというのが多くの蜂女たちの
パターンだった。
 「あなた」との別れはとても名残惜しかったが、耐え難いという
ほどではなかった。別れがあれば、出会いもある―そんな言葉が
今のわたしの頭をめぐっていた。

 やがて、足下の方角から、あのノズルを手にした見慣れた顔の
蜂女が歩いてきた。わたしは思わず声を上げた。
「……梨香子!」
 親友の顔をした蜂女は、それを聞いておきまりのセリフを口にする。
「梨香子?それは昔の名前よ。今のわたしは…」
 言われるまでもなく、目の前の生き物はわたしの知っている梨香子では
まったくなかった。なめし革のような濃いブルーの皮膚。ブーツのような
足はしかし素肌で、よく見れば顔の皮膚もまったく同じ材質に変わっている。
黄色と黒の縞模様に彩られ、絶えずごよごよと動いている乳房。毛一筋ない
恥丘の下の、割れ目から覗く粘膜もまた、常時うねうねと蠢動している。
そして、そんな、卑猥としか言いようのない肉体を誇らしげに見せつけて
立つ姿と、異様な触角の下のその表情に、人間らしい感情はまったく
感じられなかった。

101:メルダンフェル外伝1/再会(7/10)
09/04/09 21:21:36 L1LyMUOv0
 親友の変貌を悲しむ気持ちと、自分の近い将来の運命を改めて
突きつけられ、わたしの心はぐちゃぐちゃにかき乱された。 
だが、わたしの中には、そんな、いわば当たり前の女の子らしい
気持ちとは全く別の、異常としか言いようのない欲望もまた膨れあがって
いたのだった。
 わたしはその欲望をどうにかして目の前の生き物に伝えようとした。
「ねえ梨香子…いえ、メルダンフェルの改造人間・蜂女さん。
お願いがあるの。ねえ、そのノズルでわたしも改造されるんでしょ?
わたしもそんな化け物になっちゃうんでしょ?」
 いけない。梨香子の顔をしているせいで、ついぞんざいな言葉が
出てしまう。ここは機嫌を損ねてはいけないところなのに。
 特に表情を変えない蜂女に、わたしは続ける。
「ごめん。化け物でいいの。あきらめた。そんないやらしい体にされて、
それを喜んで人前にさらして、家族を殺したり、彼氏を殺したり、
…そんなのいやだけど、仕方ないんだよね。あきらめたよ」
 どうも、言わなくともいいことばかり言ってしまう。
幸い、蜂女は相変わらず無言で話を聞いている。今の内、
言わなくてはならないことを早く言わないといけない。
「あきらめた。抵抗はしない。抵抗しても無駄だってことはよく知ってる。
だからお願い、そのノズル、わたしに貸して!自分でやりたいの!」
 蜂女の無表情な顔に、ほんの少し狼狽の色が表れたような気がした。
 わたしは続けた。
「記憶は残ってるのよね。じゃあ覚えてるよね。高校のときの誓い。
一生彼氏は作らない。男なんて下らない。あたしらには中指がある!って」
 蜂女の顔がほんの少し赤らんだのは気のせいか。

102:メルダンフェル外伝1/再会(8/10)
09/04/09 21:21:55 L1LyMUOv0
「アントロイドに包まれて、わたしはあの頃の気持ちを取り戻したの。
アントロイドの顔のない顔、魔法のような指、ちょっと熱い肉体。あれは
あの頃のわたしの「お相手」そのものだわ。彼氏ができてから、
彼氏に申し訳ない気がしてずっとオナニーは封印していたけど、やっぱり
忘れることなんてできない。セックスなんて、下らないわ!やっぱり快楽は
自家発電じゃなきゃ!
 ねえ梨香子。いいでしょ。もうじきわたしは人間じゃなくなる。その
最後のちょっとした時間を、自分の欲望のために使いたいの!
メルダンフェルさんに迷惑なんてかけない。改造が終わったら
誰よりも立派に働くわ。だから、お願い!」

 拘束が外れ、わたしは自由になった。梨香子は無言で改造ノズルを
手渡してきた。
「ありがとう!」
 わたしの感謝は心からのものだったが、願いが叶うだろうという
見通しはあった。
 メルダンフェルからすれば、ひ弱な人間の拘束を解いたところで
基地に危険など起きるはずがないことはよく分かっているはずだ。
そして、ひ弱な人間には、結局どうころんでもノズルをあそこに
挿入する以外のことはしようがないのだ。そして、どんな企みを
内心で抱いていようと、ノズルを挿してしまえば、忠実な
メルダンフェルのしもべになるしかない仕組みなのである。
 
 わたしはいそいそとノズルを手にし、それを胸にあてがい、右手の
指をあそこに当てた。いきなりなんてもったいなかった。最高に
気持ちを盛り上げ、あの誰でもない、顔のない「あなた」に
最上の奉仕をさせる。そんなシナリオに沿ってわたしは刺激を続けた。

103:メルダンフェル外伝1/再会(9/10)
09/04/09 21:22:17 L1LyMUOv0

 ぐしゃぐしゃになったあそこにいよいよノズルをあてがい、一気に
挿入した。
 凄かった。想像を絶する快楽の波が押し寄せた。でも、押し流されて
自分がどこにもいなくなるのはもったいなかった。この快楽を
徹底的に味わい尽くす前に人間ではなくなるなんて、そんなつまらない
ことはない。そう思った。
 そうやってわたしは、科学の粋を凝らしているに違いない、
超贅沢な電動こけしで、貪欲に快楽をむさぼり続けた…。

104:メルダンフェル外伝1/再会(10/10)
09/04/09 21:22:36 L1LyMUOv0

 改造が完了し、一匹の新しく生まれた蜂女が手術台の上に横たわって
いた。蜂女はメルダンフェルに忠誠を誓い、かつての親友と共に
メルダンフェルの世界征服計画を忠実にこなしていった。
 親を殺し、彼氏を殺し、上司を殺し、いたいけな子供やかよわい老人の
命を容赦なく奪った。美しい幼女や少女や熟女に容赦なく改造ノズルの
洗礼を浴びせた。

 …ただ、どうもわたしは少し変な存在のようだった。いつになっても、
触角による交信がうまくできないのがその一つの証拠だった。
 どうも、他の蜂女たちはメルダンフェルという大きな生き物の一部
らしいのだが、わたしはちょっと違っているようなのだ。わたしの場合、
いつになってもわたしの主人はわたしであって、わたしの欲望の赴く先が
たまたまメルダンフェルの利益に一致しているだけなのだ。
 察するに、改造の際のアレが後を引いているようだ。 他の蜂女以上に
活発に働いているから目こぼしされいるようだが、いずれ人類征服が
一段落すれば消されてしまうかもしれないな、と思っている。 
 
 ―まあ、なんでもいいや。なるようになるだろう。

 そんなことを思いながら、わたしは特上の快感を味わいつつ、
うねうねと動くあそこから、甘い蜜を吸い上げた。
(了)


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