10/04/26 21:50:04 JnwH6G4k0
【所属】JR東海・西日本
【形式】300系新幹線
【コメント】
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。
父 「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」
子 「お父さんには300系が見えないの?茶ばんだ塗装を纏い、乗り心地改善もしていない・・・」
父 「あれはただの廃屋だ・・・」
魔王 「かわいい坊や、一緒においで。東京~博多を臨時のぞみで爆走しよう。
東海道はカーブが多いし、エチケット袋をたくさん用意して待っているよ。」
子 「お父さん、お父さん!きこえないの。300系がぼくになにかいうよ。」
父 「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」
魔王 「いい子だ、私と一緒に行こう。私の座席がもてなすよ。お前を前後上下左右にゆすぶり、
インバータが唸り、空転するのだ。」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに300系が!」
父 「見えるよ。だが、あれはさっきの廃屋だよ。」
魔王「愛しているよ、坊や。お前の美しい姿がたまらない。力づくでも乗せてゆく!」
子 「おとうさん、おとうさん!300系がぼくを車内に入れる!300系がぼくをひどい目にあわせる!」
父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられた子はすでに死んでいた。