10/04/05 00:51:21 ejjIsS6D0
VVVF車は理論上粘着が優れているとされた為、M比を下げられることに期待した動きが幾つかあった。
また電気車・電力設備用の大容量GTOが高価だった事情もあり、電機メーカの中には量産需要が見込める
JR向けに汎用素子を活用しようと各社が独自に開発を進めていた。
それが三菱による207系0番台の汎用GTOチョッパ+汎用PTrインバータ1C4M(MT同数基本)であり、
続いて東芝による681系試作車や207系1000番台の汎用GTO1C1M4群だったりしたのだ。
前者はPTrの採用が後の電気車IGBTインバータ普及を方向付けた一つの事例と言えるし、
後者は西日本の事情にマッチして1M2Tを標準とする道筋を決定づけたと言えるだろう。
VVVF制御自体は期待されたほど自己再粘着性に優れていた訳じゃなかったが、
1C1Mのモーター単位で細かく制御すればM比を1:2まで極端に下げても大出力化して対応でき、
VVVF装置自体はその分扱う電流が大きめで容積も増えてM車の単価としてはコストは上がるが
編成としてのコストやランニングコストへは寄与することが明らかだったので、東芝の提案を受け入れた。
東芝も901系B編成で採用されたが209系量産車で見送られたところだったから必死だったのだ。
681系試作車の場合はスーパー特急開業時にT車を電装し2M1Tユニット化することも見込んでいる。
結果的に1M2T仕様は管内線区の電力事情に応じて高粘着のM車がT車を極力多く受け持つという
使い方に馴染んだシステムだったのだが、事実上コスト削減が強く作用して決まった仕様と言える。
この件に関してはコスト削減が先か電力事情が先かというのはコロンブスの卵のようなところはある。
4の倍数が多い編成両数の関係から実際1M2Tで使える局面が少なく、使い方がMT同数に近付くと
途端に電力関係の問題が増えたこともあり、223系0.75M車で解決に期待した時期もあったが、
根本的な解決は321系まで待つことになった。
東日本がバックパワー(電力設備)の弱い根岸線で209系が架線電圧の慢性的な低下により
保護動作連発で困ったように、西日本も困っていたのは事実だ。