09/06/01 02:00:16 OyYB0yz2O
山地の西側に生まれて
~沼津市在住 Aさん(29歳)
私は高校生のころから東京が好きで、月1回は遊びに出掛けていました。
当時は沼津駅から東京駅への直通電車が毎時1本運行されており、片道2時間強の道のりも
東京に着いてからのことを想像すれば、あまり苦になりませんでした。
そんな東京好きの私は、高校卒業後、都内のある大学に進学し、下宿。
学生生活を満喫した後は、そのまま都内の会社に就職し、そこで横浜生まれ、東京育ちの
B子さんと知り合いました。
彼女は実に家庭的な女性で、交際を重ねるにつれ、私は次第に将来のことを意識するように
なっていきました。
そんなある日、彼女の実家に挨拶がてら遊びに行くと、早々、彼女の母に「貴方、出身はどこ?」と聞かれ、
笑顔で「沼津市です」と答えたところ、苦い顔で「沼津市ですか、箱根の西側の…、向こう側の…」と言われました。
私は嫌な予感を感じながらも「そうです。よくご存知で。でも沼津から東京って意外と近いのですよ」と
返しましたが、反応はあまり私に対して好意的なものではありませんでした。
この日を境に、彼女との距離はどこか遠くなり、1か月後、彼女のほうから別れ話があり、
2人の交際は終わりました。
私はそれが原因でひどく落ち込み、3か月ほど憂鬱な毎日を過ごしていましたが、ようやく
前向きになろうとしたちょうどそのとき、
B子が熱海在住の男と婚約したとの噂を職場の同僚から聞き、
言葉では言い表せないような、「劣等感」が私の中を駆け巡りました。