09/07/08 20:18:55 fXxRSore0
大志田駅から乗った宮古行きは、私のほかは数人の客しか乗ってなかった。
隣のボックスには帽子をかぶりマスクをした青白い顔の男が、何やら奇妙な唸り声を上げていた。
列車はやがて長いトンネルへと入る。
車内は裸電球が3つ灯ってるだけで、殆ど真っ暗だ。
異変を感じたのは間もなくである。
トンネルに入って10分以上経つのに、全くトンネルを貫ける気配がない。
それに単行だった筈の列車だが、後ろに何両も車両が連なってるのだ。
その後ろの車両から、ボロボロの汚れた服を纏った老婆が、ニヤニヤしながらこちらへ向かってきた。
(つづく)