09/06/16 16:49:37 1TaF0Sjt0
>>453
1372mmの軌間は、馬車軌とも偏軌ともいいます。
東京馬車鉄道が採用した軌間だからです。
東京馬車鉄道の設立は明治13年だから民間としては早いのです。
それが後に馬糞が社会問題となって電車となり東京市電・東京都電と替わり、
1372mmの軌間が路面電車の事実上の標準となった訳です。
東京近郊では京王電気軌道、京成電気軌道、京浜電気鉄道が東京市電との相互直通運転を
目的として1372mmの軌間で開業した路面電車であったのです。
一方、1067mmの軌間は狭軌と呼ばれ、新橋~横浜間に開業した日本最初の官営鉄道に
由来します。これは蒸気機関車による運行でありました。
狭軌は官営鉄道に採用され、日本鉄道、総武鉄道、甲武鉄道、武蔵野鉄道、東武鉄道、
川越鉄道など官営鉄道との接続を重視した蒸気機関車による貨物輸送を主眼とした民営鉄道にも
採用されたのです。
そして標準軌を採用したのは浅草~新橋間を開業し後の銀座線となる東京地下鉄道が最初です。
京浜電気鉄道はある時期まで東京市電との相互直通運転をしていましたが、その将来に
見切りをつけて乗り入れ先を東京地下鉄道に変更しようとして偏軌から標準軌に改軌したのです。
ところがあにはからんや、東京地下鉄道は渋谷~新橋間を開業した東京高速鉄道に乗っ取られてしまい、
東京地下鉄道は東京高速鉄道と相互直通運転することになってしまったのです。
こうなると京浜電気鉄道が改軌した意味が皆無となってしまいましたが、いまさら元には戻せません。
その後、東京都電は自動車との競合という路面電車の宿命が問題となり廃止となり、その路線は
都営地下鉄として再生することとなり、専用軌道がほとんどだった都電荒川線だけが路面電車として
生き残りました。都市交通審議会は京王電鉄~都営新宿線、京成電鉄~都営浅草線~京浜急行の
相互直通運転を答申しましたが、それはかつての東京市電との相互直通運転の復活でもありました。
輸送が逼迫していた京王電鉄は改軌を断ったため、都営新宿線は偏軌となり、京成電鉄は標準軌に
改軌することとしました。大雑把にいえば、こういう流れです。