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JR東日本の水利権取り消しへ 信濃川不正取水問題 2009年2月12日15時2分
JR東日本が新潟県内の水力発電所の取水データを改ざんし、大量の水を信濃川から不正に抜き取っていた問題で、
国土交通省北陸地方整備局は、JR東に対し、水利権を取り消す方針を固めた。13日にも処分を公表し、その後、
関係する経済産業相や同県知事と協議に入り、処分を決定する方針。
JR東によると、この発電所では、十日町市にある宮中ダムで信濃川をせき止め、年間14億キロワット時を発電し、
JR東の使用電力量の23%を賄っている。関係者によると、同整備局は、超過取水量が極めて大きいことや、国交省が
07年に調査した際にJR東は、「適正に行っている」と虚偽回答していた点を重視。異例の厳しい処分に踏み切る。
同整備局によると、JR東には信濃川から毎秒最大317トンの取水が認められていた。ところが、JR東はダムの
取水口などにある観測装置に改ざんプログラムを組み込み、実際には317トン以上の水を取り入れても、記録上は
317トンしか取っていないように見せかけ、98~07年の10年間で計約1億8千万トンを超過取水していた。
(三浦英之)
JR東日本は、仮に水利権が取り消された場合でも、所有する火力発電所(川崎市)の発電量や、電力会社から購入する
電力量を増やすなどの対応を考えている。しかし、真夏の電力使用のピーク時などには供給電力が不足する恐れもある。
運賃の値上げについては「絶対にない」(同社)と否定している。