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朝日新聞GLOBE 2009年2月2日 G-3面から
「日本の車両も健闘、しかし……」
京津線を走る和諧号には2種類ある。
一つは日本の川崎重工業が造る東北新幹線「はやて」型。もう一つはドイツのシーメンス型だ。
日独メーカーは一部車両を完成車で輸出したものの、中国の国産政策にもとづいて、その多くは日独の部品供給を受けて中国メーカーが生産している。
実はこの「はやて」型をめぐって、技術協力した日本側と中国との間でひと悶着あった。
はやては東北新幹線では時速275キロで走っており、12年末に時速320キロを達成するため現在、車両を開発中だ。
川崎重工は「設計上の安全走行の上限は時速275キロ」と中国側に伝え、運行技術を教えたJR東日本の協力条件は「時速200キロまでの走行」だった。
にもかかわらず中国鉄道省は、試験走行で時速350キロ超を出せたことから、能力いっぱいでの営業運転に踏み切った。
五輪観光の目玉の一つにという思惑もあったのかもしれない。
収まらなかったのは日本側だ。川崎重工幹部は開業の4日後、中国鉄道省の幹部を訪ねて、抗議した。
JR東日本首脳は「もし事故がおきても、これでは責任は取れない」とカンカン。
中国側から「責任は求めない」と確認する文書を取った。
結局、京津線は2月までにすべて独型車両に置き換えることになった。
はやて型は時速250キロまでしか出さない他路線に移すという。