10/05/29 13:05:18 mmdf6ZoK0
人の想いが大陸をも動かすってしってるか?
としおはおもむろに右手にもった真っ青なアイスを食べながらそういった。
この坊主頭の少し太った体型のとしおは僕の中学校にあがってからの友達だ
うちの中学は二つの小学校から卒業してきた生徒が入学してくる、つまり僕らは別々の小学校出身で、
特別仲がいいわけでもないのだが僕達はこうして学校帰りに寄り道して
むかつくセンコーの話や、今日の授業の話をぐだぐだと話して時間を潰していた、むろん、中身のない話なのは自覚している。
けれど、夕焼けを見ながらこうやって遠回りして帰る「いつもの日課」をひそかに気に入っていた。
「ふーん、なんだそれ。
僕は「その」らしくない問い掛けに興味なさげに答えた、実をいうと本当に興味はない。
いつものように世間一般的な中学生が話すような中身のない話をしろと心の中で呟いた。だがその思いはすぐに裏切られた。
「神話とかであるだろ?二人の男女が会いたいと願っただけでその想いが大陸を動かしちゃうとかさ、昔の人々はみんなこの力を使ってた、けど人間はだんだん使わなくなっていった」
としおはそういったあと食べかけのアイスを一気に食べ、棒を田んぼにほおりなげた
「へぇ、じゃあなんで現代人はそのチョー能力を使わなくなったの?
「そりゃあお前、あれだよ、いちいち男女間の問題でいちいち大陸が動かされてたらたまらんだろ
「ふーん
僕らはそのままとしおの家の前で別れてそれぞれの家にかえった
この時はまさかあんな事がおきるとしらずに…………