10/02/14 17:09:55 +kA4RskS0
警察側がどう動いたのかは、分からないし、興味もない。
ただ、その結果と思しきことが、この話の決着のつき方にあらわれている。
一度だけ、C子ちゃんの母親が、父親に付き添われ、面会にきた。
C子ちゃんの母親は、憔悴しきった様子だった。
父親は、ガラスの向こうで、土下座してみせた。
彼がいうに、C子ちゃんの母親は、娘を見世物のように扱っていたそうだ。
勉強ができれば、鼻が高い位は想像がつく、出来なければ、出来るまで折檻するということなのだろう。
父親は、父親なりの苦悩があったらしい。
仕事もあるため、C子ちゃんにつきっきりとはいかない。
外に漏れれば、醜聞どころの騒ぎではない。
何度かはお手伝いさんを雇ったらしいが、すべてC子の母親がキャンセルしたそうだ。
「結局二人とも、自分の面子が第一だったんですね」
両親そろって頷いた。
その翌日、私は釈放された。
C子ちゃんの母親は、被害届けを取り下げ、警察も誘拐容疑の捜査をうちきったのだ。
警察署から出て行くと、C子ちゃんの父親が、C子ちゃんに別れを済ませているところだった。
A子とB子が、C子ちゃんの両脇を固めていた。
その視線の先をたどってみると、駐車場の門の外から、C子ちゃんの母親がこちらを見ていた。
その顔はけしょうっけもなく、目の下を赤くはれ上がらせていた。
こうして、ご両親の同意の元で、C子ちゃんを預かることになった。養子は断られた。
C子ちゃんの母親は、施設で静養する予定であると、父親からは説明を受けていたが
醜聞が広まるのを恐れたのか、自殺したと、後に聞かされた。
自分をも殺す自尊心なんぞ、ばからしい。そんなだから、愛娘を虐待するのだ。
私には、二人の娘がいる。A子は来春から社会人、B子は、来春から大学生。
今の私には、妻もいる。B子と同い年、そう、C子だ。