10/02/09 11:25:22 Nt52kWfo0
録画したドラマ見ながらレポートやってて、もっかいコーヒーを飲もうと思った頃に、また玄関でガチャガチャッ、てドアを開けようとする音が聞こえた。
自分の膝の上で寝てた犬が、足音でもしようものなら耳を立てて吠えるはずなんだが反応なし。
ドアを執拗に開けようとしているようで、絶えずガチャガチャやってるのは聞こえてる。時間は2時41分。
もう一度ドア穴から確認しようかとも思ったけど、ドアの外に誰かがいるのは確実なので、怖いし、とりあえず2階へ行って父親を起こそうと思った。
そっとリビングのドアを開けて、玄関の方を覗くと、ドアが少し揺れながら、ガチャガチャッ、ガチャガチャッ、て継続的に音がしてる。
なんとなく、目の前を通ってることが知られたくなかったので、もう一度リビングに戻って、テレビの音量を大きくして、屈みながらそっと2階まで移動しようとした。
すると急に音が聞こえなくなった。玄関の方を見ても、本当に何の気配も感じられない。
先ほどまで煩いくらいだったから、余計に不気味だったんだけど、何故か自分はドアの外を確認しようとしてた。ホラー映画の登場人物とかが「そっち行くなよ馬鹿じゃねぇのw」と明らかにやばい方へ誘い込まれるように行ってしまう気持が分かった。
吸い込まれるように、そっとドアの前まで行って、ドア穴を確認する。
真っ暗だ。何も見えない。
…あれ?真っ暗?と思ったら、真っ暗な視界が少し揺れた。
何なんだろうと思ってじっと見てると、少しずつ、視界が開けてきて、真っ暗だった原因が人だったってのが分かった。
緊張で頭がぼーっとしてきて、心臓がすごくドクドクいってて、音が聞こえなくなって、視界が狭まって、もうその穴の中を見ることしかできなかった。
目が合って、表情が分かって、顔が分かって、全身が見えた。
思わず悲鳴をあげたと思う。聞こえなかったから分かんないけど。
それは女で、目を見開いてるんだけど無表情で、肌の色がほとんど白に近くて、まるで死人みたいなんだけど、それは明らかに自分だった。