10/02/09 00:56:19 eU+/9Iex0
俺はある大学の海外事務所に勤めてて、帰国してる間は大学の事務所に(ほんとはいけないんだけど)寝袋持ち込んで寝てる。風呂は大学近くの銭湯をぐるぐる回ってる。
この前、昭和初期の半分モダン、半分和風のカッコイイ銭湯に行った。時間は夜10時過ぎで、ほかの銭湯なら学生や自衛官でいっぱいになる時間なんだけど、この銭湯は学生下宿や自衛隊宿舎から離れているせいか、子供連れの父親らしいのが一人いるだけ。
広い湯船にのんびりつかってると、親子連れが出て行き、入れ替わりに、20歳ぐらいの、ホモ雑誌「さぶ」の表紙みたいな古風な顔立ちの男前が同じ湯船に入ってきて、話しかけてきた。
「寒いっスね」
「うん、寒いね」
こんな感じで天気の話をしていると、だんだんプライベートなことを聞いてきた。
「お兄さん、どこの出身スか? この辺の人じゃないッショ」
「広島だよ」俺は田舎者w
「広島のどの辺スか?」
「安芸区だよ、高校は西区の崇徳高校だった」俺の母校は大学進学率の低い中の下の男子校です。
「へえ、偶然ッスね、俺は皆実高校ッスよ」皆実は崇徳よりも断然優秀な上の中ぐらいの公立共学。
「自分、皆実高校を出てからこっち来たんッスけど、今、無職なんスよ」
「無職がなんだ、俺なんか大学の先生なのにホームレスだぞ」
「そうなんスか、大学の先生もたいへんスね」
やがて話題も途切れ、俺ものぼせてきて、そろそろ湯からあがろうとすると、
後ろから声をかけられた。
「おごってくれないッスか、いろいろできるッスよ」
俺は即答した。
「自分がホームレスなのにおごる金なんかないわい」
怖かった、男相手に援助交際を持ちかける、その20歳ぐらいの男も怖かったけど(なんでガタイもよいのに俺より男前なのに援交ホモなんだ?)、
ホモのハッテン場になっているらしい(だからカタギの客が来ないらしい)銭湯の存在もこわかった・・・
でも、何より怖く、悲しかったのは、鏡に映る、角刈りの、いかにもホモやくざみたいな、俺の顔だった・・・