10/01/07 00:29:41 7Ku0g9zT0
その日、友達と近所の公園で待ち合わせをしていた。
CDを何枚か借りる約束だった。
季節は今くらいの冬の時季。夕方4時過ぎでももう薄暗くなりかけだったのを覚えている。
約束の時間より少し早く着いてやることなくてベンチに座り携帯いじっていた。
ふと見ると目の前の砂場で一人の女の子が遊んでいた。
小学校に入るか入らないかくらいか。
妙に昔風の子供、サザエさんのワカメちゃんみたいな感じで地味な髪型や服装だった。
あんまりマジマジ見ていたら周りから変態か痴漢とかに思われるのも嫌なんで無理やり携帯の画面を見ていた。(周りと言っても他に誰もいなかったんだけど)
しばらくしてその女の子が俺に近づいてきた。てか携帯見てたから近づいてきたのを見てたわけじゃないけど気配を感じて顔を上げたら女の子が俺の前に立っていた。
「ねえ お兄ちゃん『さかな』と『みぎ』って書いてなんて読むん?」
「は?」
俺は一瞬なんのことかわからなかった。
「漢字って難しゅうてよう読めんのよ」とその子は言った。
俺はその女の子の顔をまじまじ見た。
はにわみたいに無表情ていうか昔風の顔だった。
「それって魚へんに右ってこと?」俺は聞き返した。
「『へん』てなん?『さかな』と『みぎ』の漢字のこと聞きよるんよ」