10/01/06 07:08:28 NbuyfAgO0
よくよく耳をすますと「うう・・・う・・」って感じで誰かがうめいている。俺は本気で恐怖で卒倒し
そうになった反面、あきらかな人間の声を聞いて、何か事故でもあったんじゃなかろうな、と
ちょっと現実的な考えが沸いてきた。心配になってテントから出ようとすると物音と共にテントの
布に人間の影のようなものがうつった。やっぱり誰かいる、と確信し、懐中電灯と防御用の
鍋を装備してテントのジッパーを開けて、身を乗り出して辺りを見回しても誰もいない。
はるか遠くにイカ釣り漁船が光ってるのが見えたくらいだった。ちょっと先も見えないほどの
闇と静まりかえった空気でまた恐怖心が呼び戻されテントに引っ込んだ。
今考えればテントは内側から照らしてるんだから外にいる人間の影なんて映るはずもないんだよな。
これは絶対におかしいと思って、テントの中でガタガタ震えながらこういう時用のラジオを聞いてた。
しばらくしてラジオDJがトークかなんかしてる時に、今度は夢でも幻覚でもなくテントの上部が地面に
衝突するとともに轟音が響いた。テントの端っこにいた俺にもダメージを与えるくらいの衝撃だった。
もう完全に訳がわからなくなった俺は泣いた。泣きながら日が出たら釣りしないで帰ろうと誓った。
外からまたうめき声と這いずるような音が聞こえてきて、ラジオの音量を最大にしてやりすごした。