10/01/09 13:23:02 OqY1Jhon0
>>524
真夜中の山の中は本当にこの同じ惑星かと疑われるほど暗く、黒い何かが淀んでいる。
そして山から立ち上る名指しがたい金属臭を含む泥の臭いが、その書物の行間から
ほのかに立ちこめてくるように感じた。
私は、すぐにもその本を閉じ、街の喧噪と暖かいガス灯のある現代世界に戻りたい衝動に駆られた。
しかし、それと同時に何としてもこの本を読了したいという誘惑に駆られていた。
その時である、書物からとは別のところ…部屋の隅から、名指しがたい悪臭が漂っているのに気付いたのだ。
そうだ、奴等は既にやって来ていたのだ、私の知らぬ間に、大いなる闇をくぐり抜け、ひそかにこの街に到達していたのだ。
ああ、今、今その窓に、窓に!!
彼の日記はここで途切れており、彼は今もって発見されていないのである。
私は警告する。この書物を手にとってはならない。まして、読んではいけない。なぜならそこには大いなる深淵が闇の向こう側から
あなたの訪れを今か今かと待っているからである。
ま、こんなところですかね