09/11/29 20:13:57 c6bkkaRk0
公営のスポーツジムでのこと。
四台並んだエアロバイクの左端に乗ろうとしたら、隣の女性がおかしいことに気づいた。
歌を唄い出したのだ。それも鼻歌ならいざ知らず、はっきりした声でけっこうな声量でだ。
空いてるバイクはそれしかなく、諦めて自分の世界にこもろうかと覚悟したら、
その女性、今度は喋り出した。
何事かと思ったが、その特徴的な内容から、テレビCMを再現しているのだとわかった。
ローカルなCMなので詳細は割愛するけど、二人の人物による掛け合いの内容を、
ひたすら繰り返し始めたのだ。
最初の歌も、CMソングに使われている曲だった。
その後も、エアロバイクを漕ぎながら、その女性はほぼ休み無く、
テレビで流れるような何かを喋り続けていた。
そのとき、向こう隣で漕いでいる初老の男性が、にこやかに女性に語りかけた。
「あと3分だ。がんばれよー、○○ちゃん」
おそらくその男性は父親で、二十代半ばと思われる知的障害のある娘を連れて、
健康づくりの一環で今日はこのジムを訪れたのだろう。
女性は顔を真っ赤にしながらひたすらバイクを漕ぎ、延々何やら喋り続けていた。
突然、女性が野太い声で叫び出した。
「貴様ら!・・・しやがって!・・・て来い!・・・れ!・・・謝れ!」
驚いたし怖かったが、優しそうな親御さんもいるし、顔には出さないように努めた。
同時に、これ何の番組(もしくはCM)だろうかなとか冷静に考えてみたりもした。
続けてまたちょっと歌が一節入って、今度は金切り声で叫び出した。
「悔しい!悔しい!悔しい!」
長くなるので続く。