09/10/02 10:35:25 cfnZ078m0
3年くらい前の話。
俺は一人暮らしで、これは実家にて起こったことで話は姉にきいた。
実家では十数年前から室内で雌の犬を一匹飼っていた。
巻き毛のヨークシャテリアで、俺も実家にいた頃は可愛がっていた。
数年前からそいつの乳首の付け根のあたりに青黒い塊みたいのが出来はじめて、
獣医にそれは癌だと、今は小さいがいずれはこれが原因で死ぬと言われた。
俺にとっては子供を産ませないで死なせるのは残念だったが、結局産ませることはなかった。
かわりというわけではないが家族が動物好きなもので、真っ白な子猫を貰ってきた。
それが愛犬が死ぬ1年くらい前、今から4年前のこと。
生前、犬はその子猫を自分の子のように面倒を見ていた。出ない母乳を与えようとしたり、
くわえて自分の寝床へ連れ帰ったり、うちの人間が猫に触ろうとしたら威嚇さえした。
子猫もかなり大きくなったその1年後、愛犬は死んだ。癌があちこちに転移したのか
物を食べても吐くようになり、食べなくなり、吐血することもあったようだ。
最後は水を摂取することもできなくなり、水場まではたどり着くが器に顔を近づけるだけで、
のどの渇きだけでも何とかしてやりたいと家族はいろいろ手伝おうとするが摂取することはままならず。
最後は丸二日飲まず食わず、吐血もなく、ずいぶんと苦しんで死んだのだろう。
その死後、部屋の仏壇に犬の骨壺と写真をおき、そこに水だけは家族は絶やさぬよう供えていた。
ところがある朝、昨夜寝る前に新しく注いだばかりの水がなくなっていた。
決してこぼれていたわけでもなく、一晩で完全に蒸発するはずもなかった。
それから毎晩水を注ぐが、そのたび朝になると水が空になっていた。
にわかに信じられないことではあったが、家族はそれは死んだ犬が渇きを潤すために飲んだのだと考えた。
俺が実家に帰った時のことであるが、真夜中その仏壇のある部屋で就寝していると仏壇からピチャ、ピチャと音がする。
水は寝る前に注いだ。それを置いた仏壇から音がする。暗くてよく見えないが何か犬みたいなのがいる気配がする。
まさかと思ってはいたが、何かが水を飲む現場に遭遇した俺はそれをおさえるべく、そーっと起き上がり電灯をつけた。
すると・・・