10/02/15 22:56:16 BXccNB/Y0
深夜過ぎ、青山霊園脇を走っていたタクシーが女の客を乗せた
こんな時間にあんな場所に一人でいるなんて、と運転手は思ったが、
明るい口調で話し掛けた
「お客さん、どちらまで?」
「・・・・四谷方面へ・・・・」
女の顔は長い髪に隠れてよく分からない
若く見えるが、声はとても小さかった
車中運転手はいろいろ話かけたが、女はうんともすんとも返事をしない
そのうちに運転手も話しかけるのをやめてしまった
しばらく走っているうちに四谷へ差しかかった
「お客さん、四谷ですよ。どこまで行けばいいんです?」
返事をしようと女が顔を上げると、確かにいたはずの運転手は消えていた
仰天した女はどうにか車を止めて、運転席を見た
運転手が座っていたシートは水で濡れたようにぐっしょりとしていた。