09/05/24 04:15:04 B3+fEFe10
>>51の続き
当時の住職は、像の噂は聞いていたが一度も見た事は無く、その日初めて像を見た
らしいが、一目見て「これは危険なものだ」と感づいたらしい。
像が何のために作られ、どうやってこの村へやってきたかは解らない。しかし、相当に
危険な呪物である事は間違いが無く、このまま放置しておけば村が全滅しかねないほど
危険だったため、当時の住職はすぐにお払いの祈祷を始めた。
しかし、祈祷を始めてから数時間後。
その住職は両目両耳から血を流して、恐怖に歪んだ表情のまま死んでいるのが本堂で
発見された。
死因は不明。
ただし像が何らかの形で関係しているのは間違いなかった。
なぜなら、祈祷をする前には腰の辺りまでしかなかった血管のような模様が、一気に首の辺り
にまで達していたから。
それを見た村人たちは、これはもう手に負えないと像をどこかに捨てる計画を立てて
いたらしいが。次に本山からやって来た住職が、「一度に御払いをするのは恐らく危険すぎて
無理だろう、お寺で災いが外に漏れぬよう保管をして、何代もかけてゆっくり穢れを浄化する
しかない、捨てて解決できるようなものではない」と村人達を説得し、現在まで少しずつ
祈祷で呪いを払いながらお寺で厳重に保管されてきていた。
長くなってしまったが、ここまでが和尚さんが俺達に話した盗品に関する「いわく」の話。