09/05/24 04:13:07 B3+fEFe10
>>49の続き
今回盗難事件にあったのは、要するに「いわく付き」の品物がある倉庫の方だった。
泥棒は、警備の厳重なほうに価値があるものがあると考えたのだろう。
「いわく付き」の方の宝物庫は「外に出してはいけない物」がいくつもあったので、
本来の宝物庫よりもずっと施錠などが厳重だった。
盗まれた「いわく付き」の品物2つの説明をすると、一つは一振りの日本刀、もう一つ
は金でできた仏像らしい。
俺は「なるほど、売れば高そうだな」と思った。
刀のほうは俺の一族とは無縁なため、説明は大雑把にするだけにするが、
これは和尚さんの先代が住職を勤めていた頃、男の人が「とにかくこれを引き取ってくれ」
と持ち込んだもので。当時の住職は「許可が無いと犯罪になってしまうから」と断ったが、
無理に押し付けられるような形でその男の人は置いていってしまったのだという。
その刀は、和尚さん曰く「専門家でないから価値はわからないが、相当に古いもので、
なぜか銘の部分が削り取られていた」らしい。
ちなみにこの刀は、「所持していると自分が人を切り殺す夢」を何度も見てしまうという
もので、持ち込んだ男の人は「そのうち自分が人殺しをしてしまうのではないか」と不安
になり持ち込んだとか。
ちなみに住職はその話を信じていなかったが、引き取ったその日から本当に自分が刀で
人を切り殺す夢を何度も見るようになってしまい、これは大事だと「いわく付き」のほうへ
保管したとか。
銃刀法関連は、当時の住職が警察と話し合って、詳しくは知らないがどうにかなって
今までお寺に保管されていたらしい。
そしてもう一つの金でできた仏像。
これが俺の一族に関係する物だった。
ちなみに仏像と呼んでいるが、実際は和尚さんがいうには「今までこんな形の仏像は
見た事が無く、便宜上形が似ているためそう呼ばれていただけ」のもので厳密には
仏像ではない。