09/07/07 20:46:20 cST7A3Z8O
続き
俺は初めにそいつの声を聞いた瞬間からこいつは悪い存在ではないし、
敵意も感じないから安心だなと何故かそう思うことができた。
むしろ好意すら感じた。
なので、そいつの言葉に答えなければと思い言葉を発しようとするのだけれど
口が動かないので上手くしゃべれない。息だけがでる状態で、時折 アッ…と声が漏れるだけ。(千と千尋のカオナシみたいな感じ)
そこで俺は右手のひじだけが動く事に気付いた。
何を思ったのか右手をそいつの顔の前に差し出して見ると、
そいつは俺の手を両手で優しく握ってくれた。
やはりその手は細く小さくそして弱々しかったが、
感触は人間のものと非常によく似ており温かく優しい感じがした。
そうしている間にも目の前のそいつは永遠と
「もういってもいいよね?」
などと言い続けている。
最後に「じゃあね。」と言い残しそいつはスウッと俺の頭の方の壁へと消えてしまった。