じわじわ来る怖い話23じわ目at OCCULT
じわじわ来る怖い話23じわ目 - 暇つぶし2ch504:本当にあった怖い名無し
09/04/16 01:23:35 FaYQDmEdO
勤め先の直属の上司がある日突然、通勤電車内で女子高生に痴漢した容疑で逮捕された。
あの人がそんなことするわけがない、間違いに決まっている、と会社内の誰もが口にした。もちろん当人は否認している。
しかし付近にいた複数の乗客の目撃証言があり、冤罪の立証は極めて難しいらしい。
部下として何をするべきか考えた末、俺は担当の弁護士を通じて四人の目撃者に話を聞いてみることにした。

最初に接見したのは大学生の男だった。
「僕はあのオジサンの左横にいたんです。ええ見ましたよ。スカートに下から手を突っ込んでいるところを」
次に会ったのはOLだった。
「私は犯人の右横に立ってました。スカートの中で指が蜘蛛みたいに動いてて。最低ですよね」
三人目に話を聞いたのは中年のサラリーマンだった。
「あの男の真後ろにいたんだけど、掌がさ、こう、何かを差し出すみたいにまっすぐ伸びていくのが丸見えだったよ」
最後は男子高校生だった。
「ええと、僕はべつに、あの人が痴漢したとは一言も言ってないんですけど」無愛想な表情でいきなりそうつぶやいた。
「たしかに竹田くんだけだね、痴漢呼ばわりしていないのは」弁護士が頷く。
「詳しく聞かせてもらえますか?」俺は竹田という名の少年に頼んだ。この子が鍵を握っているかもしれない。
「いいですよ。あまり気が進まないけど」そして竹田少年は語りだした。

たしかに僕も見ました。あの人の左の指先が、女の子のスカートの中に入っていくのを。
ただ……僕が次に真っ先に見たのは、あの人の顔、というより眼なんです。それから女の子の眼を見て。
そして、ちょうどあの人を、女の子と一緒に四方から取り囲むようにしていた三人―他の証言者ですね―の眼も見た。
それで……ここから先は、うまく言えないんですけど。
全員が、まるで同じ眼つきと表情をしていたんです。そして全員が、どこも、誰も、何も見ていないようで……
だから、最初は意味がわからなかったんです、その光景の。
でも……彼らが本当は何を見ていたのか、というより「何を見たかった」のか、今やっとわかった気がします。
あなたに会って。

え? 僕はどのあたりにいたかって? そんなの決まってるじゃないですか。



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