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「99日目の夜」
昔、ある王様がパーティーを開き、
国中の美しい女性が集まった。
護衛の兵士が王女の通るのを見て、
あまりの美しさに恋に落ちた。
だが王女と兵士では身分が違いすぎる。
でも護衛は王女に話しかけた。
王女なしでは生きていけないと言った。
王女は兵士の深い思いに驚いて告げた。
『100日間の間、昼も夜も
私のバルコニーの下で待っていてくれたら
あなたのものになります』と。
兵士はバルコニーの下に飛んでいった。
2日、10日、20日がたった。
毎晩王女は窓から見たが兵士は動かない。
雨の日も風の日も、雪が降っても、鳥が糞をしても
蜂が刺しても兵士は動かなかった。
90日が過ぎた頃には、
兵士は干からびて真っ白になってた。
眼からは涙が滴り落ちた。
涙を押さえる力もなかった。
眠る気力すらなかった。
王女はずっと見守っていた。
99日目の夜、兵士は立ちあがった。
椅子を持っていってしまった」