09/03/18 20:34:40 bm7imf4m0
(続き)
その化け物について尋ねてみると、家人は次のように答えてきた。
『化け物には間違いないが、鳥なんかじゃない。
元々はこの村の女だったんだよ。
多情な質だったみたいでね、旦那との間に子供を沢山作ってた。
これが可哀想なことに、一人っ子政策が始まってから、出産した子供をすべて
取り上げられちまったんだ。
当時の党役員が悪い奴でね、子供の頭数にとんでもない額の税金を掛けたんだと。
払えない家の子供は、どこかへ連れてかれたって話だ。
見せしめだったんだろう。
中央から遠いこんな山の中じゃ、道理も法も通らねえ。
子供たちがどうなったかって?
とても知りたくはないね』
『残された女は物狂いと化して、やがて子を獲る化け物に成り果てちまったってよ。
昼間は山に籠もってて、夜になると村に下りてくるんだ。泣き叫びながら。
俺もこの由来を爺さんから聞かされた。
結構昔の話なんだけどな。
なのに、あの叫びは今だに続いてやがる』
その後も叫び声は家の周りで続いていた。
寝床の中でそれを聞きながら、物悲しい思いに駆られたという。