09/02/26 02:45:34 CNWAGFNo0
472 名前: 雷鳥一号 03/12/02 23:50
後輩の話。
小洒落た山小屋を借りて、友人たちと焼き肉パーティーを開いた。
肉を焼く網は小屋に備え付けてあったらしい。
夜中に外で音がしたので様子をうかがうと、どうやら牝鹿が一頭いるようだった。
後輩たちが外に出て近づいても、鹿は悠然と使用済みの網を舐めていた。
その鹿は、額の真中に赤い目がただ一つだけ付いていた。
好きなだけ網を舐めると、奇妙な鹿は満足気に去って行ったそうだ。
82:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:46:22 CNWAGFNo0
473 名前: 雷鳥一号 03/12/02 23:51
知り合いの話。
里山を歩いていた時のこと。
いきなり足元の地面が浮き上がり、投げ出されて尻餅をついたのだそうだ。
見ると、黒いゴムシートのようなものが足元で身をくねらせて暴れていた。
どうやら気づかずに踏みつけてしまったらしい。
それは玄関マットくらいの大きさで、厚みは薄手の絨毯くらい。
異様な外見だが、明らかに生きていたという。
それは暴れるのを止めると、薄平たい体を波打たせるようにして移動を始め、
素早く笹薮の中へ姿を消したそうだ。
83:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:47:08 CNWAGFNo0
474 名前: 雷鳥一号 03/12/02 23:52
友人の話。
子供の頃、ボーイスカウトに参加して山登りをした時のこと。
山の中腹にさしかかった頃、上の方から一組のパーティーが下りてきた。
それを見た引率の教師は、急に緊張したという。
子供たちに、挨拶はするな、下を向いたまま顔を上げるな、という指示が出た。
彼らは意味も分からず、じっと下を向いていた。
そのパーティーは奇妙なことに何の反応も見せず、すぐ横を通り過ぎていく。
プンとした悪臭が匂ったそうだ。
パーティーの足元を見ると、何人かは靴が腐り落ちて裸足同然な状態になっていた。
剥き出しになった足は、むくんでどす黒い色になっていた。
彼がボーイスカウトで不思議な体験をしたのは、これが最初で最後だったという。
あれは一体何だったのか、今でも不可解だそうだ。
84:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:47:33 CNWAGFNo0
500 名前: 雷鳥一号 03/12/03 21:20
知り合いの話。
町内会でキャンプした時に、肝試しをおこなったそうだ。
キャンプ場の裏山にあるお堂に行って、証明の札を取ってくるというものだった。
彼はマスクをつけて、驚かせる側にまわったのだという。
子供や女性の悲鳴を響かせながら、肝試しは無事に終わった。
終了した後の打ち上げで、笑い袋を使ったのは良いアイディアだねと言われた。
笑い袋などスタッフの誰も持ち込んでいない。
何のことだと尋ねると、肝試しに参加した者は皆、石段を登る所で女の笑い声を
聞いたのだそうだ。
そんなことをしたスタッフは一人もいなかった。
その夜の見回りは倍の人数に増やしたという。
85:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:48:17 CNWAGFNo0
501 名前: 雷鳥一号 03/12/03 21:21
知り合いの話。
自分の持ち山で草刈りをしていた時のこと。
一休憩して酒でも飲もうと、荷物を置いた所へ行ったのだという。
酒を入れた水筒だけが失くなっていた。
いくら探しても見つからず、腹を立てながら仕事に戻った。
夕方、そろそろ帰ろうかと荷物を取りに行った。
そこには、茸と山葡萄そしてアケビが、小山のように盛ってあったそうだ。
86:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:48:49 CNWAGFNo0
502 名前: 雷鳥一号 03/12/03 21:24
先輩の話。
数人の仲間と山中を縦走していた時のこと。
そのあたりは火山帯で、キャンプ地から少し歩いた所に温泉が湧いていた。
寝る前に湯につかろうと、皆で出かけたそうだ。
温泉には先客がいて、若い女性が赤ん坊を抱いてつかっていた。
混浴の表示があったので喜んで湯につかったのだとか。
ちらちら盗み見するうちに、皆が気づいた。
その赤ん坊は、女の人の身体から生えていた。
誰も口を開かず、静かに湯から上がって、キャンプ場へ逃げ帰ったそうだ。
87:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:50:24 CNWAGFNo0
542 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/05 02:00
同僚の話。
元解体業者の彼は、奇妙な仕事を請け負ったことがあるという。
現場は奥深い山林の中にあった。
かなりの豪邸だったが、更地にしてほしいと頼まれたそうだ。
もったいないと思いながら崩していると、地下に小さな空間があった。
座敷牢だった。
真砂土で埋めてくれと言われたが、そこのごつい格子戸が気になった。
牢の中からつけられた傷が、そこかしこに見受けられたという。
人間がつけられるような、ちゃちな傷跡ではなかったらしい。
傷のいくつかは、明らかにできたばかりの新しいものだった。
依頼主も仕事の紹介者も、それについて何も語らなかった。
あれはいったい何だったのかと、今も時折思い出すのだそうだ。
88:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:50:45 CNWAGFNo0
543 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/05 02:01
知り合いの話。
その日彼は渓流で鮎の共釣りをしていた。
囮の鮎を、川の狙ったポイントに投げ込んだ時のこと。
川面からぬっと蒼黒い手が出て、落ちる寸前の囮鮎をつかんでしまった。
ラインを切られる音がして、手はそのまま水の中に戻ったという。
彼は場所を変えて釣りを続けたが、その日の釣果はボウズだったそうだ。
あの手の主が俺の獲物を全部横取りしたのだ、と彼は言い訳している。
89:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:51:17 CNWAGFNo0
544 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/05 02:03
友人の話。
彼が山に登り始めた頃のことだ。
先頭にたって登っている時に、道が分からなくなってしまった。
その時、自分のはるか前を歩いている登山者の影が見えた。
明らかに道が無いような所を歩いているのが気にかかったが、その人について
行けばいいやと歩き出した。
いきなり、後から来た仲間に腕をつかまれた。
ついて行くんじゃないと言われ、正しいルートに引き戻される。
前方を見ると、例の人影は背中を向けたまま、その場でじっと足を止めていた。
仲間に尋ねると、良くないものだとしか教えてもらえなかったらしい。
それからも何度かその人影を山で見かけたが、なぜか毎回同じ服格好をしていた。
他の登山者は皆、その姿を見ないようにしていたという。
90:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:53:59 CNWAGFNo0
572 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/06 00:19
知り合いの話。
仲間と泊まり込みで渓流釣りに出かけた時のこと。
夜、車の中で毛布に包まって休んでいると、物音がして目が覚めた。
車の周りを何かが歩いているようだった。
動物だろうと思い、また眠りに落ちようとしたその時。
運転席側のドアが、ガチャガチャと音を立てた。
慌ててライトをつけて外を覗いたが、何も見えない。
それきり何の音も聞こえなくなり朝になった。
後ろの車で休んでいた仲間に聞くと、何か毛むくじゃらの大きな人みたいな
ものが彼の車の横にいたのが見えたという。
呆れたことに、彼らはいまだにその渓流に釣りに行っている。
ただし、日没以降は決して近寄らないそうだ。
91:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:55:01 CNWAGFNo0
573 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/06 00:20
友人の話。
自分の山で下生えを刈っていると、不法投棄された粗大ゴミを見つけたという。
ゴミの量はかなり多く、処分しようか放っておこうか考え込んでいた時。
ドンドンというノックのような音が聞こえた。
音は棄てられた大きな冷蔵庫の中から聞こえていた。
一寸迷ったが、思い切って扉を開けてみた。
冷蔵庫の中は空っぽだった。
ほっと息を漏らしながら扉を閉め、引き返そうとした途端。
再び冷蔵庫の中からドンドンと叩く音がした。
大至急で家に帰り、処分業者を頼んだのだという。
怖い物を他人の土地に勝手に棄ててくれるなよな。
彼はそう文句を言い続けている。
92:本当にあった怖い名無し
09/02/26 02:55:46 CNWAGFNo0
574 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/06 00:21
知り合いの話。
飼い犬を連れて実家近くの里山を歩いていた時のこと。
いきなり山鳴りがして、地面が大きく揺れ始めたのだという。
地震に弱い彼は思わず地に這いつくばったが、なぜか犬は平然とした顔をしている。
青い顔をしている飼い主を、犬は小首をかしげるようにして見ていたが、
すぐに藪へ向かって吠えたてた。
唐突に地震は止まり、藪の中を何かが遠くに逃げていく音が聞こえた。
犬は何事も無かったかのようにあくびをしていた。
彼はその晩、犬に骨付き肉を振舞ったのだそうだ。
93:本当にあった怖い名無し
09/02/26 03:02:14 CNWAGFNo0
594 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:18
知り合いの話。
仕事で山林の手入れをしている時のこと。
どこからか奇妙な調子で、おーいと呼ぶ声が聞こえたのだという。
くり返し呼ぶその声を聞いているうちに、なぜか返事を返さなければならないという気持ちになったのだという。
声を返そうとした途端、先輩がひどく怖い顔で静止した。
やめろ。憶えられたら家までついてくるぞ。
問うてみると、正体は分からないが、返答した者に取り憑く類いの怪らしい。
仕事を終わって帰る時も、まだその声は聞こえていたそうだ。
94:本当にあった怖い名無し
09/02/26 06:52:04 LDlGHr3t0
あのーアク禁要請したいのでコピペにかまわないでもらえますか?
荒らし行為です。
95:本当にあった怖い名無し
09/02/26 07:05:07 28zL44g00
スレリンク(ascii板:339番)
96:本当にあった怖い名無し
09/02/26 07:31:35 3yLoy3PrO
雷鳥さんもエロ動画見るんですか
創作のインスピレーションはエロティシズムの中にあるのかもしれませんね
97:本当にあった怖い名無し
09/02/26 08:16:34 LDlGHr3t0
アク禁依頼出してきました。
かなり前からずっと荒らしているので削除ではなくアク禁のほうがいいと思います。
98:本当にあった怖い名無し
09/02/26 09:26:06 ywdjtRJTO
コピペの件、報告スレで確認してきたよ、ご苦労様。
>>58
蒸し返したくはないんだが一つだけ
>雷鳥がまた投稿したら文体ですぐにばれるしな。その時は徹底的にたたけばいい。
荒らし=雷鳥、は憶測にすぎないし、雷鳥の話が読みたい人もいるのだから
一方的にたたくのは荒れる原因を作るだけじゃないか?
過去スレ見ても、本人は創作とも小説とも言ってないようだし。
少なくとも、今の段階でこんな宣言するのは百害あって一利なしだよ。
99:本当にあった怖い名無し
09/02/26 09:35:22 Mp06zDUz0
なんかスレのスピード、早すぎ。
このスレになんかやばい霊が住み着いている予感。
100:本当にあった怖い名無し
09/02/26 10:09:42 1w8zkkJXO
何!?
101:本当にあった怖い名無し
09/02/26 11:29:21 evnx05PbO
千葉に三石観音ていう観音様を祀った場所がある。
名前は失念したが、山の頂上の岩場には祠があり、祠の周囲にはびっしりとハンカチが結びつけてある。
古びて色褪せた物から真新しい物まで。
願掛けのためなのだろうが、かなり不気味な光景だ。
最後に行ったのは10年程前だったか、それすら曖昧だが、高橋某という元マラソン選手も参拝したとか。
だが、地元では、三石観音は願いを叶えてくれる代わりに他の大切なものを奪っていくという口伝もあるらしい。
自分はあの不気味なハンカチびっしりを見ては、あそこで願掛けしたいとは思えなかったよ。
102:本当にあった怖い名無し
09/02/26 13:18:59 p/Do6Mhi0
>>101
これか。たしかに気味が悪いな。
URLリンク(seaisland.up.seesaa.net)
103:本当にあった怖い名無し
09/02/26 14:27:16 VP5uaDhX0
>>98
そんな事言っても雷鳥扱いされるだけだぞ
104:本当にあった怖い名無し
09/02/26 14:36:48 whQ20sa1O
>>103
そうだな、例の荒らしは自分の書き込み以外は全部
雷鳥の自演ってことにしたいみたいだからな
荒らし=雷鳥って主張してるのも荒らしだけっていう
複数いるみたいだが
なんだかどれだけ他人をおとしめたいのか、薄気味悪い
105:本当にあった怖い名無し
09/02/26 17:26:28 67z6TYuk0
なんかすごい流れだぁ。
まるで1000までコピペの怪談だけで埋まりそうな勢い。
・・・どんだけストックあるのか知らないけど、まさか、本当に埋まったりしないよね?
106:本当にあった怖い名無し
09/02/26 17:54:44 Hp0hhu7X0
>>103-104
もうちょっと時間をおこうね。10分も我慢できなかったの?
107:本当にあった怖い名無し
09/02/26 17:58:10 CNWAGFNo0
595 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:19
知り合いの話。
渓流釣りをしている時、樹木に覆われ隠れているようになった淵を見つけた。
そこで彼は、不思議な沢蟹を見つけたのだそうだ。
甲羅に見たことのない模様があり、たくさんの卵を腹に抱えていた。
見ていると卵は仔蟹になって、すぐに母蟹を食い尽くしてしまう。
蟹たちはみるみる大きくなり、やがて共食いをし始めた。
最後に残った一匹が、またたくさんの卵を産み始める。
この不思議な流れが、ビデオの早送りのように延々と繰り返されていた。
我に返って淵から出たが、意外にもほとんど時間は経っていなかった。
不思議なことに、腕時計以外の身に付けた金属が、薄く錆をふいていた。
108:本当にあった怖い名無し
09/02/26 17:58:51 CNWAGFNo0
596 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 02:20
知り合いの話。
冬山で遭難した登山者が見つかった時のこと。
捜索隊に加わっていた人から、こんな話を聞いたという。
遭難者はメモ帳に、死ぬ寸前まで日記をつけていたらしい。
日記の最後の方は飢えと寒さのためか、字が乱れていて読めたものではなかった。
しかし日記の最後に書かれた二行の文章だけは、はっきりと読むことができた。
おとうさん おかあさん もうかえれません ごめんなさい
たのまれたので かきました
まるで子供が書いたような下手な字で、平仮名だけが使われていた。
字は強い筆圧で書かれており、遭難者の書いた字体とは明らかに違っている。
遺族にメモ帳を渡す時には、最後の一行は破りとったということだ。
109:本当にあった怖い名無し
09/02/26 17:59:18 CNWAGFNo0
621 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:30
友人の話。
夜の峠道を車で走っていた時のこと。
いきなり誰もいない後部座席に、何かの気配が湧いたのだという。
その道は出るという噂があったので、思わず緊張してしまったそうだ。
嫌だったが、恐る恐るルームミラーを覗き込んだ。
後部座席一杯に、大きな牛がくつろいでいた。
最初は全体が目に入らず、牛だとは分からなかったらしい。
仰天して振り返ると、そこには何もいなかった。
しかしルームミラーには、相変わらずシートを舐めている牛が映っている。
どうしたらよいか分からず、そのまま車を走らせた。
峠道を下りきる頃、ふっと気配が消えたのだという。
ルームミラーには既に何も映っていなかったそうだ。
110:本当にあった怖い名無し
09/02/26 18:09:48 CNWAGFNo0
622 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:31
後輩の話。
関西地方の、ある峠道をバイクで流していた時のこと。
後ろから何かが猛スピードで追いかけてくるのに気がついた。
ライトも点けずエンジン音も聞こえない。
慌てて路肩にバイクを止めてやり過ごそうとした。
すると彼のすぐそばを、非常に大きな光る牛が走り抜けたという。
牛は見事なコーナリングでカーブを曲がり消えたそうだ。
ちなみにいうと和牛だったらしい。
111:本当にあった怖い名無し
09/02/26 18:10:14 CNWAGFNo0
624 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/07 23:33
友人の話。
キャンプ地で竃を組んでいる時のことだ。
手頃な石を探して歩いていると、何も無い場所で思い切り顔をぶつけてしまった。
驚いて確かめてみたが、そこには何も見当たらない。
空間を撫で回している彼を怪訝に思ったのか、メンバーの一人が近寄ってきた。
彼も同じ場所で、何か壁のようなものに思い切り顔からぶつかった。
何だ何だと思って二人で調べたが、やはり何も見つからない。
そのままでは癪に障るので、他メンバーを一人一人そこに呼んでみたのだという。
全員が見えない壁に、一回だけ顔面をぶち当てることになった。
見えない壁の正体は不明のままだが、皆にえらく怒られたそうだ。
112:本当にあった怖い名無し
09/02/26 19:18:34 CNWAGFNo0
650 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/09 01:19
後輩の話。
彼は林道をバイクで走破するのを趣味にしている。
その日、彼は新しいルートを開拓しようと初めて走る道に突入した。
しばらく山の中を走ると、道端の木立の中に朽ちかけた道標が残っていた。
それによると、どうやらこの先には小さな集落があるらしい。
道の具合からしておそらく廃村だろうなと考えていると、道標の下に板が落ちて
いるのに気がついた。
何かの看板のようで、赤いペンキで汚い字が書かれていたという。
×ヒトキンシ×
意味不明の悪戯だとは思ったのだが、そこから先は引き返したそうだ。
113:本当にあった怖い名無し
09/02/26 19:33:33 CNWAGFNo0
651 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/09 01:23
知り合いの話。
深い山奥を歩いている時のこと。
その時彼は道を見失い、尾根に向かって歩いていた。
少し開けた場所にさしかかった時に、足がいきなり地面を踏み抜いてしまった。
どうやら樽らしき物が埋められていたらしく、落とし穴のようになっていたのだ。
必死で足を引き抜くと、その隙間から中がぼんやりと見えた。
何か黒い物が足を抱えて座っていた。
大人くらいの大きさの骨だった。
土葬の墓地に迷い込んだことを悟った彼は大いに慌て、穴を元通りに塞ごうとした。
塞ぐ直前、日の光が一瞬穴に差し込み、骨の様子がはっきりと見えたという。
そのしゃれこうべには、角が三本生えていた。
気がつくと知っている尾根に出ていた。
どうやってそこまで逃げてきたか、まるで覚えていなかった。
帰ってくるとすぐに、彼は御祓いに行ったのだそうだ。
114:本当にあった怖い名無し
09/02/26 19:41:10 whQ20sa1O
>106
ほんとに自分以外は全部
同じ人間が書きこんでると思ってるんだな…
少し驚いた
115:本当にあった怖い名無し
09/02/26 19:51:04 tLE09Tk2O
体験談…書き込みたいんだが…そんな雰囲気じゃなさそうですね。
出直します。
116:本当にあった怖い名無し
09/02/26 20:58:25 GQ4JsR5J0
削除依頼してきました。
なんかきりないので、また現れたら適当なところでまとめて誰か削除依頼に協力してください。
それと、コピペ荒らし継続中は他のレスを入れないでくれると、
1つのURLでまとめて依頼できるのでうれしいです。
occult:オカルト[レス削除]
スレリンク(saku板)
117:本当にあった怖い名無し
09/02/26 21:23:03 EX9CIXjA0
>>116
ありがとー
118:本当にあった怖い名無し
09/02/26 22:01:15 0So7s4eC0
渓流の測量をしていた時のこと。
同僚が持っている測量杭が足らなくなったので、手持ちの束を放り投げたところ
狙いが逸れて大きな岩にぶち当たり、二十本もの束が辺りに散乱してしまった。
拾い集めようと近寄ってみると、岩の滑らかな表面に一本の木杭が5cmほど突き刺さっていた。
119:本当にあった怖い名無し
09/02/26 23:19:10 vbCvFDAg0
>>118
・・・4様?
120:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:48:03 r+qx/QXd0
652 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/09 01:25
知り合いの話。
山歩き中に、寂れた古い小さな墓地に出くわした。
石畳に腰を下ろしポカリスエットを飲んでいると、妙なことに気がついた。
ある家族の戒名の日付が、皆同じ日だったのだ。
事故で皆が巻き込まれたのかなと考えていると、隣の墓の戒名に目が吸いつけられた。
この家族の墓も、戒名の日付が皆同じ日だったのだ。
ただしそこの日付は、最初の家族のものより二日ほど早かった。
気になって墓地内の墓石をすべて調べてみた。
全部で七つの家族が、一日ずつ日付をずらしながら鬼籍に入っていた。
一週間続けて、毎日一家族が死亡した計算になる。
何となく帰り道は非常に落ち着かなかったそうだ。
121:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:48:43 r+qx/QXd0
736 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/11 01:11
知り合いの話。
彼のお爺さんが猟師をしていた時のことだ。
冬期で食料が乏しくなっていた頃、折りよく鹿を見つけ撃ったのだという。
鹿はよろめきながらも藪の中へ逃げ込んだ。
後を追って藪に踏み込んだ彼が見たものは、雪の上に置かれた鹿の首だった。
胴体の方はどこにも見当たらず、血の匂いがあたりに充満していた。
いつもはすぐ後をついてくる猟犬が、藪の外で恐ろしげに鼻を鳴らしている。
これは不可侵の領域で狩りをしちまったな、と悟って退散したそうだ。
山の神さまには獲物を何回か取られたけれど、あれが一番怖かったな。
まぁ山で獲れる物は、本来が山の神さまの物だから仕方がないか。
お爺さんはそう言って屈託無く笑っていた。
122:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:49:43 r+qx/QXd0
737 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/11 01:12
知り合いの話。
町の外れの山中に、今はもう使われていない旧道が残っている。
夜中によくそこを通る知り合いが教えてくれた。
夜になると旧道途中の峠で、離れて後ろからついてくる車がいるのだという。
ヘッドライトは見えるのだが、車の車体が見える距離まで近づいてこない。
峠の出口で待っていても、いつまで経っても下りてこない。
夜釣り仲間ではわりと知られた話だが、本当に不思議だ。
それを聞いていたもう一人の知り合いが口を開いた。
彼のお爺さんが、昔その峠道で何かに追いかけられたことがあると。
お爺さんが言うには、青く燃える二つの人魂だったらしい。
彼は夜中にそこを通るのをやめることにしたそうだ。
123:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:51:26 r+qx/QXd0
738 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/11 01:17
知り合いの話。
彼の祖父はかなりの偏屈で、人里離れた山中に独りで住んでいた。
人間嫌いで、彼の母が時々様子を伺いに訪れる以外には、人付き合いも無かった。
いつの頃からか猿を飼っていたらしい。
その祖父が死んだと連絡が入り、彼は久しぶりに実家に帰った。
葬式が終わり、祖父の家の片付けをしていた時のことだ。
彼が祖父の遺影を持って歩いていると、背後から嫌な笑い声がした。
振り返ってみると、猿が狭い檻の中からその遺影を見ていた。
猿は心底嬉しそうに、顔をいやらしく歪めて笑っていた。
その様はまるで人間のようだった。
爺ちゃん、一体どんな飼い方をしていたんだよ?
思わず呟いてしまったのだという。
気持ちが悪くもあり扱いにも困るので、猿は次の日に山に放したそうだ。
124:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:52:37 r+qx/QXd0
840 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/13 23:33
友人の話。
真夜中に、山中を貫く高速道路を走っていた時のこと。
谷を挟んだ向こう側の斜面に、急に赤い火のようなものが灯ったのだという。
それは黒い山影の中を滑るように動き出し、縦横無尽に飛び回り始めた。
そこいら一帯は針葉樹の深い森になっており、とてもそんなに激しく動き回れる
ような環境ではないはずだった。
火はしばらく車と並走していたが、やがて素晴らしいスピードで山肌を駆け上り
姿を消したのだそうだ。
125:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:53:45 r+qx/QXd0
841 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/13 23:35
知り合いの話。
山に入ったまま下りてこない登山者が出た。
当時、地元の青年団に所属していた彼も捜索隊に加わったのだという。
捜索が進むにしたがい、奇妙な遺留品が見つかった。
山道から少し入った林の中で、行方不明者の衣服がきれいに木に掛けられていた。
シャツやズボンだけでなく下着までずべてあったそうだ。
その木の下には、リュックと登山靴が丁寧にそろえて置かれていた。
いくら捜索しても、それ以上の発見はできなかった。
現在にいたるまでその人の行方は不明のままだそうだ。
126:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:58:35 r+qx/QXd0
842 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/13 23:36
知り合いの話。
一人山道を下っていた時のこと。
緩やかなカーブを曲がった先に、奇妙な人影があったのだという。
汚れた白いワンピースに腰まである長い黒髪からすると、女性のように見えた。
髪を顔前に垂らして俯いており、表情などは見えなかった。
近づくにつれ、おかしな点に気がついた。
彼女は靴をはいておらず、傷だらけの素足だったのだ。
声をかけようと横に並んだちょうどその時、彼女が顔を上げて彼を見た。
彼女の白い顔はのっぺらぼうで、どこにも穴が開いていなかった。
彼が腰を抜かすほど驚いていると、彼女はおもむろに指を顔に突き立てた。
指を突っ込んだところに大きな穴が開き、ぽっかりとした目と口ができた。
もうそれ以上我慢ができず、彼は走って逃げ出した。
すると後ろから地面を蹴立てて走る音がついてくる!
荷物を放り出して力の続く限り走ったのだという。
追いかけてくる足音は、麓近くまで続いた。
後日、彼は仲間数人に頼み込んで、一緒にその山道を登ってもらった。
彼女は現れず、彼の荷物は投げ出された位置にそのまま転がっていたそうだ。
127:本当にあった怖い名無し
09/02/27 01:59:52 r+qx/QXd0
879 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/14 16:54
友人の話。
小学校の遠足で、近くの山に登った時のこと。
頂上まで登りきると、その山頂を示す三角点があった。
皆がそれを代わる代わる踏んでいたので、彼も三角点の上に立ったそうだ。
三角点を踏みつけた途端、見えている風景が別のものに変わった。
皆が姿を消し、見たこともない険しく高い岩山と、荒涼とした地平が見えた。
慌てて足を下ろした途端、周りの景色は元に戻ったという。
その風景が見えたのは、彼だけだったそうだ。
128:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:02:00 r+qx/QXd0
880 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/14 16:55
知り合いの話。
彼の住んでいた村に、由緒ある山寺がある。
参るのに長い石段を登って行くのだが、その中に誰も踏まない段があるという。
その一段だけ苔にびっしりと覆われているので、すぐにそれと分かるそうだ。
伝わる話では、その段を踏んでしまうと神隠しに遭うという。
皆の前で、頭の先からすーっと透き通って消えてしまうそうだ。
今もその石段は健在で、問題の一段はやはり苔に覆われている。
129:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:43:01 r+qx/QXd0
881 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/14 16:56
知り合いの話。
山で木を切っていた時のこと。
ある老木を切っていると、チェーンソーが急に止まってしまった。
点検をしていると、木の切り口から毛の生えたものが出てくるのに気がついた。
白い毛並みをした日本犬の頭だった。
驚いていると、細い隙間から滑り出るようにして大きな犬が姿を現した。
犬は軽く伸びをして、林の奥へ走り去った。
不吉な感じがしたので、その日は作業を止めて山を下りたという。
次の日現場に行ってみると、その木は既に枯れて朽ちていたそうだ。
130:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:43:27 r+qx/QXd0
933 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/15 23:51
先輩の話。
夏山のオートキャンプ場に家族で出かけた時のこと。
山といっても人里にかなり近く、水道はおろか水洗トイレまで引かれていたらしい。
小奇麗なこともあり、家族連れでにぎわっていたそうだ。
彼が用を足そうとトイレに近づくと、個室の中から見覚えのない男が一人出てきた。
はて、あんな人が今キャンプしていたかな?
その男は野営地の方には戻らず、立ち入り禁止のロープを越えて森の中へ消えていった。
少し訝しく思ったが、気にせず用を足すことにした。
個室に入った先輩は、便器の中を覗いて腹を立てた。
先ほどの男は、どうやら汚物を流していかなかったらしい。
流そうと手を伸ばした時、それが汚物ではないことに気がついた。
水面にびっしりと、薄いセロハンの欠片みたいな物が浮いていた。
おびただしい小さな虫の羽だった。
彼はキャンプ中、子供が立ち入り禁止地区に近寄らないよう注意したそうだ。
131:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:43:48 r+qx/QXd0
934 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/15 23:53
同僚の話。
消防団で行方不明者の捜索に駆り出された時のこと。
自殺の可能性があるので、急いでくれとのことだった。
皆で探す場所の分担を決め、彼は先輩団員とともに裏手の山の捜索になった。
出かけようとする彼らを団長が呼び止め「五つの木」を見てきてくれと言った。
五つの木とは何か彼は尋ねたのだが、先輩は答えてくれなかったらしい。
山に入ると、先輩は迷わず足を進め出した。
やがて開けた場所に出たが、そこの真正面の大木に何かが二つぶら下がっていた。
まだ新しい死体と、半ば白骨化した腐乱死体だった。
混乱している彼に先輩は教えてくれた。
自殺者はなぜか決まってこの木で首吊りをするのだという。
これまでに最大、一度に五人もの死体がぶら下がっていたことがあり、それで
「五つの木」と呼ぶのだそうだ。
ぶら下がっていたのはその時の行方不明者ではなかった。
幸いにも、別の場所でまだ生きているところを発見された。
彼らが見つけた二遺体の身元が判明したかどうかは知らないそうだ。
132:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:46:29 r+qx/QXd0
935 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/15 23:57
私の体験した話。
山裾の団地で民家の改装工事を請け負った。
屋根の葺き替えをおこなったのだが、ついでに猫を追い払ってくれと頼まれた。
屋根裏に入り込んで生活しているようで、天井を走り回る音がうるさいのだという。
下請け業者に頼んで、屋根裏の点検と掃除をしてもらうことにした。
工事終了間際になって、指示を出していた業者から来てほしいと連絡が入った。
現場に着いた私は、小さな箱を見せられた。
箱の中には、親子のものらしい小動物の骨が入っていた。
乾燥して脆くなったその骨は、屋根裏の隅に転がっていたらしい。
下請け業者によれば、時たまこういうことがあるのだそうだ。
施主には「猫は追い払いました」と伝え、骨は近くのお寺で供養してもらった。
それ以降、屋根裏で走る足音はしなくなったそうだ。
133:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:51:16 r+qx/QXd0
13 名前: 雷鳥一号 03/12/17 18:20
知り合いの話。
通いなれた山道の、見通しの良い坂を下っている時のこと。
ふと下の方に目をやると、記憶にある地形と違っていた。
驚いて目を上げると、道の先が延々と地平まで続いて見えなくなっていた。
道は玉砂利の引かれた立派なもので、赤い鳥居が鈴なりに連なっていたという。
落ち着こうと、目を閉じて十を数え、深呼吸を三回した。
再び目を開いた時には、いつも通り里へ続く細い道に戻っていたそうだ。
134:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:52:31 ws0JuYn+O
やっぱり雷鳥さんの話は読み応えあるなあ
135:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:53:03 r+qx/QXd0
14 名前: 雷鳥一号 03/12/17 18:23
友人の話。
山の中腹にお寺があり、そこで休憩していた時のこと。
境内にはきれいな水が湧き出しており、たくさんのイモリが見えた。
ふと悪気が起き、タバコの吸殻をその中に投げ捨てたのだという。
その日の午後のこと。
水を飲もうと水筒を取り出し、口に運んだ。
すえた臭いが鼻をつき、たまらず吐いてしまった。
午前中に汲んだばかりの新鮮な水が、なぜか腐っていた。
それ以来、彼はタバコをむやみやたらと投げ捨てするのを止めたそうだ。
136:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:53:50 ws0JuYn+O
雷鳥さんの話がもっと読みたいです
137:本当にあった怖い名無し
09/02/27 02:54:32 r+qx/QXd0
15 名前: 雷鳥一号 03/12/17 18:25
私の体験した話。
仕事で、ある山奥の集落に行った時のこと。
現場の近くで、おかしな歩き方をする野良犬を見かけた。
その犬は右の前足を失っていた。
昼時になり弁当を食べていると、別の犬が現れた。
これも右前足を失くしており、可哀想に思っておかずを少しわけてやった。
すると匂いを嗅ぎつけたのか他の野良犬が三頭現れた。
どれも一様に同じ足を失っていた。
犬たちは喧嘩することもなく、おとなしく餌を分けあっていた。
結局、帰るまでに十頭近くの犬を見かけたが、全て右の前足を欠いていた。
うち四頭は鎖で繋がれた飼い犬だった。
集落の人にそれとなく尋ねたのだが、皆ニコリと笑って事故にでもあった
のだろうと、判で押したように答えてきた。
少し後に再訪したが、その時は怪我をした犬の姿は一頭も見当たらなかった。
あれは偶然だったのだろうかと、今でも不思議に思っている。
138:本当にあった怖い名無し
09/02/27 03:15:27 r+qx/QXd0
101 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/19 20:56
先輩の話。
大学生の時、部活で冬山登山に参加した時のこと。
避難小屋の近くで厳しい吹雪となり道に迷ったのだという。
皆はもう生きた心地もせず、雪中で強引に野営するかどうか決めかねていた。
その時、誰かが道の先でライトを振るのが見えた。
先輩たちが声を上げて手を振り返すと、まるでついて来いというように歩き始めた。
助かったとばかりに後を追った。
いくら足を速めても、なぜか先導の人影には追いつけなかった。
女子の一人が奇妙なことに気がついた。
雪の上には、その人影の歩いた跡が残されていなかったのだ。
皆が黙りこくっていると、やがて小さいが明かりが見えてきた。
避難小屋の明かりだった。
先導していた影は、いつの間にか消えていた。
その人影がそこで遭難した人のものかどうかは分からなかったが、後日先輩たちは
ルート途中にあった遭難者慰霊碑に献花しに行ったのだそうだ。
139:本当にあった怖い名無し
09/02/27 03:26:37 r+qx/QXd0
102 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/19 20:57
先輩の話。
夕暮れ、深い森の中を歩いていた時のこと。
森の下斜面から、複数の激しい犬の咆哮が聞こえてきた。
野犬か!? 身構えたが、逃げる間もなく声はどんどん近づいてきた。
硬直した彼のすぐ前で、草むらが大きく揺れて分かれた。
何も見えなかった。
彼の目の前を、犬たちの声だけが横切っていった。
吠える声は林道を横断すると、再び森に入り登っていったという。
あたりの地面を調べると、かすかにだが動物の足跡が残されていたそうだ。
140:本当にあった怖い名無し
09/02/27 03:27:11 r+qx/QXd0
103 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/19 20:59
知り合いの話。
一人で山に登った帰り道でのこと。
いつの間にか、ブツブツと呟く声が後ろの繁みから聞こえてきた。
身を硬くして振り返ると、繁みの切れ目から一匹、猿に似たものが姿を現した。
大きさや姿形は猿そのものだが、その顔は壮年の男のものだった。
まるで人間のように背中を伸ばして歩いていたという。
驚愕している彼の耳に、それの呟きが聞こえてきた。
・・・だいすけ まさる まさゆき けんじ あきら・・・
猿は男性の名前を次々に呟いていた。
うち一つが彼の父親の名前だった。
ピクリと反応すると、猿は呟くのを止め、嫌な笑いを浮かべて近寄ろうとした。
「違う、それは父の名前だ」
思わず力いっぱいに否定した彼を、猿は凄い目つきで睨みつけた。
しばし睨みあった後、猿はぷいと繁みの中へ戻っていった。
彼は麓まで後ろも振り返らずに駆け下りたのだそうだ。
もしもその時、彼の名前が当てられていたら、何が起こっていたのだろうか。
141:本当にあった怖い名無し
09/02/27 03:28:11 r+qx/QXd0
105 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/19 21:25
んー、他愛もない話を一つ。
昔仲間2人と山歩きしていると、峠で大きな男性が来るのとすれ違いました。
その人の格好は、ジーンズにグレーの作業服、キャラバンブーツで手には何か
木製の長いものを所持していました。
で、彼が何を考えていたのか知りませんが、ホッケーのマスクを顔に被っていた
のですよ!13金のようなヤツ。
その怪人は立ちすくむ私たちに会釈をして、マイペースで去って行きました。
スキンヘッドだったようで、つるっとした後頭部が印象的でしたわ。
はっきり言ってムチャクチャ怖かったです。ええそりゃもう。
やはり人間が一番怖い。
今になるまで意味不明の経験です。
まさか身を張ったネタだったのでしょうか?
TPOをわきまえてほしいものです。
142:本当にあった怖い名無し
09/02/27 06:37:36 MyprbGXo0
ここがコピペ厨に乗っ取られたから新しいスレを作りたいけど、
作ったら重複になっちゃうし、洒落怖スレみたいな状況になりそうだから止めておいたほうがいいよね?
ここが削除されるまで我慢我慢…
143:本当にあった怖い名無し
09/02/27 06:45:45 MyprbGXo0
ところで雷鳥さんが居た頃って「はだか隊」みたいなコテいたよね?
あの人は何時ごろいなくなったんだろう。
144:本当にあった怖い名無し
09/02/27 06:50:07 MyprbGXo0
連投ごめん。
全裸隊さんだった。
雷鳥さんと全裸隊さんは何時ごろ居なくなって、山スレはなんで今こんなに荒れているんですか?
久しぶりにオカ板にきたら山スレが荒らされていて、洒落怖スレは変なことになっていてすげーショックだった。
145:本当にあった怖い名無し
09/02/27 08:34:29 FAoM3xNKO
一部のコテハンが調子に乗りすぎて住民の反発を食らって追い出された。
追い出されたコテハンがその恨みからスレを徹底的に荒らしているのが現状。
しかし笑えるね。コピペ荒らし中に連投制限に引っかかったのか携帯から合いの手を入れてるしw
146:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:38:11 r+qx/QXd0
153 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/20 22:15
知り合いの話。
仲間三人で夏山を縦走していた時のこと。
開けた場所を選んでテントを張った。
その野営地には、たくさんの白い百合の花が咲いていた。
真夜中、仲間一人が急に起き出したために、他の二人は目を覚まされた。
眠りを邪魔した仲間は、テントの床を這いずり回っていた。
何度呼びかけても返事がなく、やがて芋虫のように這い出ていったという。
開け放たれた入口から、百合の花が一輪ゆっくりと揺れているのが見えた。
二人が続いて外に出て見ると、月光の下で揺れていたのは百合ではなかった。
白く細い手が大地から突き出て、おいでおいでをして招いていた。
這いつくばった仲間を無理矢理テントに連れ戻し、まんじりともせず夜を越した。
翌朝、白い手は跡形もなく消えていた。
誘われた仲間は、昨夜のことをまるで覚えていなかったそうだ。
147:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:38:43 r+qx/QXd0
154 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/20 22:18
知り合いの話。
峠道を歩いていると、急に荷物が重くなったのだという。
ザックにはおかしいところは見当たらず、溜まった疲労が出たのかと不安になった。
休もうかなと考えながら歩いていると、道のすぐ横に沼が現れた。
何気なく水面を見、思わず目を疑った。
ほんの一瞬だが、荷物に何かがしがみついているのが映っていたのだ。
小柄で灰色な猿のような姿をしていたという。
次の瞬間、いきなり荷物が軽くなった。
振り向いても何も見えなかったが、小走りに遠ざかる足音だけは聞こえたそうだ。
以来、彼は山に入る時は御守りを持参するようにしている。
148:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:39:15 r+qx/QXd0
155 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/20 22:21
友人の話。
一人で山歩きをしていた時のこと。
休憩しようと荷物を降ろすと、背側に何かがくっついているのに気がついた。
まだあまり熟れていない、何かの果実のようだった。
薄気味の悪いことに、実の表皮にはまるで人の顔のような凹凸が浮き出ていた。
その口に見える部分で、ザックの紐に噛み付いていたらしい。
どこで取り付かれたのかは、まったく分からなかった。
物好きな彼は、人面に触る気がしなかったこともあって、その果実をつけたまま
山歩きを続けたそうだ。
二つ尾根を越えた所で、ボトリという落下音が聞こえた。
振り返ると、人面果が転がりながら、下生えの中に消えていくところだった。
ああやって生息圏を拡げている植物なのかな。
そう思ったのだそうだ。
149:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:41:11 r+qx/QXd0
192 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/22 01:40
知り合いの話。
彼が高校の山岳部にいた頃の話。
ある山系を三泊四日で踏破するという予定で、夏季合宿に出かけた。
運悪く、初日の昼から濃いガスが出て、足元もろくに見えなくなったそうだ。
とりあえずガスを抜けようと思い、先導役の彼はひたすら前進したという。
途中で道が分からなくなり、どうしようかと悩んでいる時。
唐突に霧が切れ、眼下に見覚えのある小さな無人駅が見えた。
そこは最終日のゴール地点に定めていた場所だった。
四日で踏破する予定の距離を、彼らはわずか三時間と少しで達成していた。
OB会に出るたびにその時の話が持ち出されるそうだ。
皆、いまだに不思議でならないと言っている。
150:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:41:35 r+qx/QXd0
193 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/22 01:42
友人の話。
秋の山に一人でこもっていた時のことだ。
朝目を覚ますと、体が何かごわごわした物で覆われている。
慌てて身を起こすと、テントの中に茶色の物体がばらまかれた。
彼が寝ていた寝袋の中に、いつの間にか枯れ葉がぎっしりと詰め込まれていたのだ。
眠りにつく前には、枯れ葉などテントのどこにも無かったという。
不思議なことに、彼が野営したのは針葉樹林の中だったのだが、寝袋の中に入って
いたのは、すべて広葉樹の葉だったそうだ。
151:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:42:36 eXLkWjox0
>>145
お前いい加減にしろよ…
罰が当たるって本当にあるからな。
152:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:55:19 r+qx/QXd0
194 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/22 01:43
私の体験した話。
単独登山中に雨に降られた時のこと。
濡れるのを避けようと、せり出した岩の下で野営することにした。
真夜中に、バシャバシャという喧しい音で目が覚めた。
何者かがどしゃ降りの雨の中を歩き回っているらしい。
目の前で水飛沫が上がったが、足音の主の姿は見えなかった。
それは私の目の前を行ったり来たりし続けていた。
最初は恐ろしかったのだが、だんだんと鬱陶しくなったのを憶えている。
結局、その足音に追い立てられるような形で、私は岩場を出ることにした。
足音がついて来なくなった広場で、ようやく休むことができた。
帰ってきてから、その山系で大規模な崖崩れがあったと知った。
ちょうど私が山に入っていた時期だ。
最初に私が野営していた岩場が崩れたかどうかは、確認していない。
153:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:55:44 r+qx/QXd0
204 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/23 00:50
知り合いの話。
彼女が幼い頃、子ども会のキャンプに参加していた時のこと。
夕食の準備をしている皆の頭上に、白い煙が漂っていたそうだ。
彼女の目はそれに釘付けになった。
煙の中に隣家の小父さんの顔が浮かんでいたからだ。
見ているうちに、煙の顔はいろいろと移り変わっていった。
笑っている彼女の母親の顔や、何かしゃべっている知り合いの小母さんの顔。
怒っているような友達の父親の顔に、きょろきょろしている子ども会の会長さん。
どうやら、その場で働いている大人の表情を、一つ一つ真似しているようだった。
やがて煙の顔は、彼女に己の姿が見えていることに気がついたらしい。
見知らぬ男の顔になると、目線を彼女に向けウインクを一つした。
次の瞬間、煙は散り散りになって消えてしまった。
怪しい煙に気がついたのは、彼女一人だけだったそうだ。
154:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:56:10 r+qx/QXd0
205 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/23 00:52
友人の話。
研究調査のため、一人でキャンプしていた時のこと。
夜中にラーメンでも作ろうと鍋を探していると、奇妙なことが起こった。
取ろうとした鍋が足を生やして、するすると歩き出したのだ。
よく見ると、何か猫みたいな小動物が鍋をかぶって歩いていたらしい。
本体を見てやろうと、手を伸ばして鍋を持ち上げた。
鍋の中は空っぽだった。
驚いている視界の隅に、足を覗かせた登山帽が逃げ出そうとするのが見えた。
慌てて帽子を取り押さえたが、やはり中には何もない。
顔を上げると、妙に膨らんだ上着がテントからトコトコ出て行くところだった。
急いで後を追ったが、テントの外には風に吹かれる上着だけが残されていた。
今にいたるも、あの時正体を確かめられなかったのが悔しいそうだ。
155:本当にあった怖い名無し
09/02/27 09:58:35 r+qx/QXd0
206 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/23 00:54
知り合いの話。
彼は小さい頃、山奥の小さな小学校に通っていたのだが、他の学校と合併するため
中学に上がる直前に廃校にされたのだそうだ。
彼の学年は五人しかいなかったが、皆で校庭の銅像に記念を残すことにした。
二宮尊徳の足首に、鉄釘で各々自分の名前を刻んだのだという。
先日、十何年ぶりに当時の同級生が村に集まった。
学校の跡地は森林公園になっており、銅像も少女の像に変わっていた。
昔話に花を咲かせていると、いきなり仲間の一人が像の足元で声を上げた。
彼の指差す先を見ると、見知らぬ像の足首にすり減った文字が刻まれていた。
彼ら全員の名前だった。
誰が名前を移し変えたのだろうか。
不気味だったが、同時にとても懐かしかったのだそうだ。
156:本当にあった怖い名無し
09/02/27 10:04:36 uPy8tYke0
2006年ごろ、夏に富士の樹海へ遊びにいったときのこと。
装備を整え、人気のない遊歩道を踏み外す。
意外にすぐに人だったものがあったり、50mもいかないうちに遊歩道は完全に見えなくなってしまった
このあたりからいろいろ「樹海の落とし物」は増えていったが、一時間ばかり歩き続けるとそういったものはなくなった。
みな、遊歩道からさほど進まずに落ち着いてしまうらしい。
謎のビニール紐やクレバスにひっかかり、2時間ほどかけて数キロ進んだところで奇妙な物があった
どこからか拾ってきた板とそこらへんの枝を折って組み立てた祠らしきもの。
「らき☆すた」のこなたのポストカードが鎮座していた。
誰がやったのかもわからないが、こんな遊歩道からまっすぐあるいても1時間以上
かかる場所で祠をくみ上げ、マンガのポストカードを飾っておいた人は一体だれだったんだろう
157:本当にあった怖い名無し
09/02/27 10:05:00 r+qx/QXd0
463 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/31 16:49
先輩の話。
部活で冬山登山していた時のこと。
夕方から猛烈な吹雪となり、テントから一歩も出られない状況になった。
皆で身を寄せ合い、入り口を中からしっかりと閉めて就寝したのだという。
翌朝目が覚めて、外の様子を見ようとして驚いた。
テントの入り口が開かない。
仕方なく通風孔を破り広げて、そこから外に出た。
誰がやったのか、テントの入り口は外からしっかりと縛って止めてあった。
幸い天候が回復したので、急いで下山したそうだ。
158:本当にあった怖い名無し
09/02/27 11:04:57 r+qx/QXd0
464 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/31 16:54
知り合いの話。
山菜採りに行った山奥で、荒れ果てた寺を見つけたのだという。
伽藍も何もかも崩れて失くなっていたが、鐘撞き堂だけは何とか姿を保っていた。
皆で代わる代わる撞いてみたが、物悲しい音に寂しくなったという。
夕暮れになり、帰ろうと門をくぐった時、後ろから大きな鐘の音が響いた。
ごーーーん
振り向いて見たが、鐘撞き堂には誰もおらず、ただ鐘が揺れているだけだった。
歩き続けて寺の姿が見えなくなっても、鐘は間をおいて鳴らされ続けた。
麓に置いた車にたどり着いても、まだ鐘の音は続いていたそうだ。
159:本当にあった怖い名無し
09/02/27 11:05:40 r+qx/QXd0
465 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 03/12/31 16:56
先輩の話。
ある山歩き大会に参加した時のこと。
開会式の開かれたキャンプ場で、彼は嫌なものを見かけた。
上顎から上が失くなっている男性が、参加者の間をふらふらと歩いていた。
チェックのシャツとニッカズボンを身につけているが、明らかに生者ではなかった。
誰も気がついていない様子で、見ていて鳥肌が立ったという。
式が終わる頃、それは先輩に気がついたらしく、じっと顔?を向けてきた。
やがて下顎を揺らしながら、先輩の方に向けて歩き始めたそうだ。
彼は慌てて、大会のコースを足早に歩き出した。
しばらく先頭を歩き、小高い丘に上がって後ろを振り返った。
なだらかな丘陵になっており、スタート地点の人間が芥子粒のように小さく見える。
やがて参加者に混じって、よたよたとちっぽけな、しかし不気味な姿が現れた。
もう大会などそっちのけで、即行で家に帰ったのだという。
先輩と一緒にいると、頻繁にあたりを見回す癖があることに気がつく。
今でも彼が自分の後をついて来ていないか、怖くなることがあるそうだ。
160:本当にあった怖い名無し
09/02/27 11:06:16 r+qx/QXd0
482 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/01 16:04
同僚の話。
ある年の大晦日、彼が檀家になっているお寺の鐘が、まったく響かなくなった。
撞いてみても、鈍くこもった音が短く聞こえるだけだった。
除夜の鐘は、人間の持つ百八つの煩悩を落とすためのものだという。
しかし煩悩が強すぎる者が鐘を撞いた場合、その煩悩が鐘に重く残るらしい。
結果、鐘の音が鈍くなることが稀にあるのだという。
明けた年初め、寺の住職さんが鐘の下でお経を上げた。
しばらくすると、鐘の音は元通り響くようになったそうだ。
一体その人たちは、どんな強い煩悩を抱いていたのだろうか。
161:本当にあった怖い名無し
09/02/27 12:21:27 r+qx/QXd0
483 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/01 16:07
友人の話。
彼は地元の神社の氏子の一員である。
毎年、大晦日から元旦にかけて、参拝客にお神酒を振舞うのだそうだ。
ある年、見知らぬお爺さんが社の中に腰掛けているのが見えた。
杖にもたれて参拝客を眺めては、ニコニコと微笑んでいる。
お爺さんは、彼がちょっと目を離した隙にいなくなってしまった。
社内にいたということは関係者であろうと思い、誰かと仲間に問うてみた。
お爺さんが見えていたのは彼だけだった。
社内には誰も入っていないはずだ、と皆に言われたそうだ。
信仰心が薄かった彼に、一体何が見えたのだろうか。
現在の彼は、氏子の行事に熱心に参加しているという。
162:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:30:53 jbiaJbnBO
ひととおり見てきた話だが、随分忘れてる話が多いなぁ
まとめサイトで読めば良い話ばかりだが、自演だ雷鳥だの小説だのな流れより
まだマシだな。
などと携帯からわざとカキコW
163:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:41:36 r+qx/QXd0
484 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/01 16:09
友人の話。
彼の所属する青年部では、毎年、初日の出登山というものを開催している。
元旦の前には、山頂の小さな祠に、当日晴天に恵まれるようお参りするのだそうだ。
一度、雲が多く天気が悪い年があった。
どうなることかとスタッフ一同心配していた。
日の出時間間近、彼は山頂の一番高い木に、何かが止まっているのに気がついた。
はっきりと見えなかったが、何だか山伏のようだったという。
それは分厚い雲に向かい、一生懸命に団扇のようなものを振っていた。
なぜか分からないが、彼も心の中で必死に応援したそうだ。
日の出寸前、雲の一部がぽっかりと口を開けた。
皆の口から歓声が上がり、無事にご来光を拝むことができた。
雲が切れたのは、ちょうど日の出の前後、十分くらいだけだったという。
いつの間にか木上の影は見えなくなっていた。
彼はそれ以来、年末のお参りには欠かさず参加しているそうだ。
今のところ、六年間無事にご来光を拝めているらしい。
164:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:41:57 r+qx/QXd0
556 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/04 19:00
知り合いの話。
彼の実家では、毎年暮れに餅を搗くのだそうだ。
山奥の田舎ということで、親戚一同集まってかなり大規模におこなうらしい。
ある時、搗いた餅の数を数えていた彼は奇妙なことに気がついた。
いつの間にか、出来上がった餅の数が、十五個ほど少なくなっている。
家の者に言うと、毎年いつものことだと軽くいなされた。
どんなにしっかり管理しても、十五個だけは必ず失くなるのだという。
「我が家には神様がおられるからの」お婆さんはこう言って笑っていた。
本当に神様だったらいいんだけどな。
彼はそう言って肩をすくめていた。
165:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:42:20 r+qx/QXd0
557 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/04 19:02
知り合いの話。
彼女の実家は、山奥にある過疎寸前の集落なのだそうだ。
先日法事のために、久しぶりにそこに帰った時のこと。
町育ちの彼女は山が珍しく、家の周りの山道を歩き回っていた。
荒れた細い道の傍らに小さな祠があり、中には五つの地蔵さまが並んでいた。
お地蔵さまが寒そうに見えた彼女は、自分の毛糸の手袋で小さな帽子を作り、
二つの頭にかぶせたのだという。
それから十分くらいして、帰りにまた祠の前を通りがかった。
誰がしたことなのか、他の三つの地蔵の頭にも帽子がかぶさっていた。
大きな蕗の葉っぱで作ってあったらしい。
彼女の気のせいか、なんとなく地蔵さまの顔が得意気に見えたという。
次の日、彼女は新しく五つの帽子を作って持っていったそうだ。
166:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:43:26 ncJJP8JdO
>>156
らき☆すた厨はそんな昔から迷惑かけてたのかよ
167:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:50:22 r+qx/QXd0
558 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/04 19:04
知り合いの話。
行方不明者の捜索で山に入っている時のこと。
遺体が発見されたとの連絡を受けて、応援に向かったのだそうだ。
無線で指示された付近に行くと、あたりの地面にはキャンプ用具が散乱していた。
捜索隊の仲間はいたのだが、どこにも遺体は見えない。
指差す方を見上げると、樹上の葉の間に登山シャツが見えた。
遺体は高い木の天辺あたりにしがみついていた。
ロープで木と身体を固く結わえていたが、どうやらそれは自分で結んだものらしい。
その顔は引きつって歯を剥いていたという。
遺体を地面まで降ろすのに、えらく苦労したそうだ。
死因は心臓麻痺だったということだが、彼を樹上に追いやったのは一体何だったのか、
結局分からずじまいだという。
168:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:50:47 r+qx/QXd0
612 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/07 00:33
知り合いの話。
彼は小さな会社を経営している。
最近、嫌な事件に連続して見舞われた年があったのだそうだ。
その年の暮れ、仕事納めを終えて、一人ため息をついている時のこと。
親戚が、小さな門松を持って挨拶に来た。
その人の山に、昔から聖域と見なされている場所があり、そこの竹林で取れた竹で
作った門松だということだ。
縁起担ぎのつもりで受け取り、事務所内の机の上に置いて帰ったそうだ。
年が明け、事務所に顔を出した彼は驚いた。
青々としていた門松が、茶色くしなびていた。
気がつくと、事務所の空気が心なしか、幾分軽くなったような気がしたという。
門松は仕事始めの前に燃やしたが、真っ黒で異臭を放つ煙が出たそうだ。
思わず手を合わせてしまった、と彼は言っていた。
それ以降、会社の不運が嘘みたいに去ったのだという。
親戚には厄落としが効いて良かったな、と喜ばれたそうだ。
169:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:51:23 r+qx/QXd0
613 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/07 00:34
知り合いの話。
彼のお爺さんは猟師をしていたそうだが、その山には奇妙な獣がいるのだという。
それは丸々と太った地ネズミの姿をしていたらしい。
猟をしていると、山道の行く手にふらりと姿を現すそうだ。
近づくとネズミの身体はボコボコと膨張し始め、倍くらいも膨れ上がる。
そして甲高い悲鳴とともに破裂して、臓物をあたり一面に撒き散らすという。
出くわしてしまうと、獲物が取れなくなる上に、大怪我をすると言われていた。
そのため、しばらくは家にこもって物忌みをするのだそうだ。
獲物を獲り過ぎないようにという、山の神様の報せかもしれんな。
猟師たちはそう言って素直に従っていたそうだ。
170:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:52:21 r+qx/QXd0
614 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/07 00:36
友人の話。
彼がヘラブナ釣りにはまり始めた頃のこと。
夜中に無性に竿が振りたくなり、山奥のため池へ出かけたのだという。
餌の準備をしていると、向こう岸に誰かが立っているのに気がついた。
月明かりの下で、髪の長い女がこちらをじっと見つめていた。
思わず目を見返してしまったのだそうだ。
すると、女は水に向かい歩を進め始めた。
足が水に入っても歩みを止めない。
ざぶざぶと水音を立てながら、やがてその姿は完全に水中に没してしまった。
危ないものを見たと直感し、すぐに撤収を始めたという。
片付け終わると、もう一度池の水面を見やった。
いきなり、数メートル前の水面に黒いものが浮かび上がった。
濡れた女の頭だった。
彼女が池の底を歩いてきたことを理解するや否や、彼は猛然と車へ逃げ帰った。
車に乗り込んだ時、バックミラーに歩み寄ってくる影が映った。
即座にエンジンをかけ山を下りたのだという。
真っ直ぐに家に帰る気がせず、明け方までファミレスで時間を潰したそうだ。
彼は二度と夜釣りには行かないと言っている。
171:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:53:38 r+qx/QXd0
636 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/07 22:21
知り合いの話。
彼の先祖に、羽振りの良い男衆がいたのだという。
猟師でもないのに、どうやってか大きな猪を獲って帰る。
ろくに植物の名前も知らぬくせに、山菜を好きなだけ手に入れてくる。
沢に入れば手の中に鮎が飛び込んでき、火の番もできぬのに上質の炭を持ち帰る。
田の手入れをせずとも雀も蝗も寄りつかず、秋には一番の収穫高だ。
彼の一人娘が町の名士に嫁入りする時も、彼はどこからか立派な嫁入り道具一式を
手に入れてきた。
手ぶらで山に入ったのに、下りてくる時には豪華な土産を手にしていたそうだ。
さすがに不思議に思った娘が尋ねると「山の主さまにもらったのだ」と答えた。
その昔、彼は山の主と契約を交わしたのだという。
主は彼に望む物を与え、その代わり彼は死後、主に仕えることにしたのだと。
何十年か後、娘は父に呼び戻された。
彼は既に老齢で床に伏せていたが、裏山の岩を割るよう、主に命じられたという。
娘は自分の息子たちを連れ、裏山に登った。
彼の言っていた岩はすぐに見つかり、息子が棍棒で叩いてみた。
岩は軽く崩れ割れ、その中から墓石と、白木の棺桶の入った大穴が現れた。
誰がやったのか、彼女の父の名がすでに刻まれていた。
話を聞いた彼は無表情に呟いたそうだ。
埋められる所まで用意してくれるとは思わなんだわ。
それからすぐに彼は亡くなり、まさにその墓に埋葬されたのだという。
172:本当にあった怖い名無し
09/02/27 13:55:02 r+qx/QXd0
637 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/07 22:23
この話には後日談がある。
数年後、娘の夢枕に父親が立ったのだという。
老いた姿ではなく、若々しい男衆のままの姿形であった。
彼はなぜかまったく余裕のない表情をしていた。
彼女が懐かしさのあまり声をかけようとすると、彼は怖い顔でそれを止めた。
そして一言だけ発して、消えたのだという。
お前たちは、絶対に主と契っちゃならねえ。
翌朝目を覚ましてからも、彼女はその夢を強く憶えていた。
一体父は死んだ後、主の元でどんな仕事手伝いをしているのだろう?
その時、隣で寝ていた夫が起き上がり彼女に話しかけた。
夫の夢にも、養父が現れ何かを告げたのだそうだ。
しばらくして彼女の夫はその山を買い取り、全面入山禁止にした。
しかし、その理由は妻を含め、誰にも教えなかったという。
173:本当にあった怖い名無し
09/02/27 14:08:44 zT7ecLhYO
何この雷鳥オンパレード
気持ち悪い
そんだけ貼りたきゃスレたてて1人でひっそりとやっていて欲しい
174:本当にあった怖い名無し
09/02/27 14:28:31 eXLkWjox0
スレ潰しが目的の荒らしだよ
175:本当にあった怖い名無し
09/02/27 14:34:17 DTooXrslO
意外と面白い
しかしサンダーバード1号はオカルトな知り合い多いなw
176:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:21:07 cZKA+UKg0
途中に連投制限をさけるために入れる携帯でのレスが、
全部雷鳥の小説を褒めるレスなんだよな。
やっぱり本人の自己顕示欲がコピペ荒らしの原動力なんだろうね。
177:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:21:45 Eif7faml0
>>175
NWさんは自分自身でオカルトな体験ばかりしてたよ
178:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:30:12 2imQu7HE0
山って持ち主が心無い人だと簡単に荒れるよね
下草を刈って落ち枝を拾って綺麗にしておけば神様も喜ぶよね
179:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:34:45 QPDsg8o70
遭難したときの話。
高校の行事で八ヶ岳に登った。
ロープウェーで坪庭まで行き、横岳から亀甲池、大河原峠に行くルートだった。
横岳から亀甲池に降りる途中、糞がしたくなって脇に逸れた。
ちょっと恥ずかしく、かなり奥まで入った。
用を済ませ、道に戻ろうとしたが戻れない。
ちょっと焦ったが、目的の亀甲池が下の方に見えた。
とにかくそこまでなんとか行こうと思った。
岩の上にこんもりとしたスポンジみたいな苔が生えていて歩きづらい。
岩と岩の隙間に何度も足を落とした。
自分の息づかいと木が風に動く音しか聞こえない。
結構な人数の生徒が入っているはずだが、声らしいものは聞こえなかった。
焦りと遭難の恐怖でどうにかなっちゃいそうな時、「こっちだ」という声が聞こえた。
ビックリして立ち止まったところ、また、「こっちだ」と聞こえた。
声は目の前の穴から聞こえた。
岩の隙間を苔が覆い尽くしたような、握りこぶし位の穴だ。
こっちだと言われてもどうしようもなく、少し穴とにらめっこしてまた歩き出した。
池が見えない場所まで来ていたが、見当を付けて歩いたところ池に出た。
何クラスか着いていたが、自分のクラスよりは早く着いていた。
人がいるところに出た途端、さっきまでの恐怖が嘘のように消えた。
その後は特に変なことはかった。
180:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:41:27 FAoM3xNKO
>>151
何か間違ったこと言ったか?
181:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:45:35 r+qx/QXd0
734 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/10 23:45
知り合いの話。
彼は学生時代にオフロードバイクを趣味にしていたという。
よく一人で山中の林道を走っていたそうだ。
ある夜、バイクの横でシュラフに包まっている時のこと。
ふと目を覚ました彼は、すぐそばに小柄な影が立っているのに気が付いた。
身を硬くする彼に、それは奇妙な抑揚をつけて話しかけてきた。
望みを言え。お前の大事なものと交換してやろう。
大手の企業に就職が決まっていた彼は、しばらく考えてから答えた。
会社で大出世をさせてくれ。代わりに俺の子どもを差し出そう。
よかろう。その願い聞き入れた。
承諾の返答が聞こえると、影はすうっと消え去った。
彼は身を起こして、くすくす笑ったという。
おかしな夢だと思っていたし、何といってもその時、彼はまだ独身だったのだ。
当然子どもなどいるはずもなかった。
182:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:45:57 r+qx/QXd0
735 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/10 23:46
数年後、彼は二十代の若さで課長に抜擢された。
その企業では異例の大出世で、陰口も色々と叩かれたという。
彼自身の頑張りももちろんあったのだが、ライバルたちがことごとく病気や事故で
脱落してしまったせいだった。
呪いという言葉まで囁かれたのだそうだ。
元来勝ち気な彼は気にもせず、ますます仕事に邁進した。
会社の創業者の孫を嫁にもらい、向かうところ敵なし順風満帆だった。
それからしばらくして、彼は影との取り引きを思い出すことになる。
彼の妻が流産してしまったのだ。
あれは夢だったはずだ、何かの偶然だ。
そう思ったが、妻はそれから続けて二回流産をくり返した。
検診では母子ともに健康だったといい、医師にも理由が分からないと言われた。
憔悴しきった妻には、とても約束のことは話せなかった。
彼は恐怖に襲われ、あの林に一人で出向いたらしい。
しかし彼の前に影は現れなかった。
必死で林に向かってひざまずき、あの願いを忘れてくれと頼んだという。
現在、彼の妻は四回目の妊娠をしている。
周囲はいささか神経質に見守っているのだそうだ。
183:本当にあった怖い名無し
09/02/27 15:46:30 r+qx/QXd0
787 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/13 00:40
>>745
どーもです。>>738はなかなか鋭いとこ突いています。
忘れてくれと彼が訴えてからしばらくして、彼の担当していたプロジェクトが
失敗して大赤字を出してしまい、責任を問われたそうです。
結局、創業者一族のどろどろとした争いに巻き込まれた形となり、地方の
支店へ左遷になってしまったとか。
肩書きは上がったそうですが、負け組み確定になったようで。
奥さんは甘やかされて育ったお嬢様らしく、読書好きでも物静かでもない
ようです。すごいわがまま・・・夫婦仲は良いようですが。
奇妙な流産だったようで、精神的な面以外には母体に悪い影響はなかった
と医者に言われたんだとか。
まるで何かに腹の中の子どもをさらわれたように思えたとも・・・。
流産の反動か分かりませんが、現在3人もお子さんがいるらしいです。
最後にホッとしたサンダーバードでした。
184:本当にあった怖い名無し
09/02/27 17:28:19 7JTwxQL20
>>180
全部逆じぇねえかw
荒らしが粘着してスレを荒らしたのでコテが去った
コテが居なくなって、もう反撃食らう恐れがないので
粘着荒らしが、去ったコテに成り済まして更にスレを荒らしてる
185:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:15:08 r+qx/QXd0
788 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/13 00:41
知り合いの話。
とある目的で、入山が禁止されている山に入ったのだそうだ。
朝暗いうちに山に入り、午後には目的を達成して、帰り支度にかかった。
帰り道の下り坂途中で、背中へ視線を感じたのだという。
焦って振り返ると、後方の岩棚からこちらをじっと見ている一団があった。
時代遅れの服装をした、年齢もばらばらな登山者たちが彼を見ていた。
三十人ほどの集団は皆一様に無表情だったという。
まるで白黒写真のように、彼らには色が着いていなかった。
恐怖よりも先に危険を感じた彼は、その日の獲物をその場に置き、後ろも振り
返らず一気に下山したそうだ。
豊かな山っていうのは、やはり何か訳があるんだな。
そう彼は言っていた。
186:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:15:32 r+qx/QXd0
789 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/13 00:42
友人の話。
仕事で山にこもっている時に長雨に祟られた。
雨天の中、遠くの岩山を見ていると、何か大きな影が岩壁から浮き出してきた。
それは山ほどもある好々爺の姿をしており、彼を見てにっこりと笑った。
仰天していると、すうっと透き通って消えたそうだ。
親方のところに報告すると次のように言われた。
ああ、ヒヨリさんが出たのか。じきに雨も止むな。
確かにそれからすぐ雨は止んだのだという。
187:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:15:54 r+qx/QXd0
790 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/13 00:45
友人の話。
釣り仲間に誘われて、夜釣りに出かけたのだという。
近場の山中に大きな湖があり、そこにボートを浮かべて釣りを始めた。
夜でも釣れるものなのだなと感心したそうだ。
湖の中ほどにかかった時、水音がしてボートが揺れた。
驚いて見回すと、ボートの縁にかかった白い手が見えた。
華奢な女性の右手で、水中から伸びていた。
凍りついた彼をよそに、仲間は慣れた手つきでゴムハンマーを取り出した。
そのまま船縁の指に振り下ろす。
鈍い音が聞こえると、手は水中に没していった。
金縛りの解けた彼が問いただすと、仲間は平然として答えた。
時々出るけれど悪さはしないよ、気味が悪いから追い払うけど。
怪我させるのも可哀想だから、ゴムハンマーで軽く叩いてるんだ。
彼らは夜明け近くまで、そのまま釣りを続けた。
手は現れなかったそうだ。
188:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:18:57 r+qx/QXd0
955 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/18 18:08
知り合いの話。
彼女がまだ学生の頃、家族で山小屋に泊まったのだという。
夕刻遅くに山小屋へ着き、荷物を降ろしている時のことだ。
突然、父親が手を休め、真っ暗な山頂をじっと見上げた。
呼ばれたからちょっと行ってくる。すぐ帰るから。
父親はそう言って山を登っていこうとしたらしい。
荷降ろしを手伝ってくれていた、山小屋の同宿客がするどく叫んだ。
行かせちゃ駄目だ! 帰って来られなくなるぞ。
皆で慌てて父親を引き止めに入ったが、彼は凄い勢いで抵抗した。
しばらく押さえていると、やがて我に返って静かになったそうだ。
父親には、暴れていた時の記憶は無かったという。
189:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:20:38 r+qx/QXd0
956 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/18 18:09
友人の話。
学生時代、山中で一人で野営をしていた時のこと。
食事をしながら、鼻歌を口ずさんでいた。
彼は自他ともに認めるほどの歌好きで、そのうち興が乗ってしまったらしい。
食事に箸をつけるのも忘れて、文字通り彼のワンマンショーが始まった。
歌い終わると同時に、近くの雑木林の中から拍手の音が響いた。
料理はとうの昔に冷めていたそうだ。
190:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:21:42 r+qx/QXd0
957 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/18 18:11
先輩の話。
一人で山歩きしていた時のこと。
その山はそれほど高さがなく緑豊かで、女性や子供の登山者も多かった。
緩やかな道を歩きながら、彼はすれ違う人たちと挨拶を交わしていた。
しかし峠を越えたあたりから、すれ違う人が皆彼を無視するようになった。
こちらから挨拶しても露骨に目をそらすのだ。
彼が訝しんでいると、中年の女性登山者が走りよって声高に言った。
どうしたの、その怪我は?
その時初めて、彼は自分の掌が血まみれなのに気がついた。
慌てて確かめると、身体中が切り裂かれたかのように傷だらけで、血を吹いていた。
急に立ちくらみを起こし、病院に運ばれる騒動となった。
割と深い傷だったらしく、なぜか下着の下の皮膚まで傷を負っていたらしい。
不思議なことに少しも痛むことがなく、一晩のうちにすべて完治した。
いつの間にそんな傷ができたのか、彼にはまったく分からないということだ。
191:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:26:28 r+qx/QXd0
25 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:42
友人の話。
ハイキングコースを一人で歩いていた時のことだ。
その山は手頃な高さで、気分の良くなっていた彼女は何度もヤッホーと声を上げた。
何度目かのヤマビコが返って来た時、いきなり耳元で囁かれた。
お願いだからもう少し静かにしてくれんかね。
びっくりした彼女はあたりを見回したが、誰一人として近くにはいない。
間違いなく老人の声だったという。
急に心細くなり、下山にかかったそうだ。
192:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:26:48 r+qx/QXd0
26 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:44
先輩の話。
仲間五人でキャンプした時のこと。
夕食を食べ終わった後、当然のように宴会が始まったそうだ。
皆したたかに酔ったらしい。
次の朝、宴会の後片づけを始めた彼らは、揃って首を傾げることになる。
焚き火の周りに残されていた食器類は、全部で六人分あったのだ。
記憶をたどると、確かに六人で騒いでいたことを皆が思い出した。
しかし六人目が誰だったかは、ついに思い出せなかったそうだ。
193:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:27:10 r+qx/QXd0
27 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:45
友人の話。
山中の曲がりくねった県道に、バスが廃棄されてある場所がある。
幽霊が出ると噂されていたが、友人はまったく信じていなかった。
彼は棄てたバス会社をよく知っていたし、そのバス自体が事故など何も起こして
いないというのだ。
そこで彼は仲間と深夜の肝試しに出かけたのだという。
バス内を荒らしまくったが、予想通り何も出ない。
さて帰ろうと、バスの外に出た時。
ぼろぼろのバスの上から、いくつもの無表情な顔が彼らを見下ろしていた。
慌ててその場から逃げ帰ったという。
後日調べると、バスのすぐ上の尾根にため池があり、そこで何人かが入水自殺を
していたことが分かった。
それって一種の引っ掛けだよなあ。
彼はいまだにそう言ってぼやいている。
194:本当にあった怖い名無し
09/02/27 18:29:13 r+qx/QXd0
28 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:48
先輩の話。
キャンプ場でテントを建てていると、新参のキャンパーが来たのだという。
なぜか彼らは傷だらけで、先輩たちを見て泣き出しそうな顔になった。
驚いて手当てにかかり事情を聞いた。
途中の山道で、蒼黒い大きな蝸牛の群れに襲われたのだという。
一度に何匹にもたかられて齧られ、生きた心地がしなかったのだと。
その蝸牛は南京ほども大きかったという。
先輩は後にも先にも、その山系でそんな目撃談を聞いたことは無いという。
しかし、彼らの血の滲む肌には、やすりで酷く擦ったような傷が確かに
ついていたそうだ。
195:本当にあった怖い名無し
09/02/27 19:31:29 1hg55CSS0
>>170
おーっ久しぶりに読んだぞこの話。
俺がこのスレにハマるきっかけになった話だ。
今読んでもゾクリとくるな。
確か、2ちゃんねるの怖い話って名前のサイトで紹介されてたんだった。
あのサイトももうないんだよな。
今のスレを見ていると、時の流れの無情を感じるよ。祇園精舎。
コテの中の人たち、帰ってきてくれないかなー。
196:本当にあった怖い名無し
09/02/27 19:39:16 r+qx/QXd0
29 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:51
知り合いの話。
彼はかなり深い山奥に住んでいる。
一番近い隣家でも、一キロくらい離れているそうだ。
ある日、その隣家の母娘と農道で一緒になった。
娘はなかなか社交的なお嬢さんで、彼にいろいろと話しかけてきた。
お嬢さん曰く、彼女はよく山の中で天使と遊んでいるのだという。
子供の空想かと微笑ましく思い、可愛いものですねと母親に話しかけた。
母親は急に無表情になって言った。
天使には毛の生えた尻尾なんて生えてないわ。
そこで会話が途切れてしまい、そのまま道なりに別れたという。
数年後その家族は引っ越してしまい、天使のこともそれきりなのだそうだ。
197:本当にあった怖い名無し
09/02/27 19:39:39 r+qx/QXd0
30 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/19 22:54
友人の話。
人気のない山道を一人で縦走していた時のこと。
尿意を催したので、側の林に入り用を足したのだそうだ。
ほぉっと緩い息を吐いていると、いきなり目の前の繁みが分かれた。
その場にそぐわない、長い髪の綺麗な女性が現れた。
彼女は裸にバスタオルを巻いただけの格好で、素足にはサンダルを履いていた。
良い香りが漂ってきて、頭が真っ白になりそうだったという。
彼女に続いて、髭面の男性が繁みから出てきた。
二人は「こんにちは~」とにこやかに挨拶をし、爽やかな顔で山道を下っていった。
彼はポカンと口を開けて見送ったそうだ。
半年後、彼は二人に再会することになる。
彼の友人が所有していたAVに出演していたのだ。
舞台はまさにあの山中だった。
「撮影の直後だったんだ」彼は変に納得して感心していた。
そのビデオの持ち主が誰だったかというのは内緒だ。
198:本当にあった怖い名無し
09/02/27 19:40:27 r+qx/QXd0
176 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/24 01:22
知り合いの話。
近場の森林公園に、家族でハイキングに行った時のこと。
その公園の外れには、大きな仏舎利塔があるのだそうだ。
少し離れた斜面にある寺院のものだという。
彼は買ったばかりのホームビデオで、自分の娘さんを撮りまくった。
家に帰って撮影したビデオを編集しているうちに、奇妙なことに気がついた。
仏舎利塔の前で子供を撮った映像にだけ、引っかくような小さい雑音が入っている。
音量を上げて確認してみると、それは女の甲高い笑い声だった。
家族が気がつく前に、その部分の映像と音声は消去したのだという。
199:本当にあった怖い名無し
09/02/27 23:41:54 FAoM3xNKO
>>184
ということにしたいのですね、わかりますw
200:本当にあった怖い名無し
09/02/28 00:02:59 mF9w005j0
occult:オカルト[レス削除]
スレリンク(saku板)
削除依頼を出してきました。1日当たりの荒らしのレス数が増加しているように感じます。
また、途中でコピペの内容に対して直接反応している人がいますが、
きりがないので、そのレスも削除依頼対象に含めました。
201:本当にあった怖い名無し
09/02/28 00:32:28 JwPnwI0R0
雷鳥さんを目の敵にしているヤツの文を読むよりは
コピペの方が格段に気持ちいいな
202:本当にあった怖い名無し
09/02/28 00:54:14 KhvQ1T4QO
雷鳥とかいう奴つまらん
203:本当にあった怖い名無し
09/02/28 01:51:02 QvDlpIAW0
>>201
コピペ荒らしを肯定している馬鹿ってなんなの。
しかも雷鳥「さん」とか言ってるし。やっぱりね。
204:本当にあった怖い名無し
09/02/28 02:34:07 o/+2zrpF0
次スレのテンプレには
過度なコピペ禁止みたいな一言をいれようか
205:本当にあった怖い名無し
09/02/28 02:42:07 upN4qHYGO
いっそ怖い話のみ、雑談や感想禁止にしたらいいんじゃね?
206:本当にあった怖い名無し
09/02/28 02:55:22 UDQ+Dt830
>>204
入れるほどでもないだろ。
200レスのうち半分以上がコピペなんだぜ。
荒らし以外の何物でもない。
>>205
どうしてそうやって極論に走るの?悪いのは馬鹿なコピペ荒らしだろ。
207:本当にあった怖い名無し
09/02/28 03:01:50 F5L4lyvB0
いいからNGワードにしなよ。
荒らしとかどうでもいいよ。ここはそういうスレじゃないだろ。
208:本当にあった怖い名無し
09/02/28 03:06:21 upN4qHYGO
>206
コピペ荒らし以外の荒らしも居るみたいだからさ
そいつは他人の書き込みをけなすことは出来ても
怖い話しを書く能力ないみたいだし
百物語形式で、感想雑談は避難所でって言うほうが
いまのこの有様じゃよくね?
209:本当にあった怖い名無し
09/02/28 03:10:11 8FDZULWz0
NGにしたらすごい事になってるww
210:本当にあった怖い名無し
09/02/28 03:46:15 UDQ+Dt830
>>208
あのね、ここは掲示板なの。
投稿された小説しか書き込みを許さないってのはありえない。
自分の小説を投稿するだけの場所を作りたいのならば、
ブログでも作ればいいんじゃないの?
頭の中は大丈夫?そういうことを言っている君こそ荒らしじゃないのかな?
211:本当にあった怖い名無し
09/02/28 03:55:19 td2gfE6j0
>>208
文句を言わずに私の素晴らしい小説を読め、って言いたいのですね。
なるほどなるほど。だから、自分の小説を必死にコピペしているのですね。
荒らしの自覚すらないのですね。あきれた。
212:本当にあった怖い名無し
09/02/28 04:21:30 sTQDVSFN0
すげー
自分の小説以外書き込み禁止ってコピペ荒らしと同じメンタリティだな
同一人物説が真実味を帯びてくるわけだが
213:本当にあった怖い名無し
09/02/28 04:26:14 /0+bHtI20
>>208は極論の人?
>>210は創作嫌いな人?
>>211は誰でも雷鳥認定の人?
214:本当にあった怖い名無し
09/02/28 04:33:20 /0+bHtI20
210~212まで全部怖い話じゃなくて「小説」って言い切ってるのはなんで?
215:本当にあった怖い名無し
09/02/28 04:39:45 btDElz47O
作り話だからだろ。
あっ、小説と言ったら小説家に悪いか。そんなに出来の良いもんじゃないなw
216:本当にあった怖い名無し
09/02/28 04:41:13 sTQDVSFN0
>>208が怖い話しを書く能力と言ってるからだろ。
体験談や聞いた話、何かの伝承を書き写すだけなら
「書く能力」なんていらない。
つまり、>>208が小説を書いていたに他ならない。
そんなに自分の小説を作ってマンセーしてもらいたければ、創作スレに行けばいいじゃんw
なんでいかないの?
217:本当にあった怖い名無し
09/02/28 06:07:17 nSlInuOdO
まあ、山怖まとめから雷鳥一号の投稿探す手間は省けた訳だ(笑)
218:本当にあった怖い名無し
09/02/28 06:20:14 /0+bHtI20
おはよう
208の極論も怖いけど216の決め付けも怖いな
小説を書いてる人ならコピペするより新作書き込んでいくもんじゃないかな?
そのほうがマンセーしてもらえるよ!
ここまで新しい話がほんの少ししかなくて寂しい
たいした話じゃないけど賑やかしに、最近思い出したことを書いてみる
一時有名になった怪談本に、山の中でくだんに出会う話があった
それを読んで、二十年くらい前に小学校の先生に聞いた話を思い出したよ
その怪談と同じ山の中で、女の人のお化けを見たって話しだった
案外、先生達の「子供向け作り話」の持ちネタが怪談の元になったんじゃないかなあって思った
その山の近くではハイキングコースで殺人事件もあったりして
幽霊が出るって噂はよく聞いたけど、行っても一度も見たこと無い
生きた人間の方が怖いよねーって女友達は言ってたなあ
219:本当にあった怖い名無し
09/02/28 06:37:11 HaVnb6Cx0
だれかも一度アク禁依頼して…
220:本当にあった怖い名無し
09/02/28 06:40:51 y8xN3yh0O
そういや前にここに書かれた話を、わざわざ文学板?だかにコピペして
採点させてけなそうとしてた奴いたなぁwでもあまり辛口評価はされてなかったが
その頃もやたらと文体だの小説だの自演だのと五月蝿いのが居たが同じ人ですね
まぁ、当時は雑談コテや、話を一つや二つ書いただけで酉着けて居座ってるのががたくさんいて
書き手に絡んでたから確かにウザイ処もあったが、その人達が消えた今
何でまた張り切ってるんだろうね?
221:本当にあった怖い名無し
09/02/28 08:14:36 KhvQ1T4QO
雷鳥好きだったけどマジで嫌いになったよ
222:本当にあった怖い名無し
09/02/28 08:52:16 PMv/Kzte0
まだ、荒れてんの?
223:本当にあった怖い名無し
09/02/28 09:34:26 iiiAt+gq0
どーせ荒れてるんだから、ここらで皆の意見を聞きたいです。
山怖アンケート
1.どんな話が好きか?
A) 実話でも創作でも、とにかく怖いor面白い話が読みたい
B) 実話でも創作でも良いが、実話っぽい書き方がイイ
C) とにかく実話でないとダメ
D) とにかく創作でないとダメ
E) ○○○みたいな話が好きだ(具体例を書いてください、コテ名でも可)
2.このスレッドをどういう風にしたいか?
a) 実話、創作、雑談、コピペ、何でもオッケー、別スレも不要
b) 本スレは実話のみ、創作は専用スレで
c) 本スレは何でもアリ、実話以外は認めない人は専用のスレへ
d) 本スレは何でもアリ、コテの書き込みは専用スレで
ID変えて複数人を装う人がいるかもしれないので
・今から19時までをエントリ期間として、参加する人は「山怖アンケートに参加」とカキコ。
・19時以降にアンケートに回答。ただしエントリのあったIDのみ有効。
という訳でよかったら協力してください。
224:本当にあった怖い名無し
09/02/28 09:36:12 iiiAt+gq0
最初は俺、山怖アンケートに参加
結局、俺だけエントリだったら中止しますw
225:本当にあった怖い名無し
09/02/28 09:43:09 FfawlMfZ0
俺もアンケート参加
226:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:32:59 YgvtCDS+0
| ∧ ∧
|/ ヽ ./ .∧
| `、 / ∧
|  ̄ ̄ ̄ ヽ
| ̄ ̄ ̄雷 鳥 ̄ ̄ ̄)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
|ヽ-=・=-′ ヽ-=・=- / やあ
|:: \___/ /
|::::::: \/ /
227:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:35:42 YgvtCDS+0
177 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/24 01:24
知り合いの話。
彼のお爺さんが、山村のバス停でバスを待っていた時のこと。
道路の向こう側を、野良犬が一匹歩いていたという。
何の気なしに見ているうち、犬は水たまりを渡り始めた。
二三歩進んだ時、いきなり前足が地面に吸い込まれた。
そのまま飛沫を上げて犬は水に没したのだという。
お爺さんが駆けよると、そこは深さが一センチもない浅い水たまりだった。
落下物があったことを示す波紋だけが、わずかに水面に残っていた。
あたりには犬の姿などどこにも見当たらない。
お爺さんは一刻も早くバスが来ることを願ったのだそうだ。
228:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:36:03 YgvtCDS+0
178 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/24 01:25
知り合いの話。
彼女がまだ幼い頃、父親が約束をすっぽかして登山に行ってしまったらしい。
癇癪を起こした彼女は父親を呪うことにした。
藁人形がほしかったが、手に入らなかったので、遊ばなくなった布人形に父親の似顔絵を描いて代用品にした。
手や足に針を突き刺してひねり回していた時のことだ。
いきなり人形が、目の前でぺしゃりと潰れてしまった。
中身の綿が飛び出すような酷い有様で、遊び半分だった彼女は思わず泣き出した。
人形はそのままおもちゃ箱の底に隠してしまった。
数日後、帰宅した父は九死に一生を得たと興奮しながら話してくれた。
高い岩壁を登っていると突然、手足に激痛がして滑落してしまったという。
下の岩場に叩き付けられたのだが、不思議なことにかすり傷だけで済んだのだという。
一緒にいた仲間たちは、口々に奇跡だと言っていたそうだ。
彼女は人形のことを両親には話せなかった。
人形に描いた父の似顔絵を消すと、こっそり幼稚園の人形供養に出したという。
以来、彼女は人を意識して呪わないように注意しているのだそうだ。
229:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:36:25 YgvtCDS+0
219 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/25 23:59
知り合いの話。
冬山を単独登山していた時のこと。
激しい吹雪に見舞われ、近場の山小屋へ避難した。
暖を取ろうとして燃やせるものを探しているうち、変わった物を見つけた。
缶箱にスクラップブックと、十数枚の様々な宝くじが入っていた。
年末ジャンボから小さな商店街のくじまで、多種多様だったという。
ブックの方は、どうやら宝くじの当選番号を綴じているらしい。
何気なくパラパラと流し読みした彼は、あることに気がついて驚愕した。
箱の中の宝くじは、どれもがその一等懸賞に当たっていたのだ。
残念ながら、引き換え期限はすべて過ぎていたが。
スクラップブックの一番最後には、手書きで乱雑な文字が書き込まれていた。
くだらない
くじを燃やすのも不気味に思われたので、元あった場所に戻したという。
吹雪が止んでその小屋から逃げ出せるのを、彼は心待ちにしたそうだ。
230:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:37:32 YgvtCDS+0
220 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/26 00:01
友人の話。
天文ファンの彼は、何か天体ショーが起こると、街の灯が届かない山奥に行く。
その日も、ある彗星を見るために車で出かけていたそうだ。
撮影用の赤道儀をいじっている時に、妙な現象に気がついたという。
一部の星が何かに覆い隠されるように消えていくのだ。
天を凝視していると、やがて巨大なものが、はるか高空を飛んでいるのに気がついた。
とてつもない大きさの五角形が、伸び縮みするように変形しながら、空を西から
東へ流れていったという。
慌てて写真を撮ったが、どれも真っ暗で何も判別できなかった。
その後は一回も目撃できていないそうだ。
231:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:38:05 YgvtCDS+0
221 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/26 00:03
友人の話。
一人で秋の山野をハイキングしていた時のこと。
午前の爽やかな空気の中、草原をゆったりと歩いていたそうだ。
彼の目の前に、赤トンボの大群が姿を現した。
次の瞬間、彼はトンボの群れに包まれてしまったという。
右も左もトンボしか見えず、彼らの羽音しか耳に聞こえなかった。
ひどく幻想的な情景だったと彼は言う。
唐突に赤トンボの群れは過ぎ去り、あたりを見渡した彼は驚いた。
見事な夕焼けが目に入ったからだ。
トンボに包まれていたのはわずかな時間のはずなのに、半日以上の時間が過ぎていた。
「虫も人を化かすことがあるのかな」彼は不思議気にそう語ってくれた。
今、その草原は切り崩され、大きな大学が建設されている。
トンボもその数をすっかり減らしてしまったそうだ。
232:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:38:30 YgvtCDS+0
292 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/31 00:12
友人の話。
彼は小さい頃、よく実家の裏山にカブトムシを取りに行っていたそうだ。
目星をつけた木を蹴飛ばし、落ちてくる虫を捕まえていたのだという。
ある夏の日、いつもみたく木を蹴飛ばしていると、ドスンと異様な物が落ちてきた。
大きさは、小学生だった彼の弟くらいもあったらしい。
黒光りする逆刺がびっしりと生えた足が、数え切れないほど蠢いていた。
自分では起き上がることができないようで、足をわさわさ暴れさせている。
慌てて逃げ帰ると、祖父にひどく怒られた。
何の申し訳も無しに古い木を蹴飛ばすから、そんな目に遭うのだと。
以来、彼は木を蹴る前に「ごめんね」と謝るようにしたのだという。
233:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:39:59 YgvtCDS+0
293 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/31 00:14
知り合いの話。
彼は、今はもう使われていない小さな火葬場で働いていたそうだ。
その火葬場は小さな山を登りきった所にあり、訪れる者もそう滅多にいなかった。
それがいつの頃からか、変わった客が顔を出すようになったという。
仏が焼かれる時に、焼き場の周りを猫がぐるりと囲むようになったのだ。
そのうちに猫たちは、仏が出る前から集まってくるようになった。
猫の集まり具合で、近いうちに死人が出るなと判断できたくらいだったという。
火葬場が閉鎖されると、猫たちが集まることは無くなった。
猫が死者を送っているように見えたのがとても不思議だった、と彼は言っている。
果たして本当に猫は死者を送るために集まっていたのだろうか。
234:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:41:05 YgvtCDS+0
294 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/01/31 00:17
友人の話。
単独登山を好む彼は、よく山中の無人駅や廃駅を宿にしていたらしい。
その夜も、ある単線の廃駅でまどろんでいたという。
真夜中を過ぎた頃、澄んだ音が聞こえて目が覚めた。
リン、という鈴の音だった。
しばらく耳を澄ませたが何も聞こえず、気のせいかと思い始めた時。
リン、リン、リン、リン―
急に連続した鈴の音が、がらんとしたホームに響き出した。
身を硬くした彼は、向かいのホームの屋根上に誰かいることに気がついた。
長い髪の女が月を背にして、激しく頭を振っている。
頭を振るたび鈴の音がリンと響く。
凝視していた彼は、ふいに自分が間違えていることを悟った。
女は屋根の上に立っているのではなく、建物の裏側に立っていたのだ。
一体、何頭身あるのだろうか。
顔の大きさが普通なだけに、とんでもなく異様な感じを受ける。
やがて女の身体はぐっとしなり、彼の目の前まで顔を突き出してきた。
目に瞳孔はなく、口が耳まで裂けていた。
彼はそこで失神したらしい。
目を覚ました時は、すでに夜が明けていた。
前夜の出来事を思い出させるものは、何も残っていなかったそうだ。
235:本当にあった怖い名無し
09/02/28 10:59:21 Fqnmy5SG0
雷鳥氏がこんな事するかな?
いまだ信じられない。
文章とか会話とか見ていて感じたけど。
236:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:02:07 RBxOt1XN0
>>235
ヒント)成りすましの池沼
237:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:10:10 YgvtCDS+0
321 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/01 20:56
先輩の話。
彼のお父さんの実家は山奥の小村で、すでに廃村となっている。
そこの村人の多くは、狩猟で生計を立てていたそうだ。
狩人たちは獲物を正式な名前で呼ばず、村独自の呼び名を付けていた。
鹿や兎などはヨツ、猿はフタツ。猪だけは別格でクジラと呼ばれていたらしい。
鳥には特別な呼び名はなかったそうだ。
ある早朝、お父さんの家に村中の狩人が集まったのだという。
何やら深刻そうな顔で打ち合わせをし、皆で山に入っていった。
お父さんはまだ幼かったが、唯一つ憶えていることがあるそうだ。
「ミツが出た」この台詞がくり返し述べられていた。
夕方、山に入った狩人が帰ってきた。
猟は成功したらしいが、なぜか獲物を誰も下げていなかった。
皆返ってくるなり、塩をまいてお清めをした。
それから間もなく、村人は村を離れ始めたという。
村が廃れるまで長い時間はかからなかった。
あの日、狩人たちが何を狩ったのか、お父さんはずっと気になっているのだそうだ。
238:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:18:17 YgvtCDS+0
322 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/01 20:57
友人の話。
地元で登山大会がおこなわれることになり、彼も山道の整備を手伝っていた。
道を塞いでいる倒木を片しているうちに、彼は誰かに背中を叩かれた。
次の瞬間、ひどく突き飛ばされて前のめりに倒れてしまう。
誰だ!と起き上がると、黒く大きな手が握りこぶしを作っているのが見えた。
手は背後の木の幹から生えていた。
慌てて逃げ出したが、他のメンバーにはそのことを話せなかったという。
大会直前、ルートが急に変更され、その木のあった道は使われないことが決まった。
「やっぱり何かあったんだ」そう思ったが、何があったのかは聞けなかったそうだ。
239:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:18:38 YgvtCDS+0
323 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/01 20:59
知り合いの話。
会社の慰安旅行で、山中の温泉街に出かけた時のこと。
思っていたより大きな町で、小さいながら風俗店もあったのだそうだ。
宴会が終わると、同僚たちと早速出撃したという。
期待していなかったのだが、思いがけず若い姫がついてくれて喜んだ。
いざ入浴する段になって、彼は急に尿意を覚えたらしい。
ビールを飲みすぎたなと思い、姫に断ってトイレに向かう。
トイレに入った彼は、その場で硬直してしまった。
ついさっきまで自分と談笑していた姫が、目の前の便座に座っている。
彼女は泣きながら手首を切っていた。
鮮やかな赤色が、彼女の半身を染めていた。
慌ててドアを閉めると「どうしました?」と声がかけられた。
件の姫が温タオルを持って、不思議そうな顔で彼を見ている。
見てはいけないものを見たような気がして、彼は何も言えなかったという。
それでも彼は、することはしっかりとしてきたのだそうだ。
240:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:52:35 iiiAt+gq0
皆さんの意見を聞かせてください。
山怖アンケート
1.どんな話が好きか?
A) 実話でも創作でも、とにかく怖いor面白い話が読みたい
B) 実話でも創作でも良いが、実話っぽい書き方がイイ
C) とにかく実話でないとダメ
D) とにかく創作でないとダメ
E) ○○○みたいな話が好きだ(具体例を書いてください、コテ名でも可)
2.このスレッドをどういう風にしたいか?
a) 実話、創作、雑談、コピペ、何でもオッケー、別スレも不要
b) 本スレは実話のみ、創作は専用スレで
c) 本スレは何でもアリ、実話以外は認めない人は専用のスレへ
d) 本スレは何でもアリ、コテの書き込みは専用スレで
ID変えて複数人を装う人がいるかもしれないので
・今から19時までをエントリ期間として、参加する人は「山怖アンケートに参加」とカキコ。
・19時以降にアンケートに回答。ただしエントリのあったIDのみ有効。
という訳でよかったら協力してください。
241:本当にあった怖い名無し
09/02/28 11:52:59 iiiAt+gq0
現在のエントリ
ID:iiiAt+gq0
ID:FfawlMfZ0
ID:YgvtCDS+0
242:本当にあった怖い名無し
09/02/28 12:03:09 Fqnmy5SG0
>>236
・・・なるほろ。
243:本当にあった怖い名無し
09/02/28 12:14:34 h+evyfE+O
うちのすぐ近所に湧き水が汲める場所があります。
名水の本にも載っていますが、すごい田舎で山際です。
人もきません。
月に一度くらい行きますが、そのうちの2・3回、何とも言い表しようがない、嫌な、とても生臭いときがありました。そんなときは早く汲んで帰ります。ゆっくりしてても嫌な臭いを嗅ぐだけだからね。
244:本当にあった怖い名無し
09/02/28 12:41:43 z7eGgXYt0
親が友達何人かと山にハイキングにいったときなんですが、
急に一人が道を外れてものすごい勢いでのぼりはじめたそうで、
みんなで追いかけてつかまえたら、その人、正気の目ではなく、
しばらくして落ち着いたら「私、何してたの?」と戻ったそうです。
高山病というほど高い山ではく、山で遭難する原因がけして
不注意や事故だけではないような気がします。
245:本当にあった怖い名無し
09/02/28 12:43:05 Fqnmy5SG0
>>243
山も生理現象を起こすんだね。。。
246:本当にあった怖い名無し
09/02/28 13:00:29 tkKvRomA0
>240
地方ごとに昔から伝わっている、創作か事実か分からない話も
アンケートの対象に入れてもらえないでしょうか?
エントリはしませんが、アンケートの結果によって決められたスレの方向性には従おうと思います
247:本当にあった怖い名無し
09/02/28 13:04:05 F5L4lyvB0
>>223
山怖アンケートに参加
1.
B) 実話でも創作でも良いが、実話っぽい書き方がイイ
2.
d) 本スレは何でもアリ、コテの書き込みは専用スレで
248:247
09/02/28 13:05:28 F5L4lyvB0
>19時以降にアンケートに回答。
あっ!
249:本当にあった怖い名無し
09/02/28 13:51:55 ZmYEbD7f0
実話でも創作でもいいけど批評とか荒らしは勘弁
250:本当にあった怖い名無し
09/02/28 14:24:31 Lx5xm1SAO
山恐アンケートに参加
一問目(A
二問目(a
要は荒らしは許さない
251:本当にあった怖い名無し
09/02/28 14:49:10 k0vx1ETEO
>>240 山怖アンケートに参加
1-A
2-a
語り口や実話・創作は不問。
ずさんでお粗末な創作を毎日書かれたら閉口するが、たまにある分には適当に読み飛ばす。
語り以外の馴れ合いとかしない分には、コテはついてても然程気にしない。
そんな感じ。
252:本当にあった怖い名無し
09/02/28 14:50:45 k0vx1ETEO
あ、エントリして回答か。ごめん。
253:本当にあった怖い名無し
09/02/28 14:53:21 awbuTa9S0
>>240
>>d) スレは何でもアリ、コテの書き込みは専用スレで
ここんとこがよくわからない。
コテハンはこのスレでは書かないでくださいってことかな?
254:本当にあった怖い名無し
09/02/28 15:29:15 ujRcueC80
>>253
c) 本スレは何でもアリ、実話以外は認めない人は専用のスレへ
d) 本スレは何でもアリ、コテの書き込みは専用スレで
これはc)荒らしの隔離か、d)コテの隔離か、の2択ってことなんじゃね?
そう深い意味のある選択肢ではないと思うぞよ。
255:本当にあった怖い名無し
09/02/28 16:06:29 D1t3T2O50
創作でもいいけど、コテで連投(同じスレに何十、何百も書く)のは勘弁。
雷鳥さんお腹いっぱい。
創作スレか自分専用スレ立てろや、って感じ。
256:223 240
09/02/28 16:34:38 iiiAt+gq0
山怖アンケート
現在のエントリ
ID:iiiAt+gq0
ID:FfawlMfZ0
ID:YgvtCDS+0
ID:F5L4lyvB0
ID:Lx5xm1SAO
ID:k0vx1ETEO
のお三方は、19~24時に改めて回答してください。
多数を装う工作を防ぐためです、念のため。
よろしくお願いします。
257:本当にあった怖い名無し
09/02/28 16:39:21 iiiAt+gq0
>>253
コテで書き込みするような自己顕示欲の強い人は
見てて不快なので、書きたければ隔離スレか自分のブログで書けよ
みたいな意見が過去にあったので、こんな質問を入れてみました。
258:本当にあった怖い名無し
09/02/28 17:06:01 /0+bHtI20
>>223
アンケートにエントリーします
19時以降にまた書き込みにきますね
>>249 にハゲドウ
感想書くたびに自演乙!とか言われるのは嫌だなあ
>>243-244
うわあ…どっちも、じわじわと怖い話しですね!
259:本当にあった怖い名無し
09/02/28 17:24:24 YgvtCDS+0
392 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/04 02:45
知り合いの話。
配達業をしていた彼が、よく通っていた山道があった。
その山道は途中で川と面しており、葦の生い茂った砂洲が見える。
いつの頃からか、その葦の繁みの中に女性が立つようになったのだという。
彼が言うには、腰までの黒い髪に白いワンピース姿で、かなりの美人だったそうだ。
最初は怪訝に思っていた彼は、そのうち彼女を眺めるのが楽しみになった。
なぜか夕刻にしか現れないのが気にはなったが。
一月ほど経つと、彼女の方も彼を意識したらしい。
彼が通ると微笑みかけるようになったのだ。
彼は手を上げて挨拶を返し、すっかり有頂天になっていた。
「次は車を止めて、直接話しかけようと思うんだ」
ドライバー仲間うちで飲んだ時に、彼はこう打ち明けた。
しかし仲間たちは皆、困ったような何ともいえない顔をした。
「車から降りるのは止めた方がいいよ、絶対に」
「どうしてさ?」
仲間たちが渋々といった感じで順番に口を開く。
「その彼女が立っているあたりな、3年前まで小さな火葬場があったんだ」
「一番近い民家でも山一つ向こうなのに、彼女はどこから来てるんだ?」
「砂洲へ渡る橋も、今は落ちてなくなっているはずだよ」
皆の酒を飲む手が止まっていたという。
260:本当にあった怖い名無し
09/02/28 17:24:44 YgvtCDS+0
393 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/04 02:47
(続き)
それ以来、彼は夕方にその山道を通るのを避けていた。
しかしある夜、急な配送が入って、仕方なく彼はこの道を通ることにした。
もう何も出ないだろうと、高をくくっていたせいもある。
砂洲のあたりまで差しかかり、彼は悲鳴を上げそうになった。
暗黒の中に、白い立ち姿がぽつんと浮かび上がっていたのだ。
ライトも届いていないのに、なぜかくっきりと見えたのだという。
急いで通り過ぎようとする彼に向かい、女は顔を上げた。
目元は見えなかったが、口元は怒りに歪んでいるのが分かった。
人間のものとは思えない鋭い尖った犬歯が覗いていた。
いきなり彼女は走り出し、葦の中を車に並んでついてくる。
アクセルをベタ踏みすると、その姿はあっという間に小さくなって背後の闇に消えた。
幸い、彼女はどうやら川を渡れない存在らしかった。
彼は金輪際、その山道には近寄らないことにしたそうだ。
次に逢ってしまうと、何かもうひどいことになりそうな気がするのだという。
261:本当にあった怖い名無し
09/02/28 17:25:11 YgvtCDS+0
457 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/05 22:44
先輩の話。
ボランティアで、地元のボーイスカウトキャンプの引率をした時のこと。
キャンプファイヤーの準備をしていた時、懐中電灯を取りにテントに帰った。
ファイヤー場所に戻る途中で、交換用の電池も持っていっておこうと思い直す。
テントに引き返した彼は愕然とした。
わずか二、三分の間に、テントの内側一杯に盛大な落書きがされていた。
様々な抽象記号や、見たこともない動物の姿が描かれていたそうだ。
落書きはまだ乾いておらず、かすかに青汁みたいな匂いがしたという。
帰宅後に部室で汚れを落としたのだが、なかなか落ちずに大変だったそうだ。
先輩はキャンプに参加した人には、この話をしていない。
262:本当にあった怖い名無し
09/02/28 17:25:32 YgvtCDS+0
458 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/05 22:47
知り合いの話。
山奥の古い廃寺でテントを張った時のこと。
その廃寺には見事な大きさの銀杏の木が二本生えていた。
夜寝ていると、テントのすぐ横で、何か重い物を引きずるような音がした。
外を照らして見たが何も動くものはおらず、彼は困惑したという。
翌朝、起きだしてテントを撤収する時、異変に気がついた。
銀杏の木が二本とも、その場所を前日とは変えていたのだ。
地面には掘り返した痕跡が見当たらなかったが、間違いなく移動していたという。
とりあえず銀杏に別れの挨拶をして、そこを立ち去ったのだそうだ。