09/03/08 09:37:11 agxHW1/I0
>>400
知人の話。
地元の山道を一人歩いていたところ、前方の繁みの中から不意に声がかけられた。
猫、好きか?
反射的に「好きだけど」と返した目の前に、ぼとんと何か降ってきた。
千切り取られた猫の首だった。瞬間激高して、怒鳴り声を上げた。
「バカヤロウ! 好きだけど、までで判断するな! 大体これは生きている猫ではない!!」
前方の繁みから気配が消えた。そうか、怖いか。
「世の理も知らない下衆にはわからないだろうが、人間さまにとって猫といえば贅沢品だ!」
気配が戻った。渋い声がたどたどしく言う。
猫、ぜいたく…どんなものだ?
笑いをこらえて、腹を立てたままの声で応える。
「オレの好きな猫は、生まれたてで器量良しの三毛猫だ。ただし尻尾は長い」
…その、首も、三毛猫の…
「ふざけるな! これは猫の首だ! 猫の一部であって全部ではなく、生きてもいない! 下衆は失せろ!」
…生まれたて…三毛猫…尻尾長い…器量は…許して…
数日後、知人は器量のいい、かわいい三毛猫を拾ったので飼うことにした。
さらに数日後、とても魅力的な女性と出合った。一瞬硬直し、すぐに悟った。
“この娘と結婚することになるんだろうなあ”
うちの子猫はなついてくれるだろうか…。