09/05/18 21:02:23 zfuLubdoP
西荻に藥鑵坂という坂が今でもあるが、昔は周囲が畑だった頃、怪事があったそうだ。
柳田國男の著書にも豊玉郡誌からの引用で、小雨の降る夕暮れに藥鑵が転がり出すとだけある。
実際の老人の聴き書きに因れば、小雨の夕暮れ、この坂を下っている人が居ると、
背後の坂の上から真っ赤に焼けた藥鑵が、狙ったように転がって来るのだそうだ。
驚いてその人が避けようと走り下ると、踵まで迫った焼けた藥鑵に、小雨の滴が当たって
チュン、チッ、チッと音を立ててるのまで聴こえたらしい。
周囲が畑の為に、恐らくは狸などの悪戯だと思われる。
藥鑵坂を下って、善福寺川があり、越してまた上がり坂になる。
藥鑵坂の近辺に兼吉っつあん坂という坂があり、この坂の上には牛殺しの松があった。
詳しくは地誌にも載っていないが、場所が西荻なので推して知るべし。