後味の悪い話 その98at OCCULT
後味の悪い話 その98 - 暇つぶし2ch205:本当にあった怖い名無し
08/12/26 00:48:23 JZFT2jho0
ガートルードのレシピの番外編。
本編は、様々な悪魔の体の一部をつなぎあわせて造られた
人造悪魔のガートルードが自分の製作方法を記したメモを探すという話。

とある高位悪魔のもとに、人間の少女が訪れた。
少女は修業中の占い師で、占いにより悪魔の居場所を突き止めたという。
ある目的のために少女は強い魔力を欲しており、悪魔の力を目当てにやって来た。
悪魔は魔力を貸すことを承諾するが、その代わりに報酬として少女の魂を要求した。
「かまわないわ ただし私が死んだ後に 占いによれば私はもうすぐ死ぬようなの」
つい先日に少女は、近い未来に自分自身が死ぬことを占いによって知ってしまったという。

占いによって知った未来のことは必ずしも実現するとは限らなかった。
だが、「少女の死」は非常に強く捉えることができたので、実現する可能性が高く思えた。
しかし、その死に至るまでの出来事や、死の際の状況などは非常に曖昧なので、
それらのことは今からでも変えられるのかもしれないと少女は思っていた。
少女は健康体で、死は事故や災害によるものと推測された。
もしかしたら大勢の人がいる場所で大惨事が起こり、それに巻き込まれて死ぬのかもしれない。
そして、少女以外の大勢の人も死ぬのかもしれない。
だとしたら、そのような事態を事前に防ぐよう努力し、他の人々を助けなければと少女は思った。
色濃くわかる自分の死は避けられないとしても。
そのためには情報を集めなければならず、
悪魔の魔力を使ってより詳しく未来を占いたいのだという。
未来が漠然としすぎているのは、少女の占いの力がまだ未熟すぎるせいもあるからだった。

自身の死を予見しながらも、それを避けようと躍起になるのではなく、
あっさり自分の命を諦めて他者を心配する少女を悪魔は面白がった。
悪魔は力の一部を貸し与えるため、片目を抜き出して少女に渡した。
少女は悪魔の家に間借りして、目玉を脇に置いて占いに徹する日々を送るようになった。
同居するうちに、少女が本当はひどく死を恐れていることに悪魔は気づいた。
ただ、人を幸せな未来に導く占い師として、他者が不幸になるかもしれないことの方が気にかかっているようだった。
悪魔はそんな少女が段々いじらしく思えてくるようになる。


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