08/09/21 02:17:48 CMGZwiEb0
科学の勝利は、わたくしたちひとりひとり犠牲を強いました。それも、非常に大きな犠牲です。
たしかに、科学は病気や苦役による悲惨さを軽減し、娯楽や利便のための道具を与えてくれたかもしれない。
しかし、科学は驚嘆すべきもののない世界にわたくしたちを置き去りにしました。
夕日はただの波長と周波数に成り果てました。宇宙の複雑さは切り刻まれ、方程式の集合と化しています。
人間としての自尊心さえもが、いまや重んじられていません。科学は、われらが地球も、そこに暮らす生きとし
生けるものも、遠大な仕組みのなかの無意味なしみにすぎないと公言しています。単なる宇宙の偶然だというのです。
私たちを結びつけるテクノロジーでさえ、逆に分断しています。誰もが電子的に世界とつながっているのにもかかわらず、
強い孤立感を覚えています。そして暴力、差別、断絶、裏切りといったものに苛まれているのです。懐疑主義が美徳になり、
シニシズムや厳格な証拠主義がひとつの見識とされるようになりました。