08/07/19 05:40:56 sxPeSbxP0
>>161
3年に及ぶ苦心惨憺の研究の末、ついにユル・ブラウンは水中の水素を燃料化するという夢を実
現させた。彼はこう考えたらしい―水素と酸素を混合する際、その比率を、両者が水中
にあるのと同じ比率にすれば、水素はいわば「喜んで」、爆発することなしに静かに結合す
るのではないだろうか、と。
彼の考えは正しかった。火花とともに両者を結合させると、それは爆発せずに内破(内
側に破裂すること)したのである。すなわち、両者は結合して水を生成しようとするが、
その体積は遥かに小さいので、この反応を密閉容器中で起こすと、真空が生じる。この気
体を細いノズルから吹き出させてタバコで火をつけると、摂氏130度程度の無色透明の炎
となった。これは水蒸気よりもわずかに厚い程度なので、腕に当てて前後に動かしても、
何の問題を起こさない。だがこれをタングステン(融点は摂氏3000度)に当てると、どういう
わけか高熱を発して蒸発してしまうのである。
どう考えても、奇妙な現象である。この炎は、単に物体を熱しているのではなく、物体
と反応しているのだ。相手がタングステンであった場合には、130で温めるかわりに、蒸発す
るほどの高温を発するようになるのである。
ある科学者によれば、恐らくブラウン気体は酸素と水素を原子状態のまま維持している。つま
り、02やH2という分子をつくらせることなく、一個の原子のまま存在させているのだろ
う、というのだ。だが、仮にそうだったとしても、分子ではなく原子からできている炎が、
なぜこのような現象を起こすのかはわからない。