09/05/24 17:33:20 ubK5nwy0O
霊
451:本当にあった怖い名無し
09/05/24 19:22:12 XNrVK4jx0
公私共に色々あってむしゃくしゃしたので、仕事帰りに偶々見かけたカラオケ店で歌って帰る事にした。
時間的に割と込んでいたんだが運良く一部屋空いていた。
何故か店員は渋っている様子だったが忙しい時間帯に一人で来たせいだろう。
曲を入力する時ふと過去の履歴を見てみようと思った。
同じ曲がずらーっと並んでいる。
余程人気なんだろうな、とは思ったものの、流行歌にはほぼ興味無し。
今日はアニソンオンリーで持ち時間全て潰す。
途中、機械の調子が悪くなったが、アカペラ上等で歌った。
冷房が効きすぎていると感じたが、時には踊りながら熱唱する間に身体は火照り、最終的には丁度いい感じになった。
ドアを何度かノックされた気がするが、最初に開けた時誰も居なかったし、酒も入っていたので気のせいだろう。
なんとなく気分が悪くなった気がするが、酒のせいだろうし歌っている間に忘れた。
ちらちらと影が躍っているような気がするが、飛蚊症ってやつだろう。
452:本当にあった怖い名無し
09/05/24 19:23:45 XNrVK4jx0
「…無視してんじゃないわよ…」
トイレから帰ると部屋の片隅に制服姿の女の子がやや俯き加減に座っていた。
長い黒髪で顔ははっきり見えないが、見たことある気もしないでもないがどう考えても知らない顔。
部屋間違えたのかと焦ったがそうでもない。
「部屋間違えてません?」
思いっきり不機嫌だったのが出てたのだろう、女の子は一瞬怯えた表情を浮かべて目をそらせる。
「ほらさっさと出てってくださいよ」
「そ、…そんなわけには行かないわ…大体ここはアタシが先に入ってたんだから…」
「はぁ?」
自分でも怖くなるくらい不機嫌な声。
だが女の子も怯みつつ食いついてくる。
「私はずっとここに居たわ…!居たって言ったら居ーたーのー!!」
何故か涙目。
「じゃあ勝手にどうぞ」
「…え…?」
だんだん面倒臭くなったので彼女は放置する。
まだ横で何だかんだ言っているが意識からシャットアウト、次の曲を予約しようとして―
「おいこら何勝手に予約やりかえてやがる!?」
予約していた曲をオールリセット、さらにさっき履歴で見た曲で全て埋めている。
「あ、あんな変てこな歌よりこっちの方が断然いいからよ!」
「ほっほぉう」
何気にマイクを握り締めていただけではなく歌い始めた彼女の姿に俺の中で何かが切れた。
453:本当にあった怖い名無し
09/05/24 19:26:58 XNrVK4jx0
傍から見ればかなーり怪しかっただろうというのは認める。
まぁ見てる人なんていないが。
件の歌は暗めの曲調。
それを哀感を漂わせて囁くように歌う彼女。
歌唱力はあるのだろう。まともに聞いていないのでなんともいえないが。
こっちは曲無し。
馬鹿みたいにお気楽な某アニメ主題歌を、腹の底から声を出して歌う。
多少外そうが歌詞を間違えようが気にしない。
デーブルを挟んで向かい合わせる位置に立ち。
途中延長し、お互い同じ歌を歌い続けること3時間。
こちらが間奏に入ったのと同タイミングだったので、彼女が音を大きく外したのがわかった。
流石に気に障って彼女の方を伺うと、彼女は彼女で黙って俯き震えている。
と思ったらこちらをキッと睨んできた上マイクを投げつけてきやがった。慌てて避ける。
文句を言おうとしたが、ほんのちょっと目を離した隙に部屋から出て行っていたのか、居なくなっていた。
忍者か。
こっちも疲れたのでその日はそれで切り上げた。
454:本当にあった怖い名無し
09/05/24 19:28:50 XNrVK4jx0
それ以来だ。
店自体はそこそこ雰囲気が良かったのでそれなりに通うようになったのだが、
大抵空いているあの部屋で一人カラオケの時に限り、奴が勝手に部屋に入り込んでいる。
で、いつもそのまま歌勝負という流れに。
先日はいつも同じBGMも正直飽きたので、デュエットできる歌、まあアニソンなんだが、それをiPodで聞かせてやった。
「変な歌」とか抜かしやがったのでその日は奴を完全無視してイヤホンしたままその曲をリフレイン。
かなりムカついたし仕事が忙しくなった事もあり、しばらく一人カラオケはやめた。
今日は久しぶりに例の店で一人カラオケ。
例のごとく奴も出現。
だが少しは反省したらしい。
奴から入力機を奪い取ったついでに履歴を見ると、奴のお気に入り以外にそのアニソンが何回か入っていた。
本人は意地張って「他の人が」とか慌てて言い訳した末に部屋から遁走。
放っといて歌っていたら、何時の間にか戻ってきて黙って座りちらちらこちらを伺っている。
まぁなんだ、奴の歌も一回くらいはまともに聞いてやってもいいか。
455:本当にあった怖い名無し
09/05/24 19:31:03 XNrVK4jx0
いつも投下した後で誤字に気付くのは何故なんだぜ。
or2
456:本当にあった怖い名無し
09/05/24 21:04:30 PlUFD5oe0
仕様です
457:本当にあった怖い名無し
09/05/26 23:36:55 BTTArzrG0
保守なんかじゃないんだから
458:本当にあった怖い名無し
09/05/28 12:35:48 5XdAtKE10
いっそ連れ帰れよ
今更だがこのスレは寮スレだ
459:本当にあった怖い名無し
09/05/30 13:09:38 RoYVwpodO
>>454
ナイスツンデレ!
460:1/2
09/06/01 17:24:05 qOYH8mpV0
衣替えのため、押入れの中をひっくり返していた。
奥のほうから古い熊のぬいぐるみが出てきた。
何か嫌な感じがしたので戻そうと思ったが間に合わなかった。
ぬいぐるみの顔がぐにゃりとゆがんだ。まるで本物の生き物のように。
「みつかっちゃったぁ」
スロー再生しているテープのような野太い男の声でそう言い笑いだした。
忘れていた記憶がフラッシュバックした。
大事にしていた熊のぬいぐるみ。
一人っ子で且つ人見知りが激しかったので、小学校に上がるまでは唯一の友達だった。
ある日彼とかくれんぼをしようと思った。
熊を部屋の真ん中に置き、「10数えるから隠れてね」と言ってベッドに頭を伏せて数え。
振り返ると熊のぬいぐるみは本当に姿を消していた。
家中探しても見つからず、両親にはどこか外でなくしたのに嘘をついていると思われて散々叱られ、
暫くは怯えていた嫌な記憶と重なって、すっかり忘れてしまっていた。
なのに20年以上経った今、何故何度も出し入れでひっくり返している場所から出てきたのか。
461:2/2
09/06/01 17:26:37 qOYH8mpV0
くすくすと笑う熊を見おろす。
子供の頃は両手で抱きかかえるくらい大きかったのにな。
さらに色はくすみ埃で汚れ、ところどころほころんでいる。
「つぎはぁ、きみのばんだよぉ」
「先ずは風呂」
「えっ」
じたばた暴れるぬいぐるみを片手でぶら下げ洗濯ネットに押し込み洗濯機に放り込みスイッチオン。
悲鳴が聞こえたが無視。すぐに静かになる。
脱水が終わり明らかに目を回している熊をネットのまま吊るして陰干し。
衣替えの続きをしていたら目を覚ましたのだろう「だせーだしてー」と野太い声でわめき出した。
「なら乾燥機に入る?」と訊いたらおとなしくなった。
で、乾いた所でほころびの補修。
色あせはどうしようもないが、それ以外は完璧に仕上がった。
「さあかくれんぼしよう。こんどはきみがかくれるばん」
仕切りなおしだという感じでソファーの上で偉そうに仁王立ちする熊。オッサン声も耳になじんできた。
「何で今頃出てきたの?」
「え?い、いや?そんなことないよ?じぶんからでてったらかくれんぼにならないじゃないかわすれられちゃったのかなぁとふあんになったとかそんなわけじゃないからな」
早口になっても声が高くなるわけじゃないのか。そりゃまあそうだ。
「そうか、そうだよね。実際熊さん上手に隠れすぎたから忘れちゃってたけどね」
「!!!」
シビアな現実にショックを受けてがっくりと崩れ落ちる熊。
ぬいぐるみの癖に喜怒哀楽の表現が豊かで見ていて楽しい。
「私は家事とかで結構忙しいけど、娘がそろそろ幼稚園から帰ってくるから、かくれんぼ以外で相手してくれるとありがたいな」
「なんでそんなこt…むすめ!?」
浦島状態でプチパニックの熊さん。
娘とも良い友人になってくれると信じている。
「娘の相手をしてくれないならこのゴm…えっとビニール袋の中にはいtt」
「かくれんぼいがいであそぶというとままごととかおにごっことかかたのしそうだなはっはっはぁー!」
462:本当にあった怖い名無し
09/06/04 21:02:45 +d2kJNIH0
幽霊に取り憑かれた。
中略
冥界の門の前は思ったよりも混んでいる。
「はぐれちゃいそうだね。手、握ろうか?」
「なっ、なれなれしいわよバカっ!死んじゃえっ!!」
そう言ってそっぽを向きつつこちらに差し出されてる白く細い手を以下省略保守
463:本当にあった怖い名無し
09/06/05 22:08:09 VxGSmByT0
ワッフルワッフ(ry
464:本当にあった怖い名無し
09/06/06 07:27:45 yeNE4f0J0
こんなに下がっててどうすんのよ、
あんた馬鹿ぁ?
465:1/7
09/06/08 15:28:49 Hp0h2cZd0
1
昔の夢を見た。
幼い頃に親の都合で二週間だけ田舎の親戚の家に預けられた時の事。
そこで出会った同い年の女の子とささやかな約束を交わした。
何故そんな夢を見たかというと、その時出来た男友達から会おうと連絡があったから。
女の子との約束はずっと覚えていたけれどなかなか実現出来ずもやもやしていたから。
で、現在山の中を迷走中。夜の山道は歩くものじゃない。
約束の場所への道案内を買って出た旧友は「大丈夫」を繰り返すだけで今一信用ならない。
「迷ってないか?」と問うても「タバコは標準装備だし線香も持って来たから大丈夫」と訳のわからない返答するし。
そもそもお前まだ未成年では。
466:2/7
09/06/08 15:31:20 Hp0h2cZd0
2
どの位彷徨っただろうか。
闇の中を蛙の声がこだましている。
木々の間をすぅっと光が抜けていく。
光を追いかけるとすぐに目的地にたどり着いた。
渓流を中心に、地上に降りた星のように乱舞する無数の光。
そして清流のほとりには、あの子が立っていた。
心得ているといわんばかりに黙って少し上流側へ離れる友達。
俺は女の子の元へ近寄っていった。
「何か用?」
つっけんどんな態度の彼女。視線は渓流の方を向いている。
「うん」
俺も彼女と並んで光の舞を眺めた。
沈黙が蛙の合唱で埋められる。
「約束、忘れた事は無かったよ」
ぽつりと口にする。
「ウソつき」
彼女の声は冷たい。
言い訳はしない。実際俺は、約束を守れなかったから。
記憶の中の彼女の姿は、背丈は今の俺の腰より少し高いくらい、色白で、柔らかに波打つ長い黒髪と、くっきりとした顔立ち。
誰の目から見ても愛らしいと思える少女は、大人になればとびきりの美人になった筈だ。
すっかり約束を忘れてしまった彼女に昔話だと笑われる事をずっと夢見ていた。
けれど。
今目の前に立つ彼女の姿は、昔と何一つ変わっていなかった。
467:3/7
09/06/08 15:33:43 Hp0h2cZd0
3
『待っていたの、ずっと』
囁く声が耳に届いた。
顔をあげると、清流の対岸に影が見えた。
横に居た筈の彼女が何時の間にか移動したのか。
『寂しかった』
違う。彼女はまだ横に立ち、唇を結んだまま水面を眺めている。
何時の間にか蛙の合唱は止まっていた。木々のざわめきも、水のせせらぎも聞こえない。
『寂しい』『ずっと待ってた』『ウソつき』『裏切り者』
緑を帯びた蛍のものとは違う、赤く暗い仄かな光が何時の間にか混ざっていた。
それらが囁きながらまとわりついてくる。
『苦しい』『苦しい』『苦しい』『クルシイ』
光はぺたりと身体にくっつくと、ゲル状のものに変化した。
そうしてあっという間に全身が覆われていく。
『ヒトリハイヤ』
突然足元の感触がなくなった。
渓流に落ちた、訳ではないだろう。
流れは感じない。水面も底も見えないほど深く、岸の見えない広く暗い水の中。
ぷちぷちぷちぷち、音を立てて大小さまざまな大きさの泡が周りを取り囲む。
その一つ一つの泡の中に顔が見えた。
苦悶、哀惜、憤怒、後悔、そして絶望に染まった顔。
『クルシイクルシイクルシイクルシイクルシイ』
泡が俺の口から鼻から身体の内へ入ろうとしてくる。
必死にもがき、泳ぎ、手で振り払った。
けれど水を掻く水流によって若干離れるだけで、泡はまたすぐに迫ってくる。
こんな状況の中で、俺は無意識に泡の中に彼女を探していた。
泡を振り切れないでいた。
468:4/7
09/06/08 15:35:59 Hp0h2cZd0
横の方からすぅっと光が流れて来るのが見えた。
蛍のようだが、こんな異質な水底でそんなものが飛ぶ筈はない。
思わず身を硬くして構えたが、光は俺をやり過ごし通り過ぎた。
そして、泡に触れ。
閃光と強い衝撃を伴って弾けた。
闇の向こうで無数の光が舞っている。
どんどんこちらへ近づいてくる。それを見た泡の中の顔が怯んだように感じた。
俺は殆どやけくそ気味に光の群れの方へ泳いでいった。
次々とすれ違う光。
そして後ろから水を伝わって続け様に襲ってくる衝撃。
巻き込まれないように必死に泳ぎ続けた。
ほんの少し水が苦く感じた。
次の瞬間には突然巻き起こったすさまじいうねりに飲み込まれた。
469:5/7
09/06/08 15:37:24 Hp0h2cZd0
4
蛙の合唱と渓流のせせらぎが耳に届いた。
目を開けると、元の沢のほとりに立っていた。
何も無かったように。
いや、若干の違和感を残して。
独特の煙りの臭いが鼻を突く。
上流側でタバコを吸っている奴がいるようだ。
彼女もそちらを半眼で睨みつけている。
その指先に止まっていた小さな光が視線の先にすぅっと流れて行ったかと思うと、ぱちんと弾ける音と小さな悲鳴が聞こえてきた。
俺は漸く違和感の理由に気が付いた。
渓流中を乱舞していた光が全て消え失せていた。
470:6/7
09/06/08 15:39:02 Hp0h2cZd0
「あーあ、嫌になっちゃう。何でこうなるのかしら」
彼女は背中を向けたままだった。
「頑張って集めたのよ、鬼火。
その、そう、全部貴方にぶつけるつもりだったんだから。
なのに人の復讐に勝手に乗っかろうとする邪魔な奴等が目障りだったからってそっちにぶつけてたら思ったより多くって」
だんだん尻すぼみに小さくなる声。
「取っておいた最後の一つもあの変な奴に使っちゃった…」
寂しそうにうなだれ、小さな両手はきゅっと拳を握っている。
そんな彼女を思わず抱きしめようとしたが、無情にも俺の両手は何の抵抗もなく彼女の身体をすり抜けていった。
戸惑っている間に彼女がこちらに向き直っていた。
無表情で押し黙ったまま俺を見上げていた。
右手をすっと持ち上げ、後ろにくっと引く。
そして俺の頬目掛けて打ち付けられた小さな掌は、矢張り俺の身体を突き抜けた。
「触れるわけ無いわ。私は幽霊なんだから」
今にも泣き出しそうに瞳が揺れていた。
彼女が亡くなったのは俺が居なくなって一ヵ月もしない頃だったらしい。
それから十数年。
彼女はずっと待っていてくれたのか。
「約束、覚えていたよ」
彼女と視線を合わせるために膝をつき、まっすぐ顔を覗き込む。
「…嘘」
「会いに来れなかったのは謝るよ。でも、約束はちゃんと覚えてた」
きゅっと唇をかむ彼女。
「誕生日、おめでとう」
こらえきれなくなったのだろう、涙が、白い頬を伝い落ちた。
471:7/7
09/06/08 15:40:41 Hp0h2cZd0
5
途中ではぐれた友達が「チビブスツルペタ」だの毒吐きながら数時間遅れて現れる意味不明なハプニングもあったが。
小高い場所で朝を待つ。
やがて朝日に照らされ輝く、谷間をなみなみと満たす水。
彼女と出会ったあの渓流は、今はダムの底に沈んでしまっている。
『彼女の誕生日にあの渓流で一緒に蛍を見る』という約束は、二度と叶えられない筈だった。
あの幻のような不思議な時間を、俺は一生忘れないだろう。
それはそれでいいんだが。
「とっとと離れろツルペタ」
「五月蝿いわよロリコン。貴方は黙って私の乗り物に徹していればいいの」
夜になり、飯を一緒にと誘いに行った友達の肩に乗っかっている彼女が、しっかりはっきりばっちり見えた。
「会いたいってのは叶っただろうが!あ、真逆前に言ってたコイツとデートとかキスし」
「わー、わー、わー!!」
良くわからないが、どうも取り憑かれているのは友達らしい。
取り敢えず、コブ付きではあるが今後も彼女とちょくちょく会えるらしいという事は理解した。
472:本当にあった怖い名無し
09/06/08 22:31:50 Lp/7kW+cO
gj
473:タマネギ ◆xb8eIST5.k
09/06/09 14:30:09 QDX7yLhz0
私はいつの間にか死んでいた。トラックが目の前に迫ってくるのが最後に見た光景。
あまりのインパクトにそれ以外のことは思い出せない。
それから、私はここにいる。ガードレール脇のかれそうな老木の根元に。
いつも私が死んだ場所に花を添えてくれる人がいる。
誰なのかしら。彼は。
晴れの日も、雨の日も、雪の日も。
そんな姿に興味をもって声をかけた。
「だれ、あなた」
彼は驚いて逃げ出した。もうこないだろう。寂しくなんかない。
けれど次の日も彼はきた。どうやら私を探しているようだった。
仕方なく声をかける。
「こわくないの?」
彼はなにかをしゃべる。私には聞き取れない。霊とはそういうものかと納得する。
「私に声は届かないの」
彼は寂しそうな表情をした。それから、花をそえ、私に一礼して帰っていった。
次の日も彼は来た。
私はまた、彼に姿を見せる。別に彼に興味があるわけじゃない。ひまだから。
彼は何か私に語りかけ、花と一緒にケーキを供えた。
「私は食べれないのよ」
彼はバツが悪そうな顔をして、線香をたくと供えたケーキを平らげた。
そしてまた一礼して去っていく。
彼はいったい誰なんだろう。私はそれから彼のことが気にかかり始めた。
いや、別に彼のこと自体を気にかけているわけじゃない。なぜ、毎日来るのかが気になるだけだ。
きっと生前の私は探偵並みの好奇心を持っていたんだろう。
しかし、その日から彼はぱったりと来なくなった。
夏の暑い日だった。
474:タマネギ ◆xb8eIST5.k
09/06/09 14:32:17 QDX7yLhz0
なぜこないのかしら? なにかあったのかしら?
体調を崩していたの? 仕事が大変なの? 引っ越したのかしら?
時を追うごとに気になってくる。
次、あったら飛び切りの笑顔でも見せてあげようか。
きっとびっくりするな。もしかしたら照れて顔を上げれなくなるかも。
べ、別に彼を喜ばせようとしてるわけじゃないんだから。驚かせたいだけなの。
時は一巡りし、暑い夏が来た。
彼が花をもってやってきた。私は驚いた。
もう、びっくりさせたかったのは私の方なのに。
私は彼の前に現れようとして気がついた。
彼の横には女性がいた。
すべてわかった。わかってしまった。
彼には好きな女性ができたのだ。
私を必要としなくなったのだ。あの夏の日。
そしてきっと、今日私に別れを告げに来たのだろう。
彼は女性と幸せそうな顔で花を手向けている。
キモチワルイ・・・。幸せそうな顔で私を見下している。
死んだ私にはできない、幸せそうな笑顔。
私は先月その寿命を終えた老木に手を添えた。倒れろと思いを込めて。
老木は難なく倒れ男女を下敷きにした。
それから、ここには霊が出るようになった。
姉と妹と弟の霊が。
「お姉ちゃん、なんてことすんのよ」
「ひどいよ、せっかく妹を連れてきたのに、嫉妬で殺すなんて」
「ば、馬鹿っ、私は記憶を失ってたんだからしょうがないでしょ!!」
夜な夜な三人で喧嘩をしているそうだ。
475:タマネギ ◆xb8eIST5.k
09/06/09 16:53:01 QDX7yLhz0
夜な夜な壁がなる。
ゴッゴッゴッ。入居したその夜から怪異は続いていた。
3LDKで家賃8万。どっかの田舎なら当たり前だろうが、ここは都心だ。
ありえない値段。だが、飛びついた。
だから、後悔はしていない。もともと、仕事が忙しくあまり家にも帰らなかったから。
だが、リストラで家に長い時間いるようになり、この音に次第にいらだち始めた。
最初はヘッドフォンして寝ていた。だが、ゴッゴッゴッの異音が耳につき目覚めるとヘッドフォンはいつの間にか外れてベッド脇にある。
だったら音には音だということで、バスの聞いたメタルをかけながら寝ているといつの間にかデッキの電源が切れていて、異音で目が覚める。
異音は俺がおきたら止む。
畜生、こん畜生。無職だからって馬鹿にしやがって。
だったら原因を探ってやる。
そう考えるのは当たり前だろ?
俺は景気付けにビールを煽り、一服して気持ちを落ち着けて眠りについた。
正確には寝た振りをした。
ゴッゴッゴッ。薄目で音の出所を探す。ゴッゴッゴッ。耳を澄ます。
「そぉこだぁっ!!」勢いよく飛び上がり音の出所に隠し持ったトンカチを振り下ろした。
ボスっ。という鈍い音がして穴が開いた。
穴をのぞくと白いものがのぞいて…
476:タマネギ ◆xb8eIST5.k
09/06/09 16:56:30 QDX7yLhz0
「変態!!」思い切り頬を張られた。
「変態変態大変態!」トンカチで作られた小さな穴は内側から大きく押し広げられ白骨が現れた。
「エッチスケッチワンタッチ!!」と勢いよく叫んで出て行った。
放心状態の俺はそれをどうしようもなく、見送っていた。
と気がつくと、部屋の中がなんだか焦げ臭い。
「馬鹿っ!!早く消しなさいよ、変態!!」見ると白骨がバスタオルをまとってバケツを持ってきていた。
一緒に消火活動をいそしむ。
なんとか小火ですんだ。
「まったくあんたは、私がいないとだめなんだから」ぷいっと白骨はそっぽ向いてはき捨てる。
「え」
「ヘッドフォンしたままで寝てて首に絡ませたり、大音量の音楽で隣家の住民に迷惑かけたり、火を消し忘れたり」
「え」
「別にあんたのためじゃないのよ。周りの住民に被害がいくでしょ」とかいいながら白骨は両指をくねらせている。
「そのくせ、いきなり私の裸をみるなんて」そりゃ、一糸まとっていなかったけど…。
「仕方ないわ。これからきちんとあなたを躾けてあげる。」ズイッと顔を近づけてくる。
「勘違いするんじゃないわよ、壁から出してくれたお礼なんだから、あんたのことが好きなんじゃないから!!」
ずびしっと指を突きつけられる。
はらりとバスタオルが落ちた。
「へんたぁああああいい!!」バシッと大きな音がこだました。
その日から、俺の生活は規則正しくなった。
いま、俺はハローワークに通っている。やけに手の込んだ手作り弁当をもって。
477:本当にあった怖い名無し
09/06/09 21:10:15 +aq3CKME0
(・∀・)イイ!!
478:本当にあった怖い名無し
09/06/09 21:42:17 IwsXkAVu0
かわいいなあ。でも白骨死体
479:本当にあった怖い名無し
09/06/09 23:53:38 gDCP/MKrO
タマネギ氏、久し振りだねー
480:本当にあった怖い名無し
09/06/14 17:46:40 r2W/YL9X0
軒下に、女がぶら下がっている。
時々ぶらぶらと揺れている。
「いやそこ違うから」
『五月蝿いわね、私の勝手でしょ』
普段は裏庭の木にぶら下がっているのだが、
梅雨時は傘、夏になれば風鈴、秋には干し柿、冬には大根と一緒に並ぶ。
嫌な人も泥棒も、そして何故か害虫も入らない。
女の一人暮らしで、冷房無し且つ建付け悪い古い家なんで、
ありがたいと言えばありがたいのだが。
481:本当にあった怖い名無し
09/06/14 21:18:43 3rvnBM9P0
ぶらさがり健康法だな
482:本当にあった怖い名無し
09/06/18 02:03:01 eobXqO0JO
つんつんちんちん
483:本当にあった怖い名無し
09/06/20 21:20:46 tf5aDtRDO
ほ
484:本当にあった怖い名無し
09/06/21 00:21:34 GuxNLyJw0
ろ
485:本当にあった怖い名無し
09/06/21 07:01:46 yK+9wExfO
酔
486:本当にあった怖い名無し
09/06/21 08:39:14 16Z783XO0
い
487:本当にあった怖い名無し
09/06/21 09:43:05 wspNW1R0O
ツ
488:本当にあった怖い名無し
09/06/21 12:25:59 8j0zC7Hq0
ン
489:本当にあった怖い名無し
09/06/21 12:26:41 hWcYMp6OO
やたら……ばっかでマジキチっぽいツンデ霊の話が好きだった
男の首絞めたり風呂覗いたりしてたんだけど誰かタイトル知らない?
まとめにあるのかな
レイポンの話久しぶりに見て思い出したんだ
490:本当にあった怖い名無し
09/06/22 21:22:49 1YFGQVRG0
突然の大雨に家路を急いでいた時の事。
人のいないほぼ真っ暗な神社脇の道を駆けていると、道の真ん中に立派な和傘が開いたまま落ちていた。
あたりを見回しても持ち主らしき人物はいない。
借りようか迷っていると、風も無いのに傘が転がりながら近づいてきた。
そして俺の目前まで来ると、すうっと傘が浮き上がる。
まるで見えない誰かが持ち上げたように。
その時偶然稲光で辺りが明るく照らされた。立て続けに雷鳴が轟く。
同時に傘が飛び跳ねた。
「キャー!キャー!!嫌ー!!」
悲鳴を上げ、傘は再び地面に転がった。
見なかったことにして迂回しようとしたんだが、
「置いて行ったら怨みます!絶対絶対祟りますから!!」
と震える声で言われたので仕方なく傘を差して帰宅した。
なんとなく重く感じた左腕は、傘の下だったにも関わらず何故かびっしょり濡れていた。
傘は今でも家に居る。
雨の日には強制的に同行させられる。朝晴れている日でも事前にわかるらしい。
雷雨の時は「和服美女に腕をとられて相合傘」をしている様に周囲には見えるらしい。
いや、俺には傘しか見えません。
そして冷やかされる度に「そ、そんな破廉恥な事する筈ありません!!」と、
ばっさばっさ開いたり閉じたりされる。
それより何より最初に冷やかされて以来、和傘の手入れを調べている俺が居る…。
491:本当にあった怖い名無し
09/06/23 18:39:29 wAzsc9TOO
>>489
お、『寂しいな…』じゃないかな?
確か四人目だから、まだwikiには無いね。まとめサイトの方へドゾ。
492:たまねぎツンデレ ◆Ud2P019Ub.SG
09/06/25 16:04:29 N/hVI3SX0
wiki、見たら凄く懐かしかった。管理人さん、お疲れ様。
493:本当にあった怖い名無し
09/06/27 11:28:38 DXu1cThF0
いらないかもしれないけど保守
494:本当にあった怖い名無し
09/06/28 02:48:41 LgELYOQL0
一応保守
495:本当にあった怖い名無し
09/07/01 21:33:31 9tiDFnMP0
ほ
496:本当にあった怖い名無し
09/07/01 21:47:04 YTKvHgvm0
け
497:本当にあった怖い名無し
09/07/01 22:04:57 XTzGjqlp0
きょ
498:本当にあった怖い名無し
09/07/05 07:48:30 9h3c/07WO
何故『ほけきょ』w
保守だろ、保守w
499:本当にあった怖い名無し
09/07/06 11:45:19 TJhK3KJM0
海の沖で、女が一人、あれは溺れているんじゃなかろうか。
周囲には俺以外誰もいない。
仕方ない。意を決して俺は飛び込んだ。
のはいいが、元々泳ぎは苦手な俺。
さらに服着たままだと泳ぎにくいのな。うを、足つった!ぐほ、水飲んだ!
誰か助けて!
目を覚ますと、ドアップの女の顔が目の前にあった。
白い頬に張り付いた濡れ髪がとても色っぽい。
彼女は安堵の笑みを浮かべていたが、直ぐに慌ててのけぞるように離れてそっぽを向かれた。
彼女の頬が赤いし、何だかちらちら見られてるし、微妙な空気。
「えっと…ひょっとして人工呼k」
「あ、あくまで人命救助よ勘違いしないでね!!」
きっと睨まれる。
「あ、後、泳げないくせに他人を助けようなんて無茶もいいとこよ!」
うねうねとくねる蛇状の下半身。
「危な、じゃなくて泳げない奴は溺れさせる前に自分で沈んじゃうんだから、た、楽しくないでしょ!」
言い捨てると逃げるような勢いで海に向かう彼女。
「泳げるようになったらまた来てもいい?」
一応たずねてみたら、きょとんとした顔で振り返られた後、「馬鹿?」と言われた。
「じゃあ、泳げなくても会いに来ていい?」
と聞いたら一瞬考え込んだ後真っ赤になって、また「馬鹿」と言われた。
その辺りの海は、遊泳禁止になっている。
何でも女の妖怪によって溺死させられるかららしい。
実際には離岸流が何とからしいけど。
500:.んはあ~
09/07/07 11:23:07 pmmjQkAs0
__ 。。 。
/ `ヽ|ノ_ノ
l ,-、 / ゚ w゚) < 500
( ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)
\_|_____○/
501:本当にあった怖い名無し
09/07/10 01:49:12 gRgdlL/tO
ちょっと海行って溺れてくるノシ
502:本当にあった怖い名無し
09/07/10 16:03:30 SJlqDeLlO
いってらノシ
503:本当にあった怖い名無し
09/07/13 19:37:37 SR8KdD6j0
俺は孤高の錬金術師。
某エルリ○ク兄弟のように徒党を組んだりはしない、一匹狼だ。
なぜなら独りだからだ。ていうか、なぜだか独りだからだ。
俺の崇高な理念を理解できる人間がいないせいだろう。だから悔しくなどない。
……ほんとうだからな。
例の某兄弟は俺に雷鳴の如き閃きを与えてくれた。
先に言っておくが、パクリではない。オマージュっていうかつまりそのアレだ。
とにかく天才の俺だからこそ、こんなアイデアを思いつくことができたのだ。
「さてイキナリだが、そこの名も知らぬ亡霊よ」
「まったくもっていきなりね」
「できれば1レスに収めたい主義なんだ」
「わけわかんない。アタマ沸いてんの?バカみたいな顔してバカなの?」
ムカつく女だ。俺の理想とする被検体の適性には程遠い性格をしてやがる。
だが、まあいいだろう。どうせヤることはいっしょだ。
俺は持参した人形のうなじの辺りに錬成陣―印を描きいれた。
「いまからおまえをこの人形に定着させる」
「なにそれキモイ ヤだ」
「キモイ!? キサマァ! 俺のアリスをバカにするな!」
自らモデリングした3DCGを基に、かのオリエン○ト工業に作っていただいた精巧な人形、
イヤ理想の女、アリスへのあんまりすぎる評価に、俺は思わず声を荒げた。
くそ落ちけつ俺。冷静に事を運ぶのだ。
504:本当にあった怖い名無し
09/07/13 19:39:03 SR8KdD6j0
「それで私がソレに乗り移ったとして、なにするつもり」
「なにっ…て。いや? タダの…好奇心?」
「なんで疑問系なの」
「…………」
「変態」
「なんでだよ?! まだなにもいってねーだろ!!」
「変態!変態!変態!」
「チクショウもういいや! おとなしくしろっ!」
俺は裂帛の気合とともに印に力を送りこんだ。
女の姿が魔封波よろしく螺旋を描いて人形へと吸いこまれてゆく。
「や、やめ――」
中空から響いていた叫び声が、アリスの喉もとへと移動したのを確認し、俺は歓喜した。成功だ。
「気分はどうだ」
「……最悪…身体って、こんなに重かった…?」
生身? は久しぶりなのだろう、アリスの姿をしたそれは、つらそうに背中を丸めて立ち上がった。
「でも、この地面の硬い感触。生きてるって感じがする」
「そうかそれはよかったところでだ」
「イ・ヤ」
凄まじい形相で睨まれた。
くそう。なまじっか理想の外見にしてしまっただけに、拒まれると弱いな。
しかもなにやらなにからなにまでバレバレらしい。……まだなにも言ってないのに。
「アテが外れて残念ね。だけど、おもしろそうだからこのカラダは貰ってあげる」
「ちょ、それは特注の…! 高かったんだぞ! 」
『アリス』は小首を傾げて少し考えたのち、悪戯っ子のような、無邪気で残酷な笑みを浮かべてこう言った。
「そうだ。『私の』カラダを作ってくれたら考えてあげる」
――くそったれ。
505:本当にあった怖い名無し
09/07/13 19:39:58 SR8KdD6j0
それから。
俺はそのクソ生意気な女の身体を再現するために働くこととなった。
女の注文は細かく、俺のモデリングにいろいろと口を出してきた。
どうやら俺の見た姿と、本人が思いこんでいる容姿との間には相当の差異があるらしく、作業は難航した。
まったくうるさいやつだ。化粧なしでそんなアイラインの人間がいるはずがねー。
乳はそんなに垂れてないだと? 直で見たことないから、自己申告のバストサイズにしたらこーなったんだよ。
リアルの人間なら絶対にこーなる。わかったか垂れチチ野郎。
ああ?そこは作らなくていいって? そういうわけにいくか俺は完璧主義なんだよ。
てゆーか最も重要なぐはっっ!?
万事そんな調子だから、調整に手間取ってしかたなかった。
俺が頭を悩ませているというのに、あいつは手に入れた身体でふらふらと出歩いては現世を満喫しているようだった。
金がないから気に入った服が買えないと言っては、自分で裁縫したりした。見事に生地が全滅した。カンベンしてくれ。
仔犬を拾ってきたりもしてくれやがった。錬金術師たるもの、アトリエ、いや、家で動物を飼うわけにはいかない。
一歩間違えばザ・フライだ。
そう告げたところ、庭に勝手に犬小屋を建て始めた。俺はまったく手伝わなかったのでだいぶ苦労したようだが、
一応のところ、完成したようだった。不恰好極まるシロモノで、まるで木でできたカマクラだったが、本人は満足気だった。
肝心の仔犬はどこかへ行ってしまったけれども。
急に夕食を作ると言い出し、買出しに連行されたりもした。
……食える食材を使ってなぜこんなにも体に害のありそうな物体を生み出せるのか、不思議だった。
つーかてメーは食う必要ねーじゃん? とんでもねぇイヤがらせだ。なに笑ってんだこのサドめ。
506:本当にあった怖い名無し
09/07/13 19:40:52 SR8KdD6j0
納入の日。
完成した人形を、ふたりで眺めていた。
長かった。疲れた。ケンカばっかりしてたし。退屈はしなかったが。
女はさすがに感慨深いのか、妙にしおらしかった。
「こんなふうに人と話したり、いっしょにお出かけしたりとか、もう、ないと思ってた」
「死人だからなあ」
「ありがと」
「おう。おまえはもっと感謝するべきだ」
「うん」
「…………」
「なによ」
調子狂うな。背中が痒くてしかたない。さっさと仕事するか。
「じゃあ、そっち移すぞ」
「あ。さいごに」
「なんだよ」
「へ、ヘンなことしたら承知しないからね!」
「? するもなにもねーだろ」
させてくれねーんだから。
動かないうちに縄で縛っておこうかと考えていたのはヒミツだ。
さあ、仕上げだ。
俺は印を新たな人形に描きこんだ。慎重に、力を送りこむ。前回と同じように。
その人形が、動くことはなかった。
507:本当にあった怖い名無し
09/07/13 19:41:51 SR8KdD6j0
俺は孤高の錬金術師。
いま、錬成に失敗したもえないゴミを中和剤にすべきか、それともロードするかで悩んでいる。
いやあ、扱いが難しい+3が従属してたのを見逃してたよ。
あのとき。
霊の存在は、術のさなかに掻き消えた。くだらない捨て台詞を遺して。
まったくなんて勝手な女だ。
文句ばかりで、無愛想で、不器用で。どうしようもないやつだった。
(アンタに言われたくないわよ!)
部屋の隅の人形が、そういう目で見ている気がした。
508:本当にあった怖い名無し
09/07/14 01:12:10 peuvJySL0
コレは新しい!!
509:本当にあった怖い名無し
09/07/16 06:36:05 ppjlNQs/O
新し過ぎるだろw
510:本当にあった怖い名無し
09/07/18 15:49:27 PQ8qAdY30
はげます
511:本当にあった怖い名無し
09/07/18 16:03:34 fau/FMaL0
鳥肌怨読棺
一人の語りべ 国生さゆりが、世にも恐ろしい奇々怪々な物語を朗読。
番組中には毎回、アッと驚く『恐怖の仕掛け』も隠されています。
最新のオリジナル怪奇伝説から、「番町皿屋敷」「牡丹灯籠」など
古典怪談を現代的シチュエーションに書き下ろした物語まで幅広く
ラインナップ。素肌をつぅ~と一筋の汗が流れ落ち、背筋がスーッと
冷え切る。通勤通学の電車内での、新しい「聴き読書スタイル」とし
ても注目です。1話5分
URLリンク(beetv.jp)
512:本当にあった怖い名無し
09/07/20 21:52:12 L2xWaSTtO
>>491
それです
どうもありがとう
513:本当にあった怖い名無し
09/07/21 19:46:51 gk0kLS+EO
日本の夏
ツンデ霊の夏
514:本当にあった怖い名無し
09/07/24 02:22:02 cOM3D6Le0
515:本当にあった怖い名無し
09/07/26 19:20:31 e+lX44TiO
「虫がうるせー。蝉か」
「お前がうるせーよ」
「なんだとこの野郎」
「幽霊が喋んなよチッ」
「舌打ち。なんて女々しい野郎だ」
「除霊祭開催すんぞコラ」
「フハハやってみろ。できるんならな」
「……」
「無能が。寝れ」
「……俺はおばあちゃんに会いたかったのに」
「ババコンかよ。きめぇ」
「…うるせぇ」
「へこみやがった。降霊祭もこなせない腑抜けが」
「……うるせぇ」
「無能が。寝れ」
「……」
「腑抜けが」
「……」
「無能め」
「……」
「寝やがった」
「……」
「……半月もしたら連れて来てやるから心配すんな」
516:本当にあった怖い名無し
09/07/26 22:09:57 PonPapiY0
ばぁちゃん・・・・・
517:本当にあった怖い名無し
09/07/29 22:08:54 tqqAqSdy0
ほ
518:本当にあった怖い名無し
09/07/29 22:17:53 vvMjoAE70
し
519:本当にあった怖い名無し
09/07/29 22:48:40 UapEWHUN0
の
520:本当にあった怖い名無し
09/07/29 22:50:47 Nb4geFeh0
カ
521:本当にあった怖い名無し
09/07/29 23:54:45 dx7kPYHl0
ー
522:本当にあった怖い名無し
09/07/30 00:00:11 /EpG90qE0
ビ
523:本当にあった怖い名無し
09/07/30 00:00:32 UapEWHUN0
ィ
524:本当にあった怖い名無し
09/07/30 10:16:21 3bn8Pf590
. ____
, ´ `ヽ ◯
/ (_) (__\
/) , -― ―--、
/ _ / \ O
/ (_/ , -―――- 、r{ o
/ / / V
ト、) / / ‐― ―‐- i
, ´ ̄i i / "" r~i ""ト、
l .! V i__l / i
ヽ__,く__ (__ハ i / /
`⌒``ー‐ ゝ-- ――――' --- ′
525:本当にあった怖い名無し
09/07/30 10:45:28 cKRjYA3z0
>>517-524
おまえらwww
526:本当にあった怖い名無し
09/08/04 03:27:48 3VqsugDJ0
何故こんな形で癒されなきゃならないんだwwwwww
527:本当にあった怖い名無し
09/08/07 01:21:14 U+YDnZG+O
ほしゅ
528:タイプA
09/08/10 22:53:14 Pn+fa1yK0
予備校に幽霊が出るという噂は聞いていた。
初めて見かけた時、彼女はとても寂しそうに見えた。
だからつい声を掛けた。
『こんな問題もわからないの。本格的にどうにもならないわね』
「やーめーてー」
河川敷の木陰に設置されたベンチで広げた参考書。
彼女は僕の左側に座り、僕のノートをチェックする。ここ最近の日課だ。
清楚なお嬢様タイプの彼女。見た目どおり成績はかなり良かったようだが。
幽霊だからだろうか、どうも無表情というか、冷淡というか。
『何故この程度の問題で悩むのかしら』
「どうせ僕は頭悪いです」
『そうね』
にべもないい物言いに落ち込む一方の僕。先日の模試の結果も最悪だった。
「ああ、受験なんてもうやめちゃおうかな」
『貴方の勝手になさいな』
「うぅ」
がっくり肩を落としながら彼女を上目遣いに見上げる。
ちらりとこちらを伺ったのだろう彼女と目があった。慌てたように目をそらす彼女。
強めの風が吹いてきて参考書が飛ばされそうになった。
慌てて押さえる僕と彼女。
尤も彼女の手は、参考書も重なる筈の僕の手も突き抜けてしまったけど。
一瞬浮かんだ寂しそうな表情を見て、何故か悪い事をしてしまった気になる僕。
「うーん。もうちょっと頑張ってみようかな」
『そう。悪あがきだと思うけど、私も暇だし貴方の気が済むまで付き合ってあげてもいいわ』
口調は相変わらずだが、何故だろう、彼女の横顔は心なしか楽しそうに見えた。
529:タイプB-1
09/08/10 22:56:20 Pn+fa1yK0
予備校に幽霊が出るというのは聞いていた。
ただの噂だと思っていた。
『あったま悪ー。こんな問題もわかんないんだー』
「うるせー!」
こないだまで俺は霊感無しのはずだったのに。
何ですかこれは。俺の頭の高さでふわふわ宙に浮いている半透明の女子は。
しかも何で俺にずっとくっついてきやがりますか?
見た目はかなり可愛いのだが、性格は…。
『参考書の後ろにエロ本はっけーん』
「うわやめれー!」
くっそう、壁抜けが出来るからって机の中も本棚の裏もチェックされまくる。
「つかお前そもそもなんで俺について回るんだよ!?」
『っ…それは、…面白そうだから、よ!』
一瞬戸惑ったように見えたが、やや逆切れ風味に大声を上げつつ奴はパンチを繰り出した。
当然の事ながら何の抵抗なく突き抜けたのだが、奴はそのまま身体ごと俺を突き抜けていくと、『ばーか』と悪態を吐いて出て行った。
その後も予備校で奴の姿はちょくちょく見かけたが、俺を見ると逃げるように居なくなる。
俺が気にする必要はないんだが。
気にしていたら成績に反映した。
530:タイプB-2
09/08/10 22:57:59 Pn+fa1yK0
『本当にあったま悪ー』
模試の結果が出た日。久しぶりに奴が俺の前に現れたと思ったら、即それですか。
「誰のせいだと…」
『誰のせいよ?』
「…俺のせいです」
マジ落ち込み気味の俺だったが、けらけら笑う奴を見て、何だかどうでも良くなってきた。
ついでにもう一つ解った事。
「俺、お前が好きなのかもしれん」
奴は何を言われたのかわからなかったのだろう、暫くほうけた顔をしていた。
『…ぇ?え!?いやあの、アタシ、えっと』
しどろもどろになる奴。
「まああれだ、受験終わるまでそういうのあれだけど、第一志望合格したら付き合ってくれ」
『あ、あ、頭悪い男子は嫌いって言うかそれって今のアンタの成績だと絶対付き合えないって言ってるのと同じだから!』
うを、クリティカルヒット!ダメージ三倍!
床にがっくり崩れ落ちている間に奴は姿を消した。
最近の奴は最初そうしていたように、いつも俺の頭の高さでふわふわ浮いている。
『アンタの本気度を確かめてるだけだから』とか言っている。
普段参考書の問題を解いている時、間違えていると溜息つかれる。時々具体的に指摘もしてくれる。
そういう時には必ず『頭悪すぎて見てられないだけだから』と注釈がつくが。
おかげで成績は上向き、第一志望も希望圏に入りそうだ。
531:タイプC?
09/08/12 00:27:17 c4rN7M/h0
左京区の自宅に幽霊が出るという噂は聞いていた。
初めて見かけた時、彼はとても暇そうに見えた。
だからつい声を掛けた。
『このような問題もわからないのですか。本格的にどうしようもないと言うしかありませんね』
「やっやめてください!」
河川敷の木陰に設置されたベンチで広げた参考書。
彼は僕の左側に座り、僕のノートをチェックする。ここ最近の日課だ。
典型的な学者タイプの彼、というか先生。見た目どおり成績はいいどころの騒ぎじゃない。中間子理論だし。
幽霊だからだろうか、どうも無表情というか、冷静というか。生前のままというか。
『なにゆえこの程度の問題で悩むのでしょうか』
「どうせ僕は頭悪いです」
『良い悪いを評価できる水準では…』
にべもないい物言いに落ち込む一方の僕。先日の模試の結果も最悪だった。
「ああ、受験なんてもうやめちゃおうかな」
『悪いことはいいません。その方があなたのためです』
「うぅ」
がっくり肩を落としながら先生を上目遣いに見上げる。
ちらりとこちらを伺ったのだろう先生と目があった。慌てたように目をそらす先生。
強めの風が吹いてきて参考書が飛ばされそうになった。
慌てて押さえる僕と先生。
尤も先生の手は、参考書も重なる筈の僕の手も突き抜けてしまったけど。
一瞬浮かんだ寂しそうな表情を見て、何故か悪い事をしてしまった気になる僕。
「うーん。もうちょっと頑張ってみようかな」
『確かに帝大も力が落ちたと聞いていますが、しかしいくら何でもあなたの実力では。尤も私も暇ですから付き合うのは吝かではありませんが』
口調も相変わらずだし、何故だろう、先生の横顔は心なしかやるせなさそうに見えた。
532:本当にあった怖い名無し
09/08/12 01:51:32 HoHDqZ2+0
>>517-524ワロタ
533:本当にあった怖い名無し
09/08/12 16:47:42 Wo+FjnXHO
>>528-531
素晴らしい
これぞツンデ霊
534:本当にあった怖い名無し
09/08/12 17:12:02 VXMfk8e10
生前学者だった幽霊って幸せだろうな
生きていたら観測できない謎の現象だらけだし
海洋や宇宙も行き放題だし幼女のパンツ見放題だし
ちょっと死んでくるノシ